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  • クジラ夜の街
    救いについて
    救いについて

    クジラ夜の街

    救いについて

     2025年4月30日に“クジラ夜の街”が新曲「夕霊」をリリースしました。今作は学校生活における「いじめ」がテーマ。センシティブな社会問題を中心に物語が展開される楽曲。改めてクジラ夜の街はロックバンドという存在を再認識させる、疾走感溢れるセルフアレンジのサウンドに、希望の意志を力強く歌い切るメッセージソングとなっております。    さて、今日のうたではそんな“クジラ夜の街”の宮崎一晴による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 夕霊 」にまつわるお話です。あなたは音楽に救いを求めたことはありますか? 時にわたしたちが音楽に救われる、その理由とは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 “夕陽は誰を照らすでもなく ただ、ひとりでに輝いています”   “ですから当然、そこに意図などありません 確かなのはその熱と、燈色の光だけであって それ以上、何かを見出せたのだとしたら きっとそれは認知上の幻覚”   “あるいは、あなたが無意識に夕陽へと映し出した感情そのものなのです”   ーーーーーーーーーーーーーーーーーー   この文章は 僕の大好きな詩人、オリバー・アースが書いた有名な一節を、日本語に翻訳したものです。 嘘です。 全て僕が書いた文章で、オリバー・アースなどという人物は存在しません。 エッセイの書き出しにしてはキザ過ぎるかなと思って、架空の作者をでっち上げてしまいました。ジョークですジョーク。   さて本題です。 “救いについて”とありますが 皆さんは音楽ってものに救いを求めてますか?   僕は求めてないです。 「救われたいな~」と思って誰かしらの歌を聴くとか、そんなんしたことない。 人が音楽を流す理由って、もっとシンプルで、言葉にもならんような原初の欲望が由来してると思うので。 まあ、何かを求めるにしたって 「元気出したい」とか 「泣きたい」とか 「元カレ忘れたい」とか せいぜいそんなところじゃないですか。 どれも“救い”ってほど大仰でも複雑でもない そんな深く考えないで突発的に聴くってのが大半かと思います。   ただですね。 僕は、音楽に救いを求めたことはないけど 音楽に救われたことは何度もあるんです。   そしてそういう音楽は結構 誰かを救うとか 共感を誘うみたいな意図が無さそうな曲が多い。 考えてみればおかしな話なんですけどね。 なんでもないような歌なのに 聴き終わった頃には 丸ごと救われたような気持ちになるなんていうのは。   けど実際、そういうのが起こり得る。 ですがそれを「音楽のチカラだ」みたいなふうにまとめるのは嫌なんです。 違うんですよ。 そんな救助システムはないんです。 音楽は医療じゃないんです。 在りし日には「不要不急」とまで言われちまった無力の賜物なんです。 ただの耳心地のいい振動なんです。 音楽のチカラなんてないんです。 ないはずなんですよ。   ではなぜ 救われたような気持ちになるのか。 それはきっと無意識に映し出すからです。 自覚すらしていない微細な感情や、透明な記憶を。 聴こえてくる、関係ないはずのメロディに。 知らず知らず映し出してしまうからです。   だから不意に涙がこぼれたり ずっと蟠っていた哀しみに、ふと折り合いがついたりする。 だけどそこに意図はない。 音楽は、鳴っているだけ。 詩は、そこにあるだけ。 手を差し伸べてくるわけでもないし 背中を押してくれるわけでもない。   それは夕陽のようです。 ただそこに存在しているだけなのに 皆、そこに想いを照らし出してしまう。 無為に放たれる光を前に 見えないはずのものが見えてしまう。 僕たちはその折、 チカラのような何かを感じ取ってしまうのかもしれません。   いじめをテーマにした本楽曲「夕霊」において 僕は、夕陽のような曲を書きたいと思いました。 人の痛みを必然的に癒すことなんて、絶対にできないですから 絶望も希望も同様に照らせるような歌をうたいたいと思いました。 あなたはこの曲に、何を映し出すでしょうか。 もしよろしければ、聴いてみてください。   という、ひと匙の意図が入り込んで。 夕暮れに霊が浮かび上がる。   <クジラ夜の街・宮崎一晴> ◆紹介曲「 夕霊 」 作詞:宮崎一晴 作曲:宮崎一晴

    2025/05/07

  • クジラ夜の街
    界隈について
    界隈について

    クジラ夜の街

    界隈について

     2024年11月6日に“クジラ夜の街”が、メジャー2ndフル・アルバム『恋、それは電影』をリリースしました。今作には、映画『この動画は再生できません THE MOVIE』挿入歌の「Saisei」や、崎山蒼志とのコラボ共作「劇情」などを含む全12曲が収録されております。    さて、今日のうたでは“クジラ夜の街”の宮崎一晴による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、収録曲「 ホットドッグ・プラネッタ 」にも通ずるお話です。現代の音楽の楽しみ方とは、音楽への向き合い方とは、考えてみたとき自身が今思うことは…。 「影響を受けたCD」のジャケットを何十枚も並べてSNS載っけてみたり ロックフェスに出るアイドルをコケにしたり おすすめの若手バンドを紹介するYouTuberを冷笑したり 流行りのポップスをあえてディスってみたり ライブ鑑賞直後、余韻そっちのけで、セトリとレポ書いて投下したり 他人のプレイリストを密かに値踏みして比べっこしてみたり 音楽をファッションとして、自己顕示欲を満たしたり 逆にそれを馬鹿にすることで悦に入ってみたり   ジャンルマウント、冷笑合戦、ロック論争、みたいなもので入り乱れ。 いつの世もそうなんだと思いますが 今は更に、若いリスナーたちの、音楽を巡る“カオス”が極まってきてるなーと思います。   「何を聴くか」ではなく 「何を聴いてる自分を承認してもらうか」 というポーズを取るファンに向けて あるバンドマンは 「自分の好きな物を好きでいろ」 「誰にも指図される筋合いはない」 「他人の意見に縛られるな」 と警鐘を鳴らしたりもしていますが   この情報社会で、誰の目も気にせず自分だけのブームを自分だけのペースで愉しむのはどうやら難しいようで 音楽という 形のない、正解のない、感性だけを信じるしかないモノを前にして 人は人と繋がらずにはいられない、ぽいのです。 分かち合わずにはいられない、ぽい。   誰かに認められて初めて 自分の「好き」を自覚する 割と多くの人がそんな感じ。 ライブでもそう。 周りの人がサビで手を上げたから、手を上げて、間奏入ったら、手を下ろす、みたいな。   さて こういう状況、に対し、俺も 今まではなんとなく 間違ってる、とか もっと自由に音楽を楽しむべき、とか 自立しろよ、とか 自信持てよ、とか 適当にポコポコ思ってたんですが よくよく、よくよく考えてみたら       別にマジで なんでも良いじゃん       と、なりました。 本当になんでも良かった。 そもそも、音楽との向き合い方についてアレコレ説教できるほど偉くないし。 でもって仮に、自分が権威ある大物アーティストだったとしても リスナーたちに向けて 「もっと自由に音楽を楽しめ」なんて、とてもじゃないけど言えないなって思います。   だって我々はすでに、圧倒的に自由だ。   何したって良い。 どんなふうに向き合っても。 音楽=ファッションだろうが 音楽=ステータスだろうが 音楽=人と繋がる手段だろうが 全てはそれぞれが勝手に決めること。 勝手に決めていいこと。   誰にも咎められない。   曲の聴き方だって問わない。 倍速で聴きたいならそれで良いし。 15秒尺永遠にリピるのが気持ちよければそれで良い。 あなたの生活を彩るためのBGMにしてもらっても良いし。 可愛く踊りをおどるためのツールでも良い。 そんでそれを巡ってまた対立や論争が起こったって良い。 各々の美学をぶつけ合えば良い。   どんな風に音楽を楽しむのも、全権はあなたの手中にある。 だから 「自由に音楽を楽しむために」なんて言って全員一律整えてく方が、よっぽど不自由。 今のこのカオスが一番健全なんです。 この状況こそが、自由。 その上で俺は 例えばこういう風に聴くと良いよとか ライブはこうすると楽しいよとか 参考程度にお伝えする。 従っても従わなくても良い。 今後、そういう風に、この界隈と向き合っていこうかなと、なんとなく思い直したわけです。   「ホットドッグ・プラネッタ」って曲は こういう目まぐるしい環境にて 自分の「好き」を見失ってしまう人の気持ちを歌いました。 この曲においてはそのテーマが“バンド”ですが 好きだったモノがだんだんと、わからなくなってしまう気持ち、全体のことを歌っています。   正解はないので、聴いてみてください。 強いてひとつ言うなら これはサウンドや場面設定に反して 全くファンタジーな歌ではありません。   < クジラ夜の街・ 宮崎一晴> ◆紹介曲「 ホットドッグ・プラネッタ 」 作詞:宮崎一晴 作曲:宮崎一晴  ◆メジャー2ndフル・アルバム『恋、それは電影』 2024年11月6日発売 配信リンク: https://qujilayolu.lnk.to/sothisisloving <収録曲> 1. SHUJINKO 2. きみは電影 (Prelude) 3. ホットドッグ・プラネッタ 4. 雨の魔女 5. 失恋喫茶 6. 劇情 7. 星に願わない 8. End Roll 9. 出戻 (Interlude) 10. Saisei 11. それだけ 12. せいかつかん

    2024/11/11

  • クジラ夜の街
    再生について
    再生について

    クジラ夜の街

    再生について

     2024年7月3日に“クジラ夜の街”がメジャー2nd EP『青写真は褪せない』をリリースしました。今作は編曲に奥野大樹を起用。音楽の歴史をテーマにラップの要素なども取り入れた「Saisei」、歌い出しのキャッチーなフレーズがバズを予感させる「失恋喫茶」、王道のファンタジーバラード「美女と野獣」、アイリッシュ風のメロディーと複雑な感情を歌詞に込めた「祝祭は遠く」を含む、バラエティに富んだ全5曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“クジラ夜の街”の宮崎一晴による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、収録曲「 Saisei 」にまつわるお話です。亡くなった父の耳元で、この曲を再生したとき、自身が抱いた不思議な感覚とは…。そして“音楽の力”の正体とは…。ぜひ、歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 病院、の、遺体安置所? みたいなところで ねむっている親父の耳元にスマホを置いて 俺は「Saisei」という曲を再生しました。 音量は最大にして。   何か別に、特異な意図があったわけではなくて。 ただ、曲名が曲名ですから 「あわよくばコレで生き返ってくれ! 文字通り再生しろ!」 みたいな、夢見すぎる雑念が、まぁよぎりはした、よぎりはしたのですが 音楽にそんな力は無いということは自明も自明で 死んだ人は生き返らないという分かりきった事実を、捻じ曲げたいと思うほど乱心していたわけではなかったので   ただ純粋に、なんか、流したかったのです。 (聴かせたかった、と書いてやめた。そういうのでもない。でも何となく耳元にスピーカーを向けはした。それだけ)   白い部屋に、爆音で自分の歌が流れ 安らかな顔で横たわる親父を見ながら 俺は色んなことを思い出していました。 中2の時エピフォンの339というギターを買ってもらったこととか 銀座のオシャレなホールでライブした時、白のタンクトップとウエストポーチで観に来やがって、仰天したこととか そんなに好きじゃなかった時期のこととか ほんとうに色々。   で、1サビ入った辺りで、俺少し、変だなって気づいたんです。 というのも、「覚えてい過ぎる」んですよ。 頭の片隅にすら残っていなかったような、小さな記憶が、とめどなく溢れてくるんです。 「思い出してる」んじゃなくて 勝手に「思い出されてる」感じ、というか。   まあ 家族の死、という重大な局面を迎えたから 脳が、走馬灯の様な要領で(自分の死ではないですが) 散り散りになった記憶を急ピッチで補修しているのかな、 とも思ったんですが にしては遅すぎる、というか。   俺 突然親父の死を知らされて、総武線乗って病院向かってる間とか 泣いている母や姉を見た時とか 案内された部屋で親父の遺体を目の当たりにした直後とか ずっと。ずっと。「死」は存分に感じていたのに その時々で思い出が駆け巡ったりはしていなくて。   でも、音楽を流した瞬間に。 堰を切ったように溢れてきたんです。 なんだか自分の中にしまってあったとは思えないくらい大量の記憶が。次々と。   それに気づいた頃は2Aメロで 俺はまあそこでめちゃくちゃ泣いてしまったんですけど。 まあそんなのは良くて。   ここでちょっとスペクタクルでスピリチュアルな話、したくて。   人間は、空間しか、自由に移動することができませんよね。 新宿から千葉に行くことはできても、1秒前の世界に行くことはできないように、我々は時間というフィールド下においては、歩く歩道に縛り付けられたみたいに一定間隔で前に進むのみで、戻ることも、早く進むことも、飛びまわることもできません。 と、いうのは子どもでも知っている当たり前のことです。   でも俺、音楽は。逆に。 時間を移動することができるんじゃないかと、 人間がその辺歩くみたいに、過去も未来も行き来できるんじゃないかと思うのです。 音楽と時は「実体がないが体感はできる」という点で少し似てもいますし。   何が言いたいかというと   親父の隣で音楽を再生した途端、 思い出がひたすら込み上げてきたのは メロディや歌詞が、過去にくだっていって 記憶を引き連れて 心に届けてくれたからなんじゃないかな、ということです。   人間が立ち入れない、時の領域に、音楽は溶け込むことができて 忘れていた出来事を捕まえて、現在へと繋げてくれた。 そうでも思わなきゃ、説明がつかないほど、俺、親父とのこと思い出しまくってたんですよ。   だからこれが。 ともすれば「音楽の力」の正体なのでは。 とも。思うわけです。 そしてもっと言えば我々人間が、半ば無意識に音楽を欲したがる理由だ、とも。   「感情や記憶を呼び起こしたい時」に 音楽の力を借りることで、心を再生していたのだ、と。   まあ、そんなふうに思った、て話です。 そりゃ根拠とかない妄想に過ぎませんが なんだか もしそうだったらありがたいなーと。 これを作る仕事に就いたきっかけは親父だから それも感謝だなー、と。 そんなエッセイでした。   あとおまけで もう一つ音楽の、すごいっていうところを話したい。 まあこれは音楽そのものというか、それに付随する諸オーディオについて。 助かるぜーって思うこと。   それは、何度でも巻き戻せるということ。 再生という機能。 時に抗えない人間たちにとって、これほどまでに救われる魔法はないなって、思います。 繰り返し忘れちゃいそうになっても その都度、思い出すきっかけを与えてくれる。 完全に消えることはないって安心できるんです。   あ、あと。ごめんなさいもう一つ追加で。 チグハグで申し訳ない。 でもなんだかんだで一番、音楽の素晴らしいところ。   それは 過去だけで無く、遠い未来にものこるところ。 例えば1000年後にも。 命の先まで想いを伝えて、届きうる力を持つということ。   生き続けること。   <クジラ夜の街・宮崎一晴> ◆紹介曲「 Saisei 」 作詞:宮崎一晴 作曲:宮崎一晴  ◆メジャー2nd EP『青写真は褪せない』 2024年7月3日発売   <収録曲> 1. Saisei 2. 失恋喫茶 3. ずっとおぼえていてね (Interlude) 4. 美女と野獣 5. 祝祭は遠く

    2024/07/03

  • クジラ夜の街
    死ぬことについて
    死ぬことについて

    クジラ夜の街

    死ぬことについて

     2023年12月6日に“クジラ夜の街”がメジャー1stフル・アルバム『月で読む絵本』をリリースしました。今作に収録されるのは全14曲。1stシングル「踊ろう命ある限り」やテレビアニメ『闇芝居 十一期』エンディングテーマ「マスカレードパレード」、最新作「裏終電・敵前逃亡同盟」といった既発曲のほか、「輝夜姫」をはじめとした新曲も収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな“クジラ夜の街”の宮崎一晴による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回が最終回です。綴っていただいたのは、収録曲「 輝夜姫 」にまつわるお話。竹取物語のお話が嫌い。その理由は…。そして、だからこそ宮崎一晴がこの歌のなかで綴った想いは…。ぜひ歌詞と併せてエッセイを受け取ってください。 感情までは、奪ってくれるなよ。 と、「死」というものに対して俺は思います。   竹取物語、ご存知でしょうか? ざっくり言うと、光る竹から生まれたかぐや姫と、その人をめぐる恋とか家族愛とか、あるいは命のお話です。 俺は、あの話がですね、嫌いです。   まあ、そもそもあの物語自体、色んな時代、媒体、作家によってアダプテーションされまくっている(最早オリジナルの原型など跡形も残っていないライトノベルとかも全然ありふれている)巨大なコンテンツですから、その全てをチェックしているわけでも無いので一概に嫌いというには忍びないのかもしれないのですが。   それでも幾つか、かぐや姫を題材とした物語に教科書やら映画やら絵本やらで触れてきて、その時々で思い至った感想は「須く嫌い」とこれに尽きますね。   何が嫌かってまずはかぐや姫の性格です。 悪女という言葉があれほど似合うヒトは中々いません。知ってますか。かぐや姫は自分の美貌に男たちが寄ってくるのを良いことに、無理難題を押し付けて危険な目に合わせて、自分に好意がある善人を間接的に殺したりもしてますからね(諸説あり)。 自分が翁や家族から受けた愛は棚に上げて、誰からも愛されていないと勝手に塞ぎ込んで、無礼千万な態度をあちらこちらに撒き散らす(諸説あり)。見ててすごくイライラするんですよ。   でも、実際それはそこまで大きなポイントではなくて。俺が、すごく嫌いで、悲しい気持ちになるのは、あの結末なんです。   散々、人を振り回したかぐや姫は、最後、月へと還って行きます。迎えにきた天人たちに天の羽衣を着せられると、「心が変わってしまい」「記憶は全て無くなって」しまうのです。 どうやら、天界には煩悩というものが存在しないらしく、下界で過ごした様々な体験は全て不埒な煩悩であるとして、パパッと洗脳されて、かぐや姫は姿を消して、話は終わりです。   それが俺すごく嫌いで。 そしてこのヘイトは、一介の物語の展開に対する不満ってだけじゃなくて。多分、自分が本能的にこの結末を好んでいないということがわかるんです。   死、というものについて。 そのシステム自体には、全く不満はなくて。むしろ希望的な概念だなと思うのです。生物にとっての死とは、一種の旗印であって、権利でもあって、ゴールでもある。死という終わりがあるからこそ、生きることに意味やハリが生じる。死があるから生きようという意欲に繋がる。死があるから生命が連続する。 これは当然っちゃ当然のことですが、改めて思い返してみれば、よくできたプログラムだなと感心したりします。   ただ、死の瞬間。 俺は死んだことがないからわからないけど。 かぐや姫みたいに天の羽衣を着せられて、生前の煩悩も感情も記憶も全て奪われるんだとしたら、それは傲慢すぎるだろうと思ってしまいます。 どれだけ人を振り回した悪女だったとしても、ぽっと出の天人にさくっと処理されて無に返されるなんて、あんまりです。残された翁や帝も浮かばれませんよ。あんなの。   そうではないと信じたい。信じているから、竹取物語のかぐや姫の結末には猛烈な悲しさと嫌悪感を抱いたのです。実際に、現実においても、生というレールの先に、あれだけの虚無が待ち受けているのだとしたら、どうしようと。怖くなったんだと思います。 受け入れたら、今見えているもの、聴こえているもの、生きていることに煌めきを感じられなくなってしまいそうだから、嫌悪感を盾に、あの物語から逃げたのです。   ですが、死はシークレットです。ガッチガチの袋とじ。完璧なまでに伏せられた神聖な概念です。この世に死んだことがある生命体が無いからこそ、わからないんですよね。死の、その先にあるものが無なのか、有なのか。考えても考えても、生きているうちに答え合わせは叶わないのです。それがいじらしい。いやあ本当によくできたシステムです。こう言う時「神は居そうだなぁ(小並感)」と思います常々。   ですので。クジラ夜の街「 輝夜姫 」という物語は、死をテーマにしつつも、死について多くを語りませんでした。どこか遠い世界の、幻想の、ファンタジーのお話として、俺の信じたい「死」の形を、あえて“適当に”綴りました。だって、正解なんてないですから。 「どうかずっと見ていてくれよ」くらいしか、俺には言えないし、言いたくないのです。 そして、反対に、取り残された生者の気持ちを詳細に書くことにしたのです。死という圧倒的に不明確なものと対照に、生とはあまりに確かですから。   「僕ら物語じゃないからさ、そんなにうまくはいかないが、物語だったとしたら、ここで終わるなんていけないな」   「僕の全盛期をあんたとの日々で終わらせない」   なぜなら、生者の道はこれからも続いていくのだから。死に絶望的なイメージを持って塞ぎ込んで生きるなんてのは、ハッキリ言って無駄なことです。   竹取物語はあくまで一つの可能性。 俺はそれを拒んで、生と死について妄想をする、自分だけの物語を提示しました。 どうかあなたも、自由に妄想をしてください。お気に召すまで。 あなたに素敵な死が訪れるまで。   俺は、見てくれていると思うんですよ。 向こうへ逝ってしまったあの人が。 心変わらず、あの人のままで。 それが俺の信じる物語です。   <クジラ夜の街・宮崎一晴> ◆紹介曲「 輝夜姫 」 作詞:宮崎一晴 作曲:宮崎一晴   ◆メジャー1stフル・アルバム『月で読む絵本』 2023年12月6日発売 配信リンク: https://qujilayolu.lnk.to/iseethemoonlight <収録曲> 1.欠落 (Prelude) 2.輝夜姫 3.華金勇者 4.BOOGIE MAN RADIO 5.裏終電・敵前逃亡同盟 6.マスカレードパレード 7.ロマン天動説 8.分岐 (Interlude) 9.RUNAWAY 10.踊ろう命ある限り 11.ショコラ 12.海馬を泳いで 13.Memory 14.Time Over (Postlude)    

    2023/12/22

  • クジラ夜の街
    記憶について②
    記憶について②

    クジラ夜の街

    記憶について②

     2023年12月6日に“クジラ夜の街”がメジャー1stフル・アルバム『月で読む絵本』をリリースしました。今作に収録されるのは全14曲。1stシングル「踊ろう命ある限り」やテレビアニメ『闇芝居 十一期』エンディングテーマ「マスカレードパレード」、最新作「裏終電・敵前逃亡同盟」といった既発曲のほか、「輝夜姫」をはじめとした新曲も収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな“クジラ夜の街”の宮崎一晴による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第2弾です。綴っていただいたのは、第1弾に続き今作の収録曲「 Memory 」にまつわるお話。自身にとって癒しだった「思い出」が痛みへと変わっていることに気づき、さらに曲を書き終えたとき、新たにたどり着いた想いは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 癒しだったものがいつの間にか痛みへと変わり、途方に暮れておりました。 幾つもの「楽しい記憶」に阻まれて現在、何をするにも手がつかない。 思い出補正の暴走は、過去を極端に美化し、結果足りないものばかり目につくようになります。   ただ、ただなぜだか 「こんなことならいっそ友達とかいなければ」とか 「あの人とも付き合わなければ」とか 「もともと孤独だったなら」とか そういう考えには、一切至らないんですよ。   たらればの話はするだけ無駄だとわかっているから? もちろんそれもあるでしょうが。   干渉したくないんです。過去に。記憶に。 それを痛みと知って尚 変わらず俺を苦しめていてほしいと思うんです。 写真フォルダを見返す行為は、その多くを憂鬱で占めますが、ほんの少しの安堵を与えてくれるのもまた事実なのです。 ピースマークを掲げ満ち足りた顔をした自分に、劣等感を覚えつつも、どこかで救われている自分もいた。憂いこそすれ、怒りや憎しみを覚えることはなかった。   思い出に殺されそうになってわかったのです。 俺は、思い出に生かされていたのだと。   憶測なんですが。 この先、生きれば生きるほど、辛い。 荷物は重たくなる一方。 肩に跡がついて、骨が軋む音を立てたとて 一時的に降ろすことすら許されません。記憶は、自動的に降り積もっていきますから。 「昔は良かったなあ」なんて言葉は、口に出してみると柔らかですが、実際は深刻で。 もしかしたらもう人生のピークはとうに過ぎていて、残りの人生は消化試合かもしれません。 これまで経過した日々を塗り替えるような栄光には、お目にかかれないかもしれません。 そしてそのまま、死んでいくかもしれない。   さみしいですね。 なんだかとてもさみしいですよ。 でも言えませんね。俺は言えないですよ。さみしいなんておおっぴらには言えないですよ。だって言葉にしたら余計空虚じゃないですか。 だからせめて。 「さみしくない」って言いたくない。 それくらいは言えるようになりたい。   それがクジラ夜の街の新曲「Memory」です。   なんのために生きるか? 「思い出を作るために生きている」と答えましたが、曲を書き終えた今は少し違います。 「思い出を越えるために生きる」のです。 結果越えられなくっても。 その思念を持って「現在」という時間に挑むこと。 それが大事なんだって、思うのです。   今日も、2017以前の自分は、なんにも知らずに笑顔のままです。   <クジラ夜の街・宮崎一晴> ◆紹介曲「 Memory 」 作詞:宮崎一晴 作曲:宮崎一晴  ◆メジャー1stフル・アルバム『月で読む絵本』 2023年12月6日発売 配信リンク: https://qujilayolu.lnk.to/iseethemoonlight <収録曲> 1.欠落 (Prelude) 2.輝夜姫 3.華金勇者 4.BOOGIE MAN RADIO 5.裏終電・敵前逃亡同盟 6.マスカレードパレード 7.ロマン天動説 8.分岐 (Interlude) 9.RUNAWAY 10.踊ろう命ある限り 11.ショコラ 12.海馬を泳いで 13.Memory 14.Time Over (Postlude)  

    2023/12/15

  • クジラ夜の街
    記憶について①
    記憶について①

    クジラ夜の街

    記憶について①

     2023年12月6日に“クジラ夜の街”がメジャー1stフル・アルバム『月で読む絵本』をリリースしました。今作に収録されるのは全14曲。1stシングル「踊ろう命ある限り」やテレビアニメ『闇芝居 十一期』エンディングテーマ「マスカレードパレード」、最新作「裏終電・敵前逃亡同盟」といった既発曲のほか、「輝夜姫」をはじめとした新曲も収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな“クジラ夜の街”の宮崎一晴による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 Memory 」にまつわるお話。この曲のあるフレーズを書いたとき、自身の生きる目的だったモノがいつのまにか異なる存在になっていることに気づき…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 なんのために生きていますか?   美味しいご飯を食べるため、生きる。 面白い映画を観るため、生きる。 友達と遊ぶため、生きる。 なんとなく暇なため、生きる。   人それぞれあるでしょうが 俺ならこう答えます。 「思い出を作るために生きている」と。   死後の世界には 自分が生前積み上げた記憶をギャラリー形式で鑑賞できるサービス的なモノがあると思ってて。 俺は、そこへ大量の思い出たちを持ち込んで逝きたいのです。   いやそもそも死後の世界があるかどうか、死んだことないのでわからないのですが。 たとえ、それが無かったとしても。 死の間際、想起するだけで涙が溢れるような思い出たちに看取ってもらえたなら、自分の人生の幕切れとしてはベストだなぁと思うわけです。 だから「良い思い出を作ること」 ざっくりしてはいますが、このことが自分の人生の優先順位の1番上に君臨しています。   あ、あと、走馬灯って寿命とか衰弱で死ぬ時も見れるんですかね? 絶対見たいんですけど痛かったり怖いのは嫌で。   まあこれは良いや。   なんだか、最近はこの「思い出」ってものに、むしろ囚われている気がするのです。信念が、過去への執着心に変貌していくような。 今、を楽しめなくなっているような。そんな感覚がずっとあるのです。   だから、「Memory」という楽曲で。 <思い出に殺されそうになって>という歌詞を書いた時、書いてしまった時。 花瓶を割ったような鋭い罪悪感が俺を襲いました。生きる目的だったモノに、殺されそうになっている。そのことに、自ら気づいてしまったのが、思ったよりこたえてしまって。   それから、歌詞を書き進めるほど 自分という人間の寂しさが浮き彫りになっていきました。 思い出補正に、補正された人間の、鬱屈した気持ちが文字の一つ一つに付着していました。   俺はこの歌を、どうしたいのだろう。 どうして書き始めたのだろう。 こんなにも自分を苦しめる曲を、死後の世界には持っていきたくない。忘れたい。 最後のセクションを書き切る前の俺は、そんなこと思っていたりしました。 つづく   <クジラ夜の街・宮崎一晴> ◆紹介曲「 Memory 」 作詞:宮崎一晴 作曲:宮崎一晴    ◆メジャー1stフル・アルバム『月で読む絵本』 2023年12月6日発売 <収録曲> 1.欠落 (Prelude) 2.輝夜姫 3.華金勇者 4.BOOGIE MAN RADIO 5.裏終電・敵前逃亡同盟 6.マスカレードパレード 7.ロマン天動説 8.分岐 (Interlude) 9.RUNAWAY 10.踊ろう命ある限り 11.ショコラ 12.海馬を泳いで 13.Memory 14.Time Over (Postlude)

    2023/12/08

  • クジラ夜の街
    裏会話
    裏会話

    クジラ夜の街

    裏会話

     2023年9月20日に“クジラ夜の街”が配信シングル「裏終電・敵前逃亡同盟」をリリースしました。同曲は、現代社会に贈る「背中を押さない」メッセージソング。ワンマンライブ“6歳”全公演をはじめ、以前からライブで度々披露しておりファンの間では支持が非常に高く、SNSの再生数も日々上昇中の人気楽曲です。今までにないバンドの新たな一面が垣間見えるメロディーやテンポに合わせて、歌詞の世界観が聴く人の胸を打つ1曲。    さて、今日のうたコラムではそんな新作を放った“クジラ夜の街”の宮崎一晴による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは「 裏終電・敵前逃亡同盟 」の“裏会話”です。一体、どんな会話が交わされているのか…。さらに今回は音声版もございます。本人によるこだわり満載の朗読でもエッセイをじっくりとお楽しみください。 裏終電・敵前逃亡同盟 東トバリ坂支部 A5 モニタールーム内   『支部長。駆け込み乗車に失敗し、終電を逃したと見られるスーツ姿の女性を1名確認。ホーム内のベンチに座り込んでいます。どうしますか』   タクシー呼んですぐに帰るだろ。スルーで良い。対象の様子をよく見て、判断するのだ。   『ねぇねぇしぶちょ~。こっちにも酔っ払った男が一人、終電を逃したっぽいよ~』   その男の外見は?   『ん~。20代前半で、ホストみたいなカッコしてる。銀髪でチャラい感じ? さっきからずっと大きな声で誰かと電話中~』   そいつもスルーでいい。どうせこの後、ツレの家にでも転がり込むさ。非・救済対象だ。   『支部長さん支部長さん! 改札前で立ち尽くしている男女2名確認! 終電を見送ったようです! 2人ともなんだかモゾモゾしていて、顔も真っ赤です! 困ってそうなので話しかけてきても良いですか!』   待て待て行くな。そっとしといてやれ。そいつらは今、人生で1番ウキウキする時間をお楽しみ中だ。   『支部長。大変です』   『しぶちょ~こっちにもきて~!』   『支部長さん。ウキウキってなんですか?』   だぁ! お前たち少しは落ち着け! 静かにしろ! 俺の身体はひとつしかないんだぞ! 大体、お前たちがそんなに頑張ってどうする。俺たちの役目は一体なんだ? 新入り!   『はい! 我々、裏終電・敵前逃亡同盟は頑張らない人の味方です!』   『日々の激務やストレスに苦しみ、疲れ果て、終電にさえ間に合わない人間たちを堕落の道に迎え入れ、とことん救済しま~す』   『辛いとき、あったら良いな、裏終電。合言葉は“命からがら逃げ切り…』   もう良いもう良い! 十分だ! 本当にマニュアル通りだなお前たちは…。だが、まさしくその通り。俺たちの仕事は、頑張らないこと。そして頑張りすぎてる人間どもを徹底的にダラけさせ、同志を増やすことだ。…なのに! お前たちときたら、ピーチクパーチク忙しない! ここに配属されたとき教えただろ! 俺の嫌いな言葉は!   『多忙、残業、睡眠不足』   そうだ! 俺は慌ただしいのが大大大嫌いなんだ! ただでさえ深刻な人手不足に参ってるっつーのに、お前たちがそんな調子じゃ、同志なんか増やせっこないぞ。   『しぶちょーがさっきから1番慌ただしいけどね~』   『それに支部長さん、僕らが困ってそうな人を見つけてもいっつも“非・救済対象だ”とか、“スルーしろ”とか言って無視してばっかりですし』   『同志が増えないのは確実に支部長のせいでは』   う、うるさいな! はぁ…そもそもな、駅の監視なんてのは超簡単な仕事なんだよ。このモニタールームから、終電を逃した人間たちの様子をただ観察し、困ってる奴がいたら話しかけて勧誘する。それだけだ。上層部からは「積極的な声がけを」なんて指示されちゃいるが、そんな言いつけどの支部も守っていないさ。良いか。この世はどれだけ楽して生きれるか、それに尽きるんだよ。   『支部長さん…見損ないました…』   『サイテー、だね』   フン。なんとでも言えば良いさ。第一、本当に救いの手を求めてる人間なんてそうそう居るはずない。どこぞの誰かが血迷って線路に飛び込もうとでもしない限り、俺たちの出る幕なんてありゃしないのさ。わかったら静かにしてろ。俺は寝る。   『支部長。そのことなんですが…』   ああ!? まだ何かあるのか!!   『モニター見てください。この女性…さっきから挙動がおかしくて、ずっと線路を覗き込んでいるんです。おそらく、飛び込もうとしてるんじゃ…』   『えー!!! それってヤバいじゃんか!! なんで早く言わなかったの!』   『言ったよさっき。“支部長、大変です”って。無視されましたけど』   ぐぐ…。これは…。   『で、でもでも。さっき終電行っちゃったし、仮に飛び込んだりしてももう電車は通らないから安全…でしょ?』   『いや、まだ回送列車が走っています。もうすぐ当駅を通過するので線路内にいると危険です。支部長、どうしましょう…!』   ぐぅぅ…! あぁくそー! わかったわかった! 俺が行ってやるよ! しばらくここを外すがお前たち余計なことするんじゃないぞ。全くよー! そんなになるまで頑張りやがって。ちくしょー! 忙しくしないのって忙しいー!   …バタン!   『…行っちゃった』 『ねぇ、あんた嘘ついたでしょ? こんな時間に回送列車が走ってるなんてさ』 『あぁバレました? ああでもしなきゃ同志は増えないし、何より支部長に働いてもらえないからね』 『しぶちょーかわいそー』 『ぼくたち、休憩してて良いのかな』 『良いんじゃないですか? ほら、頑張んないのが仕事なんだし』   <クジラ夜の街・宮崎一晴> ◆紹介曲「 裏終電・敵前逃亡同盟 」 作詞:宮崎一晴 作曲:宮崎一晴 

    2023/09/21

  • クジラ夜の街
    友人について
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    クジラ夜の街

    友人について

     2023年5月10日に“クジラ夜の街”がメジャーデビュー1st EP『春めく私小説』をリリースしました。今作には、ライブでもすでにファンからも 大反響のダークファンタジーな世界観を描いたEPリード曲「BOOGIE MAN RADIO」を含む全6曲が収録!    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“クジラ夜の街”の宮崎一晴による歌詞エッセイを3回に渡りお届け!最終回は今作の収録曲「 踊ろう命ある限り 」にまつわるお話です。心のなかでふたつの感情が揺れて、悶々として、堂々巡りが止まらないあなたへ。この歌詞とエッセイを受け取ってください。 絶交した友人と 100%仲直りできる薬があるとして あなたは飲みますか?   俺は、飲みます 飲んで、あいつとまた友達になりたい 10年来の親友 人生で、母の次に長く時間を共にしたであろうあいつと、また夜通し遊びたい 夕日の丘公園まで自転車走らせたい レイマンのゲームで盛り上がりたい 何事もなかったみたいに、一緒に笑いたい   これを読んでる皆さんも 取り戻したい友情があるなら 飲むって人は多いんじゃないでしょうか なにせノーリスクで復縁できますからね なんなら多少苦くても 吸うタイプのしんどいやつでも 俺は喜んで口にすると思います   では、少し条件を変えて   絶交した友人に「ごめん」と言えたら 100%仲直りできるとして あなたは謝りますか?   薬と同じでノーリスク、必ず復縁できます さてどうでしょうか   俺は、謝りません だって、謝りたくありません なんでこっちから謝らないといけないんだ そんなのおかしい もういいです さようなら レイマンもやれなくて結構です   すみません   仲直りはしたいけど こっちから歩み寄るのは嫌だ そんな気持ちの人は 俺以外にもそこそこいるでしょう なんだか本当に、腹が立つよなぁ 向こうが手を差し伸べてくれないことにも オトナになれない自分にも   あいつがいないと 寂しいってことは もう痛いほどわかってるんです でも一方 俺は悪くない、あいつのせいだっていう グツグツとした溶岩みたいな怒りもあって この二つの感情が乗っかった天秤は 憎たらしいほど均衡でびくともしないんですよ   そうだ こんな堂々巡りをしているうちに 俺は大切なものを失ったのでした 余計なことを考えすぎて 瑣末な固定観念に囚われて シャワーヘッドにガン飛ばして 1人妄想の口喧嘩に明け暮れる そんな鬱屈とした日々を 過ごしていた最中 クジラ夜の街にタイアップの依頼が舞い込む   「最高に明るい曲を書いてほしい」   俺は祈りにも似た“踊ろう命ある限り”という曲を、書き殴りました 英題は“My Life” こんな風に生きれたら 明快に生きれたら どれほど良いか、どれほど良かったか そんな理想を、歌にぶつけたのです   俺のように堂々巡りをしてしまっている人にも届いてほしい この世は、受けた生は、一度きりのボーナスなんだから 悶々としてるだけじゃ意味がない 半生を反省に費やすなんて、悲しいから 飛び出せよ 話せよ 殴りかかれよ じっとしているよりずっと良いから   なんて、言いつつも こんな歌を、歌いつつも 俺はまだ何も言い出せないまま 心に鎮座する天秤は壊せないままです でも 少しはぐらついた気がしました だんだんと だらだら悩むだけの俺が 変わりつつあるのかも   かも、ですが <クジラ夜の街・宮崎一晴> ◆紹介曲「 踊ろう命ある限り 」 作詞:宮崎一晴 作曲:宮崎一晴  ◆メジャーデビュー1st EP『春めく私小説』 2023年5月10日発売   <収録曲> 1. 時間旅行 (Prelude) 2. 時間旅行少女 3. BOOGIE MAN RADIO 4. 浮遊 (Interlude) 5. ハナガサクラゲ 6. 踊ろう命ある限り

    2023/06/14

  • クジラ夜の街
    恋慕について
    恋慕について

    クジラ夜の街

    恋慕について

     2023年5月10日に“クジラ夜の街”がメジャーデビュー1st EP『春めく私小説』をリリースしました。今作には、ライブでもすでにファンからも 大反響のダークファンタジーな世界観を描いたEPリード曲「BOOGIE MAN RADIO」を含む全6曲が収録!    さて、今日のうたコラムでは、“クジラ夜の街”の宮崎一晴による歌詞エッセイを3回に渡りお届け! 第2弾は収録曲「 ハナガサクラゲ 」にまつわるお話です。好きなひとに告白しなかった、想いは伝えないことにした、そんな恋の選択を取ったあなたへ。歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。 本当に、つまらないなって思います   恋って無尽蔵じゃないです 想えば想うほど心がすり減っていきます 喉の奥がぎゅうっと痛み 瞳が熱くなって 日常のあれこれも手につかなくなります   やがて恋心は、見返りを求めるようになります 「こんなに好きなんだからちょっとは気にかけて欲しい」と 純粋だった気持ちに欲望が寄生して、それがどんどん膨れ上がっていくんです   ずっと眺めているだけは嫌 話しかけてみたい もっと仲良くなりたい 触りたい 一緒にいたい 一緒にいたいって思われたい   熱は留まることなく迸っていきます 対象に近づけば近づくほど抑えられなくなります 最初は素直な好意だったのに 気づけば肥大化した承認欲求に支配されているのです それは悍ましく、同時に苦しい 自分が自分でなくなっていく感覚すらあるでしょう このままでは好きという感情すら飲み込まれてしまう それだけは避けたい ダメになる前にこの気持ちを早く伝えなくては 葛藤の末 A子は遂に胸中を曝け出した   A子「実はB男クンのこと、ずっと好きでした。付き合ってください」   戸惑うB男。数秒の沈黙。A子にはそれが永遠にも感じられた。紅潮する頬。それはB男も同じであった。   B男「実は俺も…A子のことが好きなんだ」   A子「私たち、両想いってこと?」   B男「そうだ。俺たち、付き合おう」   A子「もちろん!」   チャンチャン♪   本当につまらないなって思います 本当に本当につまらないなって思います 両想いほどときめかないものって無いわ正直   俺は、恋慕なんて秘めておけば秘めておくほど良いと思っている片想い過激派です 元も子もないこと言いますけど 交際の申し出って、エゴじゃないですか? 「見返りが無いまま恋心を保つのがしんどいから、一緒にいてほしい」 ってことですよね要は   その程度なのか君の気持ちは、と思います 人からの承認がないと、好きでいるのもままならないと? そんなの真実の愛じゃないだろ いやさっきから俺がヤバいのは承知の上ですけどね こんなことがまかり通ってたら 世にカップルなんて1組も成立しないですから   ただ、作品内で(あくまで作品内で)俺は そういうのより、叶わなかった想いの方を尊重したいという話 真に美しいのは、もがき苦しみながらも紡ぐ、手の届かぬ人への恋 秘めたる純情、だと考えているから   「告白をしなかった」あなたを、俺は肯定するよってこと 「伝える選択を取らなかった」あなたは情けなくなんかない その気高さは誰よりもよくわかるよってこと   溢れる気持ちの整理がつかなくて 君の住んでる街まで行ってみるけど 君に会いに行くことはしない それくらいの距離感で 織りなす片割れの恋を書きました   ハナガサクラゲという曲をお聴きください   https://lnk.to/hanagasakurage <クジラ夜の街・宮崎一晴> ◆紹介曲「 ハナガサクラゲ 」 作詞:宮崎一晴 作曲:宮崎一晴  ◆メジャーデビュー1st EP『春めく私小説』 2023年5月10日発売   <収録曲> 1. 時間旅行 (Prelude) 2. 時間旅行少女 3. BOOGIE MAN RADIO 4. 浮遊 (Interlude) 5. ハナガサクラゲ 6. 踊ろう命ある限り

    2023/06/07

  • クジラ夜の街
    時間旅行について
    時間旅行について

    クジラ夜の街

    時間旅行について

     2023年5月10日に“クジラ夜の街”がメジャーデビュー1st EP『春めく私小説』をリリースしました。今作には、ライブでもすでにファンからも 大反響のダークファンタジーな世界観を描いたEPリード曲「BOOGIE MAN RADIO」を含む全6曲が収録!    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“クジラ夜の街”の宮崎一晴による歌詞エッセイを3回に渡りお届け!第1弾は今作の収録曲「 時間旅行少女 」にまつわるお話です。ありふれた日常をファンタジックにする、とあるアイテムとは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 時間旅行少女という曲名を考えついた日、例えば『時空を超えた大冒険活劇!』だとか『タイムマシンが登場するSF物語!』なんかを歌詞に起こすんじゃなくて、あくまで日常の中の、ささやかな“経過”と“回想”に光を当ててみたい、と俺は思いました。   クジラ夜の街はファンタジーを創るバンドです。空飛ぶ少年、囚われのプリンセス、魔法使い、そんなお伽話のような世界を、これまでずっと歌ってきたのですが、この曲では、なんでもないシーン、ありふれた情景を幻想的に映し出すことで、クジラを再定義というか、アップデートというか、、、そんなんをしてみたかったのです。挑戦ですね。挑戦。要は   真の「ファンタジーを創るバンド」ならば 元がファンタジーでないモノでも ファンタジーに昇華して然るべきなのでは!? と、思ったわけです。多いですね。ファンタジーが。   “子どもの頃に書いた日記を大人になって読み返す”。時間旅行少女はたったそれだけの歌です。劇的な展開や魔法の様なやりとりは、歌詞中で一切起きません。   ただ、俺は。日記っていうのは、未来へ宛てた手紙で、一種のタイムトラベルなんじゃないかと思っているフシがあります。過去の自分の思念が、時を超えて届き、感情に影響を与える。同じ「自分」なのに、日記に書かれた言葉はどこか他人のようで、友人のようで。それは一方通行だけど、時空を超えた邂逅。立派な時間旅行なんじゃないかと。   ファンタジーでないモノをファンタジックにする、このテーマに、日記というアイテムはもってこいだったわけです。   とまー、やいのやいの書いてきましたが、時間旅行少女、俺は大好きです。形があるならば、毎晩抱きしめたくなるようなメロディだと思います。我ながら。いや素晴らしい。素直な感想、大事。   この曲もいつか日記のようになっていくのかな。どれだけ時が経っても、歌うたびに、記憶が蘇ったりして。それはとても素敵だな。進むべき未来で、ガッツポーズをしている自分に会うために、俺はこれからもステージに立ちます。よと。これも、そんな、未来への書き置き。   <クジラ夜の街・宮崎一晴> ◆紹介曲「 時間旅行少女 」 作詞:宮崎一晴 作曲:宮崎一晴  ◆メジャーデビュー1st EP『春めく私小説』 2023年5月10日発売   <収録曲> 1. 時間旅行 (Prelude) 2. 時間旅行少女 3. BOOGIE MAN RADIO 4. 浮遊 (Interlude) 5. ハナガサクラゲ 6. 踊ろう命ある限り

    2023/05/17

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