空想委員会は誰かにとっての全速力ガールになれるのか。

 2021年12月29日に“空想委員会”がニューアルバム『世渡り下手の愛し方』をリリース!2年間の活動休止を経て、今年4月から活動を再開した彼らの再スタートを飾る今作。三浦隆一(Vo.&Gt.)の作品を中心に、佐々木直也(Gt.)、岡田典之(Ba)が制作した楽曲も含め、全12曲が収録。デビュー当時から“恋愛弱者”たちの思いを歌う曲が人気だった彼らですが、今作には、社会人の日々の葛藤や恋愛をテーマにした楽曲も…!
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“空想委員会”の三浦隆一(Vo.&Gt.)による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回が最終回となります。彼らにとって大切な“ガールシリーズ”の楽曲。今回、ニューアルバムの入り口を飾ったのも「全速力ガール」という新たなガールシリーズ楽曲です。では、その楽曲を世に出したことでどんな影響があったのでしょうか。今の想いを明かしてくださいました。是非、最後までお楽しみください。



2021年の4月に活動を再開した空想委員会は、12月28日にデビュー10周年を迎えることができました。そして12月29日には新しいアルバム『世渡り下手の愛し方』をリリースしました。前回のエッセイでは「全速力ガール」に込めた想いを書かせていただきました。今回はその曲を世に出したことが私個人、そして空想委員会にどのような影響を及ぼすのかについて書きたいと思います。
 
「全速力ガール」を世に出したことにより、私の中に生まれた感情は「私自身が誰かにとっての全速力ガール」になりたいという想いでした。曲を聞いてくれた方に私個人やバンドとしての活動を観ていただき、その姿によって誰かを勇気付け、励まし、引っ張りたいという欲が出てきたのです。
 
バンドを始めた頃の私は音楽の力を信じていました。自分が音楽から沢山のものをもらい、日々の暮らしの中で支えてもらってきた実感があったからです。
 
しかし、空想委員会でデビューし、音楽活動を続けていくうちにだんだんと音楽の力を信じられなくなってきました。仕事として音楽をやるうちに、音楽を好きだと心から言えなくなっていたのです。
 
バンドの活動を休止した時は、音楽を聴くことすらも嫌になっていた私ですが、音楽と距離を置いた生活をしているうちにだんだんと音楽への苦手意識も薄れ、昔好きだった曲を聴くようになりました。それはバンドを始めるずっと前、学生の頃に聴いていた曲たちです。それを聴いていくうちに「やっぱり音楽は素晴らしいし、私は音楽が好きだ」と思えるようになりました。音楽を聴くと力をもらうし、前向きになれる自分に気付きました。
 
いつの間にか私はまた音楽に救われ、音楽の力を信じるようになっていました。
 
 
「全速力ガール」という曲を世に出した今、私は音楽の力を信じています。そして自分は誰かにとっての「全速力ガール」になれると本気で思っています。2年間の活動休止があったからこそ、また今新たな気持ちで音楽に向き合えているし、デビューから10年も活動を続けられてきたという事実が自信となり背中を押してくれています。
 
やっと私はステージの真ん中に立って、100%音楽の力を信じて歌を歌えるようになったのです。長い時間がかかり、力を貸してくれたスタッフの皆さんにも応援し続けてくれたファンの方にも心配をかけ、お待たせすることになってしまいましたが、ここからの活動を是非見ていただきたいです。
 
音楽の力を信じ、歌い続けることで関わってくださる全ての人を牽引できるように頑張りたいと思います。空想委員会は誰かにとっての「全速力ガール」に必ずなると約束します。

<空想委員会・三浦隆一>



◆紹介曲「全速力ガール
作詞:三浦隆一
作曲:三浦隆一

◆4th Full Album『世渡り下手の愛し方』
2021年12月29日発売
BZCS-1195 ¥3,000(税込)
 
<収録曲>
1.全速力ガール
2.縋る蜃気楼
3.愛しき地獄
4.トリガー
5.Dodo
6.コイアイ
7.大河の一滴
8.1783
9.Re:gain
10.ラブソングゾンビ
11.will
12.積み木遊び