崎山蒼志
“空”の整理整頓
2026年2月11日に“崎山蒼志”がニューシングル「泡沫」をリリースしました。タイトル曲は、TVアニメ『青のミブロ』-芹沢暗殺編-のエンディングテーマ。お互いの譲れない正義が交錯する末、物語は儚き暗殺譚へと突き進んでいく、涙なしに見届けることが出来ない人間ドラマを彩る楽曲となっております。
さて、今日のうたではそんな“崎山蒼志”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、タイトル曲「 泡沫 」にまつわるお話です。今作の歌詞やサウンドを制作する上で、大切にしたイメージとは。そして、改めて気づいた、自身にとっての“制作”とは…。
「泡沫」は、TVアニメ『青のミブロ』-芹沢暗殺編-のエンディングテーマとして書き下ろした楽曲です。仲間内で各々の正義が交錯し、すれ違い、また、悲しい別れが訪れる本編に寄せ、物語をなぞりながら、それでいて最後には少し温かな光が降り注ぐようなイメージを念頭に、歌詞、サウンド共に制作を致しました。
“最後には温かな光が降り注ぐ”
思えば何かが終わった時、また、何かを失った時、そんな日に限って空がどこまでも晴れ渡っていたり、自分を取り巻く日常生活が、普段よりやや穏やかに感じられたりする事があります。
名残惜しい自分の心と裏腹に、夕立が降った後、現れる太陽と乾いていくアスファルトのように、時は何も待つ事は無く、刻一刻とゆっくり進んでいく。風が吹く。波が引いては寄せる。そんな静謐さを、ひとつ、この曲も湛えているのだと思います。
アレンジ面に於いて、制作時にAphex Twinを聴いていた事もあり、サビにブレイクビーツ的なドラムを入れました。柔く、ローファイな質感のサンプルを差し込んだり、ドリーミーさを意識しています。
詞は、原作の漫画を読みながら、メロディと共に組み立てました。個人的に、<ようやく、振り払う 悲しみに そっと映った季節が>という部分が気に入っています。ふつう可視化されない、物質化されない“気持ち”や“想い”を、詞の中で具象化する事が好きです。
今回、制作するに当たり、勿論作品を大いに意識したものの、やはり個人的な視点といいいますか、結果的に、自分の想いみたいなものが色濃く濃縮され、形となりましたので、作るという作業は、改めてとても不思議だなぁと思います。まだ自分の中で掴み切れなかった感覚が、その作品を通し、詞を通して、掴める、理解できるようになるのです。
ですので、作り終えた時、自分にとって制作とは、整理整頓に近い作業なのかなと思う事が増えました。それまでの思考を一旦整理し、栞を挟み、また新たな物語に進むような感覚です。“空”を掴むような思考、そう、その“空”の整理整頓かもしれません。
<崎山蒼志>
◆紹介曲「 泡沫 」 作詞:崎山蒼志 作曲:崎山蒼志
◆ニューシングル「泡沫」
2026年2月11日発売 配信URL: https://sakiyamasoushi.lnk.to/homatsu