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  • ヒグチアイ
    お酒は好きですか?
    お酒は好きですか?

    ヒグチアイ

    お酒は好きですか?

     2024年1月24日に“ヒグチアイ”が5枚目のオリジナルフルアルバム『未成線上』をリリース! 「大航海」で始まり、「いってらっしゃい」で終わる、6つのタイアップ曲を収録した全11曲入りのアルバムとなっております。さらに自身監修の『元カレかるた』も発売中。元カレとの切なくてロクでもない思い出の数々を『かるた』にまとめた内容に…!    さて、今日のうたコラムではそんな“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは、収録曲「 わがまま 」にも通ずるお話。飲めないお酒を飲んでみることを妄想していくと…。そしてヒグチアイにとっての“わがまま”とは…。 私は酒が飲めない。だから、酒に酔って(酔ったふりで)相手を誘ったり甘えたふりをしたことがない。ちなみに酒を飲むと帰りたくない or 眠い、という結構めんどくさい性格が出現して、気分と機嫌が悪くなる。タチの悪いやつだ。   そういえばこの間、マネージャーと2人で赤坂を歩いていたら、目の前にタクシーが止まった。綺麗めなコートを着た背の高いシュッとした男性と、柔らかな薄いピンクのロングコートをサラッと羽織った細身の女性が降りてきた。男がその手を引っ張って、女は「え~」なんて言ってる。赤坂だなあと思っていると、その目指す先にはラブホテルがあった。「赤坂にラブホテルってあるんだね」って言いながらマネージャーと横を通り過ぎていく。ふわりとお酒の匂いがする大人な2人は、煌びやかなお城に入っていった。   私もやってみたかった。飲めないお酒を飲んで、男と赤坂のラブホテルに消えてみたかった。いや、諦めるのはまだ早い。できるとしよう。できるとして、妄想してみよう。仕事終わり、飲みに誘われて、じゃあ行ってみよう。終電を気にせず飲んでみよう。2杯ぐらいで気持ちが悪くなってくる。もうすぐにでも帰りたい。そして小さな湯船に浸かって、葬送のフリーレンの続きを見たい。毎日欠かさないパックをして、布団の中でBLを読みたい。そして好きな寝相で、お気に入りのパジャマで寝たい……   だめだ。頭の中がお一人様モード一直線だ。私国の安寧を守りたいのだ。   妄想は妄想のまま、今日も1人、契約してしまったウォーターサーバーから常温の水を飲む。これが私のわがままである。   <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 わがまま 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ ◆『元カレかるた』より1句 ◆オリジナルフルアルバム『未成線上』 2024年1月24日発売   <収録曲> 1  大航海 2  祈り 3  自販機の恋 4  わがまま 5  最後にひとつ 6  このホシよ 7  恋の色 8  誰でもない街 9  この退屈な日々を 10  mmm 11  いってらっしゃい

    2024/01/29

  • ヒグチアイ
    引っ越しは好きですか?
    引っ越しは好きですか?

    ヒグチアイ

    引っ越しは好きですか?

     2024年1月24日に“ヒグチアイ”が5枚目のオリジナルフルアルバム『未成線上』をリリース! 「大航海」で始まり、「いってらっしゃい」で終わる、6つのタイアップ曲を収録した全11曲入りのアルバムとなっております。さらに自身監修の『元カレかるた』も発売中。元カレとの切なくてロクでもない思い出の数々を『かるた』にまとめた内容に…!    さて、今日のうたコラムではそんな“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは、収録曲「最後にひとつ」にも通ずるお話。ヒグチアイの引っ越しのこだわりとは。そして、引っ越しても引っ越しても、開けなかった段ボールがある理由は…。 去年の4月に引っ越しをした。上京してから16年、もう9回目の引っ越しになる。物件大好きな人間としてテレビに出演したことがあるぐらい引っ越しにはこだわりがあるのだ。   まず間取りが変なこと。綺麗すぎないこと。そして愛しがいのある欠陥があること。   今の家に引っ越す前に内見に行った。部屋の一番奥に和室があり、その壁紙はベロベロに剥がれていた。「…猫、飼ってましたかね?」そう不動産屋に尋ねると「ペット禁止です」とピシッと言われる。わかってますよ。知ってて引っ越してますよ。この壁紙、なんで剥がれてるんですか? って聞くよりちょっとウィットに富んでませんか? いらないですか、そうですか。   結局その壁紙は湿気でベロベロになったらしい。その湿気はどうすることもできないので壁紙が剥がれたら連絡ください、張り替えます、とのことだった。ずっと隠される壁。ずっと見ないふりの壁。壁…お前は今、幸せだろうか。   そんな「人によっては絶対無しがわたしには大いにあり」ってな物件を探して引っ越し続けている。   引っ越しして早10ヶ月。家の中にはまだ段ボールが残っている。前の引っ越しでも、その前の引っ越しでも開けなかった段ボールだ。もうそんなもの捨てちゃえば良いのに、と思う。何度も迷ってきた。それでもなお捨てられないのは、忘れてもいい記憶こそ思い出したくなる日が来る気がするから。その日まで押入れのずっと奥にひっそりと息を続ける段ボール。玉手箱みたいに開けたら歳を取るんじゃなくて、歳を取るから開けるんだ。歳を取ってから開けるんだ。   <ヒグチアイ> ◆『元カレかるた』より1句 ◆オリジナルフルアルバム『未成線上』 2024年1月24日発売   <収録曲> 1  大航海 2  祈り 3  自販機の恋 4  わがまま 5  最後にひとつ 6  このホシよ 7  恋の色 8  誰でもない街 9  この退屈な日々を 10  mmm 11  いってらっしゃい

    2024/01/22

  • ヒグチアイ
    占いは好きですか?
    占いは好きですか?

    ヒグチアイ

    占いは好きですか?

     2024年1月24日に“ヒグチアイ”が5枚目のオリジナルフルアルバム『未成線上』をリリース!「 大航海 」で始まり、「 いってらっしゃい 」で終わる、6つのタイアップ曲を収録した全11曲入りのアルバムとなっております。さらに自身監修の『元カレかるた』も発売中。元カレとの切なくてロクでもない思い出の数々を『かるた』にまとめた内容に…!    さて、今日のうたコラムではそんな“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作のアルバムタイトル『未成線上』にまつわるお話。2024年上半期のしいたけ占い(射手座)の内容が自身に刺さってしまった理由は…。 しいたけ占いから2024年上半期の運勢が発表された。占いにそこまで興味がない私もなんとなくしいたけ占いだけは欠かさずに読んでいた。全く知らない人なのに、親身になってくれているような気がするからだ。   射手座。『あなたは、「この人生、少なくとも私は大きな一周目を終えた気がしている」 と感じているかも知れない。』おいおい、しいたけさんよ。初っ端から的確すぎやしないですか。   というのも、これを読む1週間前からずっとニューアルバムのキャンペーンが始まっていて、1日中とにかくいろんなインタビューを受ける、という日があった。   もちろん、アルバムを作るときに「どんな思いで」とか「どんな方向性で」とかそういうことを考えながら作ってはいるけれど、漠然と自分の中にある言葉を人に伝えられるように整列させていくのが難しいのだ。   インタビューを受けているうちにだんだんと整理されていくので、何度も同じような言葉を喋らないようにしているけど、どうしても「どんなアルバムですか?」とか聞かれると、毎回同じような言葉になってしまうのも事実だ。   そんな中よく話していたのは「未成線上」ってどういう意味ですか? という話。新しいアルバムのタイトルなのだが「未成線っていうのは幻の線路って言われていて、完成されなかったけど残っている線路や終着駅の向こう側に駅を作ろうとして線路を作っていたけど結局使用されず残っている線路のことなんです。今その上にいるような気がするんですよね」と何度も話した。だから、しいたけさんに言われた言葉がブーメランみたいに自分にしっかり刺さってしまったのだ。   そんな私はどうしたら良いのよ、と読み進めていくと、『断食に挑むかもしれません』と。ちょっと待って。最近友達と断食道場に行きたいのよって話をしたばっかりなんだけど。しいたけさん、もしかして私の友達だったりする?   そして年始を迎えた私は期せずして断食を経験する。胃腸炎だ。年末イベントの帰り、疲れからハイになった私はカレーヌードルに追いチーズをして、唐揚げを食べてシュークリームを食べて、腐ったイチゴを食べた。しっかり寝込んだ。断食をした。おかゆに飽きて食べたおにぎりが玄米おにぎりでまたお腹を壊した。寝込んだ。断食をした。まごうことなき断食だ。   新年からすでにしいたけさんの手のひらの上である。「真剣に遊んで真剣に脱線しろ」と言うしいたけさんに全ベットした2024年上半期がいよいよ始まる。   <ヒグチアイ> ◆『元カレかるた』より1句 ◆オリジナルフルアルバム『未成線上』 2024年1月24日発売   <収録曲> 1  大航海 2  祈り 3  自販機の恋 4  わがまま 5  最後にひとつ 6  このホシよ 7  恋の色 8  誰でもない街 9  この退屈な日々を 10  mmm 11  いってらっしゃい

    2024/01/15

  • ヒグチアイ
    鬱って英語でなんて言う?
    鬱って英語でなんて言う?

    ヒグチアイ

    鬱って英語でなんて言う?

     シンガーソングライター“ヒグチアイ”がこの夏、ラブソング三部作を立て続けにリリースしました。第一弾は2023年7月26日にドラマ『初恋、ざらり』エンディングテーマ「恋の色」を。第二弾は8月9日に映画『その恋、自販機で買えますか?』主題歌「自販機の恋」を。そして第三弾は8月30日に映画『女子大小路の名探偵』主題歌「この退屈な日々を」をリリース。    さて、今日のうたコラムではそんな“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは、新曲「 この退屈な日々を 」にも通ずるお話。かつて、ヒグチアイの日常のなかにあった、とあるインドカレー屋。みなさんにも、自分自身の物語にとって、ちょっと特別な場所ってありませんか…? ぜひ歌詞と併せて、最後までエッセイをお楽しみください。 何年か前、わたしはインドカレー屋にいた。帰国子女の友達を連れて。   一緒に住んでいた恋人が特大の鬱を患って、突然入院した。「あ、なんかおかしいぞ」となってから瞬足で「絶対やばい」に突入したため、病院に連れて行くと着の身着のまま入院することになった。帰ってくるのはそこから随分先のことで、その間にそいつがTSUTAYAで借りた漫画を部屋で見つけて返却しに行ったら10000円だったり、スマホの持ち込みが禁止だったのでテレホンカードを買いに行ったり、当分復帰できない旨を仕事先に伝えたりしていた。   そいつが働いていた店の一つにインドカレー屋があった。何度も食べに行ったことのあるインドカレー屋は年中無休通し営業で、一度店の名前が変わったが人も内装も何も変わらないという、体力と気力が無尽蔵の店だ。ランチタイムに行けばたくさんの客がいたが、ディナータイムは客が1人もいないというインドカレー屋あるあるにしっかり当てはまるこの店がわたしはとても好きで、昼でも夜でも食べたくなったら行っていた。   ウーバーイーツがなかった時代。そこでデリバリーを始めるということで、彼氏が配達要員となって働いていた。普通のママチャリで配達をしていたので間に合わないことがあり配達先でよく怒られていたが、そんな時でも店の人は怒ったりしなかった。   そんな愛に溢れるインドカレー屋にも、当分働けないことを伝えなければならなかった。日本語があまり達者でない人たちだったので、英語が喋れる友達に来てもらった。 ランチのピークが過ぎた時間に行ってカレーを二つ頼む。そこで店長らしき人(多分店長という概念がなかった気がする)に「彼氏が勝手に仕事休んでごめんなさい」ということを英語で伝えてもらう。何かあったの? という顔をする店長。「鬱…鬱って英語でなんて言う?」「いや知らん」「心の病気になって」「心の病気になって(英語)」「お仕事をお休みさせて欲しいんです(英語)」と言うと、店長は少し無言になり厨房の方に行ってしまった。友達と怒ってるのかな? と顔を見合わせる。と、店長が手にラッシーを二つ持って帰ってきた。「これサービス」「〇〇(彼氏の名前)に元気になって、って伝えて」というと少しだけニコッとした。   その後一度も行くことはなく、彼氏とは別れて、その街にも行くことはなかったけれど、あの地下にまだきっとあるインドカレー屋は誰かの生活の隣にいるんだと思う。   誰にでもある、だけど誰にもないわたしだけの物語を少しだけ支えてくれるんだ。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 この退屈な日々を 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ 

    2023/09/15

  • ヒグチアイ
    あったかい水をください
    あったかい水をください

    ヒグチアイ

    あったかい水をください

     シンガーソングライター“ヒグチアイ”がこの夏、ラブソング三部作を立て続けにリリースしました。第一弾は2023年7月26日にドラマ『初恋、ざらり』エンディングテーマ「恋の色」を。第二弾は8月9日に映画『その恋、自販機で買えますか?』主題歌「自販機の恋」を。そして第三弾は8月30日に映画『女子大小路の名探偵』主題歌「この退屈な日々を」をリリース。    さて、今日のうたコラムではそんな“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾。綴っていただいたのは、新曲「 自販機の恋 」にも通ずるお話です。ある日、ヒグチアイが“自販機”で出会った探し求めていたものは…。ぜひ、歌詞と併せてエッセイをお楽しみください。 外出先で、コーヒーでもなく紅茶でもお茶でもなく、白湯が飲みたい時がある。いきなり美容オタクみたいなことを言ってしまった。違うんです。本当なんです。信じてください。   口の中にプラスしたくない時ってありませんか。マイナスが歯磨きだとしたら、という話ですが。夏は水を飲めばいいけど、冬はどうしても寒い。なのでプラスでもマイナスでもないあったかい水、つまり白湯を飲みたいと思うんです。   そういう時はマクドナルドに行ってホットの紅茶を頼む。そうするとお湯とティーパックを別々でもらえるので、そのティーパックを持ち帰り、お湯を飲む。周りの男からは「無駄だ!無駄遣いだ!」と言われる。大体男はこういうことを言う(大偏見)。でもそれ以外であったかい水を飲める場所って本当にない。   ある日、駅のホームを歩いていると自販機があった。そこをパッと見ると、あったか~いのところに見かけないラベルが。「白湯」。白湯!?! わたしが探し求めてたものが!? 出たの!? 歓喜。歓喜で写真を撮る。友達に“白湯が自販機で売ってたんだけど!”と報告。“やばい”。一言返ってくる。さすがわたしの友達だ。そして笑顔のまま通り過ぎた。   え? なぜ買わなかったかって? ええと、それは、白湯を飲みたいタイミングっていうのはそれぞれにあってだな…。つまり飲みたい時に飲みたくて、飲みたくない時には飲みたくない、それが白湯なんです。しかも冷めたらただの水だからね。水は寒いから飲みたくないんだもん。   どこでも手に入る白湯、そうです、それを求めているんです。そのためには、美容オタクの投稿を鵜呑みにするわたしみたいなズボラ人間が、何本でも何十本でも買い漁らなきゃいけないんです。だって美容オタクは絶対水筒に白湯入れてるでしょ。いつか楽するために、辛く我慢しなきゃいけないことがある。それが今だ。   蛇口から白湯でないかなあ。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 自販機の恋 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ 

    2023/09/08

  • ヒグチアイ
    顔色の変化に気付けない
    顔色の変化に気付けない

    ヒグチアイ

    顔色の変化に気付けない

     シンガーソングライター“ヒグチアイ”がこの夏、ラブソング三部作を立て続けにリリースしました。第一弾は2023年7月26日にドラマ『初恋、ざらり』エンディングテーマ「恋の色」を。第二弾は8月9日に映画『その恋、自販機で買えますか?』主題歌「自販機の恋」を。そして第三弾は8月30日に映画『女子大小路の名探偵』主題歌「この退屈な日々を」をリリース。    さて、今日のうたコラムではそんな“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾。綴っていただいたのは、新曲「 恋の色 」にも通ずるお話です。恋の色、ならぬ、顔色の変化に気付けないというヒグチアイ。なぜそうなったのか、その理由は中学時代までさかのぼり…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 「なんか顔色悪いね。どうしたの?」 「え? ほんと? よくわかったね。実はさ…」 という会話が目の前で行われるとき、わたしは大体心の中に(え!? 全然気付かなかった…)という焦りが渦巻いている。そしてその焦りが顔に出ないよう必死で眉毛をハの字にしている。   顔色がわからない。だから漫画に出てくる、照れた時の赤い顔、というシチュエーションに出会ったことがない。切ない。なんでも経験してみたいわたしなのに。   思えば、自分自身が身体の表面に感情が出てこないタイプだ。そうしよう、そうなろうと矯正していた時期がある。なぜそうなったのか、理由もある。   中学生の頃、修学旅行で引率のカメラマンが撮った写真が廊下に張り出されて、そこに書いてある番号を紙に書いて、それを買える、というシステムがあった。今考えれば絶対に苦情が出るシステムだ。こっそり好きな男の子が写ってる番号を書いて買ったりしていたなあ…。   そこに自分の写真ももちろん貼り出されていて、どこで何をしているシーンか、その写真を見て思い出せるぐらいには新しい記憶だった。友達とふざけていたところだった。でも、そこに写っていたわたしの顔が記憶の中のわたしとは全然違う、ぐしゃっとした笑顔だった。わたしはもっと、美しく綺麗な笑顔を作っているもんだと思っていたから、その顔に驚いた。あれ? わたし、こんなに不細工な顔で笑っていたのか。そう思ってから、途端に笑うのが嫌になった。嫌になってから、口に手を当てて笑うようになったし、そもそもあまり笑わなくなった。   それから10何年経って、あの頃みたいに嫌いではないし、それもまた個性かと思えてからはむしろ愛せるようになってきたと思うけど、ブランクというものはあって、どうしても表情に出さないようにしてきたツケが回ってきている気がする。   「顔色悪いね」「機嫌悪そうだね」と言われる時、それは大抵間違いだったから、顔色なんて表情なんて本心を隠しているかもしれないことを決めつけることはできない。そう思って今まで不用意な発言をしないようにしてきた。けれど、本当に顔色がわかる人はいて、本当に相手の表情を読み取れる人がいて、そういう人に憧れてしまう。わたしだっていつか、自分の大切な人の顔色ぐらい読めるようになりたいんだ。   <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 恋の色 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ 

    2023/09/01

  • ヒグチアイ
    しずかちゃんの牛乳風呂に入りたい
    しずかちゃんの牛乳風呂に入りたい

    ヒグチアイ

    しずかちゃんの牛乳風呂に入りたい

     『THE FIRST TAKE』に初登場し、ロングヒット曲「悪魔の子」を披露した“ヒグチアイ”が2ヶ月連続で新曲をリリース。11月23日には、ABEMAの人気恋愛番組『恋愛ドラマな恋がしたい in NEW YORK』に書き下ろしの新曲「ネオンライトに呼ばれて」を。12月9日には、NHKみんなのうた 2022年12月-2023年1月に書き下ろしの新曲「小さな夢」をリリースしました。    さて、今日のうたコラムでは、そんな“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回。綴っていただいたのは、新曲「 小さな夢 」にまつわるお話です。あなたが今、やりたいことは何ですか? 小さな夢は何ですか…? ぜひ、歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 ドラえもんの声優が変わってからドラえもんを見ていない。だからスラムダンクの映画を見ても、ジャイアンが頭をよぎることがない。映画、最高だったよね。   樋口家のルールには、テレビは1日1時間まで、という子どもながらに「なかなか厳しいんじゃねえかい?」と思わされていたルールがあった。その中に、30分番組であるドラえもんが入ってしまうと残りの30分の使い所が難しくなってしまい、泣く泣くドラえもんを見ることを諦めていた。その代わり、学校の図書館に置いてある数少ない漫画の中にあったドラえもんに、微かに聞いたことのあるあの嗄れ声を当てはめながら、歯抜けになっていて続編としては読めない巻を何度も何度も読み返していた。   その中の描写の一つに、スモールライトで小さくなったしずかちゃんがドールハウスのお風呂に牛乳を入れて、牛乳風呂に入るシーンがある。その牛乳風呂に入ると、肌がつるつるになる、というものだった。とにかくそれがやりたかった。お風呂いっぱいに牛乳を入れて、そこにどぷーんと入り、お肌をつるつるにしたかった。小学生のわたしは。あれから25年…。今ならやれる。やろうと思えばやれる。でも、少しも、ほんの少しもやりたいと思わないのだ。牛乳は何本買わなきゃいけないんだろうか。追い焚きでなんとかなるだろうか。詰まったりしないだろうか。あの牛乳の上に張る膜の処理はどうしたらいいだろうか。そもそも環境にも牛にも申し訳ない…。そんなことを考え出すと、少しも牛乳風呂に入りたくなくなるのだ。   叶えたいと思った夢はずっと叶えたいものでいてくれる保証はない。やりたいと思ったことは明日やりたくなくなってるかもしれない。   今すぐにできることはやろう。それが叶えられるうちに。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 小さな夢 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ

    2023/01/05

  • ヒグチアイ
    初恋をしよう。何度でも
    初恋をしよう。何度でも

    ヒグチアイ

    初恋をしよう。何度でも

     『THE FIRST TAKE』に初登場し、ロングヒット曲「悪魔の子」を披露した“ヒグチアイ”が2ヶ月連続で新曲をリリース。11月23日には、ABEMAの人気恋愛番組『恋愛ドラマな恋がしたい in NEW YORK』に書き下ろしの新曲「ネオンライトに呼ばれて」を。12月9日には、NHKみんなのうた 2022年12月-2023年1月に書き下ろしの新曲「小さな夢」をリリースしました。    さて、今日のうたコラムでは、そんな“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾。綴っていただいたのは、新曲「 ネオンライトに呼ばれて 」にまつわるお話です。みなさんは“初恋”にどんなイメージがありますか? 誰の顔が浮かびますか? ヒグチアイにとっての初恋とは…。ぜひ、歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 この世には「First Love」という偉大な曲がある。最近ではそれがNetflixでドラマになっていたりする。 世の中の人をこんなに魅了させる“初恋”とはなんぞ。わたしも自分の初恋について振り返ってみたい。     どれだ? どの男子のことだ?   幼稚園のときに好きになったチカラくん(偽名)、小学生のときに好きだったショウちゃん(偽名)、中学生のときに初めてちゅうしたヨウタ(偽名)、高校の〇〇、△△、□□…みんなそれぞれいろんな形の好きを感じていた。   パッと広がるわかりやすい柑橘系の香り。いや、街角でかぐカレーの匂いかもしれない。そんなふうに好きなものは好きなんだと大声で言えていた幼稚園や小学生。中学生になると子どもから女の子に変わっていきながら、相手を異性として認識する。生花の薔薇のような香り。そして高校生で、いよいよこれが最後の恋かと見間違うような、いや今までの恋は恋じゃなかったんじゃないか、これがほんとうの恋なんじゃないか、と思う色とりどりの花束を胸いっぱい吸ったような香り。これで恋も終わりかと思ったら、あっさり醒めて、繰り返しているうちにどれが初恋なのかわからなくなってしまった。   今は、どんな香りがする? パッと思いついたのは緑茶だった。せめて、玄米茶ぐらいにしたいのだけど。   つまり、恋人がいようが、好きな人がいようが、結婚(はわからないけどたぶんそれでも一緒だと思う)してようが、どこで初恋が来るかわからなくて、いつだって今の恋を初恋だと思いたいのがわたしなんです。ほら、「こんなの初めて!」って言いたいでしょ。言われたいでしょ。   結局のところ初恋は、今好きな人がいれば、恋をしていれば、それが初恋なんです。 初恋をしよう。何度でも <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 ネオンライトに呼ばれて 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ

    2022/12/29

  • ヒグチアイ
    捧げた心臓
    捧げた心臓

    ヒグチアイ

    捧げた心臓

     『THE FIRST TAKE』に初登場し、ロングヒット曲「悪魔の子」を披露した“ヒグチアイ”が2ヶ月連続で新曲をリリース。11月23日には、ABEMAの人気恋愛番組『恋愛ドラマな恋がしたい in NEW YORK』に書き下ろしの新曲「ネオンライトに呼ばれて」を。12月9日には、NHKみんなのうた 2022年12月-2023年1月に書き下ろしの新曲「小さな夢」をリリースしました。    さて、今日のうたコラムでは、そんな“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾。綴っていただいたのは「 悪魔の子 」にまつわるお話です。『THE FIRST TAKE』に初登場し、ピアノ弾き語りで披露されたこの曲。公開2日間で100万回再生を記録するなど大きな反響を呼び、現在も再生数を伸ばし続けております。改めて歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。 この曲を書き上げるにあたってiPhoneのメモ帳フォルダに“進撃”というフォルダができた。一番最初に書かれた言葉は「僕らは許されたい生き物」だった。悪くない。でも使われなかった。その後、いろんな言葉が出てきた後にこの曲ができあがった。   性善説、性悪説。もともと人間はどっちなんだろうか。どこにも善人なんていないように見える日もある。自分自身の内側に善が一つも見つけられないような日もある。でもはたしてそれは、間違ったことなのか? 悪いことなのか? そもそもそう思うからこそ、人に優しくなれるのではないか?     それはそうと、今食べているパンケーキが美味い。わたしは真ん中に置かれたバターが溶けてメープルシロップがたっぷり吸い込まれているそこが好きだ。だから、周りから少しずつ食べていって、真ん中を残す。一番最後に食べるぬっとりしたその一部分を食べるためにパンケーキを食べている、と言っても過言ではない。   そういえば、メロンパンの上のサクサクした部分だけを集めました、という売り文句で売り出されているお菓子がある。あれを見つけたときに、うわあなんてものを発明してくれたんだ!!神様!!いやお菓子メーカー様!!ありがとう!!そう思いすぐさま購入した。しかし一つ目を食べた瞬間に、あれこれじゃない、と思った。なんか足りない。三つ目で気付いた。メロンパンとは、あの味のない(失礼)ふわふわしたパン部分を食べてこそ、サクサクのメロン部分が生かされていたのだ。このパンケーキもそうで、真ん中のぬっとり部分だけが集まったパンケーキでは魅力が足りない。つまり苦行を経験してこそ悟りを得られるのだ。3歩歩いた先に山の頂上があったら誰も山に登らないし、一瞬で習得できる技は特技とは言わないし、百発百中当たるギャンブルがあったら誰もやらない(?)。   だから遠回りして遠回りして、それになんの意味もなかったなんてことはなくて。大人になったら過程より結果だとか言うけど、きっと一瞬で辿り着いた結果には確信が持てなくて。小さく積み上げたものが、次の一手に確実に繋がっていて。そしてもう一度同じことをやろうとしたら、きっとできる。だって過程を知ってる。レシピを知ってるから。考えて自分で向き合った時間が、そのあとの自分を形作っている。   ということで、わたしの“進撃”というフォルダは「悪魔の子」と「まっさらな大地」を生み出してくれたわけだけど、そこに埋もれていったたくさんの輝かしい命の言葉たちは、この曲たちを歌うときにいつもこっそり、歌の意味を支えてくれているのです。   わたしにとっての“捧げた心臓”は見えないところで高鳴っている。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 悪魔の子 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ ◆New Single「悪魔の子 - From THE FIRST TAKE」 2022年12月23日配信 配信サービス一覧: https://lnk.to/akumanoko_tft 

    2022/12/22

  • ヒグチアイ
    生きる意味がなければ生きる意味はないと思った。
    生きる意味がなければ生きる意味はないと思った。

    ヒグチアイ

    生きる意味がなければ生きる意味はないと思った。

     2022年3月2日に“ヒグチアイ”がニューアルバム『最悪最愛』をリリースしました。今作には『進撃の巨人』The Final Season 2のエンディングテーマ「悪魔の子」やドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』のエンディングテーマ「縁」、昨年配信された“配信3部作”の「悲しい歌がある理由」「距離」「やめるなら今」など全11曲が収録。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ヒグチアイ”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、今作の収録曲「劇場」に通ずるお話です。この歌詞の<蛇を飲もうか>というワンフレーズが生まれるきっかけとなった、とあるステージ上の光景…。果たしてこれから自分は己の「劇場」でどう生きていくべきか、どう生きていきたいか。その想いを明かしてくださいました。 <蛇を飲もうか>という歌詞は、10年前にお世話になっていた事務所の人が連れて行ってくれた靖国神社の見世物小屋から来ている。その年齢なら見たことないでしょ? と言われ、興奮気味に見に行った。   入り口で700円を払うと、目の前の人の列に並ぶ。パンダを見る行列と同じだ。前が進めば少しずつ全貌が見えてくる。最初は、本当のパンツではないパンツ(なんだそれ)や作り物の巨乳を見せつけながら踊る人が出てきて、それよりも後ろでウッドベースを弾く人がかっこいいなあなんて思っていた。   最後に出てきたのが、蛇を食べる女だった。生きている蛇を舐めまわし、最終的には食いちぎるという、想像するだけで口の中がゾワゾワするような事が目の前で行われた。それが終わりの合図だというように、少しずつ進んでいた列は解けたように出口に向かっていった。興奮していた気持ちは一瞬で解けてしまった。ステージの上という意味では、わたしもその女性も同じだったからだ。   10年経った今でも、蛇を食べなきゃ、と思ったことはない。幸運にも。それでも、誰にもできない(少なくともできる人の話を聞いたことがない)ことをやっていたあの蛇を食べる女のことは忘れられなかった。   わたしはずっと、自分を切り売りしてきたと思う。歌詞は最たるものだし、今作ってる雑誌もそう、インタビューもそう。切り売りすることにあまり抵抗がない。だから、売れるものであればなんでも売ってしまう。それがこの世に唯一の物だとしても。   切ってきた身は年齢と共に治りが遅くなって、元通りにならなくなってしまった。これ以上、切ってしまうとわたしはわたしに戻れなくなってしまう。それでも、命が短くなっても、歌を歌いたいのか、と常に自問自答する日々だった。   人生は一度きりだ。大切な人たちがいる。音楽より大切なものがある。だから、長く生きるために、わたしを切り売りすることはやめる。全部やめるのはきっと性に合わないから、少しだけにする。   蛇は食べれない、裸は見せれない、血は流せない。そんなわたしが見せられるものを、この劇場で探し続けていく。必死に。人生をかけて。 <ヒグチアイ> ◆ニューアルバム『最悪最愛』 初回限定盤 [CD+DVD] PCCA-06116 ¥4,950 (税込) 通常盤 [CD Only] PCCA-06117 ¥3,300 (税込) <収録曲> 1. やめるなら今 2. 悪魔の⼦ 3. 劇場 4. 縁 5. ハッピーバースデー 6. 距離 7. 悪い⼥ 8. まっさらな⼤地 9. サボテン 10. ⽕々 11. 悲しい歌がある理由  

    2022/03/03

  • ヒグチアイ
    なにがしたくてここまで、そんなの上京3年目で消えたんだ。
    なにがしたくてここまで、そんなの上京3年目で消えたんだ。

    ヒグチアイ

    なにがしたくてここまで、そんなの上京3年目で消えたんだ。

     ヒグチアイが、9月から3ヶ月連続で新曲をデジタルリリース!2021年11月24日にリリースされたのが第3弾楽曲「やめるなら今」です。社会に出て、描いていた夢やなりたいものに向かって歩み出してから、誰もが直面する理想と現実。生まれる葛藤や挫折。その末に迫られる決断。人生の岐路に立つ方に、耳を傾けてほしい1曲となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは、新曲「 やめるなら今 」に通ずるお話。何度も音楽をやめたいと思う気持ちが現れながらも、今も続けているその理由とは…。是非、楽曲と併せて、このエッセイを受け取ってください。 ライブ前、鏡の前で前髪と服の皺を撫でていると、ふと「なんでこんなところにいるんだろう」と疑問が浮かんでくる。いやいやと首を振って考えないようにする。   大きな声を出すのが苦手で、友達とご飯をするときはなるべく静かそうな店を探す。バイト中、客席にコーヒーを運ぶと一瞬会話が止まる。「お待たせしました」とコーヒーを机に置く動作を見られているのがとても苦手だった。   そんなわたしが、なぜ、人前でライブをしているのか。それは、勘違いからだったと思う。   人前に出て何かをすることが得意で好きだと思っていた。22歳ぐらいまでは。だんだんヒグチアイと樋口愛は乖離していたのに、気付いていなかったときが一番辛かった。なにもかもがうまくいかなくて空回っていた。やりたい自分となりたい自分が普段のわたしとは真逆のところにいたから。   樋口愛としてステージに出てずっと緊張したままライブをするのはしんどかったし、それならと、どうにかしてヒグチアイに近付けようとしたけど、心が保たなかった。その頃から、やめたいと思う気持ちがよく現れるようになっていた。   やめたい、と、やめる、の間には大きな川が流れている。あちら側の世界に行ってみたら案外音楽のことなんか思い出さず生きていけるかもね。単純作業とかレジ打ちが好きだから、きっと生きていける。でも知ってしまえば、帰ってくることはできないと思う。人生はいつも一方通行だから。   わたしは、川を渡ることの恐怖心から、ずっとこちら側にいるのかもしれない。もしかしたらただの水溜りかもしれないその濁流をいつも眺めてる。眺めながら歩いてきたら、ここまで来てしまった。   未だによくやめたいと思う。衝動的なものではなく、カセットコンロのガスが切れるように、パチパチと音を立てながら、だんだんと火が小さくなっている。でも最近、気付いた。やめたいやつとやめたいのをなだめているやつが同時に存在している。その二人のわたしはきっとあの頃のヒグチアイと樋口愛だ。   「とかいっちゃってさ、結局やめないんでしょ? はいはいレーズンサンドでも食べて、ほら、明日からでいいからやるよ」って言ってる樋口愛がいる。濁流を眺めるヒグチアイの手を引きここまで歩かせて、【ご報告】の文章を作るヒグチアイのメモ帳を消して、もう何も書くことがないとゲームばっかりするヒグチアイのやる気を待つ樋口愛。   本当のわたしは才能なんかなくて、穏やかで、緊張しいで、人前が苦手で、アーティストに向いているとは思えない人間だけど、そのわたしがいなければ、やめたいわたしは勝手にやめていた。樋口愛はヒグチアイに憧れていて、ヒグチアイは樋口愛に助けられていた。なりたいだけだった私はいつしか、必要不可欠な存在になっていた。   なんだっていい、そのままでいい。わたしはわたしを認めてるから。きっとそんな風にして、続いていく未来を信じていける気がする。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 やめるなら今 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ

    2021/12/01

  • ヒグチアイ
    ほんのちょっとの距離のせいで。
    ほんのちょっとの距離のせいで。

    ヒグチアイ

    ほんのちょっとの距離のせいで。

    ヒグチアイが、9月から3ヶ月連続で新曲をデジタルリリース!2021年10月20日にリリースされたのが第2弾楽曲「距離」です。学生の頃の盲目的な恋愛ではなく、仕事も忙しく、恋愛以外のプライベートも忙しくなった働く女性の恋愛ソング。遠距離というだけではなく、近くにいても感じる精神的な距離やもどかしさも表現した楽曲に仕上がっております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け。綴っていただいたのは、新曲「 距離 」にも通ずるお話。19歳のときに付き合っていた、遠距離恋愛の年上の彼氏。もしも当時の<わたし>がこの曲を聴いていたら、恋の結末は違ったのかもしれません…。 ~歌詞エッセイ第2弾:「 距離 」~ 19歳のときに付き合っていた彼氏は、栃木の大学でカラスの研究をしている人だった。早朝に仕掛けた罠を見に行き、カラスが捕まっているとそれを研究所に持っていき生態なんかを調べる、という生活をしている人だった。ちょっと変わった人を好きになる癖を持っていたので、聞いたことのない人生を歩む人に興味を持った。 少し年上の人で、車を運転していて、レストランでご飯を食べた時には、当たり前のように前菜を頼んだ。高校生の付き合いしか知らなかったわたしにはどれも新鮮だった。そして、わたしの家族がバラバラに暮らしてることを知ると涙を流していた。そのとんちんかんな優しさもなんだか逆によかった。 だんだんと関係に慣れていくにつれて、わたしは東京、相手は栃木、見えない時間の中に不安を感じ始めていた。ある日、彼が飲み会があるというので、連絡がないこともまあしょうがないか、と諦めていたのだが、いつまで経っても来ない連絡に、誰と?どこで?どんな?という考えたところで答えの出ない疑問が浮かんできた。 長々と考えた結果、電話をした。何回目かのコールで出た彼は立派に酔っ払っていた。どうしようもなく。「もしもし?!大丈夫なの?」心配してるふりをしながら向こうの様子を探る。ガヤガヤとする中に、キンとした女の声が耳に突き刺さる。「なにー!?!彼女からー!?ヒューヒュー!」その声を聞いた瞬間に電話を切った。 なんだ。普通の男じゃないか。ただの、普通の、どこにでもいる男じゃないか。わたしが今東京で一人なのも、彼が女もいる飲み会でぐずぐずになるまで飲むことも、もう全部どうでもいい。 真夜中、ノートを開いて電子ピアノの電源を入れる。絶対に負けない、絶対に負けない。孤独に負けるもんか。勝手に蔑ろにされたと思って、勝手に意地を張って生きてきた。でも、そうしないと簡単に折れそうだったから。 そうやって磨いてきた刃が、10年後まさかこんな切れ味になるとは。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 距離 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ

    2021/10/22

  • ヒグチアイ
    女の子だもん
    女の子だもん

    ヒグチアイ

    女の子だもん

    ヒグチアイが、9月から3ヶ月連続で新曲をデジタルリリース!2021年9月8日にリリースされるのが第1弾「 悲しい歌がある理由 」です。すでにライブで多くのリスナーの琴線と涙腺に触れ、音源化が切望されていたピアノ弾き語りのこの曲。様々な場所で頑張って生きる女性の胸に深く刺さり、気が付くと痛みを少し軽くしてくれる…。言葉の力を大切にするヒグチアイの真骨頂と言える楽曲に仕上がっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け。今回はその第1弾です。かつて、自分の存在全てにコンプレックスを感じていた彼女。その生きづらさがほんの少しずつ変わっていったきっかけとは…? 新曲「 悲しい歌がある理由 」にも通ずる想い。是非、歌詞と併せて受け取ってください。 ~歌詞エッセイ第1弾~ 幼い私はピンク色が欲しかった。だけど他人と違う私でいたくてどんな時も青色を選んだ。そうしていたら青色が好きになって、ピンク色は似合わなくなっていった。私の本当の好きなものはなんだろう。 22歳の頃、ボイストレーニングの先生に「好きなものを身の回りにおけば個性になる」と言われ、その言葉に従い好きなものを集め始めたのはいいものの、好きなもの、という概念が私の中に存在しないことをその時初めて知って驚いた。 0歳から一緒の樋口愛と、18歳からシンガーソングライターとして活動し始めたヒグチアイが乖離し始めていた頃だった。なりたい私は、本当の私のことをいつも恥ずかしがっていた。あいつには何もない、と思っていた。いつも私を苦しめ、ちょっと近所へ行くのでさえも化粧や服がダサくないか、汚らしい格好をしていないか、においは、爪は、と自分の存在全てにコンプレックスを感じていた。31歳現在、最も生きづらかったのはこの時期だったと断言できる。 なんとなくよく食べている気がするカレー、読み始めればあっという間に時間が過ぎている漫画、そして唯一好きだと自覚のある梨。こんなもんでいいんだろうか、と思いながら、好きなものをカレー、漫画、梨に設定した。なんと!好きなものを決めたらコンプレックスがなくなりました!なんてことはなかった。 好きなものを決めてから、美味しそうな店を食べログで調べて朝から並びに行ったり、漫画にお金をかけていいことにした。入りづらい店も読みにくい漫画も、好きだというだけで挑戦した。それはつまり、私のためにお金を使う、時間を使うことを許すことだった。コンプレックスを隠そうとしていた時は、私のためのようで、誰かのためだった。誰かに嫌な思いをさせないためだった。 でも、好きなもののためにすることは、全て私のためだ。私のために私を使ってあげることで私の濃度が濃くなって、もともとは見たことのある色でも積み重なったらなんとも言えないオリジナルの色になるように、それが私だけの個性になるんだと知った。 最近、ピンク色の物が好きだ。スマホケースもポーチもカバンも財布も全部ピンク色だ。洋服もたくさん持ってる。似合わなくてもいい。だって、女の子だもん。じゃなくて、好きなんだもん。文句ある? <ヒグチアイ>

    2021/09/27

  • ヒグチアイ
    家族は愛さなくてもいい。
    家族は愛さなくてもいい。

    ヒグチアイ

    家族は愛さなくてもいい。

     2021年4月16日に“ヒグチアイ”が新曲「縁(ゆかり)」をリリースしました。ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』エンディングテーマとして書き下ろされた楽曲であり、ポニーキャニオンへの移籍第1弾シングル。昨年リリースされた楽曲「東京にて」は、ラジオ媒体を中心に大きな話題となり、その輪は今なお拡がり続けております。新たな活動が次々と芽吹いているヒグチアイから目が離せません…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ヒグチアイ”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、新曲「 縁 」に通ずるお話です。家族との距離感が難しい。家族に対する言動や愛情が正しいのかわからない。分かり合えたり、分かり合えなかったりの繰り返し。そんなあなたに、このエッセイと歌詞が届きますように。 ~歌詞エッセイ:「 縁 」~ 家族は愛さなくてもいい。必ずしも、愛さなくてはならない存在ではない。 わたしには妹がいるが、学生の頃、仲が良いことによくびっくりされた。兄弟姉妹という存在は、あまり仲が良いものではないらしい。特に子どもの頃はそういう人が多かったように思う。 幸いにも、虐待や育児放棄などがない家だったし、何不自由なく生活が送れたし、音楽を好き勝手やらせてくれたので、親からもらった愛情をそのまま返したいと思える大人になった。 でもそんなわたしでも、「なんであんなことされたんだろう」「なんであんなこと言われたんだろう」と疑問に思っていることがあった。その全てに、答えが欲しくて、実際に聞こうと思ったことがある。“幼い頃のトラウマは解決しないと後々恐ろしい形で返ってくる”というわたしの確信がさらに深まることが怖かったからだ。 いろんな人に相談したし、親に会う日程まで決めた。最後に妹に相談した。「親にこんなこと聞こうと思っているんだけど聞いてもいいと思う?」と聞いた。きっと、まああいぽ(わたしの呼び名)がそうしたいならいいんじゃない?と答えるはずだと思った。 でも、答えはちょっと違った。「聞かなくてもいいんじゃない?」その後、こう続いた。「今のあいぽになったのはそのおかげだし、今のあいぽがいいよ」と。 その言葉をきっかけに、親に対する疑問の答えを求めることをやめた。考えることも自然となくなった。わたしは、愛される資格が欲しかったし、理由が欲しかった。そうすれば、愛すこともできるから。でも、資格も理由もなく、言葉にもできずとも、「それがいいよ」と認めてくれる存在に、幼い頃のわたしが救われたのだ。 家族は愛さなくてもいい。それでも、わたしは家族を愛すことができて、しあわせだ。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 縁 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ

    2021/05/26

  • ヒグチアイ
    太陽の指輪。
    太陽の指輪。

    ヒグチアイ

    太陽の指輪。

     2020年9月2日に“ヒグチアイ”が自身初のベストアルバム『樋口愛』をリリースしました。彼女は、静と動が混在するスリリングなライブステージで、聴く者に呼吸することを忘れさせてしまうくらいの表現力持ったアーティスト。自身の活動キャリアから名曲の数々を選りすぐった作品となります。新曲「八月」「東京にて」の2曲も収録…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は 第1弾 、 第2弾 に続く最終回です。綴っていただいたのは収録曲「 東京にて 」に通ずるお話。この歌詞の背景を、想いを、リアルを、是非彼女の言葉から感じてください。 ~歌詞エッセイ最終回:「 東京にて 」~ 東京のビルがこんなに高く伸びるのは、たくさんの人間のエネルギーを吸っているからだ。人がいなくなれば養分が摂れなくなって、そのビルは倒れてしまう。 人間は、生きているだけで何年も何十年も内臓を腐らせない。死んだら、数日なのに。だから、生き続けるってことは、すっっっっごいことなんです。みんなが思っている以上に。 高校生のときに、家で生まれたウサギがいた。繁殖させようとしたつもりもなく、ただいろんな偶然が重なって、家で妊娠したウサギはわたしが受験勉強をしているときに子どもを産んだ。生まれた子どもたちの中でとても小さく、身体が弱かった1羽をうちで引き取ることにした。 名前はむう。夢宇。どキラキラネームをつけた。 むうはわたしと共に上京し、一緒に暮らしていた。昔の彼氏がくれたBOSEのヘッドフォンを噛みちぎったり、わたしが歌詞を書いた紙を食べて、なんて書いてあったのかわからなくさせた。ウサギに怒ったってわからないだろうし、ストレス溜まるだけだろうから、ということで、一切怒ることはなかった。その分過剰に可愛がることもないし、悩みを聞いてもらったり、慰めてもらったなあ、という経験もない。お互いに、自由に暮らしていた。 その後、彼氏と同棲することになり、その彼氏はアレルギーがあったので、むうと一緒に引っ越すことができなかった。友だちがお世話を引き受けてくれるということで、その友だちにむうを譲った。それ以来、むうに会うことがなかった。 何ヶ月か前に、むうが死んだ。ウサギの中ではかなり長生きだったらしい。病気もなかった。途中から飼ってくれてた友だちが定期検診に連れて行ってくれたり、よくお世話をしてくれたから、ここまで生き延びたのだと思う。 どこかで、むうを捨てたんだ、という記憶が残っている。ちゃんと愛してあげた記憶がない。今更感じてもしょうがない後悔が入道雲のように膨れ上がっていった。 その友だちに話をした。そうしたら「小さなときにストレスを感じてなかったからここまで生きてこれたんじゃないかな、ってお医者さんが言ってたよ」と教えてくれた。 わたしは、後悔を背負っていくしかない。消えることはないから。でも、その後悔のせいで足を絡めとられてはいけない。歩く力がなくなってはいけない。 太陽のような指輪を作ってもらった。その中に、むうのちいさな遺骨が入っている。今では、たくさんの後悔も、わたしを照らしてくれる太陽になっている。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 東京にて 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ ◆BEST ALBUM『樋口愛』 2020年9月2日発売 TECG-33130 ¥3,000-(tax out) <収録曲> 1. ココロジェリーフィッシュ 2. 前線 3. 東京 4. まっすぐ 5. わたしのしあわせ 6. ラジオ体操 7. 猛暑です- e.p ver - 8. 八月(新曲) 9. 黒い影 10. わたしはわたしのためのわたしでありたい 11. 最初のグー 12. 備忘録 13. 東京にて(新曲)

    2020/09/17

  • ヒグチアイ
    備忘録。
    備忘録。

    ヒグチアイ

    備忘録。

     2020年9月2日に“ヒグチアイ”が自身初のベストアルバム『樋口愛』をリリースしました。彼女は、静と動が混在するスリリングなライブステージで、聴く者に呼吸することを忘れさせてしまうくらいの表現力持ったアーティスト。自身の活動キャリアから名曲の数々を選りすぐった作品となります。新曲「八月」「東京にて」の2曲も収録…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は 第1弾 に続く、第2弾です。綴っていただいたのは収録曲「 備忘録 」に通ずるお話。この歌詞の背景を、想いを、リアルを、是非彼女の言葉から感じてください。   ~歌詞エッセイ第2弾:「 備忘録 」~ 「俺、25歳で売れてなかったら死ぬww」と言っていた大学の同級生は、30歳になった今、音楽をやめて結婚をして子どもができて、順風満帆に暮らしている。 当時、19歳のわたしは、大学のジャズ科に通いながらポップスを歌っていたので、先輩には白い目で見られていたし、先生には「お前の声はジャズ向きだからジャズシンガーになれ」と言われていた。天邪鬼なわたしは、絶対にポップスで売れてやるのだと思いつつ、売れなかったら死ぬと言えばその言葉に首を絞められるだけだから、とのらりくらりと話をかわしながら、内なる炎を消さないように歌を歌い続けてきた。 きっとあの頃も変わらず、冷めていたのだと思う。遡れば中学生の頃から冷めていた。ずっとここじゃないどこかに行けば、みんなみたいに笑い続けられる居場所があるんだと思ってた。 悲しいけど、そんなユートピアは存在しない。そこに行きたいのなら、今いるその地を開拓するしかない。汗水垂らして、自分の力で、作っていくしかない。しかもそれは、いとも簡単に壊れてしまうアンバランスな国だ。 冷めていることは、なにも良いことじゃない。(と今は思う。今後変わるかもしれない。) いつでも面白いと思うハードルは下げておくべきだし、何事にも前のめりでいるべきだ。売れてなかったら死ぬ、って言ってしまえば、死ぬ気で売れようとしたかもしれない。今となっては、全て過ぎてしまったことだけど。 わたしは、言葉にがんじがらめにされることがこわい。最近はSNSでの誹謗中傷問題がよく話題にあがるけど、わたしからしたら、発した言葉に支配されないで済むことが信じられない。誰かに向けた言葉を一番近くで聞いてるのは自分なのに。言葉として自分から離れても、なかったことにならないことなんて、自分が一番よく知っているはずなのにね。 言葉を使う代わりに使われている。なんか等価交換のようで、わたしにはしっくりくる職業である気がする。ソングライターってのは。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 備忘録 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ ◆BEST ALBUM『樋口愛』 2020年9月2日発売 TECG-33130 ¥3,000-(tax out) <収録曲> 1. ココロジェリーフィッシュ 2. 前線 3. 東京 4. まっすぐ 5. わたしのしあわせ 6. ラジオ体操 7. 猛暑です- e.p ver - 8. 八月(新曲) 9. 黒い影 10. わたしはわたしのためのわたしでありたい 11. 最初のグー 12. 備忘録 13. 東京にて(新曲)

    2020/09/10

  • ヒグチアイ
    贅沢。風呂トイレ別ってだけで。
    贅沢。風呂トイレ別ってだけで。

    ヒグチアイ

    贅沢。風呂トイレ別ってだけで。

     2020年9月2日に“ヒグチアイ”が自身初のベストアルバム『樋口愛』をリリースしました。彼女は、静と動が混在するスリリングなライブステージで、聴く者に呼吸することを忘れさせてしまうくらいの表現力持ったアーティスト。自身の活動キャリアから名曲の数々を選りすぐった作品となります。新曲「八月」「東京にて」の2曲も収録…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第1弾です。綴っていただいたのは、今作の1曲目に収録されている「 ココロジェリーフィッシュ 」にまつわるお話。この歌詞の背景を、想いを、リアルを、是非彼女の言葉から感じてください。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 ココロジェリーフィッシュ 」~ 19歳。はじめての一人暮らし。 実は、父親に同棲させてくれと頼んだら、一人暮らしもしてないのに絶対ダメだと言われ、渋々同じマンションに引っ越すことにしたのだ。洗濯機も冷蔵庫も買わないはじめての一人暮らし。 はじめてならこんな物件がオススメですよ。不動産屋は口がうまくなけりゃ務まらない。父親のバックアップがあるとわかれば、相場より高い物件を勧めてくる。 世の中、当たり前だと思っていることが、実は全然違うことってある。一軒家で育つこと、クリスマスにはサンタが来ること、長い休みには祖父母の家に行くこと。両親が築き上げたものを、当たり前として提供してくれていただけのことだった。 風呂トイレ別。それだけで贅沢だった。塀をよじ登れば入れる、形だけのオートロックマンションは、今住んでいる家より高かった。 そこに住んでいた一年半で、どん底の貧乏を味わうことになる。お客さんの差し入れのお菓子を晩ご飯に食べて、ポケットや鞄に迷い込んでる100円を探して、銀行窓口へ通帳を持って行き三桁の小銭を下ろす。風呂トイレ別がわたしにくれたものは貧乏だけ。オートロックが教えてくれたものは、鍵を忘れて出ていくと大変なことになるってことだけだった。 それでも、下手くそながら作る料理も、それを一緒に食べる行為も、二人で布団に入りながらアニメを見る夜も、全てが楽しかった。その中で書いた曲が「 ココロジェリーフィッシュ 」だ。今作の中で一番古い曲。未だに人気のある曲。当時の彼氏がさしていた黒い折り畳み傘は歌詞に出てくる。 苦労から抽出されたエネルギーをいつまでも燃料にしていられない。でも未だに、その日々がわたしを照らしてくれている。その灯りで、わたしはわたしを見つけることができるのだ。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 ココロジェリーフィッシュ 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ ◆BEST ALBUM『樋口愛』 2020年9月2日発売 TECG-33130 ¥3,000-(tax out) <収録曲> 1. ココロジェリーフィッシュ 2. 前線 3. 東京 4. まっすぐ 5. わたしのしあわせ 6. ラジオ体操 7. 猛暑です- e.p ver - 8. 八月(新曲) 9. 黒い影 10. わたしはわたしのためのわたしでありたい 11. 最初のグー 12. 備忘録 13. 東京にて(新曲)

    2020/09/03

  • ヒグチアイ
    怒らない代わりに笑わなくなった。わたしはどこにもいなくなった。
    怒らない代わりに笑わなくなった。わたしはどこにもいなくなった。

    ヒグチアイ

    怒らない代わりに笑わなくなった。わたしはどこにもいなくなった。

     2019年9月25日に“ヒグチアイ”がメジャー3枚目となるニューアルバム『一声讃歌』をリリースします。さらにその発売に先駆け、2019年6月19日を皮切りにデジタルシングル三部作を配信することが決定。第1弾「前線」、第2弾「どうかそのまま」、第3弾「ラブソング」が配信中です。さて、今日のうたコラムでは、そんなリリースを記念して“ヒグチアイ”本人がエッセイを執筆!  7月~9月の期間、月1度、スペシャルな記事をお届けしてきました…!そして、今回がその最終回となります。尚、待望のニューアルバムは、ヒグチアイが自身の過去を振り返って、これまでの自分と向き合いながら制作されているとのこと。今回のコラムも、何かの収録曲に、どこかのフレーズに、繋がっているのかもしれません。それでは 第1弾エッセイ 、 第2弾エッセイ に続く、最終回をじっくりとご堪能ください! 【最終回:ラブソングをあなたに】 知人が出会い系アプリで出会った人と結婚した。下心なのか?そうでないのか?の駆け引きをすっ飛ばしているから、素直になれるらしい。なるほど、恋愛で一番難しいのは素直になることだったんだ。 四年前。何度も浮気され、何度も騙され、お金も貸して、それでも好きで付き合っていた恋人がいた。最後はわたしから別れを告げた。でも真実は、相手が言葉にしないからわたしが言うしかなかった、だけのことだ。もっと前に別れていれば、と思うことが今でもある。後悔先に立たず。 なぜ、わたしが別れなかったかと言うと、恥ずかしかったからだ。浮気されたわたしが可哀想で惨めで、恥ずかしかったから。わたしは大人だと、そんなことで別れるような女じゃないと、もっと肝の座ったでかい女なんだと思われたかった。誰に。たぶんわたしを知る人全員に。それは仮面であり、着ぐるみであり、虚像であったけれど、身につけるのは難しくなかった。 そのせいで、わたしは薄くなっていった。わたしの中のわたしは小さくなり、ヒグチアイさえも消し去りそうになっていた。実際、声の出し方も、歌詞の書き方も、なにもかも変わっていた。わたしを偽ってしまったら止まらなかった。表情はかたく、怒らない代わりに笑わなくなった。わたしはどこにもいなくなった。 そんなときに、思い出したことがある。その話が、このコラムの 第1回 、 第2回 の話だった。わたしはたしかに家族に愛されていて、人を愛していて、どうでもいいようなことを覚えていた。そして、ちゃんとしあわせを知っていた。それに気付くまでにかなりの時間が経った。思い出がわたしを素直にしてくれた。 さよならをして、家を引き払った。敷金が大量に返ってきて、それを全額もらって貸したお金はチャラにした(敷金の方がちょっと多かった)。引っ越した先のアパートは畳の部屋をフローリングに改装したのだろう、窓の低い家だった。春には桜が見える家だった。 思い出すことは、想うことだ。想うことで、想われるはずだ。思い出は燃料だ。たくさんの思い出を作って、また燃やして、わたしは今日も歌をうたっている。 <ヒグチアイ> ◆3rd full ALBUM『一声讃歌』 2019年9月25日発売 初回限定盤 TECG-37127 ¥3,364+税 通常盤 TECG-32128 ¥2,909+税 <収録曲> 01. 前線 02. どうかそのまま 03. 街頭演説 04. 風と影 05. バスタオル 06. 走馬灯 07. ほしのなまえ 08. 一週間のうた 09. いちご 10. 聞いてる 11. ラブソング ◆先行デジタルシングル三部作 第一弾「 前線 」配信中 iTunes AppleMusic Spotify 第二弾「 どうかそのまま 」配信中 iTunes AppleMusic Spotify 第三弾「 ラブソング 」配信中 iTunes AppleMusic Spotify <LIVE> ■HIGUCHIAI band one-man live 2019 2019年11月16日(土) 東京 Veats shibuya 2019年11月24日(日) 大阪 梅田 Banana Hall

    2019/09/06

  • ヒグチアイ
    今思えば、可哀想な人がわたしは好きだった。
    今思えば、可哀想な人がわたしは好きだった。

    ヒグチアイ

    今思えば、可哀想な人がわたしは好きだった。

     2019年9月25日に“ヒグチアイ”がメジャー3枚目となるニューアルバム『一声讃歌』をリリースします。さらにその発売に先駆け、2019年6月19日を皮切りにデジタルシングル三部作を配信することが決定。すでに第1弾「前線」と第2弾「どうかそのまま」が配信中です。さて、今日のうたコラムでは、そんなリリースを記念して“ヒグチアイ”本人がエッセイを執筆してくださいました。    7月~9月の期間に月1度、スペシャルな記事をお届け…!尚、待望のニューアルバムは、ヒグチアイが自身の過去を振り返って、これまでの自分と向き合いながら制作されているとのこと。今回のコラムも、何かの収録曲に、どこかのフレーズに、繋がっているのかもしれません。それでは 第1弾エッセイ に引き続き、第2弾をじっくりとご堪能ください! 【第二回:きみはペット】 なんだか可哀想だった。 だから、こっそり、誰にも知られないように 家で飼ってた。 彼氏を。 小学5、6年生ぐらいから片鱗を見せ始めていたのだけれど、中学生に入って途端に崩壊した。学校は休んでもいいものだと知ったし、好きになった先に付き合っていいことを知ったし、キスだけじゃ子どもはできないことを知った。クラスメイトにハブかれたり、逆にハブき返したり、どうにもこうにも自分が崩壊する出来事がたくさんあった。そしてとんでもなくブスだった。生命力が溢れてしょうがないという肌に、どうしたってまとまらない髪、止まらない食欲、おしゃれ=奇抜という間違った方程式、もうとんでもなく崩壊していた。 寂しいなら彼氏を作ればいい。彼氏がいれば友だちがいなくてもいい。そう思ったわたしは、ちょうどいい身軽なブス、になった。そしてその通りになった。彼氏がいなかったことはないし、三年間寂しい気持ちになったこともなかった。これが正解だとも思った。そしてその気持ちをもったまま高校生になった。高校三年生のとき、わたしは寂しくなった。久しぶりの寂しさと自由を手に入れた。 ライブハウスで働いていた男の人と知り合った。路上ライブをしていたわたしに声をかけたその人は、わたしよりいくつか年上で、なんだか大人に見えた。両耳にはたくさんのピアス。少しお腹が出ていて、お酒を飲んでいた。全てが同年代の友達にはないもので、全てがなんか、よかった。 ある夜、長野駅前のベンチに集合した。わたしは自転車に乗って行った。彼は原付に乗ってきた。そして駅前のしょぼい雑貨屋で買った1000円のピアッサーで耳に穴を開けてくれた。普通は片耳ずつ開けるんだよ、って言って両耳に穴を開けてくれた。家に帰ってベッドに横になったとき、ピアスが枕カバーに引っかかって痛かった。そして熱かった。 彼はよくお金がなかった。わたしは1000円や2000円をよく貸していた。彼は仕事をよく休んでいた。そして不満をよく言っていた。大人ってそういうもんなのかな、と思いながらもふらふら生きてる彼となんとなく一緒にいた。 ある日の夜中、家で漫画を読んでいたら彼から「外来て」とメールが届いた。静かに階段を降りて外に出ると彼がいた。「大家に追い出されちゃったんだけど、ちょっとの間家に住めない?」と言われた。部屋は余っていたけど、そういう話ではない。無理だと言うと、入れてくれるまでここを動かない、と言う。ほんとに帰ってね!と言い部屋に戻り、1時間後外を見るとまだそこにいる。このままだと不審者として通報されると思ったわたしは、今日だけね、と言い、こっそり家にあげることにした。 階段を同じタイミングでのぼり、廊下はおんぶされて進んだ。トイレは我慢すること、何かあったらメールすること、を約束させた。親が仕事で外に出て、妹が学校に行って、わたしは学校に行ったふりをして、そのまま帰ってきた。彼にもう出て行ってほしいと伝えるとあと2、3日だけ置いてほしい、それまでに家を決めるから、と言われ、どうにも断れず、そのまま家に置いていた。3日が経ち本当に家を出て行った。 その後も付き合いは続いたが、一向にお金を返してくれない彼に我慢できず、別れることにした。その2年後、偶然街中で彼に会った時にお金を返してほしいと言ったら、手持ちがないと言われたので、彼と一緒に歩いていた女性に、じゃああなたは?あなたはお金持ってないの?と躊躇いなく聞いた19歳のわたしの話はいつかのためにとっておきます。 今思えば、可哀想な人がわたしは好きだった。 わたしを可哀想じゃなく思えるからかもしれない。 <ヒグチアイ> ◆3rd full ALBUM『一声讃歌』 2019年9月25日発売 初回限定盤 TECG-37127 ¥3,364+税 通常盤 TECG-32128 ¥2,909+税 <収録曲> 01. 前線 02. どうかそのまま 03. 街頭演説 04. 風と影 05. バスタオル 06. 走馬灯 07. ほしのなまえ 08. 一週間のうた 09. いちご 10. 聞いてる 11. ラブソング ◆先行デジタルシングル三部作 第一弾「 前線 」配信中 ▶iTunes ▶AppleMusic ▶Spotify 第二弾「 どうかそのまま 」配信中 ▶iTunes ▶AppleMusic ▶Spotify <LIVE> ■ヒグチアイ アルバムリリース記念 新曲披露独演会 [ 闇市 ] 2019年8月3日(土) 代官山 晴れたら空に豆まいて 2019年8月10日(土) 大阪 GANZ toi,toi,toi ■HIGUCHIAI presents 好きな人の好きな人 - 氷 山 - 2019年8月24日(土) 渋谷CLUB QUATTRO act:日食なつこ / mol-74 / ヒグチアイ ■HIGUCHIAI band one-man live 2019 2019年11月16日(土) 東京 Veats shibuya 2019年11月24日(日) 大阪 梅田 Banana Hall

    2019/08/02

  • ヒグチアイ
    こだわり、に、個性、があると言っても過言ではない。
    こだわり、に、個性、があると言っても過言ではない。

    ヒグチアイ

    こだわり、に、個性、があると言っても過言ではない。

     今秋に“ヒグチアイ”がメジャー3枚目となるニューアルバムをリリースします。さらにその発売に先駆け、2019年6月19日を皮切りにデジタルシングル三部作を配信することが決定。すでに第1弾「前線」が配信中です。さて、今日のうたコラムでは、そんなリリースを記念して“ヒグチアイ”本人がエッセイを執筆してくださいました。    7月~9月の期間に月1度、スペシャルな記事をお届け…!尚、待望のニューアルバムは、ヒグチアイが自身の過去を振り返って、これまでの自分と向き合いながら制作されているとのこと。今回のコラムも、何かの収録曲に、どこかのフレーズに、繋がっているのかもしれません。それではまず、第1回エッセイをじっくりとご堪能ください! 【第一回:ウオノメと幼きわたし】 良い毛抜きを買う。 わたしのこだわりの一つである。 こだわり、に、個性、があると言っても過言ではない。それがどんなに小さなこだわりだとしても。 実家には大量の毛抜きがあった。家系なのか、足の裏にウオノメがよくできる家族だった。ウオノメ、というのは直径5ミリほどのイボで、中心にある芯を抜くと治る、と樋口家では言われていた。母親が、ウオノメの芯を抜くのが、死ぬほど好きだった。それはもう、すごかった。母は、巻き爪で、よくその爪を自分で抜いていた。ぼろぼろで血だらけになった足を見て満足げだった。 母に見つかるとウオノメの芯を抜かれてしまう。そしてあんな風にぼろぼろの血だらけにされてしまう。そう思ったわたし、兄、妹は、こっそり自分でウオノメの芯を抜いていたのだ。そしてその作業をするうちに、わたしにもその血が流れていることを知った。わたしは、ウオノメの芯を抜くのが死ぬほど好きだと。 家にあった毛抜きは、先が四角く持ち手まで同じ太さの「定番毛抜き」、そして先が少し細くなっている「台形毛抜き」、そして先がとても細く少し曲がっている「ピンセット毛抜き」の三種類だった。わたしの一番のお気に入りはピンセット毛抜き。どんな隙間でも追い求められるし、掴めば離さない、それはサバンナで生きる蛇のようでもあった。 実はこのピンセット毛抜きがうちの一番人気。常にトップを走り続ける看板ピンセットだったため、よく借り出されていた。家族五人暮らしだったため、ウオノメ時期が重なるとかなりの確率で借りることができない。 「あ、あのさ、ピンセット毛抜きどこ行ったかな?」なんて言おうもんなら母親の餌食になる。そして、芯を抜き終わった誰かは元の場所に毛抜きを戻したりなんかしない。自分の手元に置いて、常に監視していたいのだ。束縛したいのだ。だってピンセット毛抜き以外毛抜きじゃないの…。 大人になり、ウオノメの出来ない身体になったわたしはもうピンセット毛抜きへの依存はなくなった。しかし、驚いたことに、大人の女性というのは、毛抜きが必要な生き物だったのだ。わたしはピンセット毛抜きを探した。いやピンセット毛抜きよりもっといい毛抜きがあるのかもしれない。Amazonをかき分け、楽天市場で迷子になり、そしてたどり着いた東急ハンズで出会った。壁一面に並んだ毛抜きの中でそいつは輝いて見えた。値段も意味わからんぐらい高かった。 買った。買ってやった。そして勝った。勝ったのだ。 以来一度も浮気せずその毛抜きを使い続けている。 こだわり、に、個性、があると言っても過言ではない。それがどんなに小さなこだわりだとしても。そしてそのこだわりは幼少期に作られたものがとても多い。思い返してみてほしい。あなたのこだわりはなんですか? <ヒグチアイ> ◆3rd Album 今秋リリース決定! 先行デジタルシングル三部作 第一弾「 前線 」配信中 ▶iTunes ▶AppleMusic ▶Spotify <LIVE> ■ヒグチアイ アルバムリリース記念 新曲披露独演会 [ 闇市 ] 2019年8月3日(土) 代官山 晴れたら空に豆まいて 2019年8月10日(土) 大阪 GANZ toi,toi,toi ■HIGUCHIAI presents 好きな人の好きな人 - 氷 山 - 2019年8月24日(土) 渋谷CLUB QUATTRO act:mol-74 / ヒグチアイ +1act(後日発表) ■HIGUCHIAI band one-man live 2019 2019年11月16日(土) 東京 Veats shibuya 2019年11月24日(日) 大阪 梅田 Banana Hall

    2019/07/05

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