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今日のうた

汐れいら/空の電報は大切な人へ

汐れいら
空の電報は大切な人へ

 2025年9月3日に“汐れいら”がニューシングル「ハレの日に」をリリース! タイトル曲は、TVアニメ『薫る花は凛と咲く』エンディングテーマです。7月6日には先行配信リリースもスタート。まっすぐな想いに心を掴まれる、ハートウォーミングでピュアキュンな青春学園ストーリーを汐れいらの歌声が彩ります。    さて、今日のうたではそんな“汐れいら”による歌詞エッセイを2週連続でお届け。第1弾は収録曲「 ハレの日に 」にまつわるお話です。ピンクパープルの空を見ると、寂しさと幸せが入り混じった風が吹く感覚があるという汐れいら。改めてその理由を考えてみたとき、見えてきたものは…。ぜひ、歌詞とあわせてエッセイをお楽しみください。 昔からピンクパープルみたいな空を見ると、寂しい幸せの風が吹くようなそんな時があった。春になりたての頃に一人で帰ってるとき、好きなひととプラネタリウムに行ったとき、家族旅行にいって露天風呂に入ってるときもなんかふと似たような気持ちになる。 ツンとするみたいな、もちろんワサビとは全然ちがう、侘び寂びの方。似てますね。   なんでこれを感じるんだろうって、自分なりにもまだ解明できてはないけど、無意識にも全部、空模様が関係している。 でも空を見て、「宇宙の中のちっぽけな自分」を感じて自然に圧倒されてるわけじゃない。   なんだろう、言葉にできないけど「言葉にしたい」のに「言葉にできない」くらい美しいものや瞬間があったとき、副産物として“寂しい”がでてくるのかな。この美しさを他人にそのまま伝えられないもどかしさや孤独が寂しさになって。でも、独り占めできているっていう、わたしは確かに感じられている幸せがあって。そういうことかなと思ったり。   一緒にいる人のせいでもありそう。わたしがそういう気持ちを感じたときはいつも自分一人か、好きな人や家族、深度高めに愛してるひとが近くにいた。   しかも美しさって永遠じゃないから。いや永遠じゃないから美しいのかもしれないけど。美しいものと人と瞬間と、何個も何個も合わさるから、あの不思議な寂しさの風が吹くのかなぁ、全部手に入らないものだから。   先日も空をみて、本当にピンクパープル、グラデーションにもなってないくらい分離してたけど、とにかくきれいで。ばあや(祖母)にみせたくて写真を撮って送ったけど、「もっときれいなのにな」っていうものしかとれなくて悔しい思いをした(最新のスマホなのに…)。   美しいものを見せたい人が自分の大切な人。とかは、よくある解釈だと思うんだけど、それは「自分と同じふうに感じてほしい」っていう自意識エゴが大きいのか、自分の幸せをわけたいっていう無意識エゴが大きいのか、どっちなんだろう。   いちばんきれいなのは、「あなたはどう思うんだろう」を知りたいというただ一心で、自分の感覚を伝えて、自分とちがう「あなた」をも受け入れるし受け入れたいという、生まれたてベイビーとそのママレベルの純真さだけど、やっぱり愛ってものはエゴもあってこそなところがあると思ってる。   わたしの「ハレの日に」という曲、アニメ『薫る花は凛と咲く』のEDとして書き下ろししたものだけど、歌詞に   I want you to eat くれてばっかの君へお返し 感覚を贈りあうよ By my side 君にあげたい どんな感情も半分にしていたい   っていうフレーズがある。   原作自体すごくすごく純粋な愛に溢れたお話で、嫉妬のドロドロした感じが全くない。黒さが見当たらないような真っ白いものだけど、この歌詞には、ぱっと見ではわからないけど、わたし的には無意識エゴを含めた。   誰かを自分の幸せで幸せにできるなんて、それは「すごく愛されてる」自信がどこかにあるから。自分が喜ばせようとしたことで、相手が喜んでくれると思うし、そう信じてる。というか、それが当たり前だと思ってる。   でも、信じる必要もないくらい、当たり前だと思える愛を、愛をくれるひとを、愛を受け取ってくれるひとを、そのひとがいる日常を「当たり前」と呼ぶにはどうも割に合わないな。   だから、記念日じゃない普段通りの「日常」こそが記念日だと思う。 特別なことをしないでも、当たり前のように「ありがとう」「愛してる」を伝え合っていけば、長いような一生を過ごしていけそうだな。 と思って続きの歌詞を書きました。   君が思うなんでもないことも なんだってわたしは特別に思うから 「なんでもない」を束ねてたら 大きなブーケになって 「ありがとう」と「愛してる」で 記念日じゃない記念日を飾ってく   特別な日。空の電報は大切な人へ。 だから「ハレの日に」ってタイトル、気に入ってます。   天気予報より当たり前なものとして、この曲が多くの耳たちに聞かれたら、MVが多くの目に見られたら、とってもいい。信じてもらうまでもなく、心をハレにできる作品として! ピンクパープルの空を見つけたら、思い出されるような汐として!   <汐れいら> ◆紹介曲「 ハレの日に 」 作詞:汐れいら 作曲:汐れいら   ◆ニューシングル「ハレの日に」 2025年9月3日発売

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