結成15周年を迎えた“SCANDAL”が、2022年1月26日にオリジナル・アルバム『MIRROR』をリリース!昨年リリースした「eternal」「アイボリー」「one more time」のほか、新曲7曲を追加した全10曲が収録。今作はメンバーそれぞれが作詞作曲を手掛けた楽曲も収録されております。アルバムならではの楽曲が多数収録されているのでお楽しみに…!
さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“SCANDAL”による歌詞エッセイを4回に渡りお届け。今回は第3弾。執筆を担当したのは、ベースのTOMOMIです。綴っていただいたのは、自身が作詞を手掛けた今作の収録曲「愛の正体」に通ずるお話。大人になると気づく、“尊いもの”とは…。あなたにとっての大切なひとを思い浮かべながら、この歌詞とエッセイを受け取ってください。
2022年1月26日発売
【配信】https://jvcmusic.lnk.to/MIRROR
「愛の正体」
20代から30代になった瞬間はひとりで家にいた。1回目の緊急事態宣言が数日前に解除されたばかりで、とは言え外に出る気分にはとてもなれず、毎日テレビのニュースを垂れ流しにしながら初めての事態に困惑していた。約2年前のことだ。5月で私は32歳になる。
相も変わらず夜明けまで起きているし、買ってきたばかりの卵を落とすし、iPhoneは水没させるし、あの頃想像していたアラウンドサーティとはずいぶんとかけ離れた自分に笑ったり呆れたりする毎日だが、最近になって年を重ねたと実感する瞬間が増えた。
周りの環境が大きく変わったのだ。
結婚したり、出産したり、同性を好きになったり、病気を患ったり、家族や友達を亡くしたり、大人になると色んなことがある。
そんな話を聞くたびに、心の奥がジュワッとした。
私は昔から周りに恵まれてきたという自負がある。優しくて温かい人に囲まれ、たくさんの愛を与えてもらった。悩み事はあるけれど、いつも誰かが傍にいてくれた。貰ってばかりの日々を当たり前のように過ごしてきたのだ。
だけど今その幸せと同じくらい、もしかしたらそれ以上に、尊いものがあるのではないかと感じている。
それは、与える側になるということ。
ある友人は「この人を一生笑わせたい」と言い、またある友人は「娘が命に関わる病を患った時、どうして代わってあげられないんだろうと何度も思った」と言う。
心の奥でジュワッとしたのは、こういった言葉が強烈に突き刺さったからだ。
私にも心の底から大切に想う人たちがいる。年を重ねて気付いたが、私もその人たちに“与えたい”と思っている。
そう、大人になると気付く。
多くの人が気付いているはずだ。
2022年になっても尚、世界は問題が山積みで争いも絶えない。だけど争っている両者に、心の底から大切に想う人、いつまでも笑っていてほしい人が存在する。
小さな世界には愛が溢れているのに、大きな世界にはミサイルが飛んでいる。
愛を与える喜びを知っている大人が、わざわざ傷つけ合うのはなぜなのか。
考えても考えてもわからないが、わからないなりに向き合いたい。ほつれた糸は直したい。
そして、本来全人類が持って生まれたはずの慈愛の心を社会の波に攫われないようしっかり抱き締めていたい。認め合い、許し合いたい。
そんな事を思いながら、今日も夜明けまで起きている。
今、30代を生きている。
◆10th ALBUM『MIRROR』2022年1月26日発売
【配信】https://jvcmusic.lnk.to/MIRROR
【通常盤】CD VICL-65653 ¥3,300(税込)
【初回限定盤A】CD+DVD VIZL-2001 ¥4,
【初回限定盤B】CD+雑誌 VIZL-2002 ¥4,
【完全生産限定盤】CD+DVD+GOODS ※豪華 BOX 仕様 VIZL-2003 ¥11,000(税込)
<収録曲>
1. MIRROR
2. eternal
3. 愛にならなかったのさ
4. 彼女はWave
5. 愛の正体
6. アイボリー
7. 夕暮れ、溶ける
8. 蒼の鳴る夜の隙間で
9. プリズム
10. one more time
bonus track
1. Living in the city
2. SPICE
◆10th Album『MIRROR』予約特設サイト