ラブソングよりも甘くて苦い恋がたくさんある

 2021年6月9日に“上野優華”がミニアルバム『ヒロインにはなれなくて』をリリースしました。今作には「魔法の絨毯」で大ブレイクを果たした川崎鷹也が初の楽曲提供した「愛しい人、赤い糸」、元Shiggy Jr.の原田茂幸が提供した「君の街まで」を含む全7曲を収録。前作「今夜あたしが泣いても」に続き、様々な恋愛の心情を歌った楽曲が詰め込まれており、上野優華自身も7曲中4曲作詞、2曲作曲を手掛けた意欲作となっております。

 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“上野優華”による歌詞エッセイを2週連続でお届け。今回はその【前編】です。今作に込めた想いを綴っていただきました。歌詞を書くたびに自身の恋愛観を実感したという彼女。とくにリアルな新曲「幸せ」についての気持ちも明かしてくださいました。是非、歌詞と併せてお楽しみください…!

~歌詞エッセイ『ヒロインにはなれなくて』【前編】~

あなたの世界のヒロインになりたかった。

現実にはドラマよりもドラマのような
恋が沢山あるの、と思っていて
ラブソングよりも甘くて苦い恋がたくさんある。

そんな恋をしてきた
そんな恋がしたい
あなたへ贈るアルバムを作りました。

『ヒロインにはなれなくて』

私らしいなぁ、とつくづく思います笑。

失恋、片想いをテーマに
色んな曲を詰め込んだので
色んな恋を体験しているような制作期間で。

作詞を4曲したのですが
歌詞を書く度に
上野優華の恋愛観を恥ずかしいほど感じます。

とくに痛感したのは「幸せ」という曲。
アルバムの最後の曲にしました。

リアルすぎるかな、なんて思いながらも
私から溢れ出てくる言葉で紡ぎました。

“さよならの後 振り返らない癖をつけた
さっきまでの笑顔が消えてるような気がしてて”


これは本当にそうなんです。
私は昔から、好きな人であっても
友達であっても家族であっても。
どんな人でもそうしてしまう癖が付いてしまっていて。

私に見せていたあの笑顔が消えていた時、
過ごした時間が嘘になってしまいそう。
それが怖くて、いつの間にか
振り返ることが出来なくなってしまいました。


寂しいな、なんて自分でも思うのですが
こんな私だから書けるものがあって歌えるものがある。

さっぱりしてるね、なんて言われがちです。
割と自分でもそう思うけど
曲を書いてみれば
女々しさとワガママ全開なものが多いので
きっと本当の私はそうなんだと思います。

音楽は知らなかった自分を
教えてくれるツールでもあると
そう感じるような制作期間でした。

今回も色んなアーティストさんに
提供していただきました。

川崎鷹也さんに
提供していただいた「愛しい人、赤い糸」
原田茂幸さんからは「君の街まで」

私一人の価値観で制作するのではなく
色んなアーティストさんの言葉や音楽を
私の声で届けられる喜びはとても大きいです。

歌手として生きていきたいと思うのは
この喜びが大きいから。
ラブソングを歌うのは
あなたの心に寄り添うことが出来るのが嬉しいから。

このアルバムがあなたのそばに
私の音楽があなたのそばにありますように。
そんな願いを込めて。

<上野優華>

◆紹介曲「幸せ
作詞:上野優華
作曲:松岡美弥子

◆New Mini Album『ヒロインにはなれなくて』
2021年6月9日発売
初回限定盤 BZCS-91191 ¥5,000(tax in)
通常盤 BZCS-1191 ¥2,500(tax in)

<収録曲>
1.「愛しい人、赤い糸
2.「好きが残った
3.「君の街まで
4.「好きでごめん
5.「ヒロイン
6.「今日も君でした
7.「幸せ