こんな気持ちを閉じ込めたくて、音楽を続けている。

  2023年11月29日に“シナリオアート”が新曲「アカネイロフィフティーン」をリリース! 結成15周年のメモリアルソングとして“15”というワードをテーマにした逸曲。聴いてるだけで美しい夕焼けが脳裏に浮かぶようなドラマティックなサウンドに、シナリオアートらしい優しい言葉がそっと寄り添ってくれるような楽曲となっております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな“シナリオアート”による歌詞エッセイを2週連続でお届け! 今回は第2弾。綴っていただいたのは、新曲「アカネイロフィフティーン」にまつわるお話です。結成15周年を迎えた今、“この瞬間にしか記録できない”想いを明かしてくださいました。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。



夕暮れ空がきれいだと、ついカメラを向けてしまうのだが、全然上手く撮れないし、何だか寂しい。
数秒後には消えてしまうからこそ、寂しくて、あたたかい気持ちになれる、空の色。
 
こんな気持ちを閉じ込めたくて、音楽を続けている。
 
どんなに忙しくても、綺麗な空を見てしまうと、足を止めてしまう。
何も感じなくなった時に、自分はものづくりを辞めてしまうのだろうとおもう。
 
 
過去の自分が作った歌が、理解できないときがある。
今では反対のことを思っていることがあって、寂しい反面、ちゃんと生きてるんだな~って嬉しくなったりする。
 
人生は積み重ならないし、常に進化するわけでもない。
夕暮れの空の色が刻一刻と色を変えるように“ただ変化”してゆく。
どの場面もその時だけしかないものなので、素敵なことだと思う。
 
今日もこの瞬間にしか記録できない音楽を、シャッターを切るように残している。
曲作りは、日記でもあるし、その時だけのものだから尊い。
 
 
シナリオアートというバンドも来年で15周年。
 
音楽を始めた15歳の感覚と、バンド人生15年目の感性を重ね、変わっていく中にも
変わらない気持ちがあって、久しぶりにみた茜空にちょっと嬉しくなってしまって
曲にしました。アニバーサリーソングであり、感傷的な気持ちを切り取った
ノスタルジックドエモソング(最後に大無しのボキャブラリー)ぜひ聴いて浸ってほしい。
 
 
<シナリオアート Gt/Vo ハヤシコウスケ>