小室等作曲の歌詞一覧リスト  108曲中 1-108曲を表示

全1ページ中 1ページを表示
108曲中 1-108曲を表示
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
さすらいの唄 新曲小室等 新曲小室等唐十郎小室等「かえるが鳴くから帰るなら、 帰る家のない子に かえるは何て鳴くんだろ? やはり カエロー カエローと鳴いてらあ。 帰る家のある子のために鳴いて 帰れなくなっちまった かえるも いるんだろうなあ。」  ある夕方のこと 風が俺らに伝えたさ この町の果てで あの子が 死にかけていると 俺は走った 呼んでみたさ だけど 俺を呼ぶ声はなかったさ  ある夜のこと 風が俺らに伝えたさ この町の果てで 死んだ子がいると 俺は走った 呼んでみたさ だけど 俺を待つ墓はなかったさ  それからある時 風が俺らに伝えたさ この町の果てで あの子が俺を呼んでると 俺は走らぬ 言ってやったさ それは風のいたずらだと
蝉しぐれ 新曲小室等 新曲小室等及川恒平小室等しぐれよ 蝉しぐれ 遠い夏 耳を押さえても指の隙間から 忍びこむ悲しい歌よ 枯れて落ちなければ 花ではない恋ではないと そんなふうに聞こえる日が 不意に来ました  しぐれよ 蝉しぐれ 長い道 人のいのちを季節にたとえれば ひとめぐりしたのでしょうか 今は息の音が 聞こえるほど静かだけれど 胸の奥の蝉しぐれは 鳴きやみません
別れの歌 新曲小室等 新曲小室等佐々木幹郎小室等きみのまえに 蛍もいなければ 雪もなかった まどろみの中で 歌はおわり まぶたの先で 沈丁花が匂う  きみのまえに 光あふれ 空へとのぼり 大地へ降りて まぶたの中で 漂うのは 鳥かもしれない  きみのまえに 漂うのは 鳥かもしれない どこへも飛ばぬよう どこへも行かぬよう けれど鳴き声は 世界中にひびく  きみのまえに 蛍もいなければ 雪もなかった まぶたの先で 沈丁花が匂う どこで生まれたのか この悲しみは
けれど 別れには 新曲小室等 新曲小室等佐々木幹郎小室等けれど 別れには 悲しみを超えて 雨のしずくのその先に落ちる したたる夢の明るさ 取り残された人の ここにいることの確かさ  何を失ったか わからないままに 歩いてきた足跡のままに 白い霧がわたしたちを癒す その上にある 満天の星  もの言わぬ 地上の紫陽花 愛していたコーヒーカップ 鳴り止んだスマートフォン 永遠に笑顔の写真 時が止まり  それでも 小鳥たちは鳴き 緑の枝の風のうなり 別れた人の声が 遠くから聴こえる 「地上とは思い出ならずや」 この甘味さを誰が知るだろう
だれかが風の中で 新曲小室等 新曲小室等和田夏十小室等どこかで だれかが きっと待っていてくれる くもは焼け 道は乾き 陽はいつまでも沈まない こころはむかし死んだ ほほえみには会ったこともない きのうなんか知らない きょうは旅をひとり けれどもどこかで おまえは待っていてくれる きっとおまえは 風の中で待っている  どこかで だれかが きっと待っていてくれる 血は流れ 皮は裂ける 痛みは生きているしるしだ いくつ峠をこえた どこにもふるさとはない 泣くやつはだれだ このうえ何がほしい けれどもどこかで おまえは待っていてくれる きっとおまえは 風の中で待っている
 新曲小室等 新曲小室等黒田三郎小室等それは美しい伯母様の家へ行く道であった それは木いちごの実る森へ行く道であった それは夕暮ひそかに電話をかけに行く道であった 崩れ落ちた町のなかに 道だけが昔ながらに残っている  いそがしげに過ぎてゆく見知らぬひとびとよ それぞれがそれぞれの中に違った心をもって それぞれの行先に消えてゆくなかに 僕は一個の荷物のように置き去られて 僕は僕に与えられた自由を思い出す  右に行くのも左に行くのも今は僕の自由である  戦い敗れた故国に帰り すべてのものの失われたなかに いたずらに昔ながらに残っている道に立ち 今さら僕は思う 右に行くのも左に行くのも僕の自由である
見えない配達夫 新曲小室等 新曲小室等茨木のり子小室等三月 桃の花はひらき 五月 藤の花々はいっせいに乱れ 九月 葡萄の棚に葡萄は重く 十一月 青い蜜柑は熟れはじめる  地の下には少しまぬけな配達夫がいて 帽子をあみだにペダルをふんでいるのだろう かれらは伝える 根から根へ 逝きやすい季節のこころを  世界中の桃の木に 世界中のレモンの木に すべての植物たちのもとへ どっさりの手紙 どっさりの指令 かれらもまごつく とりわけ春と秋には  えんどうの花の咲くときや どんぐりの実の落ちるときが 北と南で少しづつずれたりするのも きっとそのせいにちがいない  秋のしだいに深まってゆく朝 いちぢくをもいでいると 古参の配達夫に叱られている へまなアルバイト達の気配があった  三月 雛のあられを切り 五月 メーデーのうた巷にながれ 九月 稲と台風とをやぶにらみ 十一月 あまたの若者があまたの娘と盃を交す  地の上にも国籍不明の郵便局があって 見えない配達夫がとても律義に走っている かれらは伝える ひとびとへ 逝きやすい時代のこころを  世界中の窓々に 世界中の扉々に すべての民族の朝と夜とに どっさりの暗示 どっさりの警告 かれらもまごつく 大戦の後や 荒廃の地では  ルネッサンスの花咲くときや 革命の実のみのるときが 北と南で少しづつずれたりするのも きっとそのせいにちがいない  未知の年があける朝 じっとまぶたをあわせると 虚無を肥料に咲き出ようとする 人間たちの花々もあった
銀座ヤマハのラブソング 新曲小室等 新曲小室等小室等小室等銀座四丁目から 新橋に向かうと そこは七丁目 銀座ヤマハ 銀座ヤマハ ヤマハのラブソング 銀座ヤマハ ヤマハのラブソング  きみに会いたくて ヤマハに行った きみの働く 楽譜売り場に 銀座ヤマハ ヤマハのラブソング 銀座ヤマハ ヤマハのラブソング  楽譜売り場には 新しいソングブック ジョーン・バエズもPPMも ボブ・ディランもいて 輸入楽譜に 心は弾む そこは七丁目 銀座ヤマハ 銀座ヤマハ ヤマハのラブソング 銀座ヤマハ ヤマハのラブソング  楽譜売り場から 日比谷公園 時間あるまで いつまでも歩いた 気がつけば七丁目 銀座ヤマハ 銀座ヤマハ ヤマハのラブソング 銀座ヤマハ ヤマハのラブソング 銀座ヤマハ ヤマハのラブソング 銀座ヤマハ ヤマハのラブソング
葬いは俺が出す千葉真一千葉真一及川恒平小室等寺島尚彦走れ 都会のジャングルを 獲物を狙うヒョウの様に  今だ 撃鉄を起こすんだ ぴったりと照準を合わせろ  引き金を引け 廃墟をでっち上げろ  足許に一輪の花が咲いていても お前は決っして立ち止まりはしない  走れ 都会のジャングルを 獲物を狙うヒョウの様に  今だ 撃鉄を起こすんだ 真直ぐに暗闇を見詰めろ  引き金を引け あの空を打ち落とせ  何処かに平和な日々があったとしても お前は醒めた一べつをくれる丈だ  走れ 都会のジャングルを 獲物を狙うヒョウの様に  いいんだ お前は走れ
ぼくはムギを知らない六文銭六文銭及川恒平小室等六文銭ぼくはムギを知らない 粉のムギしか知らない ぼくはムギを知らない 粉のムギしか知らない  ムギの写真をたくさん目にして ムギを知らずに 生きてきたのだ ムギを知らずに 生きてきたのだ  札幌市民としては 大して困らずに 日本国民としても 大して困らずに 地球人としては さてどうだったのか  ぼくはムギを知らない 酒のムギしか知らない ぼくはムギを知らない 酒のムギしか知らない  ムギという字をたくさん目にして ムギを知らずに 生きてきたのだ ムギを知らずに 生きてきたのだ  札幌市民としては 大して困らずに 日本国民としても 大して困らずに 地球人としては さてどうだったのか  ぼくはムギを知らない 粉のムギしか知らない ぼくはムギを知らない 酒のムギしか知らない ぼくはムギを知らない
六文銭六文銭黒田三郎小室等六文銭それは美しい伯母様の家へ行く道であった それは木いちごの実る森へ行く道であった それは夕暮ひそかに電話をかけに行く道であった 崩れ落ちた町のなかに 道だけが昔ながらに残っている  いそがしげに過ぎてゆく見知らぬひとびとよ それぞれがそれぞれの中に違った心をもって それぞれの行先に消えてゆくなかに 僕は一個の荷物のように置き去られて 僕は僕に与えられた自由を思い出す  右に行くのも左に行くのも今は僕の自由である  戦い敗れた故国に帰り すべてのものの失われたなかに いたずらに昔ながらに残っている道に立ち 今さら僕は思う 右に行くのも左に行くのも僕の自由である
長い夢六文銭六文銭小室等小室等六文銭何かが待っているわけでもなく 絶望を抱えているわけでもない さほどの意味があるわけじゃない 船に乗り合わせたのは 偶然のこと おかしなことだけど あてどないことだけど それでも船には 夢が乗っている Sail away, sail away 長い夢の船出 きみの夢と 僕の夢を乗せ 長い航海に出る  子供が聞く「船長は誰?」 大人は答えられず 船は進む わだかまりの中に 笑顔を見せ 盃の中に 言葉を沈める おかしなことだけど あてどないことだけど それでも船には 夢が乗っている Sail away, sail away 長い夢の船出 きみの夢と 僕の夢を乗せ 長い航海に出る
それは遠くの街六文銭六文銭別役実小室等六文銭そこに小さな街があって そこにささやかな生活がある  街に小さな波止場があって 街に小さな飛行場があって 街に小さな停車場がある  それはしあわせの街 それはしあわせの人々  いつかどこかで何かが起きて 波止場には船が来なくなった 飛行場には飛行機が来なくなった 停車場には汽車が来なくなった  いつかどこかで何かが起きて 小さな街は捨てられた いつかどこかで何かが起きて 小さな街は忘れられた  それは遠くの街 それは遠い人々  捨てられても忘れられても そこに小さな街があって そこにささやかな生活がある  捨てられても忘れられても そこに小さな街があって そこにささやかな生活がある
お葬式が行く六文銭六文銭別役実小室等六文銭ごらんあそこを あの街角を お葬式が行く とぼとぼと ノボリを立てて カネを鳴らして  きっとお母さんが死んで 子供が泣いている  ごらんあそこを あの土手の上を お葬式が行く ぞろぞろと 風に吹かれて 雲に追われて  きっと恋人が死んで 婚約者が泣いている  ごらんあそこを あの空の彼方を お葬式が行く すいすいと 月面をよぎって 星星をくぐって  きっと名も無き人が死んで 名も無き人が泣いている  行け行けお葬式 はるかなる墓地へ 飛べ飛べお葬式 宇宙の彼方へ
こん・りん・ざい六文銭六文銭小室等小室等六文銭こん・りん・ざい こん・りん・ざい こん・りん・ざい こん・りん・ざい  すこし前まで人は 口を揃えて言ってた  こん・りん・ざい こん・りん・ざい こん・りん・ざい こん・りん・ざい  戦争だけは こん・りん・ざい 戦争だけは こん・りん・ざい  こん・りん・ざい こん・りん・ざい
てんでばらばら~山羊汁の未練~六文銭六文銭佐々木幹郎小室等六文銭てんでばらばら 電動ミシンのうなり声が響く 路地の乾いた呪文よ ここから先は海であり 海にひそむ民族であり 梅雨どきの トタン壁にしがみつく 蔦の濃緑! に眼を射られて かがみこむほどの暑さだ! いっそ裸足で歩いて 頭に長靴でもかぶせたらどうだ キムさんはそう言うのであり 俺は ひねた山羊の肋肉を頬ばりながら 盗むときの眼で 焼酎を飲むのであり 肋の中に舌を差し込むのである  音もなく 破れた窓ガラスのバスが 遠い光州の町を走り過ぎる 銃を持った青年達が 笑顔で手をふっている 昨日見たテレビの画面に 音はなく 水まじりのコーヒーを飲んでから 俺は恋人を自転車の荷台に乗せて 駅まで送った 「あなたの眼は蜘蛛みたいだわ」 いきなり悩んだ 羽子板みたいに 壁の方を向いて  追いつくか 長靴を頭にして  追いつくか 山羊汁の中の青紫蘇の葉に 追いつくか 「人民に銃を向けるな」という 横断幕のある町で 追いつけるかなあ 俺の坐っているテーブルに 処刑前の予感を! 路地から路地 サンダル作りの電動ミシンの響きに 腹をゆすられながら キムさんと俺は てんでばらばら 汁をすするのに 懸命になるのである けんめいになる
熱い風六文銭六文銭小室等小室等六文銭熱い風 吹いてた 街角に 吹いてた さしのべる きみの手 うけたのは ぼくだね 誰もが みな叫ぶ 俺たちの 時代だと ひたすらに 信じて どこまでも 走った  今はもう 人影はなく 路上には デジャブー 幻想の 過ぎゆく季節の中で くりかえす 思い出に タイム・ラグ  熱い風 吹いてた 街角に 吹いてた あいつらは 待ってた 街角で 待ってた 確かな 思いと 自由のうたに 乾杯 たどりつく ところも わからずに 走った  夕焼けは 砂の蜃気楼 朝焼けは メモリー 幻想の 暮れゆく時代の中で ふりむけば遠い日に タイム・ラグ
わたしは月にはいかないだろう六文銭六文銭大岡信小室等六文銭わたしは月にはいかないだろう わたしは領土をもたないだろう わたしは唄をもつだろう  飛び魚になり あのひとを追いかけるだろう  わたしは炎と洪水になり わたしの四季を作るだろう  わたしはわたしを脱ぎ捨てるだろう 血と汗のめぐる地球の岸に わたしは月にはいかないだろう
風と夢小室等小室等谷川俊太郎小室等どこから吹いてくるのだろう やさしい風 むごい風 どこへ吹いてゆくのだろう 風は怒り 風はほほえむ  傷ついた大地の上に 風が夢を運んでくる  苦しみの昨日から 歓びの明日へと  誰のこころに住むのだろう 楽しい夢 つらい夢 どんな未来見るのだろう 夢は実り 夢ははじける  よみがえる大地の上に 夢が風を巻き起こす  こころからこころへと ひとりからひとりへと
希望について私は書きしるす小室等小室等谷川俊太郎小室等希望は全身で笑っているひとりの子どもにある その子の上の青空にある だがもっと強い希望はもう泣く力もなく ぼんやりと座っているひとりの餓えた子どもにある その子の下の大地にある そうしてもっとも強い希望は 死んでしまったすべての子どもにある その子らの姿を思い描くひとつの無名の心にある  風よ どこの国のものでもない風よ なんの主張もせぬ旗を ひるがえせ春の野に
詩人の死小室等小室等谷川俊太郎小室等あなたはもういない 立ち去ったのではない 連れ去られたのでもない 人間をやめただけ  八月のあの炎天下 プラカードを掲げながら 国民でも人民でも市民でもなかった詩人 ただの自分でしかなかったあなた  あなたを読むことができる 否定することもできる でももう傷つけることができない  思い出へと追いやらずに私は生き続ける ただひとりのあなたとともに 大勢の呟きと合唱と怒声に逆らって
すきになると小室等小室等谷川俊太郎小室等すきになるのがぼくはすき だれかがぼくをきらいでも ぼくはだれかをすきでいたい すきなきもちがつよければ きらわれたってすきでいられる  なにかをすきになるのもぼくはすき すきになるともっとそれをしりたくなる しればしるほどおもしろくなる それがうつくしいとおもえてくる それがそこにあるのがふしぎなきもち  だれかをなにかをすきになると こころとからだがあったかくなる かなしいこともわすれてしまう だれともけんかをしたくなくなる すきなきもちがぼくはすき
こどもとおとな小室等小室等谷川俊太郎小室等きみはこども ぼくはおとな きみはちいさい ぼくはおおきい でもおなじ いのちのおもさ  あなたはこども わたしはおとな あなたはよわい わたしはつよい でもおなじ わらいとなみだ  きみたちこども ぼくらはおとな きみたちおぼえる たいせつなこと ぼくらはわすれる たいせつなこと
その日-August6小室等小室等谷川俊太郎小室等苦しみという名で 呼ぶことすらできぬ苦しみが あなたの皮膚から内臓へ 内臓からこころへ こころから私が決して 行き着くことのできぬ深みへと 歴史を貫いていまも疼きつづける  その日私はそこにいなかった  今日 子どもたちの 傷ひとつない皮膚が その日と同じ太陽に輝き 焼けただれた土を養分に 木々の緑が夏を歌う 記憶は無数の文字の上で 鮮度を失いかけている  その日私はそこにいなかった  私はただ信じるしかない 怒りと痛みと悲しみの土壌にも 喜びは芽生えると 死によってさえ癒されぬ傷も いのちを滅ぼすことはないと その日はいつまでも 今日でありつづけると
おしっこ小室等小室等谷川俊太郎小室等大統領がおしっこしてる おしっこしながら考えている 戦争なんかしたくないんだ 石油がたっぷりありさえすれば  テロリストもおしっこしてる おしっこしながら考えている 自爆なんかしたくないんだ 恋人残して死にたくないもの  兵隊さんもおしっこしてる おしっこしながら考えている 殺すのっていやなもんだぜ 殺されるのはもっといやだが  男の子もおしっこしてる おしっこしながら考えている ほんとの銃を撃ってみたいな ゲームボーイじゃまどろっこしいよ  武器商人がおしっこしてる おしっこしながら考えている 銃がなければ平和は守れぬ 金がなければ自由も買えぬ  道で野良犬おしっこしてる おしっこしながら考えている 敵もいなけりゃ味方もいない ただの命を生きているだけ
死んでから小室等小室等谷川俊太郎小室等死んでからもうずいぶんたつ 痛かった思い出が死後はむず痒くなった 私という存在が何かに紛れてゆくが その何かを呼びたくとも 言葉はもう意味をなさない 見えてはいないのに青空が身近だ  生きていた頃はなにかと騒がしかったが いまは静かになった 前は聞こえなかった音が聞こえる どこか遠くでオーケストラが調弦している と思ったらそれは虹の音だった  私の骨は粉になったらしい それを海に撒き散らしたらしい 私の好みでは草原でもよかったのだが 老いては子に従えと格言は言う  これから何が起きるのか もう何も起こらないのか もうちょっと死んでみないと分からない  私は良い人間だっただろうか もうおそいかもしれないが考えてしまう  死んでからも魂は忙しい
殺す小室等小室等谷川俊太郎小室等その人は人を殺した 素手ではなく遠くから人を殺した 血は見えなかった 同情も感じなかった その日も空は青く澄んでいた  その人は人を殺した 朝起きて顔を洗ってコーヒーを飲んで それから皆と一緒に人を殺した 殺したなどとは思わずに 誰にも咎められずに  その人が殺した人は 殺されたとも気づかずに 呼吸が止まり心臓が止まり死体になったが 死んだのではなく殺されたのだ その日も赤ん坊が生まれていた  殺した人もいつか殺されるかも 殺された人もいつか殺していたかも 殺す人も殺される人もひとりになれない 仲良く統計の数字の墓場に眠って 未来の受肉を空しく待っている
しーん小室等小室等谷川俊太郎小室等しずかなのがいい おおごえはききたくない でもかみなりはきらいじゃない  しずかなのがいい せかせかはすきじゃない おっとりしてるとほっとする  しずかなのがいい げらげらわらうのもわるくないけど にこにこのほうがおちつく  しずかなのがいい ばくはつのおとはききたくない ひめいもうめきごえも  しずかなのがいい そよかぜがふいてきて ふうりんがなったりするのがすき  しずかなのがいい いびきもおならもねごともかわいいけど しーんとしたほしぞらにはかなわない
黙って小室等小室等谷川俊太郎小室等黙っていたい 木のように 黙っていたい 蟻のように 黙っていたい 空のように  ただ聞くだけ 風を 川音を 人の沈黙を 幼子の 笑い声を  黙っている 花々とともに 一枚の白紙とともに 動きやまない 雲を追って 今
木を植える小室等小室等谷川俊太郎小室等木を植える それはつぐなうこと 私たちが根こそぎにしたものを  木を植える それは夢見ること 子どもたちのすこやかな明日を  木を植える それは祈ること いのちに宿る太古からの精霊に  木を植える それは歌うこと 花と実りをもたらす風とともに  木を植える それは耳をすますこと よみがえる自然の無言の数えに  木を植える それは智恵それは力 生きとし生けるものをむすぶ
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
出発の歌CutemenCutemen及川恒平小室等CMJK乾いた空を 見上げているのは 誰だ おまえの目に 焼き付いたものは 化石の街 愛のかたちが壊れた時に 残されたものは出発の歌 さあ今 銀河の向こうに 飛んで行け  乾いた空を 見上げているのは 誰だ おまえの耳を ふさがせたものは 時計の森 自由な日々が失われた時に 残されたものは出発の歌 さあ今 銀河の向こうに 飛んで行け さあ今 銀河の向こうに 飛んで行け  さあ今 宇宙に さあ今 未来に さあ今 宇宙に さあ今 未来に 飛んで行け
あげます村上紗由里村上紗由里谷川俊太郎小室等もぎたてのりんご かじったこともあるし 海に向かってひとりで 歌ったこともある スパゲッティ食べて おしゃべりもしたし 大きな赤い風船 ふくらませたこともある あなたを好きとささやいてそして しょっぱい涙の味ももう知っている そんな私のくちびる……  いまはじめて― あなたにあげます 世界じゅうが声を ひそめるこの夜に
詩人とつばめ小室等小室等若谷和子小室等乾裕樹まどべに よりそう 影ふたつ ツバメとぼくと いつも 暮らしてた パンを焼き 花をかざり 歌い ものがたりのように 暮らしてた バイバイ 小さな丸い目よ お前は 高く 飛んでゆけ  春がゆき 夏もすぎて 今は ふたりだけの 部屋に 秋が来た かざりも おせじもなく 生きて 幸せだった時を ありがとう バイバイ 小さな丸い目よ お前は 高く 飛んでゆけ バイバイ カバンを 肩にかけ ぼくは ひとり 船に乗る
雨が空から降ればやなわらばーやなわらばー別役実小室等森正明雨が空から降れば オモイデは地面にしみこむ 雨がシトシト降れば オモイデはシトシトにじむ  黒いコーモリ傘をさして 街を歩けば あの街は雨の中 この街も雨の中 電信柱もポストも フルサトも雨の中  しょうがない 雨の日はしょうがない 公園のベンチでひとり おさかなをつれば おさかなもまた 雨の中  しょうがない 雨の日はしょうがない しょうがない 雨の日はしょうがない しょうがない 雨の日はしょうがない
おもちゃの汽車六文銭六文銭及川恒平小室等おもちゃの汽車 ホラ世界 ホラひた走れ 煙草を吸う 僕の足もとから テレビを見ている 君のひざがしらへ  おもちゃの汽車 ホラ世界 ホラひた走れ 壁の大きな 地図の上の シベリア鉄道を なぞって走れ  おもちゃの汽車 ホラ世界 ホラひた走れ ギターをひいてる 僕の足もとから 編物をしている 君のひざがしらへ  おもちゃの汽車 ホラ世界 ホラひた走れ こたつのトンネル くぐり抜ければ 朝を めがけて 夢の中  おもちゃの汽車 ホラ世界 ホラひた走れ
流星花火六文銭六文銭及川恒平小室等「下町は田舎みたいだ」って 車に乗り合わせた女の子が言う 下町育ちの小室さんは 「成程……」 と、うなずく 道産児の僕は 「そうかな……」 と、首をかしげる  田舎の縁日には 肌寒い夏の空を  流星花火が飛び交っていた  そいつが違うと 思うのだ
インドの街を象にのって六文銭六文銭及川恒平小室等印度の街を象にのって 毎日どこかへ 行くのです 麦ワラ帽子と大きな荷物 一緒にテクテク 日溜りを カスタネットがカタカタと マンドリンがチリチリと 背中で笑っているのです  印度の街を象にのって 毎日どこかへ行くのです 今日もテクテク 日溜りや またはユラユラ 月の夜 光りと影がくり返し 又くり返し通りすぎ 私の心に 絵を書いた  印度の街を象にのって 毎日どこかへ行くのです 遠い昔のママゴトや 明日の天気のことなどを 神様のように ユラユラと 考えながらユラユラと 毎日散歩するのです
詩人とつばめこおろぎ'73こおろぎ'73岩谷和子小室等まどべに よりそう 影ふたつ ツバメとぼくと いつも 暮らしてた パンを焼き 花をかざり 歌い ものがたりのように 暮らしてた バイバイ 小さな丸い目よ お前は 高く 飛んでゆけ  春がゆき 夏も過ぎて 今は ふたりだけの 部屋に 秋が来た かざりも おせじもなく 生きて 幸せだった時を ありがとう バイバイ 小さな丸い目よ お前は 高く飛んでゆけ バイバイ カバンを 肩にかけ ぼくは ひとり 船に乗る
まゆげの唄小室等&清水國明小室等&清水國明清水國明小室等犬のひたいにまゆ毛 だれがかいたかまゆ毛 りっぱな黒いまゆ毛 犬は気づいていない  みんながひとめ見て笑うから 犬もなんだか上きげん シッポを高く立てて まゆ毛キリリと上げて  まゆ毛かいただけで 犬はしあわせ ぼくらなごやか 犬はしあわせ ぼくらなごやか まゆ毛かいただけで  いたずらしちゃってごめん 笑っていたけどみんな うらやむくらいのまゆ毛 犬はいい気分  まゆ毛かいただけで 犬はしあわせ ぼくらなごやか 犬はしあわせ ぼくらなごやか まゆ毛かいただけで
老人と海中山千夏中山千夏中山千夏小室等ハダをそめあげたのは 太陽と潮 シワをきざんだのは 時の満ちしお 老人は海から生まれ 海に育ち 海で生きることしか 考えたこともない  若さに酔いしれた 昔日遠し 友も女たちも すでにまぼろし 老人は浜辺にひとり ひとり残る 岸に打ち寄せるのは 変わらぬものがたり  勝利の場面はいまも あざやかなままに 潮にくもった眼も 燃えるほどに 老人は戦ってきた さかなたちと 捕えねじふせ殺し そして愛していた  舟をこぎだせ早く 戦うものよ くちはてなんものよ いのち愛せよ 老人は海から問われ 海に応え 海へ帰ることしか 考えたこともない
雨が空から降れば本田路津子本田路津子別役実小室等深町純雨が空から降れば オモイデは地面にしみこむ 雨がシトシト降れば オモイデはシトシトにじむ 黒いコーモリ傘をさして 街を歩けば あの街は雨の中 この街も雨の中 電信柱もポストも フルサトも雨の中 しょうがない 雨の日はしょうがない 公園のベンチでひとり おさかなをつれば おさかなもまた 雨の中 しょうがない 雨の日はしょうがない………
デッドヒート小室等小室等田槙道子小室等全体 何が欲しいの 一体 何が欲しいの 街角のごみ箱あさって こねくりまわした おとぎ話 それとも 唇あわせて ぬりたくる嘘に嘘 またひとつ嘘が欲しいのかい? でも見ておくれ 僕のポケットからは もう もう何も 何も出てこない ぼくの頭は ディンドン ディンドン 逃げて追いかけて ディンドン ディンドン  全体 何が欲しいの 一体 何が欲しいの 覚めてくりかえす 昨日の夜の夢のつづき 3121、1234 (真夜中の扉の鍵の番号) 3212 (真夜中の扉の鍵の番号) 明日はどうにかなるだろうって でも見ておくれきっと ゼンマイがきれてるんだ  僕の時計はとまったきり 僕の頭は ディンドン ディンドン 逃げて追いかけて ディンドン ディンドン
淋しいのはおまえだけじゃない西田敏行西田敏行小室等小室等思い通りもならなくて すねてみせるもできなくて 真面目ぶるのも柄じゃなく 気がつきゃいつでも道化者 陽の射すところに縁などないのなら せめて酒場のネオンの下で 酔いにまかせて つぶやいてみる 「淋しいのはおまえだけじゃない」  思い寄せれば遠ざかる 街の灯りが目に痛い 甘えるところが欲しくても そこはいつでも他人(ひと)の街 グラスを片手にいつまで誰を待つ 空いたボトルに思い出そそぎ 酔いにまぎれて つぶやいてみる 「淋しいのはおまえだけじゃない」  さよならなどと言ってみて 旅立つふりをしてみても 泣いてる背中をかくせない 強がる気持ちかくせない 乾いた心に酒など流しこむ 一人芝居のいつものセリフ 酔いにただよい つぶやいてみる 「淋しいのはおまえだけじゃない」
ラジオのついたナイト・テーブル松坂慶子松坂慶子井上陽水小室等約束したのに 遅れてきたのは 気どってみたから 行く先聞かずに だまっていたのは わかっていたから  二つのベッドのあいだにあった ラジオのついた ナイト・テーブル ラジオのついた ナイト・テーブル  あまくささやきが 聞こえてきたのは 誘っていたから 口唇重ねてみつめていたのは しゃべってないから  会話のかわりに 流れた曲は ラジオのついた ナイト・テーブル ラジオのついた ナイト・テーブル  そして気がつくと あなたは一人で 眠っていたから そっとそのうちに 私も一人で 眠ってしまった  二つのベッドのあいだでうたう ラジオのついた ナイト・テーブル ラジオのついた ナイト・テーブル  ラジオのついた ナイト・テーブル ラジオのついた ナイト・テーブル
雨が空から降れば松山千春松山千春別役実小室等飛澤宏元雨が空から降れば オモイデは地面にしみこむ 雨がシトシト降れば オモイデはシトシトにじむ  黒いコーモリ傘をさして街を歩けば あの街は雨の中 この街も雨の中 電信柱もポストも フルサトも雨の中  しょうがない 雨の日はしょうがない 公園のベンチでひとり おさかなをつれば おさかなもまた 雨の中  しょうがない 雨の日はしょうがない しょうがない 雨の日はしょうがない しょうがない 雨の日はしょうがない
湯けむりの町森進一森進一山上路夫小室等若いくせして 山のふもとの 湯の町ひとりで たずねて来た 君と別れた かなしみを ここで忘れて しまえるかと 岩風呂 湯の中 目を閉じりゃ 谷川のせせらぎが 胸に胸にしみるよ 悲しみよけいに深くなる 湯けむりの町  何をしてるか 君は今頃 葉書出したら 来てくれるか はなればなれに なる前に 君と二人で 来りゃ良かった 三味の音 聞こえる どこからか この土地の歌だろうか 妙に妙にさびしい 明日は帰ろか君のもと 湯けむりの町  酒など飲んでも さびしいよ 山あいに昇る月 ひとりひとり見ている 明日は帰ろか君のもと 湯けむりの町
「さようなら」の世界森山良子森山良子及川恒平小室等瀬尾一三雨 オレンジ色の喫茶店 雨 想い出の始まり  あの日 大好きなチョコレートを ポケットに 忍ばせていた私  いつの間にか 大人になってしまった  雨 巡り会いの世界に 雨 限り無く優しい  雨 ねずみ色の公園 雨 想い出の始まり  いまガラス窓に映る影は レインコートが似合う私  いつの間にか 大人になってしまった  雨 「さようなら」の世界に 雨 限り無く優しい
雨が空から降れば小室等と六文銭小室等と六文銭別役実小室等雨が空から降れば オモイデは地面にしみこむ 雨がシトシト降れば オモイデはシトシトにじむ 黒いコーモリ傘をさして街を歩けば あの街は雨の中 この街も雨の中 電信柱もポストもフルサトも雨の中 しょうがない 雨の日はしょうがない 公園のベンチでひとり おさかなをつれば おさかなもまた雨の中 しょうがない雨の日はしょうがない… しょうがない雨の日はしょうがない
賞状小室等と六文銭小室等と六文銭滝沢耕平小室等勤続十年の賞状を はげた頭の会長とやらから 頭上高く差上げられた時 俺のつらから涙があふれた 俺の背中で俺が笑う ケラケラ俺が笑う 向学に燃えた少年の心を 引き裂くように裸行李一つ 母の顔をみずに雪の夜道を兄と歩いた  「男なら志をたてよ、十年辛抱しろ!」 十五も違う兄の言葉に やっとの心で涙をおさえた その日から俺のふるさとは俺の心に入った 金に困りたくない そんなちっぽけな気持を 向学心に変えて持ち続けた 胸を突きさす陽の道を 肌をも凍てる夜寒むの道を 身を片寄らせ出前を運んだ 幾年も年は過ぎても 俺の心に正月のやってきたのは 幾度々々だったか はげた頭の会長とやらの 「右の者は店員の模範として……」 大きな声が俺の背中に つんつんしみる
あげますのこいのこのこいのこ谷川俊太郎小室等もぎたてのリンゴをかじったこともあるし 海に向かってひとりで歌ったこともある スパゲッティ食べておしゃべりもしたし 大きな赤い風船ふくらませたこともある あなたに好きとささやいて そして しょっぱい涙の味ももう知っている  そんな私のくちびる… いまはじめてあなたにあげます 世界中が声をひそめるこの夜に
雨が空から降れば六文銭六文銭別役実小室等雨が空から降れば 想い出は 地面にしみこむ 雨が シトシト降れば 想い出は シトシトにじむ 黒いコーモリ傘をさして街を歩けば あの街は 雨の中 この街も 雨の中 電信柱も ポストも フルサトも 雨の中 しょうがない 雨の日はしょうがない 公園のベンチでひとり おさかなを つれば おさかなもまた 雨の中 しょうがない 雨の日は しょうがない しょうがない 雨の日は しょうがない
守らずにいられない小室等小室等谷川俊太郎小室等おまえをみつめていると 私は男らしさをとりもどす おまえの手はひびがきれ おまえのくちびるのわきには 小さなしわがきざまれている  おまえの心は日々の重みに 少しゆがんでいるかもしれない けれどおまえをみつめていると 私はやさしさをとりもどす 一日の新鮮さをとりもどす  おまえをみつめていると おまえを守らずにいられない あらゆる暴力から あらゆる不幸からおまえを守り こんなにも女らしいおまえを こんなにもゆたかなおまえを 私は愛さずにいられない
あげます小室等小室等谷川俊太郎小室等もぎたてのりんご かじったこともあるし 海に向かってひとりで 歌ったこともある スパゲッティ食べて おしゃべりもしたし 大きな赤い風船 ふくらませたこともある あなたを好きとささやいてそして しょっぱい涙の味ももう知っている そんな私のくちびる……  いまはじめて― あなたにあげます 世界じゅうが声を ひそめるこの夜に
三途川ロック小室等小室等高橋陸郎小室等ここは地獄の一丁目 三途の河の舟の上 彼は誰どきを振り返る 死出の山道 その果ての 夕焼け火事の沙婆世界 なつかしいとも したわしいとも 生まれかわり 死にかわり 煩悩の血のりにぬめり 色欲の火むらにあえぎ のたうちたしや のたうちたしや 百万遍
アルカディア小室等小室等かぜ耕士小室等Oh! God! こいつに幸せくれるなら 俺の願いは 全部全部 あきらめたっていいんだ  Oh! God! こいつの夢さえやれるなら 俺は苦労と いつもいつも お馴染みだから いいんだ  Oh! God! 誰もが二人に背を向ける 誰もが二人に指をさす 子犬のように追われて逃げても 意地悪な人生の虜さ 生命の果てまで こいつを抱いて 落ちて行きたい この世から どこにあるのか アルカディア  Oh! God! どうして生命が絶てるだろう 声がかれても名前を呼んで 手を取り合ってる二人さ  Oh! God! この世が二人を愛さない 俺にもこの世が愛せない だけど行く手は閉ざされふさがれ 冷たい人生の虜さ 生命のかぎりに こいつを抱けば 青く湿った街の灯に 夢のまた夢アルカディア 生命の果てまで こいつを抱いて あ……どこに行けば…… どこに……
今夜きみ小室等小室等吉増剛造小室等今夜 きみ スポーツカーにのって 流星を正面から 顔に刺青できるか きみは 風よ 風よ 風よ きみは太陽の顔までとどく だから 顔が存在する 生まれてくる子供のために ピカピカの拳銃を用意せよ 美しくなるために きみも爆発をするんだ 宇宙よ 宇宙よ きみが黙っているから ぼくは引金をひく ピカピカの拳銃を用意せよ 今夜 きみ
おさみし谷の別れ唄小室等小室等かぜ耕士小室等夜にかくれてあの人が 一人で村を出るという お淋し谷のお月様 情があるなら道かくせ 道かくせ  春も待たずにあの人が 一人で村を出るという お淋し谷の雪の子よ 今夜はつもって道かくせ 道かくせ  風にふかれてあの人が 一人で旅に出るという お淋し谷の百合の花 忘れさせるなこの谷を この谷を  何も持たずにあの人が 一人で旅に出るという お淋し谷の村ざかい 泣き泣きつくった握り飯 握り飯  夜にかくれてあの人が 一人とぼとぼ遠くなる お淋し谷のお月様 早く夜明けをあの人に あの人に
12月のうた小室等小室等茨木のり子小室等熊は もう 眠りました 栗鼠も うつら うつら 土も木々も 大きな眠りに はいりました  ふと 思い出したように 声のない 子守唄 それは こな雪 ぼたん雪  師も走る などと言って 人間だけが息つくひまなく 動きまわり 忙がしさと ひきかえに 大切なものを ポトポトと落して行きます
賞状小室等小室等滝沢耕平小室等勤続十年の賞状を はげた頭の 会長とやらから 頭上高く 差し上げられた時 俺のつらから 涙があふれた 俺の背中で 俺が笑う ケラケラ 俺が笑う  向学に燃えた 少年の心を 引き裂くように 裸行李 一つ 母の顔を見ずに 雪の夜道を兄と歩いた 男なら志を立てよ 十年辛抱しろ 十五もちがう 兄の言葉に やっとの心で 涙を押えた  その日からの 俺の ふるさとは 俺の心に はいった  金に困りたくない そんなちっぽけな気持を 向学心にかえて 持ち続けた 胸を突きさす 陽の道を 肌をも凍てる 夜寒の道を 身をかたよらせ 出前を運んだ 幾年も 年は過ぎても 俺の心に 正月の やって来たのは 幾度 幾度だったか  はげた頭の 会長とやらの 「右の者は店員の 模範として……」 大きな声が 俺の背中に つんつんしみる
私は月には行かないだろう小室等小室等大岡信小室等私は月にはいかないだろう わたしは領土をもたないだろう わたしは唄をもつだろう  飛び魚になり あのひとを追いかけるだろう わたしは炎と洪水になり わたしの四季を作るだろう  わたしはわたしを ぬぎ捨てるだろう 血と汗のめぐる地球の岸に わたしは月にはいかないだろう
曲名 歌手名 作詞者名 作曲者名 編曲者名 歌い出し
ラブソング小室等小室等白石ありす小室等今はおまえと別れようと こころに決めて 見送るはずの細い肩先 そっとふれたとき 忘れようとしたすべてが 無駄になってしまう  ふたりで見た愛の映画 そのままに いつもと変わらぬ微笑み残し 死ねたらいいと 季節の美しさがよけいに おまえを悲しませる  降りしきる雪さえも 窓辺の飾りにして 暖かな火 囲みながら おまえが唄ったラブ・ソング  数えきれない溜息に 満たされた街を 冬に身をまかせたように 歩きつづける おまえが泣いていることを 知ってしまったから  降りしきる雪さえも 窓辺の飾りにして 暖かな火 囲みながら おまえが唄ったラブ・ソング
小室等小室等白石ありす小室等風に吹かれた 吹かれたままの姿で 樹は空に燃えている  子供達は散り行き 夏は旅人 樹は後姿見つめるばかり  日盛り過ぎれば 日盛り過ぎれば もう草原の風は冷たい  遠い街の 祭の音を 樹は背伸びして聞いている  かすれた曲に 緑のゆりかご こっそり揺らしながら  日盛り過ぎれば 日盛り過ぎれば もう草原の風は冷たい
のみくらべ小室等小室等白石ありす小室等サアサア皆さん集まって 飲み較べをしようじゃないか 飲み較べをしようじゃないか そこの酒場でやつぎばや 外は早足長雨地雨 私の心は最上川 あの娘の船を海送り 悲しいけれど海送り  サアサア飲んで飲み較べ 飲んで飲んで飲み明かし  どうだい升酒つぎ込んで グイッと一息いきますか グイッと一息いきますか あんたは強いと聞いてます 流しの音頭で長唄地唄 私は下手な別れ唄 あの娘の振り袖色ぼかし 恋のあやまち色ぼかし  サアサア飲んで飲み較べ 飲んで飲んで飲み明かし
おまえがいれば小室等小室等白石ありす小室等生活かい まずまずだよ たまにはこんなふうに 酒も飲るし 休みの日は相変らずさ 好きなつり糸垂らして  ああやっと 探し当てたよ おまえの言っていた 青い背表紙 あれは愛の本なんだね 意外な面も今知らされた  どうして今 今おまえはここに 俺の隣りにいないのか どんなおまえも求めやしない ただ今 今ここに ここに居てくれさえすれば  カチリとグラスの氷が 溶けて更ける夜を どうにもできない 明日は明日でおまえのことを 平気で忘れる俺なのに  どうして今 今おまえはここに 俺の隣りにいないのか どんなおまえも求めやしない ただ今 今ここに ここに居てくれさえすれば
小室等小室等白石ありす小室等朝が橋をつくる 心ときめくひとときに ゆるやかな流れは 街をへだて始める  小さなころ見なれた 三角屋根の家並が  ほんの少しばかり 姿をかえ河岸づたい  たちどまる足元を いたずらな風が 誘うように吹きぬける  あの橋わたれ あの橋わたれ  橋に出逢えば 旅がしたいなと 誰かのひとこと  あの橋わたれ あの橋わたれ あの橋わたれ ……
一日の終りには小室等小室等白石ありす小室等一日の終りには やさしい顔と 日向の匂いの懐かしい そんな部屋がある  一日の終りには チビリチビリと そこいらにあるよな倖わせを 飲みほしていく  この人生があり 地球色の空がある 今日もどこかで  一日の終りには ポツリポツリと 柱時計が我が家の今日を 刻みつけている  この人生があり 地球色の空がある 今日もどこかで  一日の終りには 古い雑誌の やりかけのパズル・ワーク 埋めてみたりする  一日の終りには かすかな記憶 たどりたどって腕枕 そんな夜がある  この人生があり 地球色の空がある 今日もどこかで
ユイ・コムロ小室等小室等白石ありす小室等この子のすること 見てごらん もう 自分が女だってこと 知ってるような  僕の思惑や 心配など この子にとっては何でもないが それでいいさ  僕の愛のふるさとに なったこの子に 僕は僕のすべてを 投げだしてしまうだろう  怒ったり笑ったり 一人前だね くやし泣きすることも 今に覚えるさ  この子が結婚 ましてや母に… そのとき 僕はどんな顔して いるのだろう  僕の愛のふるさとに なったこの子に 僕は僕のすべてを 投げだしてしまうだろう
無題小室等小室等小室等小室等いつも いつも ぼくが きみを 見ててあげるから 安心して おやすみ  傷つけあうことに 慣れてしまった この世界 そこで ぼくらは 生まれ 育った
雨は燃えている小室等小室等白石ありす小室等激しい夏に まばたきもせず 疲れた服 脱ぎ捨てれば  雨は燃えている 雨は燃えている 私の羽根を焼いて  いつかあの子が 泣いて通った あの家もこの家も 窓を閉じ始め  雨は燃えている 雨は燃えている あの娘の影を吸いとって  「来年また 来て下さいね」と 今日で終りの 私に優しく  雨は燃えている 雨は燃えている 季節のわかれめ告げて  雨は燃えている 雨は燃えている 季節のわかれめ告げて
ゆきの季節小室等小室等白石ありす小室等凍てついた窓 彼方に 幻のような河  あたたかなココア ゆるゆるこしらえ  こんな日の 空にせつなく 鳥は雪 吐息は雪  降りてくるはずの 愛の ゆくえを追っている  まばらな人影に ひとりきりで私  こんな日の 空にせつなく 鳥は雪 吐息は雪
東京小室等小室等白石ありす小室等君ならどこへ行っても きっとうまくよれると そう 信じてるよ そして 東京 東京 僕は残るよ ここに  君 知っているだろう 僕の気持 だからなにも言わないね 最後の 最後まで  車のつづれ織り ぬければ もうすぐだよ 君を見送る そして 見送った空港  君ならどこへ行っても きっとうまくやれると そう 信じてるよ そして 東京 東京 僕は残るよ ここに  サヨナラとコンニチハが こぼれそうな駅 もう 君の思いで楽しむ やわらかな影  人の流れの中 朝をみかけた この都会(マチ)を 捨てきれないのは なぜなんだろう  君ならどこへ行っても きっとうまくやれると そう 信じてるよ そして 東京 東京 僕は残るよ ここに
都会の朝小室等小室等白石ありす小室等厚いガラスのむこうに 白い河のような高速道路 音を刻まない街のかなたに 今日がただ急ぐよ 心のままに愛して 心のままに振舞う 悲しみなんか忘れたように 都会の朝はいきづく 淋しいからこそ微笑み 始発のバスにゆられてみれば やがてざわめきとかわる街に やさしい人々がよみがえる 心のままに愛して 心のままに振舞う 悲しみなんか忘れたように 都会の朝はいきづく  赤錆びた橋の上をふたり 今日もわかれる人がいる 鳥は又いつか飛んでくるよ この空を見直したときに 心のままに愛して 心のままに振舞う 悲しみなんか忘れたように 都会の朝はいきづく
流星花火小室等小室等及川恒平小室等「下町は田舎みたいだ」って 車に乗り合わせた女の子が言う 下町育ちの小室さんは 「成程……」 と、うなずく 道産児の僕は 「そうかな……」 と、首をかしげる  田舎の縁日には 肌寒い夏の空を 流星花火が 飛び交っていた そいつが違うと 思うのだ
苦業小室等小室等黒田三郎小室等螺旋階段をのぼる 石壁にかこまれた 暗い けわしい 石の階段をのぼる 小さなランプをぶら下げながら 階段が尽きさえすれば 水平線が見えるのである。 あ 階段が尽きさえすれば!  螺旋階段をのぼる 石壁にかこまれた 暗い けわしい 石の階段をのぼる 小さなランプをぶら下げながら  とおいむかし 白々しいウソをついたことがある 愛するひとに とおいむかし
かげろうの唄小室等小室等和田夏十小室等クニ河内誰にも叱られず 誰にも知られず 誰にも罰せられず 自分だけのものがほしい  何処にでもあって いつでもあって 誰のものでもない 自分だけのものがほしい  もしも空のように もしも水のように 土のように そんなそんな 自分だけのものがないなら  一日のうちに生まれて 生きて 死んでいく かげろうに生まれかわりたい  一瞬の愛が 永遠に続き 永遠の愛が 一瞬に盡きる  もしも空のように もしも水のように 土のように そんなそんな 自分だけの愛がないなら  一日のうちに生まれて 生きて 死んでいく かげろうに生まれかわりたい
逃亡の河小室等小室等田槙道子小室等高いあの山への道 通い道 愛、愛 遠いふるさとの河 氾濫河(あばれかわ) 夢、夢 三つの顔をもつ俺たち  今日の寝ぐらはあの娘の胸 肩に背に乱れる山桜  高いあの山への道 通い道 雨、雨が降る 遠いふるさとの河 氾濫河(あばれがわ) 霧、霧にかすむ 明日にはぐれた俺たち 誰白波の無縁仏 風に風に揺れる母子草  明日にはぐれた俺たち 誰白波の無縁仏 風に風に揺れる母子草
フライング小室等小室等田槙道子小室等山脈はるか 高原のかなた ひとり旅するところ 古はるか 潮騒のかなた 幻の奇しき都 沙羅双樹の木蔭に憩う 老いたひとりの男に出会った 日暮れし里へのその道を聞けば 遠く指さし 静かに笑った  初めてぼくは知ったのさ 人の命の哀しさを 初めてぼくは知ったのさ 白く続く道の涯てを  山脈はるか 高原のかなた ひとり旅するところ 古はるか 潮騒のかなた 幻の奇しき都 緑の樹々に陽はそそぐ 光りの中でぼくは飛ぶ 梢を渡って風が吹く 風の背中でぼくは走る  山脈はるか 高原のかなた ひとり旅するところ 古はるか 潮騒のかなた 幻の奇しき都 石の温もり 夕べの市場 行き交う人々の賑わい 呼び声きいて 翼返せば 光と影がまどろんでいた  初めてぼくは知ったのさ 人の命のみじめさを 初めてぼくは知ったのさ 風と語る石の言葉  山脈はるか 高原のかなた ひとり旅するところ 古はるか 潮騒のかなた 幻の奇しき都
独り立ちの歌小室等小室等田槙道子小室等遠い空が晴れた朝には 地平さして 鳥が飛ぶよ ふるい友よ 君にさよなら 雨の日には 手紙書くさ  涙をぬぐい 訪ねてゆこう はるかな空の まだ見ぬ あの人  長い夜の 夢に目覚めて 出かけようと心に決めた 遠い空が晴れた朝には いつもの山脈 ひときは高く
12階建てのバス小室等小室等小島武小室等どこからやってくるのだろう 約束のように バスがやってくる 12階建てのバスがバスがやってくる あれは昨晩おそく 彼女に会いたくなった だから会いに行った 彼女は明るく言った あたしに何ができるの おしえてほしい 私達は花火のようになった  どこからやってくるのだろう 約束のように バスがやってくる 12階建てのバスがバスがやってくる  今朝 いつもの時間に 私は新聞を読んでいた 電話のベルがなった やさしい彼女からだった そっとしておいてほしい さようなら 私はなんにも答えなかった  どこからやってくるのだろう 約束のように バスがやってくる 12階建てのバスがバスがやってくる  午後はコーヒーを入れて 数枚の手紙をかいた きのうのことや 今日のことや 彼女にこう書いてやった こんにちは 君は美しい それから私は街をでた  どこからやってくるのだろう 約束のように バスがやってくる 12階建てのバスがバスがやってくる 知ってる人や知らない人 色んな人が乗っている 12階建てのバスが 12階建てのバスが 12階建てのバスが 12階建てのバスが バスがやってくる バスがやってくる
遙かな愛…普天間かおり普天間かおり及川恒平小室等若草恵もしも私 生きているのが一年だけなら 春の息吹をうけたらすぐに 花を抱きしめ躍りだすのよ あなたと一緒に 花を抱きしめ躍りだすのよ あなたと一緒に  もしも私 生きているのが一日だけなら 朝の日差しに目覚めてすぐに 鳥を集めて歌をうたうわ あなたと一緒に 鳥を集めて歌をうたうわ あなたと一緒に  もしも私 生きているのがひとときだけなら 誰に伝えることもしないで 風になって遠くへ行くの あなたと一緒に 風になって遠くへ行くの あなたと一緒に  もしも私 生きているのが一瞬だけなら うまれたままの心と姿 悲しみじゃない涙をそえて あげます あなたに 悲しみじゃない涙をそえて あげます あなたに
さよならだけが人生ならば六文銭六文銭寺山修司小室等さよならだけが 人生ならば また来る春は何だろう はるかなはるかな地の果てに 咲いてる野の百合何だろう  さよならだけが 人生ならば めぐりあう日は何だろう やさしいやさしい夕焼と ふたりの愛は何だろう  さよならだけが 人生ならば 建てたわが家は何だろう さみしいさみしい平原に ともす灯りは何だろう  さよならだけが 人生ならば
母と娘のデュエットソングおけいさんと安倍なつみ(モーニング娘。)おけいさんと安倍なつみ(モーニング娘。)つんく小室等小西貴雄お母さん 姉妹(きょうだい)みたいって 言われるけれど お母さん 私のGパン勝手に 履くのやめてよ  あなたは 自転車飛び乗って どこでも行くのね あなたは 本当に買い物上手で 感心してるわ  何度か泣いたね 二人して 悔しくて 寂しくて 切なくて  でも あなたがいたから がんばれた そう あなたの成長 見ることで  お母さん 今日まで ありがとう 明日からも よろしくね  お母さん 何度か失恋を した日のことを お母さん 今でも話のネタに 使うのよしてよ  あなたは 純粋なんだけど 素直じゃなくて あなたは 結局恋愛音痴ね 誰に似たのよ  何度も笑った 二人して 映画見て ケンカして 食べ過ぎて  でも 母さんいたから がんばれた そう いつも最後は 味方だもん  あなたの 元気が 大好きよ 結婚しても 遊びましょう  何度も笑った 二人して 映画見て ケンカして 食べ過ぎて  でも 母さんいたから がんばれた そう いつも最後は 味方だもん  あなたの 元気が 大好きよ 結婚しても 遊びましょう  お母さん 今日まで ありがとう 明日からも よろしくね
アルカディア ~理想郷~上條恒彦上條恒彦かぜ耕士小室等Oh! God! こいつに幸せくれるなら 俺の願いは 全部全部 あきらめたっていいんだ  Oh! God! こいつに夢さえやれるなら 俺は苦労と いつもいつも お馴染みだから いいんだ  Oh! God! 誰もが二人に背を向ける 誰もが二人に指を指す 子犬のように追われて逃げても 意地悪な人生の虜さ 生命の果てまで こいつを抱いて 落ちて行きたい この世から どこにあるのか アルカディア  Oh! God! どうして生命が絶てるだろう 声がかれても名前を呼んで 手を取り合ってる二人さ  Oh! God! この世が二人を愛さない 俺にもこの世が愛せない だけど行く手は閉ざされふさがれ 冷たい人生の虜さ 生命のかぎりに こいつを抱けば 青く湿った街の灯に 夢のまた夢アルカディア 生命のはてまで こいつを抱いて あ‥‥ どこに行けば‥‥ どこに‥‥
都会の朝上條恒彦上條恒彦白石ありす小室等厚いガラスのむこうに 白い河のような高速道路 音を刻まない街のかなたに 今日がただ急ぐよ 心のままに愛して 心のままに振舞う 悲しみなんか忘れたように 都会の朝はいきづく  淋しいからこそ微笑み 始発のバスにゆられてみれば やがてざわめきとかわる街に やさしい人々がよみがえる  心のままに愛して 心のままに振舞う 悲しみなんか忘れたように 都会の朝はいきづく  赤錆びた橋の上をふたり 今日もわかれる人がいる 鳥は又いつか飛んでくるよ この空を見直したときに  心のままに愛して 心のままに振舞う 悲しみなんか忘れたように 都会の朝はいきづく
上條恒彦上條恒彦白石ありす小室等朝が橋をつくる 心ときめくひとときに ゆるやかな流れは 街をへだて始める  小さなころ見なれた 三角屋根の家並が ほんの少しばかり 姿をかえ河岸づたい  たちどまる足元を いたずらな風が 誘うように吹きぬける あの橋わたれ あの橋わたれ  橋に出逢えば 旅がしたいなと 誰かのひとこと  あの橋わたれ あの橋わたれ
昨日はもう過ぎ去って上條恒彦上條恒彦谷川俊太郎小室等昨日はもう過ぎ去って 明日はまだ来ない 硝子戸は風に風に鳴り 紙屑は破れちぎれる 嘘 涙 怒り 誰もが黙ってさぐりあう 何を何を追っているのか すりきれた靴の下で 地球はもう地球はもう回らないというのに 遠くからひとりの女が ひたむきに駆けてくるとき 乾いた心に小さな炎が燃え上る  昨日はもう過ぎ去って 明日はまだ来ない コーヒーを飲み飲み干して 耳なれた歌にいら立つ 嘘 涙 怒り 誰もが黙ってさぐりあう 何を何を追っているのか うす暗い路地の裏で 未来はもう未来はもう行き止まりだというのに 向い合うひとりの女の ほほえみをのぞきこむとき 乾いた心に小さな痛みが血を流す
橋のうえで上條恒彦上條恒彦上條恒彦小室等ひび割れて 古ぼけた 昔ながらの この橋を 人は渡り 時は過ぎゆき 数えきれない想いや 微笑みや涙を はこんだ  ここにきて パパといっしょに 流れてゆく水を 眺めてごらん ゆるやかな流れは 遠く海へ向っている  ここにきて 子供だったパパは 流れてゆく水を ながめたものさ おまえの知らない パパのパパと おまえは あの日の私だ  おまえの瞳の中に パパはむかしの 自分を見つめる  街も森も空も 河の流れさえも 炎となったあの日から ひとりぼっちの 子供だった自分を  おまえの瞳は ふしぎな光と やさしさであふれている  おまえは走り おまえは泣きわめき おまえは笑い おまえは歌う  悲しむことさえ忘れてしまっていた むかしの私のかわりに  ラララ ラララ 歌をうたう 今は ラララ ラララ 歌をうたう 今は ラララ ラララ 歌をうたう 今は
だれかが風の中でGOLD LYLIC上條恒彦GOLD LYLIC上條恒彦和田夏十小室等どこかで だれかが きっと待っていてくれる くもは焼け 道は乾き 陽はいつまでも沈まない こころはむかし死んだ ほほえみには会ったこともない きのうなんか知らない きょうは旅をひとり けれどもどこかで おまえは待っていてくれる きっとおまえは 風の中で待っている  どこかで だれかが きっと待っていてくれる 血は流れ 皮は裂ける 痛みは生きているしるしだ いくつ峠をこえた どこにもふるさとはない 泣くやつはだれだ このうえ何がほしい けれどもどこかで おまえは待っていてくれる きっとおまえは 風の中で待っている
出発の歌 ~失われた時を求めて~上條恒彦・六文銭上條恒彦・六文銭及川恒平小室等乾いた空を 見上げているのは 誰だ  お前の目に 焼き付いたものは 化石の街  愛の形が 壊れた時に 残されたものは 出発(たびだち)の歌  さあ、今、 銀河の向こうに 飛んでゆけ  乾いた空を 見上げているのは 誰だ  お前の耳を 塞がせたものは 時計(とき)の森  自由な日々が 失われた時に 残されたものは 出発の歌  さあ、今、 銀河の向こうに 飛んでゆけ  さあ、今、宇宙に さあ、今、未来に さあ、今、宇宙に さあ、今、未来に 飛んでゆけ  さあ、今、 銀河の向こうに 飛んでゆけ
お早うの朝小室等小室等谷川俊太郎小室等ゆうべ見た夢の中で ぼくは石になっていた 見知らぬ町で人に踏まれ 声を限りに叫んでた 夜の心のくらやみから 夢はわいてくる さめても夢は消えはしない けれどお早うの朝はくる  ゆうべ見た夢の中で ぼくはきみを抱きしめた はだしの足の指の下で 何故か地球はまわってた 夜の心のくらやみから 夢はわいてくる 夢には明日がかくれている だからお早うの朝はくる  夜の心のくらやみから 夢はわいてくる 夢には明日がかくれている だからお早うの朝はくる だからお早うの朝はくる 
雨が空から降れば小室等小室等別役実小室等雨が空から 降れば オモイデは 地面にしみこむ 雨がシトシト降れば オモイデはシトシトにじむ  黒いコーモリ傘をさして 街を歩けば あの街は雨の中 この街も雨の中 電信柱もポストも フルサトも雨の中  しょうがない 雨の日はしょうがない 公園のベンチでひとり おさかなをつれば おさかなもまた 雨の中  しょうがない 雨の日はしょうがない…‥ しょうがない 雨の日はしょうがない
国境のアゼルバイジャン・コニャック小室等小室等小室等小室等まっすぐに どこまでも 凍てついて 続く道 国境のキオスクで 棚に見つけた アゼルバイジャン・コニャック  頬をなぶる雪を解かす アゼルバイジャン・コニャック きみの心熱くする アゼルバイジャン・コニャック  心配しないで 雪の道でも ドミトリーエフの腕は確かさ さあおやすみ 走り続けた 長い旅路の ひとときを  ふたりの愛の アクセルゆるむ 夜更けのモスクワの街 灯まばら アルバート通り 車停めて 朝を待つ  頬をなぶる雪を解かす アゼルバイジャン・コニャック きみの心熱くする アゼルバイジャン・コニャック  心配しないで 笑ってごらん ドミトリーエフがきみに歌うよ さあおやすみ 走り続けた 長い旅路の ひとときを  頬をなぶる雪を解かす アゼルバイジャン・コニャック きみの心熱くする アゼルバイジャン・コニャック  夜が明けたね ぼくは行くよ いつものように キスをくれるね さあおやすみ 走り続ける 長い旅路の ひとときを
朝八時小室等小室等谷川俊太郎小室等朝八時 歩道にそれぞれの影をひいて 人々は急ぎ足 ドルと円とフランとポンドが渦巻く 退屈で騒がしい一日の始まり  朝八時 誰もが心の中で何かを呟いていて 誰にも人の呟きが聞こえない ビルの肩からは朝陽 何度くり返しても日ごとに新しい朝陽  朝八時 人波にもまれながら私は呟く いちばん大切な人はただひとり その人が見つからない不幸せ その人を探しつづける幸せ
いたずらがき小室等小室等谷川俊太郎小室等私はあなたに問いかけた あなたは決して答えなかった そのかわりいつもきれいな笑顔を見せた  あなたの残していった思い出は ジグソーパズルのひとかけら 過ぎた夏の風景のどこにもはまらない  まっ白い紙を前にして いたずらがきしか書けない私 木もれ陽は写真の中で今もまぶしい  あなたの忘れていった音楽は かすれた口笛のハ短調 過ぎた夏の青空に今日もこだまする  私はあなたに問いかけた あなたは決して答えなかった……
赤いクーペ小室等小室等谷川俊太郎小室等火の山の広がる裾野 ゆるやかにほどける道を モーツアルトが歌ってくれる どこまでも走ってゆきたい サンルーフを開けて君だけをのせて この時代が終わるまで  雲うつすバックミラーに 一瞬に飛び去る時を モーツアルトがよみがえらせる いつまでも走ってゆきたい 地図は破り捨てて君だけをのせて この世界が終わるまで  透き通るフロントグラス その先を誰も知らない モーツアルトもいつかとだえて ひたすらに走ってゆくだけ ほほえみに疲れた君だけをのせて このいのちが終わるまで  止まれないもう止まれない赤いクーペ 悲しみは走りつづける 幸せを連れて
あの日 輝いていたきみに小室等小室等下島三重子小室等時はめぐり 街は変わっても 路地に入れば 思い出すよ 暗くなるのも忘れて 君と遊んだあの日のことを  The long bright path to youth 忘れない The long bright path to youth いつまでも  時はめぐり 君は旅立っても トンネル抜ければ 思い出すよ 原っぱの奥の秘密の基地 君と作ったあの日のことを  The long bright path to youth 忘れない The long bright path to youth いつまでも  時はめぐり 人は変わっても 坂をのぼれば 思い出すよ 学校からの帰り道 夢を語ったあの日のことを  The long bright path to youth 忘れない The long bright path to youth いつまでも
雨のベラルーシ小室等小室等小室等小室等思い出の街ベラルーシ きみと過ごしたベラルーシ リンゴの花をきみの 髪に飾ったあの日 まるで昨日のことのようだね きみのいない五月の 雨のベラルーシ  思い出の街ベラルーシ きみと過ごしたベラルーシ きみの肩を抱いて 歩いたソージュの岸辺 ゆるされるなら 時間よ戻れ きみのいない五月の 雨のベラルーシ  ゆるされるなら 時間よ戻れ きみのいない五月の 雨のベラルーシ
ウォーキング・マンディ・モーニング小室等小室等山元清多小室等いつもの路 ウォーキング・マンディ・モーニング 煙草くわえて ウィズこころスモーキン 空は青く どこからどこまでブルー  大通りには 春の陽シャイニング やるせなくって ちょっとウィンドウ・ショッピング ガラスの中で わたしを見ている わたし  このまえの 青空の色だけれど あの時見た あの空は もうどこにもない いいこと全部 日曜日で終わってしまった  曲り角で だれかがコーリング 柳と風に ウィズこころブローイング 振り向いたって あなたはどこにもいない  いつもの店 さめたブルー・マウンテン 雑誌めくって 頬杖シッティング 窓の向こうは まぶしいサニー・サイド・ストリート  流れてくる ラジオのスウィート・ソング 思い出しそで なんとなくスマイリング カップの中で ゆらゆら揺れてる わたし  このまえの 青空の色だけれど あの時見た あの空は もうどこにもない いいこと全部 日曜日で終わってしまった  私だけの ウォーキング・マンディ・モーニング 午前十時の 間抜けたトリッピング 空は青く どこからどこまでブルー 空は青く どこからどこまでブルー
遠い昔の春の日の小室等小室等伊東嘉雄小室等遠い昔の春の日の れんげ咲く 田んぼのあぜに やわらかに 陽はふりそそぐ 女たちは笑っていた 男たちも笑っていた 草も木も石っころも カエルも笑っていた 腹を抱えて ころげまわって 涙流して 生きることの 喜びを笑っていた 遠い昔の春の日の あれは かげろう  遠い昔の春の日に もう帰れない ぼくは もう帰れない ぼくは あいつが笑っていた あいつも笑っていた あいつはどこへ行った あいつはどこへ消えた 大き過ぎる街の 暗すぎる夜の 夜の空に向って 笑って笑って笑って せいいっぱい笑ってみるのですが 遠い昔の春の日の 音は聞こえない
青空に問いかけて小室等小室等谷川俊太郎小室等ほとばしる水の冷たさに 今日がかくれている 見えない太陽に向って鳥たちは歌い おどろいたように地平へとはばたく 答を知らぬきみにできるのはただ 明けてゆく青空に問いかけること  呼びかける声の優しさに 愛がかくれている 小さなほほえみにうずまいて友だちと出会い 悲しみの夜を明日へとめざめる 答を知らぬきみにできるのはただ 明けてゆく青空に問いかけること
ぼくたちのラストダンス小室等小室等小室等小室等もうなにも 話すことはないと きみの瞳が語ってる 取り返しのつかない 時が流れて 今 ぼくたちのさようなら  開け放つ窓の やわらかな風は 愛の後を やさしく撫でる ゆらめくカーテン 窓際のベッドに 横たわるきみと やすらかな寝息  ああ 今は遠い あの日の景色 もう戻れないあの日の 愛の日々 ああ 鳥たちはすでに 歌うのをやめて 夕闇の梢で 羽を休めてる  もうなにも 話すことはないと きみの瞳が 語ってる 取り返しのつかない 時が流れて 今 ぼくたちのさようなら  ぼくの言葉が きみを傷つけて きみの涙が ぼくを追いつめる 愛の歯車と 時の歯車が 知らず知らずに ずれてしまった  言い争いは もうやめよう 涙を拭いて 笑ってくれないか 誰のせいでも ありはしない ぼくらは少し 若かった  もうなにも 出来ることはないけど きみとぼくのラストダンス 踊り明かそう 踊って踊って 踊り明かして そして ぼくたちのさようなら  変わらないのは あの日のままの きみが笑った ぼくのステップ 今きみはぼくの 腕の中で あの日のように 笑ってる  もうなにも 出来ることはないけど きみとぼくのラストダンス 踊り明かそう 踊って踊って 踊り明かして そして ぼくたちのさようなら  まるで出会いの 時のようだね きみとぼくのラストダンス 踊り明かそう もっともっと激しく 踊り明かして 今 ぼくたちのさようなら
俺たちの朝GOLD LYLIC松崎しげるGOLD LYLIC松崎しげる谷川俊太郎小室等ほとばしる水の冷たさに 今日がかくれている 見えない太陽に 向って鳥たちは歌い おどろいたように 地平へとはばたく 答を知らぬきみに できるのはただ 明けてゆく青空に 問いかけること  聞きなれた街のざわめきに 夢がかくれている 忘れたふるさとを 求めて陸橋を渡り 雑踏の中に まぼろしをみつめる 答を知らぬきみに できるのはただ 明けてゆく青空に 問いかけること  呼びかける声の優しさに 愛がかくれている 小さなほほえみに うずまいて友だちと出会い 悲しみの夜を 明日へとめざめる 答を知らぬきみに できるのはただ 明けてゆく青空に 問いかけること  答を知らぬきみに できるのはただ 明けてゆく青空に 問いかけること
さすらいの唄根津甚八根津甚八唐十郎小室等「かえるが鳴くから帰るなら、 帰る家のない子にかえるは何て泣くんだろ? やはりカエローカエローと鳴いてらあ。 帰る家のある子のために鳴いて 帰れなくなっちまったかえるもいるんだろうな」  ある夕方のこと 風が俺らに伝えたさ この町の果てで あの子が死にかけていると 俺は走った 呼んでみたさ だけど 俺を呼ぶ声はなかったさ  ある夜のこと 風が俺らに伝えたさ この町の果てで あの子が死んだと 俺は走った 呼んでみたさ だけど 俺を待つ墓はなかったさ  それからある時 風が俺らに伝えたさ この町の果てで あの子が俺を呼んでると 俺は走らぬ 言ってやったさ それは風の いたずらだと
この大空に捨ててしまおう弘田三枝子弘田三枝子安斉さと小室等夕暮れの散歩は なぜかとても淋しくて 思わず駆け出してしまう 明日天気だったら 空に溶け込んでしまいそうな 青い風船を飛ばそう  この この大空に捨ててしまおう 昨日までの私  明るい日ざしの中で 読みかけの本を開く 新しい季節はもうすぐ 今夜星が出たら 誰よりも一番先に 流れ星を見つけたい  この この大空に捨ててしまおう 昨日までの私
夏が終る矢野顕子矢野顕子谷川俊太郎小室等あせたような 薄い青空 とうすみとんぼが とんでゆく ききょう かるかや おみなえし あざみ ゆうすげ われもこう  なぞのような 人の裏切り 白いよろい戸が 閉じられる あげは くわがた くまんばち おけら あしなが きりぎりす  一人たどる 夜の山道 どこへ帰るのか あてどない いてざ オリオン 海王星 スピカ こぐまざ カシオペア
くるまとんぼ・アンドロメダザ・モップスザ・モップス及川恒平小室等くるまとんぼ くるまとんぼ 二十二年のみちのりの ところどころに飛んでいる 「帰るのは嫌だ」 街の向うに 明るい星が落ちて行く 僕はそいつを追いかけて走って行く 「帰るのは嫌だ」  アンドロメダ アンドロメダ 計りしれないみちのりの これから先に輝いている 「帰るのは嫌だ」 思いがけずに遠い「星雲」に紛れ込む 僕はそれまで振り向かないで走って行く 「帰るのは嫌だ」 「帰るのは嫌だ」
いま 生きているということ小室等小室等谷川俊太郎小室等生きているということ いま生きているということ それはのどがかわくということ 木もれ陽がまぶしいということ ふっと或るメロディを思い出すということ  くしゃみをすること あなたと手をつなぐこと  生きているということ いま生きているということ それはミニスカート それはプラネタリウム それはヨハン・シュトラウス それはピカソ それはアルプス すべての美しいものに出会うということ そして かくされた悪を注意深くこばむこと  生きているということ いま生きているということ  泣けるということ 笑えるということ おこれるということ 自由ということ 生きているということ いま生きているということ いまどこかで兵士は傷つくということ いまどこかで産声があがるということ いまどこかで星は流れ いまどこかで虹が立ち いまどこかで火は燃えること  いま生きているということ いまだれかが旅立つということ いまだれかがだれかをみつめ いまだれかが決意すること いまだれかが問いかけて いまぼくらは歌うこと  いま生きているということ いま地球が廻っているということ いまナイフはきらめくということ いま子兎が跳ね鯨はまどろみ いま種子はまかれ石は彫られ いまぶらんこがゆれていること  生きているということ 鳥ははばたくということ 海はとどろくということ  夜はあけるということ 風が立つこと  静けさということ いま…いまが過ぎてゆくこと  生きているということ いま生きているということ 人は愛するということ あなたの手のぬくみ いのちということ
事件井上陽水井上陽水井上陽水小室等事件はみぞれまじりの寒い日に起きた 行司から勝ち名のりを受けた力士が 次の土俵に上がる力士に力水をつけて  嵐の様な拍手を両脇にして 花道を引き上げようとしていた時に たくさんの客の手が 力士の背中に触わろうとしてた その中にカミソリも混じっていたのサ  相撲協会は驚いて信じられないと言った ここに来る人達はみんな良い人達のはずだ 何百年もこの形式を守り続けてきたのだ  たくさんの客の手が 力士の背中に触わろうとしてた その中にカミソリも混じっていたのサ  みぞれはすでに雪になり 白い肌の様に積もった
全1ページ中 1ページを表示

リアルタイムランキング

  1. クリスマスソング
  2. オトノケ
  3. Bling-Bang-Bang-Born
  4. ライラック
  5. ヒロイン

歌ネットのアクセス数を元に作成
サムネイルはAmazonのデータを参照

注目度ランキング

  1. Woohoo! feat. AARON
  2. くせげ
  3. ピカレスク
  4. 爛々ラプソディ
  5. Falling Into Eternity

歌ネットのアクセス数を元に作成
サムネイルはAmazonのデータを参照

×