Novel Core
これが俺の“ミクスチャー宣言”
2026年1月14日に“Novel Core”がメジャー4thアルバム『PERFECTLY DEFECTiVE』をリリースしました。本作のテーマは“不揃いで歪な要素が混ざり合うからこそ生まれる<完全な自分>です”。カテゴライズ不能な音楽性と、自らの存在そのものを重ね合わせながら彼が辿り着いた“これがNovel Coreだ”という確信。メジャー4作目にして“新たな始まり”を高らかに告げる名刺代わりの1枚となっております。
さて、今日のうたではそんな“Novel Core”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。最終回は、収録曲「 あやとりコンテニュー 」にまつわるお話。そしてアルバム『PERFECTLY DEFECTiVE』という作品に込めた“覚悟”について。自身が見つめている、日本の音楽の未来とは…。ぜひ今作とあわせて、エッセイを受け取ってください。
今作『PERFECTLY DEFECTiVE』に収録されている「あやとりコンテニュー」は、Novel Coreの作家性を語る上で欠かせない、もう一つの大切な側面___ボーカロイド・ミュージックをはじめとするサブカルチャーのルーツを、真正面から音に落とし込んだ楽曲だ。
このアルバムを語る上で、“ミクスチャー”という言葉は避けて通れないが、それは決して後付けのコンセプトではない。
もっと個人的で、もっと原体験に近いところから、自然と滲み出てきたものだと思っている。
思い返せば、子供の頃からいつも俺のそばにはアニメや漫画があった。
9つ上の姉の影響で、それらは“マニアックな趣味”ではなく、生活の一部として当たり前に存在していた。
中野ブロードウェイでアニメのフィギュアを集め、ガラスケースの前で何十分も立ち尽くしたり、池袋のナンジャタウンで、銀魂の限定ステッカーをコンプリートするために、100種類近くのコラボメニューを数日間にわたって完食したり。
今振り返ると少し笑ってしまうが、あの頃の熱量は、間違いなく今の俺の芯に繋がっているのだ。
人生で初めて自分のお金で買ったCDは、ぐるたみんの「る」だった。
その直後に手に取ったのが、Dr. Dreの『The Chronic』だったことを考えると、当時から俺の中にはジャンルの境界線なんてほとんど存在していなかったんだと思う。
好きなものと、純粋に、真っ直ぐに、ひたすら向き合ってきたのだ。
この感覚は、形を変え、今の俺の音楽にも現れていると思う。
例えば、1つ目のエッセイでも触れたJESSEとのコラボレーション楽曲「ビリビリ」。
サビで繰り返される<B! I! L! I!>というフレーズは、ボカロP・じーざすPによる「リモコン」のサビからインスピレーションを得たものだったりもする。
ミクスチャー・ロックの象徴のような存在であるJESSEと、ボーカロイドカルチャーの文脈。
一見すると交わらなそうな要素が、何の違和感もなく同じ楽曲の中で共存している。
それは狙った“融合”というより、俺の中に最初から同時に存在していたものが、自然に音として出てきただけだったのだ。
日本にいると、日本特有のカルチャーに対して、どこか距離を取ったり、自虐的に語ったりする空気を感じることがある。
“オタク”や“J-POP”という言葉が、今なおネガティブな意味合いで使われる場面を見るたびに、少しだけ悔しくなるのだ。
俺はそこにこそ、日本の音楽の未来があると本気で思っている。
実際に海外のアーティスト達と話すと、彼らは秋葉原や渋谷を「奇妙な街」ではなく、「刺激的でクールな街」として認識している。
アニメや漫画、メイドといったカルチャーも、揶揄や消費の対象ではなく、スタイルとして、表現として、真っ直ぐリスペクトされている。
サマーソニックで来日していたYUNGBLUDと、クロムハーツ青山のプライベートパーティーで話した時も、同じ感覚を覚えた。
彼はアニメや漫画に対して、表面的な“日本っぽさ”ではなく、カルチャーそのものへの強い好奇心と敬意を示していた。
外の世界から見た日本のサブカルチャーは、こんなにも自由で、誇らしいものなんだと、改めて気付かされた瞬間だった。
「あやとりコンテニュー」は、そうした気付きや、自分自身の原体験を、隠さず、削らずに詰め込んだ楽曲だ。
そして、この曲を成立させている大きな要因の一つが、同じくボーカロイド・ミュージックをルーツに持つ共同制作者・JUGEMとの化学反応でもある。
通ってきたカルチャーも、影響を受けた作品も、必ずしも同じではない。
だからこそ、重なり合う部分もあれば、噛み合わずに歪む部分もある。
その歪みこそが、今までになかった音楽を生むと、俺達は信じている。
近年、歌ってみたや踊ってみた、弾いてみたのカルチャーが再び熱を帯び始めているのも、決して偶然じゃない。
個人の衝動や愛情が、編集され、再解釈され、連鎖していくあの流れは、エンタメ市場をもう一段階、面白い場所へ連れて行ってくれるはずだ。
日本で生まれ、日本で育った俺にしか作れない混ざり方がある。
綺麗に整理されたハイブリッドじゃない、少し歪で、少しノイズを含んだ、不完全なミクスチャー。
俺はこれからも、その混ざりや歪みを肯定し続けたい。
ミクスチャー・ミュージックという旗のもとで、この国で育った俺達のカルチャーを、胸を張って世界に向けて発信し続ける。
それが、『PERFECTLY DEFECTiVE』という作品に込めた、俺の覚悟だ。
<Novel Core>
◆紹介曲「 あやとりコンテニュー 」 作詞:Novel Core 作曲:Novel Core・JUGEM・Yuki Uchimura
◆メジャー4thアルバム『PERFECTLY DEFECTiVE』
2026年1月14日発売
<収録曲>
01. Overture for PERFECTLY DEFECTiVE
02. DiRTY NASTY
03. ビリビリ feat. JESSE (RIZE / The BONEZ)
04. あやとりコンテニュー
05. お金が足りない
06. Wake Up! TOKYO
07. FRiENDS
08. Skit
09. 2025.11.07 (demo)
10. HAPPY 365
11. HANERO!!!
12. C.O.R.E
13. EVER EVER GREEN
14. プライド