花春のうららの隅田川 のぼりくだりの舟人が かいのしずくも花と散る ながめを何にたとうべき 見ずやあけぼの露あびて われにものいう桜木を 見ずや夕暮れ手をのべて われさし招く青柳を にしき織りなす 長堤(ちょうてい)に 暮るればのぼるおぼろ月 げに一刻も千金の ながめを何にたとうべき | 倍賞千恵子 | 武島羽衣 | 滝廉太郎 | | 春のうららの隅田川 のぼりくだりの舟人が かいのしずくも花と散る ながめを何にたとうべき 見ずやあけぼの露あびて われにものいう桜木を 見ずや夕暮れ手をのべて われさし招く青柳を にしき織りなす 長堤(ちょうてい)に 暮るればのぼるおぼろ月 げに一刻も千金の ながめを何にたとうべき |
花はおくらないでくださいお別れに花を 贈らないでください お心はとても 嬉しいのです それはあなたの せつない吐息が 花を通して きこえるからよ 白いバラの花は 贈らないで下さい あまりにも清く 淋しいのです お別れに花を 贈らないで下さい さよならはとても 言えないのです それはあなたの やさしい瞳が 花の中から ささやくからよ くちなしの花は 贈らないで下さい あまりにも辛く かなしいのです あの日あなたと 過ごした幸福 ひとりしずかに だきしめたいの お別れの花は 贈らないで下さい 思い出は長く 消えないのです | 倍賞千恵子 | 服部鋭夫 | 江口浩司 | | お別れに花を 贈らないでください お心はとても 嬉しいのです それはあなたの せつない吐息が 花を通して きこえるからよ 白いバラの花は 贈らないで下さい あまりにも清く 淋しいのです お別れに花を 贈らないで下さい さよならはとても 言えないのです それはあなたの やさしい瞳が 花の中から ささやくからよ くちなしの花は 贈らないで下さい あまりにも辛く かなしいのです あの日あなたと 過ごした幸福 ひとりしずかに だきしめたいの お別れの花は 贈らないで下さい 思い出は長く 消えないのです |
花はどこへ行った野に咲く花は どこへゆく 野に咲く花は 清らか 野に咲く花は 少女の胸に そっとやさしく いだかれる 可愛い少女は どこへゆく 可愛い少女は ほほえむ 可愛い少女は 若者の胸に 恋のこころ あずけるのさ その若者は どこへゆく その若者は 勇んで その若者は 戦いにゆく 力づよく 別れをつげる 戦い終り どこへゆく 戦い終り 静かに 戦い終り 土にねむる 安らかなる ねむりにつく | 倍賞千恵子 | P.Seeger・訳詩:おおたたかし | P.Seeger | | 野に咲く花は どこへゆく 野に咲く花は 清らか 野に咲く花は 少女の胸に そっとやさしく いだかれる 可愛い少女は どこへゆく 可愛い少女は ほほえむ 可愛い少女は 若者の胸に 恋のこころ あずけるのさ その若者は どこへゆく その若者は 勇んで その若者は 戦いにゆく 力づよく 別れをつげる 戦い終り どこへゆく 戦い終り 静かに 戦い終り 土にねむる 安らかなる ねむりにつく |
埴生の宿埴生(はにゅう)の宿も わが宿 玉のよそおい うらやまじ のどかなりや 春の空 花はあるじ 鳥は友 おおわがやどよ たのしとも たのもしや ふみよむ窓も わが窓 瑠璃(るり)の床(ゆか)も うらやまじ きよらなりや 秋の夜半(よわ) 月はあるじ むしは友 おおわが窓よ たのしとも たのもしや | 倍賞千恵子 | 里見義 | ビショップ | 小川寛興 | 埴生(はにゅう)の宿も わが宿 玉のよそおい うらやまじ のどかなりや 春の空 花はあるじ 鳥は友 おおわがやどよ たのしとも たのもしや ふみよむ窓も わが窓 瑠璃(るり)の床(ゆか)も うらやまじ きよらなりや 秋の夜半(よわ) 月はあるじ むしは友 おおわが窓よ たのしとも たのもしや |
波浮の港磯の鵜(う)の鳥ゃ 日暮れにゃかえる 波浮く港にゃ 夕やけ小やけ あすのひよりは ヤレホンニサ なぎるやら 船もせかせりゃ 出船のしたく 島の娘たちゃ 御神火(ごじんか)ぐらし なじょな心で ヤレホンニサ いるのやら 島で暮らすにゃ とぼしゅうてならぬ 伊豆の伊東とは 郵便だより 下田港とは ヤレホンニサ 風だより 風は潮風 御神火おろし 島の娘たちゃ 出船のときにゃ 船のともづな ヤレホンニサ 泣いて解く | 倍賞千恵子 | 野口雨情 | 中山晋平 | | 磯の鵜(う)の鳥ゃ 日暮れにゃかえる 波浮く港にゃ 夕やけ小やけ あすのひよりは ヤレホンニサ なぎるやら 船もせかせりゃ 出船のしたく 島の娘たちゃ 御神火(ごじんか)ぐらし なじょな心で ヤレホンニサ いるのやら 島で暮らすにゃ とぼしゅうてならぬ 伊豆の伊東とは 郵便だより 下田港とは ヤレホンニサ 風だより 風は潮風 御神火おろし 島の娘たちゃ 出船のときにゃ 船のともづな ヤレホンニサ 泣いて解く |
はるかに蝶ははるかな海の かなたから 春をひらひら 舞いながら 渡ってくると 人のいう まぼろしの蝶を しらないか かすかにひかる 地平線 まだ見ぬ国を 夢みつつ 嵐にたえて けなげにも かよわい蝶は 夜をとぶ ある朝蝶は 陸をみる いのちのかぎり はばたいて 春の香りを まきながら しずかに蝶は 虹となる そのとき大地 花ひらき まぼろしの蝶は よみがえる | 倍賞千恵子 | 片岡輝 | 小川寛興 | 小川寛興 | はるかな海の かなたから 春をひらひら 舞いながら 渡ってくると 人のいう まぼろしの蝶を しらないか かすかにひかる 地平線 まだ見ぬ国を 夢みつつ 嵐にたえて けなげにも かよわい蝶は 夜をとぶ ある朝蝶は 陸をみる いのちのかぎり はばたいて 春の香りを まきながら しずかに蝶は 虹となる そのとき大地 花ひらき まぼろしの蝶は よみがえる |
春が来た春が来た 春が来た どこに来た 山に来た 里に来た 野にも来た 花が咲く 花が咲く どこに咲く 山に咲く 里に咲く 野にも咲く 鳥が鳴く 鳥が鳴く どこで鳴く 山で鳴く 里で鳴く 野でも鳴く | 倍賞千恵子 | 高野辰之 | 岡野貞一 | 小六禮次郎 | 春が来た 春が来た どこに来た 山に来た 里に来た 野にも来た 花が咲く 花が咲く どこに咲く 山に咲く 里に咲く 野にも咲く 鳥が鳴く 鳥が鳴く どこで鳴く 山で鳴く 里で鳴く 野でも鳴く |
春の唄ラララ 赤い花束 車に積んで 春が来た来た 丘から町へ すみれ買いましょ あの花売の かわい瞳に 春の夢 ラララ 青い野菜も 市場について 春が来た来た 村から町へ 朝の買物 あの新妻の 籠にあふれた 春の色 ラララ 啼けよちろちろ 巣立ちの鳥よ 春が来た来た 森から町へ 姉と妹(いもと)の あの小鳥屋の 店の頭(さき)にも 春の唄 ラララ 空はうららか そよそよ風に 春が来た来た 町から町へ ビルの窓々 皆開かれて 若い心に 春が来た | 倍賞千恵子 | 喜志邦三 | 内田元 | 小六禮次郎 | ラララ 赤い花束 車に積んで 春が来た来た 丘から町へ すみれ買いましょ あの花売の かわい瞳に 春の夢 ラララ 青い野菜も 市場について 春が来た来た 村から町へ 朝の買物 あの新妻の 籠にあふれた 春の色 ラララ 啼けよちろちろ 巣立ちの鳥よ 春が来た来た 森から町へ 姉と妹(いもと)の あの小鳥屋の 店の頭(さき)にも 春の唄 ラララ 空はうららか そよそよ風に 春が来た来た 町から町へ ビルの窓々 皆開かれて 若い心に 春が来た |
春の小川春の小川は さらさらいくよ 岸のすみれや れんげの花に すがたやさしく 色うつくしく 咲いているねと ささやきながら 春の小川は さらさらいくよ えびやめだかや 小ぶなの群れに きょうも一日 ひなたでおよぎ 遊べ遊べと ささやきながら | 倍賞千恵子 | 高野辰之 | 岡野貞一 | 小六禮次郎 | 春の小川は さらさらいくよ 岸のすみれや れんげの花に すがたやさしく 色うつくしく 咲いているねと ささやきながら 春の小川は さらさらいくよ えびやめだかや 小ぶなの群れに きょうも一日 ひなたでおよぎ 遊べ遊べと ささやきながら |
パパとママの銀婚式明るい光 部屋いっぱい ステキなケーキ 壁かざり 黄色と白の フリージャ パパ ありがとう ママ ありがとう 銀婚式 おめでとう ママには 銀の手鏡を パパには 銀のネクタイピン 二十五年の アルバムには 悲しい時も つらい時も いつも笑ってる パパとママ 兄は得意の カメラマン 妹が吹く ハーモニカ みんなで歌う 愛の唄 パパは テレて ママは あがって 銀婚式 おめでとう | 倍賞千恵子 | 園井啓介 | 萩原哲晶 | | 明るい光 部屋いっぱい ステキなケーキ 壁かざり 黄色と白の フリージャ パパ ありがとう ママ ありがとう 銀婚式 おめでとう ママには 銀の手鏡を パパには 銀のネクタイピン 二十五年の アルバムには 悲しい時も つらい時も いつも笑ってる パパとママ 兄は得意の カメラマン 妹が吹く ハーモニカ みんなで歌う 愛の唄 パパは テレて ママは あがって 銀婚式 おめでとう |
瞳とじれば瞳とじれば 聞こえる声よ わたしは逢いたい あの人に 夢を見ては 涙ぐむ わたしの恋 だれも知らない 瞳とじれば 浮かぶ笑顔 わたしは恋しい かえらぬパパが 小さくとも この幸福(しあわせ) わたしはパパ お嫁に行くの 瞳とじれば 夕焼け雲よ わたしは行きたい 故郷へ 幼い日の 心のまま 妹たち 浜辺で歌おう 瞳とじれば まぶしい太陽 わたしはたのしい あの日から 初めての 口づけに バラ色の 愛の花が咲く 愛の花が咲く 愛の花が咲く | 倍賞千恵子 | 岩谷時子 | いずみたく | いずみたく | 瞳とじれば 聞こえる声よ わたしは逢いたい あの人に 夢を見ては 涙ぐむ わたしの恋 だれも知らない 瞳とじれば 浮かぶ笑顔 わたしは恋しい かえらぬパパが 小さくとも この幸福(しあわせ) わたしはパパ お嫁に行くの 瞳とじれば 夕焼け雲よ わたしは行きたい 故郷へ 幼い日の 心のまま 妹たち 浜辺で歌おう 瞳とじれば まぶしい太陽 わたしはたのしい あの日から 初めての 口づけに バラ色の 愛の花が咲く 愛の花が咲く 愛の花が咲く |
ふじの山あたまを雲の上に出し 四方の山を見おろして かみなりさまを下にきく ふじは日本一の山 青ぞら高くそびえたち からだに雪のきものきて かすみのすそをとおくひく ふじは日本一の山 | 倍賞千恵子 | 巌谷小波 | 不明 | 小六禮次郎 | あたまを雲の上に出し 四方の山を見おろして かみなりさまを下にきく ふじは日本一の山 青ぞら高くそびえたち からだに雪のきものきて かすみのすそをとおくひく ふじは日本一の山 |
冬景色さ霧消ゆる 湊江の 舟に白し 朝の霜 ただ水鳥の 声はして いまだ覚めず 岸の家 烏(からす)啼きて 木に高く 人は畑に 麦を踏む げに小春日の のどけしや かえり咲きの 花も見ゆ 嵐吹きて 雲は落ち 時雨(しぐれ)降りて 日は暮れぬ もし燈火(ともしび)の 漏れ来(こ)ずば それと分かじ 野辺の里 | 倍賞千恵子 | 不詳 | 不詳 | 小六禮次郎 | さ霧消ゆる 湊江の 舟に白し 朝の霜 ただ水鳥の 声はして いまだ覚めず 岸の家 烏(からす)啼きて 木に高く 人は畑に 麦を踏む げに小春日の のどけしや かえり咲きの 花も見ゆ 嵐吹きて 雲は落ち 時雨(しぐれ)降りて 日は暮れぬ もし燈火(ともしび)の 漏れ来(こ)ずば それと分かじ 野辺の里 |
冬の旅越後はつついし 親不知(おやしらず) はるかな波間に 日が沈む ひゅるる ひゅるる 寒い風が 吹くだけ あなたと旅した思い出を たずねて ここまできたけれど ひゅるる ひゅるる 夜の海が 鳴るだけ こんなに愛しても 心がとどかない これから私は どうすればいいのでしょうか 東へむかえば 糸魚川(いといがわ) 直江津(なおえつ)あたりで 雪になる ゆらり ゆらり 遠い灯り 揺れてる むかしの瞽女(ごぜ)なら 迷わずに 信じて 歩いていくでしょう ゆらり ゆらり わたし 明日(あす)が見えない こんなに愛しても 心がとどかない これから私は どうすればいいのでしょうか こんなに愛しても 心がとどかない これから私は どうすればいいのでしょうか | 倍賞千恵子 | 五木寛之 | 小六禮次郎 | | 越後はつついし 親不知(おやしらず) はるかな波間に 日が沈む ひゅるる ひゅるる 寒い風が 吹くだけ あなたと旅した思い出を たずねて ここまできたけれど ひゅるる ひゅるる 夜の海が 鳴るだけ こんなに愛しても 心がとどかない これから私は どうすればいいのでしょうか 東へむかえば 糸魚川(いといがわ) 直江津(なおえつ)あたりで 雪になる ゆらり ゆらり 遠い灯り 揺れてる むかしの瞽女(ごぜ)なら 迷わずに 信じて 歩いていくでしょう ゆらり ゆらり わたし 明日(あす)が見えない こんなに愛しても 心がとどかない これから私は どうすればいいのでしょうか こんなに愛しても 心がとどかない これから私は どうすればいいのでしょうか |
故郷は遠い北国故郷(ふるさと)は 遠い北国 雪白く 頂く山に いどみ行く 若人の群 大雪山(たいせつ)の いただき高く あゝ 峰々に 響く声々 故郷は 遠い北国 石狩川(いしかり)の 流れる岸辺 こがねなす 広野の中の あたたかい 灯の街 あゝ うまざけの あふれる泉 故郷は 遠い北国 粉雪の 吹きすさぶ夜 赤々と だんろは燃えて 明日の夢 語り合いつつ あゝ 和(なご)やかに まどう家々 | 倍賞千恵子 | 小野寺与吉 | 飯田三郎 | | 故郷(ふるさと)は 遠い北国 雪白く 頂く山に いどみ行く 若人の群 大雪山(たいせつ)の いただき高く あゝ 峰々に 響く声々 故郷は 遠い北国 石狩川(いしかり)の 流れる岸辺 こがねなす 広野の中の あたたかい 灯の街 あゝ うまざけの あふれる泉 故郷は 遠い北国 粉雪の 吹きすさぶ夜 赤々と だんろは燃えて 明日の夢 語り合いつつ あゝ 和(なご)やかに まどう家々 |
ペィチカ雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ お話しましょ むかしむかしよ 燃えろよ ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペチカ燃えろよ おもては寒い 栗や栗やと 呼びます ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ じき春来ます いまに楊も 萌えましょ ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ 誰だか来ます お客さまでしょ うれしい ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ お話しましょ 火の粉ぱちぱち はねろよ ペィチカ | 倍賞千恵子 | 北原白秋 | 山田耕筰 | | 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ お話しましょ むかしむかしよ 燃えろよ ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペチカ燃えろよ おもては寒い 栗や栗やと 呼びます ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ じき春来ます いまに楊も 萌えましょ ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ 誰だか来ます お客さまでしょ うれしい ペィチカ 雪のふる夜はたのしいペィチカ ペィチカ燃えろよ お話しましょ 火の粉ぱちぱち はねろよ ペィチカ |
ペチカ雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ お話しましょ 昔 昔よ 燃えろよ ペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ 面は寒い 栗や栗やと 呼びますペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ じき春来ます 今に楊(やなぎ)も 萌(も)えましょペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ 誰だか来ます お客さまでしょ うれしいペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ お話しましょ 火の粉ぱちぱち はねろよペチカ | 倍賞千恵子 | 北原白秋 | 山田耕筰 | | 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ お話しましょ 昔 昔よ 燃えろよ ペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ 面は寒い 栗や栗やと 呼びますペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ じき春来ます 今に楊(やなぎ)も 萌(も)えましょペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ 誰だか来ます お客さまでしょ うれしいペチカ 雪の降る夜は 楽しいペチカ ペチカ燃えろよ お話しましょ 火の粉ぱちぱち はねろよペチカ |
星から落ちた迷い子星から落ちた迷い子は 暗い夜道に 銀の笛 コダマするのがいとしくて 暗い夜空に笛を吹く 星から落ちた迷い子は 螢火ひかる山峡(やまはざま) コダマするのが悲しくて ひとり夜道に笛を吹く 会うことのない人を呼ぶ | 倍賞千恵子 | 北杜夫 | 宮崎尚志 | 宮崎尚志 | 星から落ちた迷い子は 暗い夜道に 銀の笛 コダマするのがいとしくて 暗い夜空に笛を吹く 星から落ちた迷い子は 螢火ひかる山峡(やまはざま) コダマするのが悲しくて ひとり夜道に笛を吹く 会うことのない人を呼ぶ |
星屑の町両手をまわして 帰えろ ゆれながら 涙の中を たったひとりで やさしかった 夢にはぐれず 瞼をとじて 帰えろ まだ遠い 赤いともしび 指笛吹いて 帰えろ ゆれながら 星屑分けて 町をはなれて わすれない 花のかずかず 瞼をとじて 帰えろ 思い出の 道をひとすじ 両手をまわして 帰えろ ゆれながら 涙の中を たったひとりで | 倍賞千恵子 | 東條寿三郎 | 安部芳明 | 小六禮次郎 | 両手をまわして 帰えろ ゆれながら 涙の中を たったひとりで やさしかった 夢にはぐれず 瞼をとじて 帰えろ まだ遠い 赤いともしび 指笛吹いて 帰えろ ゆれながら 星屑分けて 町をはなれて わすれない 花のかずかず 瞼をとじて 帰えろ 思い出の 道をひとすじ 両手をまわして 帰えろ ゆれながら 涙の中を たったひとりで |
慕情春浅き あした 風にゆれて咲く バラの花こそ 二人のはかない 恋のすがたよ つかの間に 咲いて散る 君とただ二人 霧にぬれ かたくいだきあいて くちづけし 別れの丘に きょうも 君慕い 君想う 君とただ二人 霧にぬれ かたくいだきあいて くちづけし 別れの丘に きょうも 君慕い 君想う | 倍賞千恵子 | P.Francis Webster・S.Fain・訳詩:岩谷時子 | P.Francis Webster・S.Fain | | 春浅き あした 風にゆれて咲く バラの花こそ 二人のはかない 恋のすがたよ つかの間に 咲いて散る 君とただ二人 霧にぬれ かたくいだきあいて くちづけし 別れの丘に きょうも 君慕い 君想う 君とただ二人 霧にぬれ かたくいだきあいて くちづけし 別れの丘に きょうも 君慕い 君想う |
真白き富士の根真白き富士の根 緑の江の島 仰ぎ見るも今は涙 帰らぬ十二の 雄々しきみ魂(たま)に 捧げまつる胸と心 ボートは沈みぬ ちひろの海原 風も波も小さき腕に 力もつきはて 呼ぶ名は父母 恨みは深し七里が浜 み雪はむせびぬ 風さえ騒ぎて 月も星も影をひそめ み魂よ何処(いずこ)に 迷いておわすか 帰れ早く母の胸に | 倍賞千恵子 | 三角錫子 | T.Gardon | | 真白き富士の根 緑の江の島 仰ぎ見るも今は涙 帰らぬ十二の 雄々しきみ魂(たま)に 捧げまつる胸と心 ボートは沈みぬ ちひろの海原 風も波も小さき腕に 力もつきはて 呼ぶ名は父母 恨みは深し七里が浜 み雪はむせびぬ 風さえ騒ぎて 月も星も影をひそめ み魂よ何処(いずこ)に 迷いておわすか 帰れ早く母の胸に |
毬ころころと 転がせば ころころと 戻ります 縁側の 昼下がり 子猫も あくびする 毬遊びが 好きでした にこにこと 笑ったら にこにこと 返します そんな素敵な 父でした 友達は 笑うけれど やっぱり父が 好きでした ころころと 転ばせば ころころと 戻ります いつも優しい 父でした 幼い頃の私 毬遊びが 好きでした いつまでも 一緒だね いつまでも 一緒だよ 指きりしたね おばあちゃん かなしいな さみしいな 戻らぬ人と なりました 大嫌い もういやよ 大嫌い 父のこと なんて冷たい 父だろう 涙も見せず もくもくと 葬儀をこなす 父でした わぁわぁと 泣いている わぁわぁと 泣きじゃくる 子供のような 父でした 私 見てしまいました おばあちゃんの写真 抱いていた… ころころと 転がせば ころころと 戻ります あの毬のよに やっぱり優しい 父でした やっぱり私の 父でした | 倍賞千恵子 | としおちゃん | 菊池一仁 | 山下康介 | ころころと 転がせば ころころと 戻ります 縁側の 昼下がり 子猫も あくびする 毬遊びが 好きでした にこにこと 笑ったら にこにこと 返します そんな素敵な 父でした 友達は 笑うけれど やっぱり父が 好きでした ころころと 転ばせば ころころと 戻ります いつも優しい 父でした 幼い頃の私 毬遊びが 好きでした いつまでも 一緒だね いつまでも 一緒だよ 指きりしたね おばあちゃん かなしいな さみしいな 戻らぬ人と なりました 大嫌い もういやよ 大嫌い 父のこと なんて冷たい 父だろう 涙も見せず もくもくと 葬儀をこなす 父でした わぁわぁと 泣いている わぁわぁと 泣きじゃくる 子供のような 父でした 私 見てしまいました おばあちゃんの写真 抱いていた… ころころと 転がせば ころころと 戻ります あの毬のよに やっぱり優しい 父でした やっぱり私の 父でした |
見上げてごらん夜の星を見上げてごらん 夜の星を 小さな星の 小さな光が ささやかな幸せを うたってる 見上げてごらん 夜の星を ボクらのように 名もない星が ささやかな幸せを 祈ってる 手をつなご ボクと おいかけよう 夢を 二人なら 苦しくなんか ないさ 見上げてごらん 夜の星を 小さな星の 小さな光が ささやかな幸せを うたってる ささやかな幸せを 祈ってる | 倍賞千恵子 | 永六輔 | いずみたく | 小六禮次郎 | 見上げてごらん 夜の星を 小さな星の 小さな光が ささやかな幸せを うたってる 見上げてごらん 夜の星を ボクらのように 名もない星が ささやかな幸せを 祈ってる 手をつなご ボクと おいかけよう 夢を 二人なら 苦しくなんか ないさ 見上げてごらん 夜の星を 小さな星の 小さな光が ささやかな幸せを うたってる ささやかな幸せを 祈ってる |
みかんの花咲く丘みかんの花が 咲いている 思い出の道 丘の道 はるかに見える 青い海 お船が遠く 霞んでる 黒い煙を はきながら お船はどこへ 行くのでしょう 波に揺られて 島のかげ 汽笛がぼうと 鳴りました 何時か来た丘 母さんと 一緒に眺めた あの島よ 今日もひとりで 見ていると やさしい母さん 思われる | 倍賞千恵子 | 加藤省吾 | 海沼実 | 小六禮次郎 | みかんの花が 咲いている 思い出の道 丘の道 はるかに見える 青い海 お船が遠く 霞んでる 黒い煙を はきながら お船はどこへ 行くのでしょう 波に揺られて 島のかげ 汽笛がぼうと 鳴りました 何時か来た丘 母さんと 一緒に眺めた あの島よ 今日もひとりで 見ていると やさしい母さん 思われる |
港が見える丘あなたと二人で 来た丘は 港が見える丘 色あせた桜 ただ一つ 淋しく 咲いていた 船の汽笛 むせび泣けば チラリホラリと 花びら あなたと私にふりかかる 春の午後でした あなたと別れた あの夜 港が暗い夜 青白い灯り ただ一つ 桜を 照らしてた 船の汽笛 消えて行けば チラリホラリと 花びら 涙の雫(しずく)できらめいた 霧の夜でした あなたを想うて 来る丘は 港が見える丘 葉桜を ソヨロ訪れる 潮風 浜の風 船の汽笛 遠く聞いて うつらとろりと 見る夢 あなたの口許あの笑顔 淡い夢でした | 倍賞千恵子 | 東辰三 | 東辰三 | 小六禮次郎 | あなたと二人で 来た丘は 港が見える丘 色あせた桜 ただ一つ 淋しく 咲いていた 船の汽笛 むせび泣けば チラリホラリと 花びら あなたと私にふりかかる 春の午後でした あなたと別れた あの夜 港が暗い夜 青白い灯り ただ一つ 桜を 照らしてた 船の汽笛 消えて行けば チラリホラリと 花びら 涙の雫(しずく)できらめいた 霧の夜でした あなたを想うて 来る丘は 港が見える丘 葉桜を ソヨロ訪れる 潮風 浜の風 船の汽笛 遠く聞いて うつらとろりと 見る夢 あなたの口許あの笑顔 淡い夢でした |
美山の子守唄ねんねしなされ 今日は二十五日 明日はこの子の 誕生日よ ホホー 誕生日には まめの飯(まま)炊いて 一生この子が まめなよによ ホホー まめで暮らして 赤いべべ着せて ひもの下がりに 房つけてよ ホホー 房は何色 お紺と白と 赤を混ぜたら なおよかろよ ホホー ねんねしょと言(ゆ)うて 寝るよな子なら 親も子も楽 守も楽よ ホホー 乳が飲みたけりゃ つれて来い飲まそ つれて行(ゆ)くまに 日が暮れたよ ホホー 守のつらいのは 霜月師走 雪は散らつく 子はぐずるよ ホホー | 倍賞千恵子 | 京都地方のわらべ唄 | 尾上和彦 | 若松正司 | ねんねしなされ 今日は二十五日 明日はこの子の 誕生日よ ホホー 誕生日には まめの飯(まま)炊いて 一生この子が まめなよによ ホホー まめで暮らして 赤いべべ着せて ひもの下がりに 房つけてよ ホホー 房は何色 お紺と白と 赤を混ぜたら なおよかろよ ホホー ねんねしょと言(ゆ)うて 寝るよな子なら 親も子も楽 守も楽よ ホホー 乳が飲みたけりゃ つれて来い飲まそ つれて行(ゆ)くまに 日が暮れたよ ホホー 守のつらいのは 霜月師走 雪は散らつく 子はぐずるよ ホホー |
胸の振子柳につばめは あなたにわたし 胸の振子が なるなる 朝から今日も なにも言わずに 二人きりで 空を眺めりゃ なにか燃えて 柳につばめは あなたに私 胸の振子が なるなる 朝から今日も 煙草のけむりも もつれるおもい 胸の振子が つぶやく やさしきその名 君のあかるい 笑顔浮べ 暗いこの世の つらさ忘れ 煙草のけむりも もつれるおもい 胸の振子が つぶやく やさしきその名 | 倍賞千恵子 | サトウハチロー | 服部良一 | 小六禮次郎 | 柳につばめは あなたにわたし 胸の振子が なるなる 朝から今日も なにも言わずに 二人きりで 空を眺めりゃ なにか燃えて 柳につばめは あなたに私 胸の振子が なるなる 朝から今日も 煙草のけむりも もつれるおもい 胸の振子が つぶやく やさしきその名 君のあかるい 笑顔浮べ 暗いこの世の つらさ忘れ 煙草のけむりも もつれるおもい 胸の振子が つぶやく やさしきその名 |
村の鍛冶屋しばしも休まず つち打ちひびき 飛び散る火花よ はしる湯玉 ふいごの風さえ 息をもつがず 仕事に精出す 村のかじ屋 あるじは名高い はたらきものよ 早起き早寝の やまい知らず 長年きたえた 自慢の腕で 打ち出す すきくわ 心こもる | 倍賞千恵子 | 不詳 | 不詳 | 小六禮次郎 | しばしも休まず つち打ちひびき 飛び散る火花よ はしる湯玉 ふいごの風さえ 息をもつがず 仕事に精出す 村のかじ屋 あるじは名高い はたらきものよ 早起き早寝の やまい知らず 長年きたえた 自慢の腕で 打ち出す すきくわ 心こもる |
ムーン・リヴァームーンリヴァー ふるさとの 海につづく川 わかれの かなしみ 流していっておくれ 月のひかりうけ きらめく川面に サヨナラの手紙 折って流そう 髪の小舟 ムーンリヴァー ム……… この世の くるしみ 流していっておくれ 月のひかりうけ きらめく川面に 祈りこめ バラの花を散らし 朝を待とう ムーンリヴァー ム……… | 倍賞千恵子 | J.Mercer・H.Mancini・訳詩:吉田旺 | J.Mercer・H.Mancini | | ムーンリヴァー ふるさとの 海につづく川 わかれの かなしみ 流していっておくれ 月のひかりうけ きらめく川面に サヨナラの手紙 折って流そう 髪の小舟 ムーンリヴァー ム……… この世の くるしみ 流していっておくれ 月のひかりうけ きらめく川面に 祈りこめ バラの花を散らし 朝を待とう ムーンリヴァー ム……… |
モナリザモナリザ モナリザ 神秘な みわくのそのほほえみよ うれわしげに ほほえむ目よ ああ モナリザ 夢の人 あこがれ求める モナリザ 死ぬほど愛していると 告げるあつい気持ちを つめたく見捨てた 夢の中のモナリザ 君は幻 絵のように あこがれ求める モナリザ 死ぬほど愛していると 告げるあつい気持ちを つめたく見捨てた 夢の中のモナリザ 君は幻 絵のように | 倍賞千恵子 | J.Livingston・R.Evans・訳詩:岩谷時子 | J.Livingston・R.Evans | | モナリザ モナリザ 神秘な みわくのそのほほえみよ うれわしげに ほほえむ目よ ああ モナリザ 夢の人 あこがれ求める モナリザ 死ぬほど愛していると 告げるあつい気持ちを つめたく見捨てた 夢の中のモナリザ 君は幻 絵のように あこがれ求める モナリザ 死ぬほど愛していると 告げるあつい気持ちを つめたく見捨てた 夢の中のモナリザ 君は幻 絵のように |
やさしく歌って悲しい歌なの 死にたいくらい まるで この私を 唄ってる唄よ いたいほど 胸につきささる言葉 何気なく 一人来た酒場に 知らない歌が 流れていた ざわめきの中 聞えるこの歌 悲しい歌なの 死にたいくらい まるで この私を 唄ってる唄よ いたいほど 胸につきささる言葉 おねがいよどうか もうやめてよ 聞きたくないわ この唄は 忘れたいのに 思い出すきのう 悲しい歌なの 死にたいくらい まるで この私を 唄ってる唄よ いたいほど 胸につきささる言葉 | 倍賞千恵子 | N.Gimbel・訳詩:山川啓介 | C.Fox | | 悲しい歌なの 死にたいくらい まるで この私を 唄ってる唄よ いたいほど 胸につきささる言葉 何気なく 一人来た酒場に 知らない歌が 流れていた ざわめきの中 聞えるこの歌 悲しい歌なの 死にたいくらい まるで この私を 唄ってる唄よ いたいほど 胸につきささる言葉 おねがいよどうか もうやめてよ 聞きたくないわ この唄は 忘れたいのに 思い出すきのう 悲しい歌なの 死にたいくらい まるで この私を 唄ってる唄よ いたいほど 胸につきささる言葉 |
椰子の実名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実ひとつ 故郷の 岸を離れて 汝(なれ)はそも 波に幾月 旧(もと)の樹は 生(お)いや茂れる 枝はなお 影をやなせる われもまた 渚を枕 ひとり身の 浮寝の旅ぞ 実をとりて 胸にあつれば 新たなり 流離の憂い 海の日の 沈むを見れば 激(たぎ)り落つ 異郷の涙 思いやる 八重の汐々 いずれの日にか 国に帰らむ | 倍賞千恵子 | 島崎藤村 | 大中寅二 | | 名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実ひとつ 故郷の 岸を離れて 汝(なれ)はそも 波に幾月 旧(もと)の樹は 生(お)いや茂れる 枝はなお 影をやなせる われもまた 渚を枕 ひとり身の 浮寝の旅ぞ 実をとりて 胸にあつれば 新たなり 流離の憂い 海の日の 沈むを見れば 激(たぎ)り落つ 異郷の涙 思いやる 八重の汐々 いずれの日にか 国に帰らむ |
野性のエルザBorn Free 風のように 草のように 気ままにくらせ Live Free 花やとりと 遊びたわむれ 星を迎える Stay Free ここはしずか 安らかな土地 おまえのもの Born Free いきることは ただそれだけで すばらしい Stay Free ここはしずか 安らかな土地 おまえのもの | 倍賞千恵子 | D.Black・J.Barry・訳詩:若谷和子 | D.Black・J.Barry | | Born Free 風のように 草のように 気ままにくらせ Live Free 花やとりと 遊びたわむれ 星を迎える Stay Free ここはしずか 安らかな土地 おまえのもの Born Free いきることは ただそれだけで すばらしい Stay Free ここはしずか 安らかな土地 おまえのもの |
雪の降る町を雪の降る町を 雪の降る町を 思い出だけが 通りすぎて行く 雪の降る町を 遠いくにから落ちてくる この想い出を この想い出を いつの日にか包まん あたたかき幸福(しあわせ)のほほえみ 雪の降る町を 雪の降る町を あしあとだけが 追いかけてゆく 雪の降る町を 一人こころに満ちてくる この哀しみを この哀しみを いつの日かほぐさん 緑なす春の日のそよ風 雪の降る町を 雪の降る町を 息吹とともに こみあげてくる 雪の降る町を 誰も分からぬ わが心 このむなしさを このむなしさを いつの日か祈らん 新しき光降る鐘の音 | 倍賞千恵子 | 内村直也 | 中田喜直 | 小川寛興 | 雪の降る町を 雪の降る町を 思い出だけが 通りすぎて行く 雪の降る町を 遠いくにから落ちてくる この想い出を この想い出を いつの日にか包まん あたたかき幸福(しあわせ)のほほえみ 雪の降る町を 雪の降る町を あしあとだけが 追いかけてゆく 雪の降る町を 一人こころに満ちてくる この哀しみを この哀しみを いつの日かほぐさん 緑なす春の日のそよ風 雪の降る町を 雪の降る町を 息吹とともに こみあげてくる 雪の降る町を 誰も分からぬ わが心 このむなしさを このむなしさを いつの日か祈らん 新しき光降る鐘の音 |
揺籃のうた揺籃のうたを、 カナリヤが歌う よ。 ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 揺籃のうえに、 枇杷(びわ)の実が揺れる、 よ。 ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 揺籃のつなを、 木ねずみが揺する よ ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 揺籃のゆめに、 黄色い月がかかる、 よ。 ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 | 倍賞千恵子 | 北原白秋 | 草川信 | 小六禮次郎 | 揺籃のうたを、 カナリヤが歌う よ。 ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 揺籃のうえに、 枇杷(びわ)の実が揺れる、 よ。 ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 揺籃のつなを、 木ねずみが揺する よ ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 揺籃のゆめに、 黄色い月がかかる、 よ。 ねんねこ、ねんねこ、 ねんねこ、よ。 |
宵待草待てど暮らせど 来ぬ人を 宵待草の やるせなさ 今宵は月も 出ぬそうな 今宵は月も 出ぬそうな | 倍賞千恵子 | 竹久夢二 | 多忠亮 | | 待てど暮らせど 来ぬ人を 宵待草の やるせなさ 今宵は月も 出ぬそうな 今宵は月も 出ぬそうな |
ラ・ノヴィア白くかがやく花嫁衣裳に 心をかくした美しいその姿 その目にあふれるひとすじの涙を 私は知っているアヴェ・マリア 祭壇の前に立ちいつわりの愛を誓い 十字架に口づけして神の許しを願う その目にあふれるひとすじの涙を 私は知っているアヴェ・マリア 祭壇の前に立ちいつわりの愛を誓い 十字架に口づけして神の許しを願う その目にあふれるひとすじの涙を 私は知っているアヴェ・マリア アヴェ・マリア アヴェ・マリア アヴェ・マリア | 倍賞千恵子 | J.Prieto・訳詩:あらかはひろし | J.Prieto | | 白くかがやく花嫁衣裳に 心をかくした美しいその姿 その目にあふれるひとすじの涙を 私は知っているアヴェ・マリア 祭壇の前に立ちいつわりの愛を誓い 十字架に口づけして神の許しを願う その目にあふれるひとすじの涙を 私は知っているアヴェ・マリア 祭壇の前に立ちいつわりの愛を誓い 十字架に口づけして神の許しを願う その目にあふれるひとすじの涙を 私は知っているアヴェ・マリア アヴェ・マリア アヴェ・マリア アヴェ・マリア |
ラブレター“あなたが好き”と書くと ただ それだけで 胸のたかなる 私 ふるえる指で 手紙を破りすてるの だって だって 恥かしいわ あなたには とどかない 私のラブレター あなたの手紙読んで ただ それだけで しあわせになる 私 夜ふけてひとり 手紙を胸に眠るの だって だって 愛してるの 私には 狂おしい あなたのラブレター “あなたが嫌い”と書くと ただ それだけで 涙ぐんでる 私 にじむ言葉を こまかく破りすてるの だって だって 好きなのよ あなたには とどかない 私のラブレター | 倍賞千恵子 | 永六輔 | 小川寛興 | 小川寛興 | “あなたが好き”と書くと ただ それだけで 胸のたかなる 私 ふるえる指で 手紙を破りすてるの だって だって 恥かしいわ あなたには とどかない 私のラブレター あなたの手紙読んで ただ それだけで しあわせになる 私 夜ふけてひとり 手紙を胸に眠るの だって だって 愛してるの 私には 狂おしい あなたのラブレター “あなたが嫌い”と書くと ただ それだけで 涙ぐんでる 私 にじむ言葉を こまかく破りすてるの だって だって 好きなのよ あなたには とどかない 私のラブレター |
旅愁更け行く秋の夜 旅の空の わびしき思いに ひとりなやむ 恋しやふるさと なつかし父母 夢路にたどるは 故郷(さと)の家路 更け行く秋の夜 旅の空の わびしき思いに ひとりなやむ 窓うつ嵐に 夢もやぶれ 遥けきかなたに ひとりまよう 恋しやふるさと なつかし父母 思いに浮かぶは 杜のこずえ 窓うつ嵐に 夢もやぶれ 遥けきかなたに ひとりまよう | 倍賞千恵子 | 犬童球渓 | オードウェイ | 小川寛興 | 更け行く秋の夜 旅の空の わびしき思いに ひとりなやむ 恋しやふるさと なつかし父母 夢路にたどるは 故郷(さと)の家路 更け行く秋の夜 旅の空の わびしき思いに ひとりなやむ 窓うつ嵐に 夢もやぶれ 遥けきかなたに ひとりまよう 恋しやふるさと なつかし父母 思いに浮かぶは 杜のこずえ 窓うつ嵐に 夢もやぶれ 遥けきかなたに ひとりまよう |
リラの花散る町町の灯一つ 又一つ 私の胸を 悲しく濡らす つきぬ想いに 君呼べば 涙の色か 紫の リラの花散る あゝ日暮れ道 想い出だけが 消えないで 静かに残る この町はずれ 遠く去りゆく 君の影 瞼(まぶた)を閉じて 見送った リラの花散る あゝ日暮れ道 潔(きよ)い心の 青い星 またたくように やさしくともる いつか逢う日を あの星に 希(のぞ)みをかけて ただ祈る リラの花散る あゝ日暮れ道 | 倍賞千恵子 | たなかゆきを | 細川潤一 | | 町の灯一つ 又一つ 私の胸を 悲しく濡らす つきぬ想いに 君呼べば 涙の色か 紫の リラの花散る あゝ日暮れ道 想い出だけが 消えないで 静かに残る この町はずれ 遠く去りゆく 君の影 瞼(まぶた)を閉じて 見送った リラの花散る あゝ日暮れ道 潔(きよ)い心の 青い星 またたくように やさしくともる いつか逢う日を あの星に 希(のぞ)みをかけて ただ祈る リラの花散る あゝ日暮れ道 |
リンゴの唄赤いリンゴに 口びるよせて だまってみている 青い空 リンゴはなんにも いわないけれど リンゴの気持は よくわかる リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ あの娘よい子だ 気立のよい娘 リンゴに良く似た 可愛いい娘 どなたがいったか うれしいうわさ かるいクシャミも とんで出る リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ 朝のあいさつ 夕べの別れ いとしいリンゴに ささやけば 言葉は出さずに 小くびをまげて あすも又ねと 夢見がお リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ 歌いましょうか リンゴの歌を 二人で歌えば なおたのし 皆なで歌えば なおなおうれし リンゴの気持を 伝えよか リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ | 倍賞千恵子 | サトウハチロー | 万城目正 | 小六禮次郎 | 赤いリンゴに 口びるよせて だまってみている 青い空 リンゴはなんにも いわないけれど リンゴの気持は よくわかる リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ あの娘よい子だ 気立のよい娘 リンゴに良く似た 可愛いい娘 どなたがいったか うれしいうわさ かるいクシャミも とんで出る リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ 朝のあいさつ 夕べの別れ いとしいリンゴに ささやけば 言葉は出さずに 小くびをまげて あすも又ねと 夢見がお リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ 歌いましょうか リンゴの歌を 二人で歌えば なおたのし 皆なで歌えば なおなおうれし リンゴの気持を 伝えよか リンゴ可愛いや 可愛いやリンゴ |
麗人草の歌愛の涙に やさしく濡れて 咲くが乙女の 生命(いのち)なら 何故に散らした あの夜の風よ 今は返らぬ 夢かなし 月のテラスで やさしく肩を 抱いたあの夜の あの人が 今日も呼ぶ呼ぶ 嘆きの窓に 強く生きよと 夢に呼ぶ 涙 涙の 幾年越えて 帰るこの春 花の春 咲いて香れよ 麗人草の 花は紅 あの丘に | 倍賞千恵子 | 松村又一 | 加藤三雄 | 小川寛興 | 愛の涙に やさしく濡れて 咲くが乙女の 生命(いのち)なら 何故に散らした あの夜の風よ 今は返らぬ 夢かなし 月のテラスで やさしく肩を 抱いたあの夜の あの人が 今日も呼ぶ呼ぶ 嘆きの窓に 強く生きよと 夢に呼ぶ 涙 涙の 幾年越えて 帰るこの春 花の春 咲いて香れよ 麗人草の 花は紅 あの丘に |
ローレライなじかは知らねど 心わびて 昔の伝えは そぞろ身にしむ わびしく暮れゆく ラインの流れ 入日に山々 赤くはゆる うるわしおとめの いわに立ちて こがねのくしとり 髪の乱れを ときつつ口ずさぶ 歌の声の くすしき力に たまもまよう | 倍賞千恵子 | E.P.Silcher・訳詞:近藤朔風 | E.P.Silcher | 小川寛興 | なじかは知らねど 心わびて 昔の伝えは そぞろ身にしむ わびしく暮れゆく ラインの流れ 入日に山々 赤くはゆる うるわしおとめの いわに立ちて こがねのくしとり 髪の乱れを ときつつ口ずさぶ 歌の声の くすしき力に たまもまよう |
忘れな草をあなたに別れても 別れても 心の奥に いつまでも いつまでも おぼえておいて ほしいから しあわせ祈る ことばにかえて 忘れな草を あなたに あなたに いつの世も いつの世も 別れる人と 会う人の 会う人の さだめは常に あるものを ただ泣きぬれて 浜辺につんだ 忘れな草を あなたに あなたに 喜びの 喜びの 涙にくれて 抱き合う 抱き合う その日がいつか くるように ふたりの愛の 思い出そえて 忘れな草を あなたに あなたに | 倍賞千恵子 | 木下竜太郎 | 江口浩司 | | 別れても 別れても 心の奥に いつまでも いつまでも おぼえておいて ほしいから しあわせ祈る ことばにかえて 忘れな草を あなたに あなたに いつの世も いつの世も 別れる人と 会う人の 会う人の さだめは常に あるものを ただ泣きぬれて 浜辺につんだ 忘れな草を あなたに あなたに 喜びの 喜びの 涙にくれて 抱き合う 抱き合う その日がいつか くるように ふたりの愛の 思い出そえて 忘れな草を あなたに あなたに |
私でよかったら私でよかったら 私はよろこんで あなたの胸に だかれます 明日のことは 知らない きらいになるかも しれない でもいいの 私でよかったら どうぞ 私でよかったら 私はよろこんで あなたの愛を ちかいます わかれの日は 知らない 泣きかなしむかも しれない でもいいの 私でよかったら どうぞ 私でよかったら 私はよろこんで あなたの言葉を 信じます 幸福(しあわせ)かは 知らない 苦しみぬくかも しれない でもいいの 私でよかったら どうぞ どうぞ | 倍賞千恵子 | 永六輔 | 中村八大 | | 私でよかったら 私はよろこんで あなたの胸に だかれます 明日のことは 知らない きらいになるかも しれない でもいいの 私でよかったら どうぞ 私でよかったら 私はよろこんで あなたの愛を ちかいます わかれの日は 知らない 泣きかなしむかも しれない でもいいの 私でよかったら どうぞ 私でよかったら 私はよろこんで あなたの言葉を 信じます 幸福(しあわせ)かは 知らない 苦しみぬくかも しれない でもいいの 私でよかったら どうぞ どうぞ |
われは海の子我は海の子 白波の さわぐいそべの 松原に 煙たなびく とまやこそ わがなつかしき 住家なれ 生(うま)れてしおに 浴(ゆあみ)して 浪を子守の 歌と聞き 千里寄せくる 海の気を 吸いてと童と なりにけり 高くはなつく いその香(か)に 不断の花の かおりあり なぎさの松に 吹く風を いみじき楽と われは聞く | 倍賞千恵子 | 不詳 | 不詳 | 小六禮次郎 | 我は海の子 白波の さわぐいそべの 松原に 煙たなびく とまやこそ わがなつかしき 住家なれ 生(うま)れてしおに 浴(ゆあみ)して 浪を子守の 歌と聞き 千里寄せくる 海の気を 吸いてと童と なりにけり 高くはなつく いその香(か)に 不断の花の かおりあり なぎさの松に 吹く風を いみじき楽と われは聞く |