1970年代に入ると、71年ザ・タイガーズの解散でグループサウンズブームも下火になり、GSの姿が消えることになる。70年代前半はフォーク全盛期で、吉田拓郎が「結婚しようよ」でフォークのプリンスと呼ばれ、南こうせつとかぐや姫の「神田川」が大ヒットし、四畳半フォークがブームになる。そして、井上陽水の「氷の世界」が、フォーク初のミリオンヒットになり、数多くのフォークシンガーが誕生した。その後、ニューミュージックと形を変えながら荒井由実、中島みゆきがブレーク。時代を代表する女性アーティストになっていく。

このフォーク全盛時代にテレビの歌謡番組では、南沙織が「17才」でデビュー(71年)。ナベプロの強力新人の小柳ルミ子、天地真理などが次々とデビューし、新三人娘がテレビで大活躍し、ヤングアイドルの歴史が幕開けした。72年は麻丘めぐみ、アグネス・チャン、73年、「スタ誕」出身の森昌子、桜田淳子、山口百恵が花の中三トリオとしてブームになり、第一期アイドル黄金時代へ。また、テレビの歌謡番組では、沢田研二がソロ歌手として、数々のヒット曲をとばす、また、70年代は、森進一の「襟裳岬」を初め、五木ひろし、藤圭子、八代亜紀などの演歌のヒット曲も多く、フォークそしてアイドルと演歌の競演であった。

 
男性アイドルでは、GS時代からトップを走り続けてきた沢田研二を別格にすると、郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎の新御三家が形成、ジュリー+新御三家という男性アイドルが確立する。
75年には、キャンディーズ「年下の男の子」でブレーク。かわいらしい衣装と振り付けでファンを獲得するが、人気絶頂の78年に突然「普通の女の子に戻りたい」と解散する。76年には、子門真人の「およげ!たいやきくん」が450万枚を超える歴史的大ヒットになり、日本中がたいやきブームに。

同年、ミーとケイの2人組ピンク・レディーが「ペッパー警部」でデビュー。激しい振り付けと衣装で大ブレーク。出す曲すべて大ヒットし「UFO」は連続10週1位の記録をもつ。特に子供からの人気は絶大だった。81年3月解散まで、日本中がピンクレディーに塗りつぶされた。

78年には、ロックバンド、キャロルのボーカル、矢沢永吉がソロで「時間よ止まれ」をヒットさせる。世良公則&ツイスト、サザンオールスターズ、ゴダイゴなどがヒットランキングの上位に進出し、ロックが市民権を得ることに。70年代ニューミュージック全盛期にアイドルシーンを支えたのは、ピンクレディー、キャンディーズ、山口百恵で、後に引退、グループ解散で70年型アイドルは姿を変えていく。70年代の主な歌手その1その2