言葉が降ってくるなどという才能が僕にはない。残念!

 2023年6月14日に“THE BEAT GARDEN”がフルアルバム『Bell』をリリース! 前作『余光』から約2年ぶりとなる4枚目のオリジナルアルバムとなる今作。大ヒットを記録したドラマ『六本木クラス』挿入歌「Start Over」をはじめ、初CD化となるデジタルシングル曲(「ROMANCE」「それなのにねぇなんで?」「初めて恋をするように」)に加え、新曲5曲を含む全9曲が収録されております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“THE BEAT GARDEN”のUによる歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け! 今回はその第1弾です。綴っていただいたのは、「歌詞を書く」ことにまつわるお話。言葉が降ってくることなんてない。でも、だからこそいっそう大切で愛おしい歌詞への想いを明かしてくださいました。



まずはじめに
何かの縁でここへ来てくれて
ありがとうございます
 
いいね一つにしても
正直減るものではないけれど、
 
目に入るもの全てに押すかと言ったら
僕も全然そうじゃないから。
 
きっと
URLをクリックしたり
 
こんな風に“文章を読む”なんていうのは
時間だったり色んなものを割いて
 
僕に渡してくれてるのだと思うので
心から嬉しいです。
 
 
為になることはないかもしれませんが!
 
良かったらなんとか根性で
読み切ってもらえたらとてもとても幸いです。
 
―――
 
「言葉が降ってくる
などという才能が僕にはない。残念!」
 
 
寝ている間に一曲出来てて。とか
 
ぼーっと待っていたら突然目の前に現れて
 
聞いたこともない言い回しが浮かんで。
 
なんてことも残念ながら経験がない。
 
 
そんな僕がモタモタしてる間に
 
時代を掴んだミュージシャンの新曲達が
 
颯爽と口笛を吹いて
僕の横を通り過ぎていく。
 
 
一方、
追い抜かれて置いていかれても
 
冬に雑巾を絞るみたいに
ぎゅっと痛いけど何とか
一言こぼれ落ちる
 
みたいな自分がいやになる。
 
 
彼らの
出演番組とか観たくないし
歌詞とか読みたくないけど
ちゃんとめっちゃ気になるし
 
 
本当は
耳にタコができるほど
曲聴いてほしいし
 
タコがダメならイカになって
スルメイカみたいに噛めば噛むほど
良い!Uくんすごい!ってなりたい。
 
 
でもやっぱり
カリスマみたいに書けなくて
 
それでも
自分だから見つけられた言葉は
やっぱり可愛くて。
 
 
そんな手間ひまかけて育てた愛着は
長持ちして
ずっとかわいい。
 
だからいいんだ。
時代の最先端に立てなくても
君の大好きの最先端に立っていられるなら
かまわないぜ
 
 
 
 
 
ダサいー。
 
―――
 
アルバムがでます
6月14日です
 
何の日か調べてみたら
手羽先記念日でした
手羽先には特に思い入れは無いです
(美味しいよね!)
 
 
『Bell』というアルバムです。
 
 
約半年間、毎日カフェへ行き
 
一つのカフェに行きすぎると
 
あの人
一体毎日何をボーッとしてるの?と
 
視線が徐々に痛くなるので
 
いい具合に店舗を散らしながら
 
歌詞を書いていました。
 
 
歌詞を書くのは
 
青春時代みたいだなって言おうと思ったけど
 
“青春時代”ってなんぞ?
まいいか
 
 
あのー、初恋とかそのあたりの感じ。
 
あの子との話し方
自然な手の繋ぎ方
 
これ送って大丈夫かな?の夕方
毎日おはよって送れる!の嬉しい朝
 
でも返って来なくて愕然とする夜。
 
 
なんで急に冷めた?の冬
 
もう二度と恋なんてしない!の夏
 
のあの感じを頭の中で繰り返す。
 
 
 
眠れなくなって
寝不足で
鼻の下にニキビができて
 
そんな時に限って
君は話しかけてくる。
 
 
あの日々に
歌詞を書く感覚は似てるかもしれない。
 
 
でもね?
あれは、
二人でやるから。いいのよ。
 
 
 
若かりし青い春を
一人で夜中まで毎日続けるおじさんは
ハゲちゃうよ?
 
おれ
 
ね?
 
――
 
メロディを聞いて
そこに出会える言葉を
うーっと考えてると
おでこの真ん中が重たい。
 
 
僕の気持ちに僕が質問をして、
僕が解答するわけだから
 
全部ベストアンサーだし
誰かにとっては全部間違ってる。
 
 
他の天才達はこんな感じで書くのだろうと
 
月を見上げにベランダへ出たら
寒くて秒で部屋に戻る。
 
 
よし。
チャリ漕いで書こう。と思ったら
 
下り坂の途中で
小さい虫の大群に襲われる。
 
2時間後に
その黒い虫が目の端っこからカムバック。
 
 
“星の数ほどある人と虫の中で
眼球に飛び込んだ君から目が離せないよ”
 
 
みたいな歌詞を歌える曲などない。
 
ってか二度と会いたくない。
 
 
話は逸れましたが、
きっと
 
春と夏の分かれ目みたいに
薄味と濃い味の境目みたいに
 
ぜったいこうだ!
なんてものもないし
 
人それぞれ
違う目盛りがあるのが音楽だし歌詞だと思う。
 
 
正解を決めるものでも
探すものでもない。
 
 
どんなに切なくて苦しい曲だって
 
わたしに比べたら
あなたの悲しみなんて
決して悲しみじゃないんだと
言われてしまえば
 
その歌詞では
もうその人に関われないわけだし
 
思ってもいないところで
思ってた以上にブッ刺さってくれたりする。
 
だから。
 
誰かの目や耳に
あの虫のように
奇跡的に飛び込めて
 
放り出されずに
大事にしてもらえるなんて
 
それは泣けるほど
嬉しいこと。
 
 
です。
 
 
虫より。
 
―――
 
 
歌ネットさん。
コラムを依頼して下さってほんとにありがとうございます。
 
言葉が降ってくる
などという才能がない僕でも
 
曲を書いたり
ライブで歌ったりすることで
 
時々、誰かの人生に寄り添える瞬間があって
 
このコラムもそう。
 
あ、俺も書けるかも!とか
私この人よりいける。。とか
何かの一歩になってくれたりしたら
すっごく嬉しい
 
さらに
THE BEAT GARDENにも
興味を持ってくれたりなんてした時には
飛び上がります。
 
 
つらつらと自由に書かせてもらいましたが
 
 
次回の6月のコラムでは
「恋」をテーマに
多分、書かせていただきます。
 
長かったよね。
文。
 
ごめんね。
 
読んでくれてありがとうございます。
 
また
歌ネットさんで、ライブで、会いましょう
 
THE BEAT GARDENのUでした!
 
<THE BEAT GARDEN・U>



◆4th FULL ALBUM『BELL』
2023年6月14日発売
 
<収録曲>
1.Start Over
2.心音
3.あかり
4.初めて恋をするように
5.夏の三角関係
6.High Again
7.それなのにねぇなんで?
8.ROMANCE
9.ラブレター