あくまでも歌詞は独り言であってスピーチじゃない

 2024年6月5日に“ルサンチマン”が5th Maxi Single「Our Tour, Your Home」をリリースしました。今作は、メンバー自身の駆け巡る日々を綴り、焦燥の中での仕事・学校と生活するうえで毎日帰る家の温かさが身にしみる内容のポップな2曲「ホーム」「アワーツアー」、音だけで“静かな心の激しさ”を伝えるインスト曲「tennmichi」「uya」の2曲の全4曲入り。ポップとオルタナの融合を意識しライブと音源では違った表情を魅せるマキシシングルとなっております。
 
 さて、今日のうたではそんな“ルサンチマン”の北による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第1弾。綴っていただいたのは、収録曲「アワーツアー」にまつわるお話です。新たに生まれた泥臭い楽曲の基盤となっているもの。そして歌詞に対する自身の思いは…。今作と併せて、エッセイを受け取ってください。



また泥臭いというか最早泥水の様な曲が書けた。
ここ暫くライブのPAと運転手を担当してもらってるガミさんはハイエースの運転の際車間が詰まりそうになるとセカンドギアで減速をするのだが、そのときの「ぐあぁぁ」というエンジン音が嘆きの様に聞こえたところから着想を得た記憶がある。あとは、ライブで物販が全然売れない日があって悲しかった とか お客さんがYEAH YEAH YEAH~~という感じのノリで悪くなかった とか、動機づけはそれくらいのもので…
 
正直、この曲の様な「売れないバンドマンの苦悩」的な歌詞エッセイは書くのも読むのも今はあまり得意じゃない。メロディやアレンジの効かない それは暗い上になんだかがめつさを感じてしまう。あくまでも歌詞は独り言であってスピーチじゃないという思想が根底にあるからかも。だから今までライブやSNS上でも旋律に乗せない言葉を避けてきたのかもしれない。
 
今回この記事のお話をいただき、とうとう逃げられなくなったので 泥臭い軌跡 を一から説明するかあと思いメモを開いたものの やはり今は苦労話や身の上話を書き認める気は起こらずシフトチェンジをして今の内容に至るという具合。
 
結局「アワーツアー」という曲自体もこういった固まりきらない思考とそれに呼応する様な不確かな現状が基盤となっているのだろう。
僕は今もありとあらゆる事象について戸惑いまくり考え続けている。同志がいたらルサンチマンの曲を聴いてみてほしいという、それだけ。徐々に伝導してくる熱があるはず。それをわたしたちでたしかめたい。
 
<ルサンチマン・北>



◆紹介曲「アワーツアー
作詞:北
作曲:北

◆5th Maxi Single「Our Tour, Your Home」
2024年6月5日発売