期待したい未来。

 2021年8月25日にデジタルシングル「歌って」でメジャーデビューを果たした“松本千夏”。10月20日にデジタルシングル「ばかみたい」、11月24日に「さえたろう」、そして12月15日には「ふがいない」と多くの楽曲をリリースしてきました。「ふがいない」は、言いたいことが言えない、もどかしくて気持ちがぐるぐると渦巻く心情を綴った楽曲。ピアノを基調としたHIP HOPサウンドや言葉を詰め込んだラップ詞など、松本千夏の新境地と言える1曲となっております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“松本千夏”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは、新曲「ふがいない」に通ずる想い。今、自分自身に対して“ふがいない”という気持ちを抱いている方へ。この歌詞とエッセイが届きますように…!



私はオモテとウラと生きている。
 
私のオモテは、ギターを弾いて歌うこと。
ラジオパーソナリティで目に見えない誰かへ心を開いて伝えること。
 
私のウラは、不甲斐ないと感じること。
私の不甲斐ないは、水道の蛇口をひねったように勢いよく溢れる。
 
人を傷つけてしまったとき。
 
目標を達成できないとき。
 
怖くて目標すら立てられないとき。
 
人の期待に応えられないとき。
 
自分に期待できなくなったとき。
 
嫉妬してしまう時。
 
人に優しくできないとき。
 
たった一言が言えないとき。
 
いらない一言を言ってしまった時。
 
誰かに言ったことがそのまま自分に跳ね返ってきたとき。
 
大したことないことにびびってるとき。
 
泣いてる友達に何を言えばいいのかわからなくなった時。
 
大切な人を失った時。それを後悔してしまうとき。
 
私は抱え切れない程の不甲斐ないを感じて生きている。
 
きっとみんなもそう。
 
一人一人違った不甲斐ないがあって、一人一人それぞれの方法で乗り越えたり、流したり、忘れたりしている。
 
もう、どうしようも出来ないことを何度も考えながら、もうどうしようも出来ないことでまた悲しくなってしまう。
 
そんな、オモテとウラを感じて生きながら、「いつか」を夢見て、人は生きていくのだと思う。
 
期待したい未来を思いながら「いつか」は自分で作るしかないんだって思う。

<松本千夏>



◆紹介曲「ふがいない
作詞:松本千夏
作曲:松本千夏

◆楽曲リンク
https://chinatsu-matsumoto.lnk.to/Fugainai