Myuk
私は今「空っぽ」という言葉が大好きです。
メジャーデビュー5周年の2026年2月4日に“Myuk”が2ndアルバム『Celeste(読み:セレステ)』をリリースしました。アルバムタイトルは“青空/空っぽ”の意味を持つラテン語。今作には、先行配信曲「雪唄 - yukiuta」など新曲4曲を含めた、全9曲が収録。5年間の集大成をまとめた作品となっております。
さて、今日のうたではそんな“Myuk”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。第2弾は、収録曲「 マリー 」にまつわるお話です。「空っぽ」という概念と向き合う時間が多かった自身が、今「空っぽ」に対して思うことは…。ぜひ、歌詞とあわせて、エッセイを受け取ってください。
「何者でもない自分、全て失ったような空っぽな心」
そんな言葉を聞くと、どんなイメージが浮かびますか?
私はMyukとして、「空っぽ」という概念と向き合う時間が多かった気がします。そして私は今「空っぽ」という言葉が大好きです。
そんな、好きになった言葉を、2nd Albumのタイトル『Celeste(セレステ)』に据えたのですが、これはイタリア語で「天空、空色」という意味を持っており、口に出した響きもまっさらな心地がして、アルバムのタイトルにぴったりだと思いました。
いつか「空っぽ」な感覚について空を見ながら考えていた時、私達が見上げる空は、何故「空っぽ」の「空(くう)」という漢字と同じなのだろう…と疑問に思い、きっと私達が嘆いてしまう無力感や自信が持てない日々、「空っぽ」な心であることは、果てしなく無限に広がる空のような状態と同じなのかもしれないな…と感じました。
自分の空っぽを知るからこそ、
これからの自分に何を注ぎたいか、
どんな言葉や経験でその空っぽな器をいっぱいにしたいか、
本当に自分に必要なものを選び取ることが出来る。
そう思うと、この手に何も無い空っぽな自分もそう悪くはないし、失うこともきっと前進のひとつなのかもしれません。
「空っぽ」ということについてもうひとつ。
「幸せになりたい、理想を叶えたい、もっと豊かになりたい」
私たちはそんな理想的な日々のために、欲しいものや足りないものを手に入れようと奮闘して、その時間で成長することが出来たり、経験を得ることができるんだと思います。
だけど、欲しいものが手に入ると空っぽが埋まり、なんだか満たされた感じはしますが、その分、守るべき体裁や荷物が増えてしまいます。
足りないと思うとキリがなくて、自分の心の部屋が溢れ出るくらいに欲しいものばかりを数えていると、本当に大切にしたかったものが隅に追いやられ、初心が見えなくなることもあるかもしれません。
たまには、足りないものばかり、空っぽを埋めることばかりを考えるのをやめて、「マリー」のように、美しい世界を見て、今あるものを手放し、まっさらになると…。
空っぽな自分が心地よく思えることもある気がします。そして何も無い空っぽで穏やかな心地が、実は本当の豊かさや幸せだったりするかもしれません。
<空いた穴は 棘を抱いて 次第にあなたを蝕む 塞いだ愛は あたたかくて 心がそれを知りだす>
「マリー」にあるこのフレーズは「空いた穴」や「空っぽな心」の優しい二面性を描いているのだろうと思い、とても好きです。
Guianoさんにいただいたこの楽曲は、アニメ『ずたぼろ令嬢は姉の元婚約者に溺愛される』のEDテーマとしての書き下ろしでしたが、この作品と出会い、エンディングテーマを担当させていただいたおかげで、飾らず真っ直ぐに伝える素敵さや人の美しさとは何か、という事柄と向き合うことができました。
様々な理想や情報が交差する現代で、自分の幸せや心地良いもの、影響を受けたいものを選び取って生きることは、難しいことなのかもしれません。
けれど、自分が美しいと思うものを素直に美しいと伝える勇気や
自分の大切な人を幸せにしたいと思うこと、
自分の幸せを願う心は
「人の美しさ」そのものなんじゃないか、と思ったりします。
<Myuk>
◆紹介曲「 マリー 」 作詞:Guiano 作曲:Guiano
◆2ndアルバム『Celeste』
2026年2月4日発売
<収録曲>
M1. 雪唄 - yukiuta
M2. まるまる
M3. Sakura
M4. BlackSheep
M5. マリー
M6. じゅもんを唱える
M7. 花はかぐや
M8. グライド
M9. Celeste