東京無情織井茂子 | 織井茂子 | 野村俊夫 | 船村徹 | | 花の都に 憧れて 尋ね来た わたしは小鳥 雨に濡れよが 風にたゝかりょが 人は 素知らぬふりして 過ぎてゆく あゝ 東京情なし 薄情ものよ 尋ね探した ねぐらさえ 陽もさゝぬ この世の裏よ 泥溝(どぶ)に落ちよが 羽をいためよが 赤い ネオンは黙って 眺めてる あゝ 東京情なし 薄情ものよ 遠いむかしの 純情を なつかしむ あたしの涙 夢を持とうが 強く歩こうが 憎い 都にゃ冷たい 人ばかり あゝ 東京情なし 薄情ものよ |
波止場小僧美空ひばり | 美空ひばり | 野村俊夫 | 船村徹 | | 岬がくれに 汽笛がひゞく あれは兄(あん)ちゃん 乗ってる船さ 顔をみるのも 久しぶりだよ あ……帰る日を待ってた 波止場さ お土産はなんだろナ 縞のジャケツに マドロス帽子 波止場小僧は 元気なものよ 遊び仲間は かわい鴎さ あ……すまないが兄ちゃんに負けない 船乗りになるんだヨ 赤い夕陽の 港に入る 白いマストの 素敵な船さ あれは兄ちゃん 錨降ろすぜ あ……あの船で波こえ一度は アメリカにゆきたいナ |
鐘つき小僧三宅広一 | 三宅広一 | 野村俊夫 | 船村徹 | | 鐘をついたら 泣けて来た 山の日暮れの さみしさに 俺はみなし児 鐘つき小僧 聞いているだろ 母ちゃんも なんまいだア 赤い入り陽の赤い入り陽の あの空で 親を供養の お念仏 里の子供に なぶられて 鐘をつきつき かくした涙 呼んでいるのは 誰じゃやら なんまいだア 誰も呼ばない誰も呼ばない 風ばかり 一つ突いては また一つ 鐘のひゞきも 母恋し すゝき尾花に 仮寝のとんぼ 俺もお前も ひとりぼち なんまいだア 夢を見てやら夢を見てやら 泣いてやら |
逢いに来ましたお父さん三宅広一 | 三宅広一 | 野村俊夫 | 船村徹 | | 母さん作った 日の丸弁当 ひとり喰べ喰べ 汽車の旅 夢で見ていた 東京の街を 地図を頼りに 九段まで 逢いに来ました お父さん 泣き泣き拝んだ 靖国神社 合わす両手に 桜ちる 待っていたよの たゞ一言を 聞いてみたさに はるばると 逢いに来ました お父さん お別れした時ぁ 乳呑み児だった 丁度あれから 十五年 つらい淋しい かた親そだち 故郷の話を おみやげに 逢いに来ました お父さん |
音信はないか小野巡 | 小野巡 | 野村俊夫 | 能代八郎 | | 月の露営に 雁が鳴く 空をあおげば 五羽 六羽 音信(たより)はないか 故郷から あゝ頼みはせぬか 言伝(ことづて)を 僕は未練で 聞くじゃない 無事でおいでか 母上は 手柄はいまだ 樹(た)てないが あゝおくれはせぬぞ 戦友に 雁よ露営の 風だより せめて故郷の あの窓に 伝えて呉れよ 元気だと あゝたゞひと言を ぜひ頼む |
恋のそよ風藤山一郎 | 藤山一郎 | 野村俊夫 | レイモンド服部 | | 春の日の風 夏の夜風 秋にはわびしい 窓辺の風 その日その夜に 風は変われど やさしく吹くは君 恋の風よ 君よ今宵の 丘の風は 二人のささやき 夢の国へ ああ飛びゆくごと 甘くそよふく 歌えやこれぞ君 恋の風よ 変わり易きは 風の運命 心を許せば 悪魔しのび 胸に嘆きの 泥散らすよ 誓いも固く君 永遠に燃えよ |
可愛いソニヤ藤山一郎 | 藤山一郎 | 野村俊夫 | 佐渡暁夫 | | 月にむせぶか 流浪になくか 更ける窓辺の バラライカ 可愛いソニヤは ハルピン育ち ああ 思い出す故郷(くに) あるじゃなし 地位も名誉も 儚(はか)なく消えて 父はシベリヤ 雪の鳥 可愛いソニヤは やさしい母の ああ 胸を離れた はぐれ鳥 流れ流れて 知るべを尋ね 泣いて寝た夜の キタイスカヤ 可愛いソニヤは ウラジオ訛り ああ 濡れた瞳は 海の色 |
見ないで頂戴お月様花村菊江 | 花村菊江 | 野村俊夫 | 古賀政男 | 小杉仁三 | あなた来るかと 待ちわびる 露地の灯りの やるせなさ 胸にしみ込む 爪弾きは よわい女の 泣く涙 見ないで頂戴 お月様 あの場かぎりの 嘘かしら 春が言わせた 嘘かしら 君がまぼろし 抱きしめて 逢うているよな ひとり言 見ないで頂戴 お月様 じれて占う トランプも 逢いに来るよな 来ないよな 風にいく度か 騙されて 窓にしおれる この私 見ないで頂戴 お月様 願い届いて 夜が更けて たった二人に なれたなら 淡い灯影で しみじみと すねて甘えて うれし泣き 見ないで頂戴 お月様 |
嘆きのピエロ藤山一郎 | 藤山一郎 | 野村俊夫 | レイモンド服部 | | 流れ流れて 他国の月に すすり泣くよな クラリオネット 今日はこの町 明日(あした)はいずこ 天幕(テント)ぐらしの わが身が愛(いと)し 踊るライトに 浮かれちゃおれど トンボ返りも 涙のピエロ 一目見染めた 桃割れ髪に とおい故郷の あの娘(こ)が恋し 水の流れの 行末なれば 財布はたいて 場末の酒場 ひとりうかれた 明日の夢を 結ぶ天幕(テント)に 夜風が哀し |
想い出の旅情藤山一郎 | 藤山一郎 | 野村俊夫 | 山下五郎 | | 汽車は出て行く 夜空の果てに 残る思いの 汽笛がひびく 旅の一夜の ホテルの窓に 胸に沁むよな 月を見る 淡い灯影(ほかげ)に 仄かに咲いた 花は儚い うすむらさきよ せめて面影 心に秘めて 明日は越えるか あの山を そっと帰ろか さらばを言おか 月はさみしく 夜霧に濡れる 又と逢えない 旅ゆえ身ゆえ せめてこのまま 別れよか |
東京だョおっ母さん清水博正 | 清水博正 | 野村俊夫 | 船村徹 | | 久し振りに 手を引いて 親子で歩ける 嬉しさに 小さい頃が 浮かんで来ますよ おっ母さん ここが ここが 二重橋 記念の写真を とりましょうね やさしかった 兄さんが 田舎の話を 聞きたいと 桜の下で さぞかし待つだろ おっ母さん あれが あれが 九段坂 逢ったら泣くでしょ 兄さんも さあさ着いた 着きました 達者で永生き するように お参りしましょよ 観音様です おっ母さん ここが ここが 浅草よ お祭りみたいに にぎやかね |
海女の慕情前田通子 | 前田通子 | 野村俊夫 | 服部レイモンド | | 潮の香りが しむように 胸にしみいる あなたの瞳 あまく悲しく やるせなく 日毎に募る 海女の恋 波に素肌を なぶらせる 海女も乙女よ さしぐむ涙 肩をならべて 歩いても なぜにか痛む この思い 霧が流れて 消えるよに 胸のなやみは いつの日晴れる 淡くはかなく 咲く花か 愁いに濡れる 海女の恋 |
東京だよおっ母さん大江裕 | 大江裕 | 野村俊夫 | 船村徹 | | 久しぶりに 手をひいて 親子で歩ける うれしさに 小さい頃が 浮かんで来ますよ おっ母さん ここが ここが二重橋 記念の写真を とりましょうね やさしかった 兄さんが 田舎の話を 聞きたいと 桜の下で さぞかし待つだろ おっ母さん あれが あれが九段坂 逢ったら泣くでしょ 兄さんも さあさ着いた 着きました 達者で長生き するように お参りしましょよ 観音様です おっ母さん ここが ここが浅草よ お祭りみたいに にぎやかね |
湯の町エレジー三山ひろし | 三山ひろし | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 伊豆の山々 月あわく 灯りにむせぶ 湯のけむり ああ 初恋の 君をたずねて 今宵また ギター爪弾く 旅の鳥 風のたよりに 聞く君は 温泉(いでゆ)の町の 人の妻 ああ 相(あい)見ても 晴れて語れぬ この思い せめて届けよ 流し唄 あわい湯の香も 路地裏も 君住む故に なつかしや ああ 忘られぬ 夢を慕いて 散る涙 今宵ギターも むせびなく |
慕情の街神戸一郎 | 神戸一郎 | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 暗い夜道さ 果ない道さ どこに塒が あるじゃなし 生きる希望は ただ君ひとり 愛の腕に アヽ抱いてゆく 夢がありゃこそ 故郷を捨てて 花の都へ 出て来たが 憎い嵐に 散る散る落葉 今じゃ巷で アヽ吹き晒し 憎い浮世と すねるな泣くな 明日の日もある 春もなる 若い生命を なんで汚さりょか 強く二人は アヽ生きようよ |
東京タワー美空ひばり | 美空ひばり | 野村俊夫 | 船村徹 | | 素敵よ素敵ね ごらんなさい あちらは富士山 こちらは筑波 おとぎ噺に 出てくるような 小人の国でも 見るような オゝ ワンダフル ワンダフル 東京タワー 素敵よ素敵ね ごらんなさい 綺麗なレインボー 流れは隅田 パリのセーヌか エッフェル塔か にっこりバルンも 背くらべ オゝ ワンダフル ワンダフル 東京タワー 素敵よ素敵ね ごらんなさい はるかにアルプス 招くは伊豆路 愛のプランを 心の中に 楽しく描いてる 君と僕 オゝ ワンダフル ワンダフル 東京タワー |
どうせひろった恋だもの氷川きよし | 氷川きよし | 野村俊夫 | 船村徹 | | 矢っ張りあンたも おんなじ男 あたしは あたしで 生きてゆく 今更なにを 言ってるのさ 気まぐれ 夜風に 誠なんか あるものか 捨てちゃえ 捨てちゃえ どうせひろった 恋だもの 飲もうと酔おうと あたしの勝手 余計な お世話だ よしとくれ 愚痴ってみても 仕方ないさ 女の こころを あンたなんか 知るものか 捨てちゃえ 捨てちゃえ どうせひろった 恋だもの 笑っているのに 涙がにじむ 並木の 夜星よ 見るじゃない 泣かなきゃすまぬ 年じゃないさ 気まぐれ 男に 未練なんか あるものか 捨てちゃえ 捨てちゃえ どうせひろった 恋だもの |
東京だョおっ母さん島倉千代子 | 島倉千代子 | 野村俊夫 | 船村徹 | | 久しぶりに 手を引いて 親子で歩ける 嬉しさに 小さい頃が 浮んで来ますよ おっ母さん こゝが こゝが 二重橋 記念の写真を とりましょね やさしかった 兄さんが 田舎の話を 聞きたいと 桜の下で さぞかし待つだろ おっ母さん あれが あれが 九段坂 逢ったら泣くでしょ 兄さんも さあさ着いた 着きました 達者で永生き するように お参りしましょよ 観音様です おっ母さん こゝが こゝが 浅草よ お祭りみたいに 賑かね |
湯の町エレジー氷川きよし | 氷川きよし | 野村俊夫 | 古賀政男 | 石倉重信 | 伊豆の山々 月あわく 灯りにむせぶ 湯のけむり ああ 初恋の 君をたずねて 今宵また ギター爪弾(つまび)く 旅の鳥 風のたよりに 聞く君は 温泉(いでゆ)の町の 人の妻 ああ 相見ても 晴れて語れぬ この思い せめて届けよ 流し唄 あわい湯の香も 路地裏も 君住む故に なつかしや ああ 忘られぬ 夢を慕いて 散る涙 今宵ギターも むせびなく |
湯の町エレジー天童よしみ | 天童よしみ | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 伊豆の山々 月あわく 灯りにむせぶ 湯のけむり ああ 初恋の 君をたずねて 今宵また ギターつまびく 旅の鳥 風のたよりに 聞く君は 出泉(いでゆ)の町の 人の妻 ああ 相見(あいみ)ても 晴れて語れぬ この思い せめてとどけよ 流し唄 淡い湯の香も 露地裏も 君住む故に なつかしや ああ 忘られぬ 夢を慕いて 散る泪 今宵ギターも 咽びなく |
女を忘れろ小林旭 | 小林旭 | 野村俊夫 | 船村徹 | | ダイス転がせ ドラムを叩け やけにしんみり する夜だ 忘れろ 忘れろ 鼻で笑ってョ あきらめ切るのが 男だろ あとはドラムに 聞いてくれ 呑んでくだ巻け グラスを砕け 男ごころは 馬鹿なもの 忘れろ 忘れろ 女なんかはョ あの娘にゃあの娘の 恋がある 荒れてみたいぜ 荒れさせろ 闇を蹴とばせ 月みてわめけ どうせあの娘にゃ 判らない 忘れろ 忘れろ 何も言わずにョ 夜通し歩いて あきらめろ 俺にゃあの娘は 用なしさ |
馬喰一代村田英雄 | 村田英雄 | 野村俊夫 | 古賀政男 | 古賀政男 | 美幌おろしと 男が競う 馬喰仲間じゃ 売れた顔 ちょいと一升 腰かけ二升 飲んでたんかは きるけれど かわい伜にゃ あゝかなわない 俺にゃ銭(ぜん)こも 女もいらぬ 伜ひとりが 宝もの 暴れ者(もん)にも 一途の意気地 どうせやる時ゃ 生命がけ 今日は降らそか あゝ血の雨を 男だったら しっかりやれと 暴れ者(もん)でも 親ごころ 汽車は出てゆく 別れはつらい 名残り惜しさに 追いかける 鞭にいななく あゝ裸馬 |
東京だョおっ母さん(セリフ入り)島倉千代子 | 島倉千代子 | 野村俊夫 | 船村徹 | | おっ母さん ねえ おっ母さん 久しぶりに こうして手をつないで おっ母さんと一緒に 東京見物出来るなんて あーとっても嬉しいわ ホラおっ母さん見てごらんなさい ここが宮城 二重橋よ 久しぶりに 手を引いて 親子で歩ける 嬉しさに 小さい頃が 浮んで来ますよ おっ母さん こゝが こゝが 二重橋 記念の写真を とりましょね ねえ おっ母さん 戦争でなくなった兄さん ここに眠ってるのよ やさしかった 兄さんが 田舎の話を 聞きたいと 桜の下で さぞかし待つだろ おっ母さん あれが あれが 九段坂 逢ったら泣くでしょ 兄さんも ねえ お兄ちゃん お兄ちゃんが登って遊んだ庭の柿の木もそのままよ 見せてあげたいわ さあさ着いた 着きました 達者で永生き するように お参りしましょよ 観音様です おっ母さん こゝが こゝが 浅草よ お祭りみたいに 賑かね |
東京だョおっ母さん氷川きよし | 氷川きよし | 野村俊夫 | 船村徹 | | 久しぶりに 手をひいて 親子で歩ける 嬉しさに 小さい頃が浮かんで来ますよ おっ母さん ここが ここが二重橋 記念の写真を とりましょうね やさしかった 兄さんが 田舎の話を 聞きたいと 桜の下でさぞかし待つだろ おっ母さん あれが あれが九段坂 逢ったら泣くでしょ 兄さんも さあさ着いた 着きました 達者で永生き するように お参りしましょよ観音様です おっ母さん ここが ここが浅草よ お祭りみたいに 賑(にぎ)やかね |
暁に祈る美空ひばり | 美空ひばり | 野村俊夫 | 古関裕而 | 佐伯亮 | ああ あの顔で あの声で 手柄たのむと 妻や子が ちぎれる程に 振った旗 遠い雲間に また浮かぶ ああ 堂々の 輸送船 さらば祖国よ 栄えあれ 遥かに拝む 宮城の 空に誓った この決意 ああ 傷ついた この馬と 飲まず食わずの 日も三日 捧げた生命 これまでと 月の光で 走り書 ああ あの山も この川も 赤い 忠義の血がにじむ 故郷までとどけ 暁に あげる興亜の この凱歌 |
裏町パラダイス美空ひばり | 美空ひばり | 野村俊夫 | 平川英夫 | 平川英夫 | 君はやさしい 愛の太陽 くらい此の世を 照してる 暗い淋しい 裏町も 君が有りゃこそ 明日に希望が わいて来る せまいながらも 楽しい屋根裏 夢が呼ぶ呼ぶ 青い空 風にもまれる 花じゃもの いとし君なきゃ わたしゃちまたの すたれ者 君が歌えば 星もきらめく 思い嬉しく わく涙 道のいばらを 開きつゝ 君と二人で 望む此の世の パラダイス |
どうせ拾った恋だものちあきなおみ | ちあきなおみ | 野村俊夫 | 船村徹 | 小杉仁三 | 矢ッ張りあンたも おんなじ男 あたしはあたしで 生きてゆく 今更なにを 言ってるのさ 気まぐれ夜風に 誠なんかあるものか 捨てちゃえ 捨てちゃえ どうせひろった 恋だもの 飲もうと酔おうと あたしの勝手 余計なお世話だ よしとくれ 愚痴ってみても 仕方ないさ 女のこころを あんたなんか知るものか 捨てちゃえ 捨てちゃえ どうせひろった 恋だもの 笑っているのに 涙がにじむ 並木の夜星よ 見るじゃない 泣かなきゃすまぬ 年じゃないさ 気まぐれ男に 未練なンかあるものか 捨てちゃえ 捨てちゃえ どうせひろった 恋だもの |
涙にぬれた窓ちあきなおみ | ちあきなおみ | 野村俊夫 | 船村徹 | 船村徹 | 雨のしずくを 手に受けて あの人の名を書く ガラス窓 ああ 日が暮れる 夜がくる 涙にぬれた あたしのあたしの心にも 波止場通りに ともる灯が いとしい面影 偲ばせる ああ 汽笛(ふえ)が鳴る 船が出る 場末の酒場に あたしをあたしを捨てといて 強い酒でも のんだなら 忘れてしまえる あの人か ああ 雨がふる 夢が散る うつろになった あたしのあたしのこの心 |
元気でね、左様なら青木光一 | 青木光一 | 野村俊夫 | 三界稔 | 船村徹 | あの娘は波止場で 涙顔 俺は出てゆく 船の上 つらい別れの 投げテープ 『元気でネ さようなら』 むせぶ汽笛が あゝ 身にしみる 見送る鴎も 二羽三羽 山も港も 遠ざかる 薄い縁の 恋ごゝろ 『元気でネ さようなら』 捨てゝくれるな あゝ 想い出を 別れのテープは 風まかせ 俺はデッキで 泣いている またの逢瀬は いつじゃやら 『元気でネ さようなら』 愛しあの娘も あゝ 早や見えぬ |
むすめ旅笠美空ひばり | 美空ひばり | 野村俊夫 | 万城目正 | 松尾健司 | 国が恋しい 親なし雀 流れ雲かよ 旅の空 花が咲こうと 祭りを見よと 泣いた涙は 消えやせぬ 渡船(ワタシ)待つ間の 腰かけ茶屋で 聞いた飛脚の 国なまり 想い出しても 詮ないものを 幼馴染みが 目に見える 月も十六 涙に濡れる あれも旅の子 山越えて 恨みますまい 浮世の運命 どうせわたしは 流れ雲 |
湯の町エレジー島倉千代子 | 島倉千代子 | 野村俊夫 | 古賀政男 | 佐伯亮 | 伊豆の山々 月あわく 灯りにむせぶ 湯のけむり あゝ 初恋の 君をたずねて 今宵また ギター爪びく 旅の鳥 風のたよりに 聞く君は 温泉の町の 人の妻 あゝ 相見ても 晴れて語れぬ この思い せめて届けよ 流し唄 あわい湯の香も 路地裏も 君住む故に なつかしや あゝ 忘られぬ 夢を慕いて 散る涙 今宵ギターも むせびなく |
湯の町エレジー大川栄策 | 大川栄策 | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 伊豆の山山 月あわく 灯りにむせぶ 湯のけむり ああ 初恋の 君をたずねて 今宵また ギター爪びく 旅の鳥 風のたよりに 聞く君は 温泉(いでゆ)の町の 人の妻 ああ 相見ても 晴れて語れぬ この思い せめて届けよ 流し唄 あわい湯の香も 露路裏も 君住む故に なつかしや ああ 忘られぬ 夢を慕いて 散る涙 今宵ギターも むせびなく |
港の恋唄大川栄策 | 大川栄策 | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 港日暮れて そぼ降る雨に むせぶ汽笛よ 誰を呼ぶ 君の船かと 波止場に来たが 知らぬ他国の とまり船 かけた願いも 消え果てた 君が別れに のこした言葉 思いかえして 涙ぐむ すれたようでも 女は女 うぶな昔の 恋ごころ もえて切ない 町灯り 雨の晴れ間の 港の月に 聞いて見るのは 君のこと 船はいつ来る 待つ身のつらさ 酒場暮しの 浮かれ草 投げたカルタに 夜が更ける |
湯の町エレジー松原のぶえ | 松原のぶえ | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 伊豆の山々 月あわく 灯りにむせぶ 湯のけむり ああ 初恋の 君をたずねて 今宵また ギター爪弾く 旅の鳥 風のたよりに 聞く君は 温泉(いでゆ)の町の 人の妻 ああ 相見ても 晴れて語れぬ この思い せめて届けよ 流し唄 あわい湯の香も 露路裏も 君住む故に なつかしや ああ 忘られぬ 夢を慕いて 散る涙 今宵ギターも むせびなく |
湯の町エレジー五木ひろし | 五木ひろし | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 伊豆の山々 月あわく 灯りにむせぶ 湯のけむり あゝ 初恋の 君をたずねて 今宵また ギター爪弾く 旅の鳥 風のたよりに 聞く君は 温泉(いでゆ)の町の 人の妻 あゝ相見ての 晴れて語れぬ この思い せめて届けよ 流し唄 あわい湯の香も 露路裏も 君住む故に なつかしや あゝ 忘られぬ 夢を慕いて 散る涙 今宵ギターも むせびなく |
雨だれぽったん北島三郎 | 北島三郎 | 野村俊夫 | 船村徹 | | 雨だれぽったん 見ていると あの娘の顔が つぎつぎに 浮かんで消えて 落ちてゆく 雨だれぽったん 真珠いろ 僕の目からも ぽったんこ 雨だれぽったん 掌にうけて 落葉の窓の ガラス戸に 思いのかぎり 書く手紙 雨だれぽったん 日暮れどき 胸の痛みに ぽったんこ 雨だれぽったん うた歌い 思い出の夢 一つずつ 歌って遠く 消えてゆく 雨だれぽったん 待ち呆け 瞼ぬらして ぽったんこ |
楽しい夢藤山一郎、安西愛子 | 藤山一郎、安西愛子 | 野村俊夫 | 明本京静 | | ああして こうして それから後は こんな事など してみたい それは大地と 御空をつなぐ 七色虹の 太鼓橋 渡る彼方の 楽しい夢 ああして こうして それから後は こんな事など してみたい もしも望みが 届いたならば 暗い重たい 世の中の 雲もからりと 晴れるだろ ああして こうして それから後は こんな事など してみたい 星の数程 あるあこがれを 何時もこころに 浮ばせて 歌をうたえば 世は楽し |
怒濤の男美空ひばり | 美空ひばり | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 男一途に やるぞときめて 切った意気地の もとどりを 何で涙で けがしてなろか これが男の 生きる道 義理にゃ負けても 無法にゃ負けぬ 若い生命の 血のあつさ 捨てたこの世にゃ 未練はないさ なまじからむな 夜の風 雨も風も 笑顔でうけて 起(た)たにゃ男の 名がすたる やると云ったら 生命の限り 行くぞ怒濤の 人生を |
八百屋お七美空ひばり | 美空ひばり | 野村俊夫 | 万城目正 | | 月を見てさえ 吉さま恋し まして逢えなきゃ なおさらに 泣いて畳んだ 折鶴だいて 娘十六 恋ごころ 忍ぶ小路の 足音きけば 胸は早鐘 みだれ打ち 紅を散らした 顔のぞかれて 知らぬふりする はずかしさ 夢も七いろ 吉さま参る 醒めて悲しい 小夜嵐 娘ごころは 燃えてるものを ままにならない 恋模様 |
浪花の女村田英雄 | 村田英雄 | 野村俊夫 | 船村徹 | | 惚れた弱味じゃないけれど 苦労承知であんたの女房 花の咲くまで咲かすまで 風邪もひかせぬ 浪花女の こころ意気 酔えば無邪気なだだっ子の 酒のもとでを髪結かせぎ 他所の目からは酔狂でも 心つくして死ねりゃほんとの 果報者 見れば見るほど 美しい いのち投げ出す 男の姿 それが女子の泣きどころ 家のひとでもわたしゃ二度惚れ 三度惚れ |
燃える瞳高峰三枝子 | 高峰三枝子 | 野村俊夫 | 万城目正 | | 貴方なしでは さみしくて とても生きては 行けないの 泣き泣き今日も 筆をとる だけど だけど なんにも書けない わたしなの いつも冷たい 横顔を じっと見つめる やるせなさ どうすりゃいゝの この心 だけど だけど なんにも知らない わたしなの 月の光を あびながら 肩をならべて 帰るみち 嬉しくはずむ 胸の中 だけど だけど なんにも言えない わたしなの 願い届いて 許されて 強い腕に 身をなげる 夢みるような 恋の夜 だけど だけど なんにも出来ない わたしなの |
嗚呼神風特別攻撃隊伊藤久男 | 伊藤久男 | 野村俊夫 | 古関裕而 | | 無念の歯噛 堪えつつ 待ちに待ちたる 決戦ぞ 今こそ敵を 屠らんと 奮い起ちたる 若桜 この一戦に 勝たざれば 祖国のゆくて いかならん 撃滅せよの 命うけし 神風特別 攻撃隊 送るも征くも 今生の 別れと知れど ほほえみて 爆音たかく 基地をける おお神鷲の 肉弾行 神風特別攻撃隊 |
かちどき音頭松原操・佐々木章・近江俊郎 | 松原操・佐々木章・近江俊郎 | 野村俊夫 | 古関裕而 | | 一年二年は まだ小手調べ 勝って勝ち抜く 三年目 敵にゃ厄年 百年目 止め刺すまで 増産だ あの日御国に 捧げた生命 たとえ此のまま 倒れても 退くな休むな この職場 止め刺すまで 増産だ 友の勲 朝夕祈り やるぞ遂げるぞ この戦 生産戦士の 名にかけて 止め刺すまで 増産だ 手柄天晴れ あの艦あの機 役に立ったか この腕が 凱歌聞くたび ただ涙 止め刺すまで 増産だ 打てば響くぞ 張切る胸が 来いよ米英 今年こそ があんと喰わす 大和魂 止め刺すまで 増産だ |
南の薔薇近江俊郎 | 近江俊郎 | 野村俊夫 | 米山正夫 | 大西修 | 南のばらそよ風に ほほえむ君の姿 胸に抱き口づける 花よばらの花 美わしの月の宵 ともに盃あげ 君よ歌え 恋の歌を なやましこの胸 燃えたつ恋 南の国スペインの 君はやさしのばら 南のばらあこがれの 君こそ花の女王 夢の間も忘られぬ 花よばらの花 美わしの月の宵 ともに盃あげ 君よ歌え 恋の歌を なやましこの胸 燃えたつ恋 南の国スペインの 君はやさしのばら |
湯の町物語近江俊郎 | 近江俊郎 | 野村俊夫 | 米山正夫 | 大西修 | 一つ流れる あの星は 想い出す夜の 夢のかげ 泣くまいと 泣くまいと 涙かくした 宵の窓 またも泣かせる 流し唄 いく度たよりを 書いたとて こころ届かぬ 片だより 思うまい 思うまい 旅のお方は うす情 どうせ一夜の 湯のけむり 花と咲いても 湯の花の 運命かなしい 浮き沈み あきらめて あきらめて 生きるせつなさ やるせなさ 誰にあかそう この恋を |
見ないで頂戴お月様神楽坂はん子 | 神楽坂はん子 | 野村俊夫 | 古賀政男 | | あなた来るかと 待ちわびる 露地の灯りの やるせなさ 胸にしみこむ 爪弾きは よわい女の 泣く涙 見ないで頂戴 お月さま あの場かぎりの 嘘かしら 春が言わせた 嘘かしら 君のまぼろし 抱きしめて 逢うているよな ひとり言 見ないで頂戴 お月さま 願い届いて 夜が更けて たった二人に なれたなら 淡い灯影で しみじみと すねて甘えて うれし泣き 見ないで頂戴 お月さま |
雨の田原坂神楽坂はん子 | 神楽坂はん子 | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 雨は降る降る 人馬は濡れる 憎い矢弾に 血がしぶく 友は傷付き 捨てては置けず 越すに越されぬ 田原坂 孤軍奮闘破囲還 一百里程塁壁間 吾剣己摧吾馬斃 秋風埋骨故郷山 薩摩隼人は 死すとも退かぬ 右手に血刀 みだれがみ 花の顔 口一文字 散るも覚悟の 美少年 勝てば官軍 負ければ賊よ 雨は血の雨 涙あめ 残る砦も 城山一つ 男泣きする 田原坂 |
みんな私が悪いのよ神楽坂はん子 | 神楽坂はん子 | 野村俊夫 | 古賀政男 | | お顔みるのも 今日かぎり お声きくのも 今夜きり 好いていながら 西東 罪な浮世が やるせない 許して ねェ みんな私が悪いのよ 柳がくれの 三日月も 見れば泣き顔 涙顔 義理と言う字の 苦しさに 負けた弱さを 責めないで 許して ねェ みんな私が悪いのよ 嫌で別れる わたしなら 何んで詫びましょ すがりましょ 憎い運命の いたずらを じっとこらえる 不仕合せ 許して ねェ みんな私が悪いのよ 晴れてあなたと 呼べる日を 夢に見たのも 幾十度 それを忘れて あきらめて 生きる明日が 悲しいわ 許して ねェ みんな私が悪いのよ |
シベリヤ・エレジー伊藤久男 | 伊藤久男 | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 赤い夕陽が 野末に燃える ここはシベリヤ 北の国 雁がとぶとぶ 日本の空へ 俺もなりたや ああ あの鳥に 月も寒そな 白樺かげで 誰が歌うか 故国(くに)の唄 男泣きする 抑留ぐらし いつの何時まで ああ 続くやら 啼いてくれるな シベリヤがらす 雲を見てさえ 泣けるのに せめて一言 故郷の妻へ 音信(たより)たのむぞ ああ 渡り鳥 |
湖畔のギター霧島昇 | 霧島昇 | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 山の湖畔の 夕月に 咲いた白百合 亡き人恋し かえらぬ君と 知りながら 思う心の せつなさよ ギター悲しや すすり泣き 愛の印に 頭字(イニシャル)を 君ときざみし 白樺いとし 想えば淡き 青空の 虹によく似た 初恋よ 何故にこうまで 忘られぬ 月の湖 流れくる 遠き櫓の音 舟歌さみし おもかげ一つ 胸に秘め 生きるこの世の 苦しさよ 熱い涙を 誰か知る |
港の恋唄鶴田六郎 | 鶴田六郎 | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 港日暮れて そぼ降る雨に 咽ぶ汽笛よ 誰を呼ぶ 君の船かと 波止場に来たが 知らぬ他国の 泊り船 かけた願いも 消え果てた 君が別れに のこした言葉 思いかえして 涙ぐむ すれたようでも 女は女 うぶな昔の 恋ごころ もえて切ない 町灯り 雨の晴れ間の 港の月に 聞いて見るのは 君のこと 船はいつ来る 待つ身の辛さ 酒場暮らしの 浮かれ草 投げたカルタに 夜が更ける |
湯の町エレジー近江俊郎 | 近江俊郎 | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 伊豆の山々 月あわく 灯りにむせぶ 湯のけむり ああ 初恋の 君を尋ねて 今宵また ギター爪弾く 旅の鳥 風のたよりに 聞く君は 温泉(いでゆ)の町の 人の妻 ああ 相見ても 晴れて語れぬ この思い せめて届けよ 流し唄 あわい湯の香も 露路裏も 君住む故に なつかしや ああ 忘られぬ 夢を慕いて 散る涙 今宵ギターも むせび泣く |
どうせ拾った恋だもの初代コロムビア・ローズ | 初代コロムビア・ローズ | 野村俊夫 | 船村徹 | | 矢っ張りあンたも おんなじ男 あたしはあたしで 生きてゆく 今更なにを 言ってるのさ 気まぐれ夜風に 誠なんかあるものか 捨てちゃえ 捨てちゃえ どうせひろった 恋だもの 飲もうと酔おうと あたしの勝手 余計なお世話だ よしとくれ 愚痴ってみても 仕方ないさ 女のこころを あンたなんか知るものか 捨てちゃえ 捨てちゃえ どうせひろった 恋だもの 笑っているのに 涙がにじむ 並木の夜星よ 見るじゃない 泣かなきゃすまぬ 年じゃないさ 気まぐれ男に 未練なンかあるものか 捨てちゃえ 捨てちゃえ どうせひろった 恋だもの |
暁に祈る伊藤久男 | 伊藤久男 | 野村俊夫 | 古関裕而 | | ああ あの顔で あの声で 手柄頼むと 妻や子が ちぎれる程に 振った旗 遠い雲間に また浮かぶ ああ 堂々の 輸送船 さらば祖国よ 栄えあれ 遥かに拝む 宮城の 空に誓った この決意 ああ 傷ついた この馬と 飲まず食わずの 日も三日 捧げた生命 これまでと 月の光で 走り書 ああ あの山も この川も 赤い忠義の 血がにじむ 故郷まで届け 暁に あげる興亜の この凱歌 |
湯の町エレジー美空ひばり | 美空ひばり | 野村俊夫 | 古賀政男 | | 伊豆の山々 月あわく 灯りにむせぶ 湯のけむり ああ 初恋の 君をたずねて 今宵また ギター爪弾く 旅の鳥 風のたよりに 聞く君は 温泉(いでゆ)の町の 人の妻 ああ 相見ても 晴れて語れぬ この思い せめて届けよ 流し唄 あわい湯の香も 露路裏も 君住む故に なつかしや ああ 忘られぬ 夢を慕いて 散る涙 今宵ギターも むせびなく |
福島県伊達市立松陽中学校校歌「若き誓い」校歌 | 校歌 | 野村俊夫 | 古関裕而 | | 仰ぎ見る 霊山の 峰をもはるか 凌ぐ理想 今こそ清き 心に宿して 力の限り 学ばん いざいざ おお わが母校 松陽中学 きわみなき 阿武隈の 流れに似たる 若き希望 今こそ道の いばらを拓きて 撓まずうまず 進まん いざいざ おお わが母校 松陽中学 聳えたつ 吾妻嶺の 姿ときそう 燃ゆる抱負 今こそ堅く 教えを守りて 血潮の限り 励まん いざいざ おお わが母校 松陽中学 |