上野大樹
最近気付いたこと
						  2025年10月22日に“上野大樹”がミニアルバム『かわりたい』をリリース! 今年の上野大樹のテーマ “change”に合わせ、自身の今の想い、変わりたいと願う全てのひとに寄り添う作品が完成。新曲5曲を含む今作では、“未来を切り開く葛藤と希望”が描かれており、新たな上野大樹のサウンドと詩世界が詰め込まれた意欲作となっております。 
   
  さて、今日のうたではそんな“上野大樹”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。長い間、ひとりぼっちだと感じていた自身のとある気づきとは。そして、音楽に対してただ無鉄砲だった自身の変化とは…。ぜひ今作とあわせて、エッセイを受け取ってください。    
 
 
 思えば、長い間ひとりぼっちだった。 
   
 15歳の頃から、誰といても、何をしていても、そこには分厚い壁があって、頭の中ひとりで会話をしていた。 
   
 寄り添っていたつもりでいた音楽は、実は寄り添ってほしいが為で、ひとりでいることは嫌だけど、反面、ひとりでいることで色々なものを守っていた。 
   
 自分自身がひとりでいることを望んで、選んでいた気がする。 
   
   
 誰かに愛されることと、誰かを愛することはセットだと最近気付いた。 
 愛さないと、愛されない。 
 当たり前のことなのに、そんなこと考えてもみなかった。 
   
   
 境目を飛び越えることも飛び越えられることも、何となく避けてきた。 
 傷付くことが怖かった。 
   
   
   
 最近気付いたことがもう一つある。 
 無鉄砲に「一生音楽をやるぞ!」と豪語していた自分は、心の中からいなくなっていた。 
 これは悲しいことでも何でもない。 
 今はただただ、ずっと音楽をやる為に積み重ねて、選んで、真摯に大切に歩みを、と思っている。 
   
 当たり前に続くモノではないと気付いた。そして諸先輩方は本当にすごい。 
   
 だからこそ一挙手一投足に魂を込める。エネルギーをとても使う。時間もかかるようになった。 
   
 きっとみえない誰かに迷惑をかけてしまっているだろうけど、答えを出すのも遅くなった。ごめんなさいという気持ち。 
   
 後悔をしない選択肢を責任を持って選ばなければいけない、自分の為に。 
   
 ややこしい人になっていないだろかと時々心配になる。 
   
 たのしく、一生懸命に、だけど不安もつきものだ正直。 
   
   
 新しいEP『かわりたい』で書いた詞、そしてこのエッセイ。 
 ものづくりは大好きだ。 
 発信した先に一人でも誰かいるなら、全力を注ごうと思う。 
   
   
 3週いただいた連載。 
   
 今の想いは歌で全部書けたし、伝えようと思っていたこの一年での変化やこれからのビジョンもこのエッセイで書けた。 
   
 みんなと、自分の、意味のないと思っていた日々を肯定していきたい。あげたい。 
   
 すこし前から、心の中で、頭の中で、二手に分かれた道が存在している。 
 どっちに行こうかずっと迷っている。 
 すぐに決めることの出来ない分かれ道。 
 誰にも、何にも、相談しようのない自分だけの問い。 
 それを後伸ばしにする為に、このEP制作とtourに全力を注いできた。 
 もうすこし後伸ばしにしたい。 
   
 もうすこし、もうすこし、もうすこし。 
   
 そうやって今までも頑張ってきた。 
   
 かわりたいを掲げて、もうすこし走り続けます。 
   
 長い未来の為に! 
   
 <上野大樹> 
 
    
 
  ◆ミニアルバム『かわりたい』 
 2025年10月22日発売 
   
 <収録曲> 
 1.夜明けをずっと待ってる 
 2.dodo 
 3.縫い目 
 4.セピア 
 5.しあわせ 
 6.あおぞら 
 7.此れからの未来 
 8.かわりたい