男節表通りを はじかれ追われ 流転七坂 九十九坂 しょせん器用にゃ 生きられないと 屋台安酒 呷(あお)っても 肩で涕(な)いてる エーエー男節 酒で寒さは 凌(しの)げるけれど 酒じゃ騙せぬ 傷がある こんな俺でも つくしてくれた おんなごころの いじらしさ 胸でわびてる エーエー男節 人の情の 真実(まごころ)桜 とんと見ないと 風が吹く 憂き世時節と 嘆いてみても 生まれついての この気性(きしょう) 酒よ歌おか エーエー男節 | 三門忠司 | 吉田旺 | 岡千秋 | | 表通りを はじかれ追われ 流転七坂 九十九坂 しょせん器用にゃ 生きられないと 屋台安酒 呷(あお)っても 肩で涕(な)いてる エーエー男節 酒で寒さは 凌(しの)げるけれど 酒じゃ騙せぬ 傷がある こんな俺でも つくしてくれた おんなごころの いじらしさ 胸でわびてる エーエー男節 人の情の 真実(まごころ)桜 とんと見ないと 風が吹く 憂き世時節と 嘆いてみても 生まれついての この気性(きしょう) 酒よ歌おか エーエー男節 |
親父のハガキむかし親父が 戦地で出した 金じゃ買えない このハガキ 幼い頃の 姉さん宛ての 「ゲンキデ アソンデ オリマスカ」 わが子を思う 親心 俺は初めて 読んだのさ 合歓(ねむ)の花の絵 一輪添えて 愛を伝えた 牡丹江(ぼたんこう) 会いたくなって 抱き上げたくて 「シャシンヲ マイニチ ミテイマス」 手書きの文字の 懐かしさ 雨か涙か 染みた跡 辛いことには なんにも触れず 胸に納めた 心意気 仕舞いに一つ 案じたことは 「カゼナド ヒイテハ イケマセン」 わが子を思う 親心 俺と飲もうぜ 供え酒 | 三門忠司 | 安倍暁 | 岡千秋 | 南郷達也 | むかし親父が 戦地で出した 金じゃ買えない このハガキ 幼い頃の 姉さん宛ての 「ゲンキデ アソンデ オリマスカ」 わが子を思う 親心 俺は初めて 読んだのさ 合歓(ねむ)の花の絵 一輪添えて 愛を伝えた 牡丹江(ぼたんこう) 会いたくなって 抱き上げたくて 「シャシンヲ マイニチ ミテイマス」 手書きの文字の 懐かしさ 雨か涙か 染みた跡 辛いことには なんにも触れず 胸に納めた 心意気 仕舞いに一つ 案じたことは 「カゼナド ヒイテハ イケマセン」 わが子を思う 親心 俺と飲もうぜ 供え酒 |
俺の出番が来たようだ肩を寄せ合い 世間の隅で 涙こらえて ひっそり生きて来た 惚れた女に一度だけ 見せてやりたい 幸せを 俺の出番が 来たようだ 来たようだ 噛んでこらえた 堪忍袋 我慢出来ずに 破れることもある 何度みただろ あっただろう 咲かず仕舞いで 散った花 俺の出番が 来たようだ 来たようだ ひとっふたつと 数えてみたら 数え切れない 苦労の数がある 檜舞台で 死ねるなら 義理と人情の 花道に 俺の出番が 来たようだ 来たようだ | 三門忠司 | 鳥井実 | 岡千秋 | | 肩を寄せ合い 世間の隅で 涙こらえて ひっそり生きて来た 惚れた女に一度だけ 見せてやりたい 幸せを 俺の出番が 来たようだ 来たようだ 噛んでこらえた 堪忍袋 我慢出来ずに 破れることもある 何度みただろ あっただろう 咲かず仕舞いで 散った花 俺の出番が 来たようだ 来たようだ ひとっふたつと 数えてみたら 数え切れない 苦労の数がある 檜舞台で 死ねるなら 義理と人情の 花道に 俺の出番が 来たようだ 来たようだ |
俺の花なんとかなるわと いつものお前 本当になんとか なって来た 苦労少しも いとわぬ女 つらい涙は 露もどき つれあい ふれあい 俺の花 お前いたから 越えられた 何年ぶりだろ 祭りの夜に そろいの浴衣で 歩くのは ひとの多さに お願いごとも 遠くからでは 叶うやら つれあい ふれあい 俺の花 両手どんなに 合わせても いつでも一緒に 居られることさ 何よりしあわせ それひとつ 尽くすお前も 一途な女 楽な道では ないけれど つれあい ふれあい 俺の花 ついて来てくれ これからも | 三門忠司 | 坂口照幸 | 宮下健治 | | なんとかなるわと いつものお前 本当になんとか なって来た 苦労少しも いとわぬ女 つらい涙は 露もどき つれあい ふれあい 俺の花 お前いたから 越えられた 何年ぶりだろ 祭りの夜に そろいの浴衣で 歩くのは ひとの多さに お願いごとも 遠くからでは 叶うやら つれあい ふれあい 俺の花 両手どんなに 合わせても いつでも一緒に 居られることさ 何よりしあわせ それひとつ 尽くすお前も 一途な女 楽な道では ないけれど つれあい ふれあい 俺の花 ついて来てくれ これからも |
おんなのグラス忘れることが 下手だから いつか涙の 酒になる 夜が淋しい おんなのグラス 恋しい憎い 面影に 指環の迹(あと)を そっと噛む 相合傘の このボトル 見れば尚さら つらくなる 揺れる想い出 おんなのグラス そんなに飲んじゃ 駄目だよと 叱ったひとは もういない しあわせ止まれ この指に 夢の果敢(はか)なさ 頼りなさ 明日(あす)に生きてく おんなのグラス 朝までそっと 眠らせる やさしい胸が 欲しいのよ | 三門忠司 | 仁井谷俊也 | 宮下健治 | 南郷達也 | 忘れることが 下手だから いつか涙の 酒になる 夜が淋しい おんなのグラス 恋しい憎い 面影に 指環の迹(あと)を そっと噛む 相合傘の このボトル 見れば尚さら つらくなる 揺れる想い出 おんなのグラス そんなに飲んじゃ 駄目だよと 叱ったひとは もういない しあわせ止まれ この指に 夢の果敢(はか)なさ 頼りなさ 明日(あす)に生きてく おんなのグラス 朝までそっと 眠らせる やさしい胸が 欲しいのよ |
かえり船波の背の背に ゆられてゆれて 月の潮路の かえり船 霞む故国よ 小島の沖じゃ 夢もわびしく よみがえる 捨てた未練が 未練となって 今も昔の 切なさよ 瞼合わせりゃ 瞼に浮ぶ 霧の波止場の 銅鑼(どら)の音 熱い涙も 故国に着けば 嬉し涙と 変わるだろ 鴎行くなら 男の心 せめてあの娘に 伝えてよ | 三門忠司 | 清水みのる | 倉若晴生 | | 波の背の背に ゆられてゆれて 月の潮路の かえり船 霞む故国よ 小島の沖じゃ 夢もわびしく よみがえる 捨てた未練が 未練となって 今も昔の 切なさよ 瞼合わせりゃ 瞼に浮ぶ 霧の波止場の 銅鑼(どら)の音 熱い涙も 故国に着けば 嬉し涙と 変わるだろ 鴎行くなら 男の心 せめてあの娘に 伝えてよ |
片恋酒好きで呑んでる お酒じゃないわ ひとりが淋しい 片恋酒よ 遊び上手(じょうず)な あなたでも 噂を聞く度 逢いたくて つらいのよ つらいのよ バカな女と 言われても 忘れられない 恋だから 面影グラスに 忍び泣く 荒れた生活(くらし)の 今日この頃は 酔う程未練が 身にしみるのよ 夢で激しく 燃えるより やさしい強さで 抱きしめて 欲しいのよ 欲しいのよ バカな女と 言われても 忘れれられない 恋だから 面影グラスに 忍び泣く 「あなた命」…とボトルに書いて 心に注ぎたす 片恋酒よ 愛の傷あと 痛む夜は いい事ばかりを 思い出し 生きるのよ 生きるのよ バカな女と 言われても 忘れられない 恋だから 面影グラスに 忍び泣く | 三門忠司 | 小川道雄 | 酒田稔 | | 好きで呑んでる お酒じゃないわ ひとりが淋しい 片恋酒よ 遊び上手(じょうず)な あなたでも 噂を聞く度 逢いたくて つらいのよ つらいのよ バカな女と 言われても 忘れられない 恋だから 面影グラスに 忍び泣く 荒れた生活(くらし)の 今日この頃は 酔う程未練が 身にしみるのよ 夢で激しく 燃えるより やさしい強さで 抱きしめて 欲しいのよ 欲しいのよ バカな女と 言われても 忘れれられない 恋だから 面影グラスに 忍び泣く 「あなた命」…とボトルに書いて 心に注ぎたす 片恋酒よ 愛の傷あと 痛む夜は いい事ばかりを 思い出し 生きるのよ 生きるのよ バカな女と 言われても 忘れられない 恋だから 面影グラスに 忍び泣く |
河内人情おれの人生 お前が頼り カラスの昆布巻き 嬶巻かれやと いわれて来たが 気にならん 惚れた弱みや 耐えるかいな 大きな声では いえんけど きつい女は よろします 河内木綿の ふる里育ち 今では機織る 音さえないが 心は棉の 花に似て 無垢な気性が 清々しいよ どこにも替わりが ないさかい どうぞ長生き しておくれ 他所の水には 合わない男 生駒のお山に 留守番たのみ 浪花で運を ためしたが 銭が仇か 芽も出ずじまい やっぱり河内が 一番や 掛け値ないのが なによりや | 三門忠司 | もず昌平 | 市川昭介 | | おれの人生 お前が頼り カラスの昆布巻き 嬶巻かれやと いわれて来たが 気にならん 惚れた弱みや 耐えるかいな 大きな声では いえんけど きつい女は よろします 河内木綿の ふる里育ち 今では機織る 音さえないが 心は棉の 花に似て 無垢な気性が 清々しいよ どこにも替わりが ないさかい どうぞ長生き しておくれ 他所の水には 合わない男 生駒のお山に 留守番たのみ 浪花で運を ためしたが 銭が仇か 芽も出ずじまい やっぱり河内が 一番や 掛け値ないのが なによりや |
河内の次郎長親の居る奴 幸福(しあわせ)もんさ 俺の親父は 生駒山 生命は売りもの 粗末にゃならぬ 生きて世の為 人の為 俺は河内の 俺は河内の 次郎長や ほれた女が 教えてくれた 涙いい奴 甘い奴 鬼と仏が 心の中に 二つ仲良く 住みついた 俺は河内の 俺は河内の 次郎長や 河内音頭の 太鼓のひびき どんと叩けば 気が晴れる やると決めたら 唯やるだけさ 闘鶏(しゃも)は死んでも 音をあげぬ 俺は河内の 俺は河内の 次郎長や | 三門忠司 | 司太可志 | 西脇功 | | 親の居る奴 幸福(しあわせ)もんさ 俺の親父は 生駒山 生命は売りもの 粗末にゃならぬ 生きて世の為 人の為 俺は河内の 俺は河内の 次郎長や ほれた女が 教えてくれた 涙いい奴 甘い奴 鬼と仏が 心の中に 二つ仲良く 住みついた 俺は河内の 俺は河内の 次郎長や 河内音頭の 太鼓のひびき どんと叩けば 気が晴れる やると決めたら 唯やるだけさ 闘鶏(しゃも)は死んでも 音をあげぬ 俺は河内の 俺は河内の 次郎長や |
勘太郎月夜唄影か柳か 勘太郎さんか 伊那は七谷 糸ひく煙り 棄てて別れた 故郷の月に しのぶ今宵の ほととぎす 形(なり)はやくざに やつれていても 月よ見てくれ 心の錦 生まれ変って 天竜の水に うつす男の 晴れ姿 菊は栄える 葵は枯れる 桑を摘む頃 逢おうじゃないか 霧に消えゆく 一本刀 泣いて見送る 紅つつじ | 三門忠司 | 佐伯孝夫 | 清水保雄 | | 影か柳か 勘太郎さんか 伊那は七谷 糸ひく煙り 棄てて別れた 故郷の月に しのぶ今宵の ほととぎす 形(なり)はやくざに やつれていても 月よ見てくれ 心の錦 生まれ変って 天竜の水に うつす男の 晴れ姿 菊は栄える 葵は枯れる 桑を摘む頃 逢おうじゃないか 霧に消えゆく 一本刀 泣いて見送る 紅つつじ |
気張らなあかん気張らなあかん なめたらあかん 夫婦なりゃこそ あんたに賭ける 噂に負けずに 惚れました 器量の深さに 二度惚れました 離さない 離れない この絆 ふたりづれ 通天閣は 浪花の灯り 浴びて育った 嬉しいふたり 季節はときどき いたずらな 嵐を吹かせて 迷わすけれど 夢がある 明日がある この絆 ふたりづれ 気張らなあかん 負けたらあかん 夢をつらぬく あんたの背中 合縁奇縁で 惚れました 死ぬまで一緒と 相惚れでした 離さない 離れない この絆 ふたりづれ | 三門忠司 | 久仁京介 | 宮下健治 | 竹内弘一 | 気張らなあかん なめたらあかん 夫婦なりゃこそ あんたに賭ける 噂に負けずに 惚れました 器量の深さに 二度惚れました 離さない 離れない この絆 ふたりづれ 通天閣は 浪花の灯り 浴びて育った 嬉しいふたり 季節はときどき いたずらな 嵐を吹かせて 迷わすけれど 夢がある 明日がある この絆 ふたりづれ 気張らなあかん 負けたらあかん 夢をつらぬく あんたの背中 合縁奇縁で 惚れました 死ぬまで一緒と 相惚れでした 離さない 離れない この絆 ふたりづれ |
君恋酒ごめん すまぬと 思いつつ 向けた背中が 遠くなる 泣くな泣くなと 旅路の雨が 俺のなみだを また誘う 白いおもかげ 連れて亦(また)飲む 君恋酒よ 思いどおりに ならないと 道に膝つく 夜もある 吹けば崩れる 積み木の様な 寒い暮らしは させられぬ 雨のとれもろ 胸に染みるぜ 君恋酒よ 夢のかけらを 集めても 元のふたりにゃ 戻れない ひとり身を引く おとこの心 いつか分かって くれるだろ 明日のしあわせ ねがう旅路の 君恋酒よ | 三門忠司 | 志賀大介 | 影山時則 | 池多孝春 | ごめん すまぬと 思いつつ 向けた背中が 遠くなる 泣くな泣くなと 旅路の雨が 俺のなみだを また誘う 白いおもかげ 連れて亦(また)飲む 君恋酒よ 思いどおりに ならないと 道に膝つく 夜もある 吹けば崩れる 積み木の様な 寒い暮らしは させられぬ 雨のとれもろ 胸に染みるぜ 君恋酒よ 夢のかけらを 集めても 元のふたりにゃ 戻れない ひとり身を引く おとこの心 いつか分かって くれるだろ 明日のしあわせ ねがう旅路の 君恋酒よ |
吉良の仁吉海道名物 数あれど 三河音頭に 打ち太鼓 ちょいと太田の 仁吉どん 後ろ姿の 粋なこと 吉良の港は おぼろ月 泣けば乱れる 黒髪の 赤いてがらも 痛ましや お菊十八 恋女房 引くに引かれぬ 意地の道 止めて呉れるな 名がすたる いやな渡世の 一本刀 辛い別れを なぜ切らぬ 嫁と呼ばれて 未だ三月 ほんに儚(はか)ない 夢のあと 行かせともなや 荒神(こうじん)山へ 行けば血の雨 涙雨 | 三門忠司 | 萩原四朗 | 山下五朗 | | 海道名物 数あれど 三河音頭に 打ち太鼓 ちょいと太田の 仁吉どん 後ろ姿の 粋なこと 吉良の港は おぼろ月 泣けば乱れる 黒髪の 赤いてがらも 痛ましや お菊十八 恋女房 引くに引かれぬ 意地の道 止めて呉れるな 名がすたる いやな渡世の 一本刀 辛い別れを なぜ切らぬ 嫁と呼ばれて 未だ三月 ほんに儚(はか)ない 夢のあと 行かせともなや 荒神(こうじん)山へ 行けば血の雨 涙雨 |
くれないの雨雨が身をさす こころを砕く なみだも変る 血の色に 季節の色は 転がるけれど おれはおまえが 染めたまま 哀しい色だね くれないの雨 寂(さび)しがりやの おまえの胸を 温(ぬく)める春は いつ戻る おまえが付けた この爪痕が いまも雨降りゃ 疼くのさ 切ない色だね くれないの雨 入り損ねりゃ 出口が見えぬ 見えなきゃ夢も 行(ゆ)き止まり おとこの未練 見透かす様な 暗い無口な 露地あかり 淋(さみ)しい色だね くれないの雨 | 三門忠司 | 志賀大介 | 影山時則 | 池多孝春 | 雨が身をさす こころを砕く なみだも変る 血の色に 季節の色は 転がるけれど おれはおまえが 染めたまま 哀しい色だね くれないの雨 寂(さび)しがりやの おまえの胸を 温(ぬく)める春は いつ戻る おまえが付けた この爪痕が いまも雨降りゃ 疼くのさ 切ない色だね くれないの雨 入り損ねりゃ 出口が見えぬ 見えなきゃ夢も 行(ゆ)き止まり おとこの未練 見透かす様な 暗い無口な 露地あかり 淋(さみ)しい色だね くれないの雨 |
紅蓮酒君を忘れる ために呑む おとこ未練の 紅蓮酒 遠くなるほど 近くなる おもかげ瞼に また連れて ひとり裏まち 雨酒場 紅く咲いても 水の花 どうせどうせの 紅蓮酒 いちど渡れば 戻れない 渡良瀬川だと 知りながら 泣いて渡った 他人橋 雨も燃えれば 火に変わる まして旅路の 紅蓮酒 俺が作った 泣きぼくろ 幸せぼくろに 変わったか なみだ縦縞(たてじま) 雨すだれ | 三門忠司 | 志賀大介 | 影山時則 | 池多孝春 | 君を忘れる ために呑む おとこ未練の 紅蓮酒 遠くなるほど 近くなる おもかげ瞼に また連れて ひとり裏まち 雨酒場 紅く咲いても 水の花 どうせどうせの 紅蓮酒 いちど渡れば 戻れない 渡良瀬川だと 知りながら 泣いて渡った 他人橋 雨も燃えれば 火に変わる まして旅路の 紅蓮酒 俺が作った 泣きぼくろ 幸せぼくろに 変わったか なみだ縦縞(たてじま) 雨すだれ |
玄海ブルース情け知らずと わらわば笑え ひとにゃ見せない 男の泪 どうせ俺らは 玄海灘の 波に浮寝の かもめ鳥 紅い灯(ほ)かげの グラスに浮ぶ 影が切ない 夜更けのキャバレー 酔うて歌えど 晴れない胸は ドラよお前が 知るばかり 嵐吹きまく 玄海越えて 男船乗り 往く道ゃひとつ 雲の切れ間に キラリと光る 星がたよりの 人生さ | 三門忠司 | 大高ひさを | 長津義司 | | 情け知らずと わらわば笑え ひとにゃ見せない 男の泪 どうせ俺らは 玄海灘の 波に浮寝の かもめ鳥 紅い灯(ほ)かげの グラスに浮ぶ 影が切ない 夜更けのキャバレー 酔うて歌えど 晴れない胸は ドラよお前が 知るばかり 嵐吹きまく 玄海越えて 男船乗り 往く道ゃひとつ 雲の切れ間に キラリと光る 星がたよりの 人生さ |
小判鮫の唄かけた情が いつわりならば なんで濡れよか 男の胸が かつら下地に ともしび揺れて いつか浮き名の こぼれ紅 好きといおうか 嫌いといおうか 嘘と誠は 両花道よ 仇な夜風に まただまされて ほろり落とした 舞い扇 誰の涙か 二片三片(ふたひらみひら) まわり舞台に 散る花片よ 恋は一筋 生命(いのち)にかけて なんの恐かろ 小判鮫 | 三門忠司 | 高橋掬太郎 | 大村能章 | | かけた情が いつわりならば なんで濡れよか 男の胸が かつら下地に ともしび揺れて いつか浮き名の こぼれ紅 好きといおうか 嫌いといおうか 嘘と誠は 両花道よ 仇な夜風に まただまされて ほろり落とした 舞い扇 誰の涙か 二片三片(ふたひらみひら) まわり舞台に 散る花片よ 恋は一筋 生命(いのち)にかけて なんの恐かろ 小判鮫 |
修善寺夜雨傘にかくれて 人眼をさけて ふたり来ました 伊豆の宿 窓の下には 桂川(かつらがわ) 今宵ひと夜(よ)は 私のあなた 夢に酔わせて… 修善寺夜雨 部屋の灯りに ほのかに浮かぶ 憎い寝顔の 愛おしさ 竹林(たけ)の葉擦(ず)れか 雨音(あまおと)か 今の倖せ あなたの温(ぬく)み 離したくない… 修善寺夜雨 朝よこのまま 来ないでほしい これが最後の 逢瀬なら 泣いているよな 清流(せせらぎ)よ 今度この世に 生まれてきたら どうか添わせて… 修善寺夜雨 | 三門忠司 | 仁井谷俊也 | 宮下健治 | 前田俊明 | 傘にかくれて 人眼をさけて ふたり来ました 伊豆の宿 窓の下には 桂川(かつらがわ) 今宵ひと夜(よ)は 私のあなた 夢に酔わせて… 修善寺夜雨 部屋の灯りに ほのかに浮かぶ 憎い寝顔の 愛おしさ 竹林(たけ)の葉擦(ず)れか 雨音(あまおと)か 今の倖せ あなたの温(ぬく)み 離したくない… 修善寺夜雨 朝よこのまま 来ないでほしい これが最後の 逢瀬なら 泣いているよな 清流(せせらぎ)よ 今度この世に 生まれてきたら どうか添わせて… 修善寺夜雨 |
昭和自叙伝酒を呑もうよふたりで呑もう 俺は明日からまたやり直し 天国地獄の境目を 歩いて付けたこのしみは 酒で消すしか術(みち)はない 遠い昔に戦(いく)さがあった 俺の青春あの日に消えた あれから何年経っただろう 失くした春をもう一度 せめてこの手に戻したい 何が欲しいともしきかれたら どんな時でも笑顔が欲しい あいつの涙を見るたびに 倖せうすい細い肩 俺は笑顔で包みたい | 三門忠司 | 藤田まさと | 猪俣公章 | | 酒を呑もうよふたりで呑もう 俺は明日からまたやり直し 天国地獄の境目を 歩いて付けたこのしみは 酒で消すしか術(みち)はない 遠い昔に戦(いく)さがあった 俺の青春あの日に消えた あれから何年経っただろう 失くした春をもう一度 せめてこの手に戻したい 何が欲しいともしきかれたら どんな時でも笑顔が欲しい あいつの涙を見るたびに 倖せうすい細い肩 俺は笑顔で包みたい |
白鷺三味線白鷺は 小首かしげて 水の中 わたしと おまえは エー それそれ そじゃないか ピイチク パアチク 深い仲 白鷺の羽も濡れます 恋ゆえに 吉原田圃(たんぼ)の エー それそれ そじゃないか ピイチク パアチク 春の雨 命がけ 慈悲じゃ情けじゃここ明けて 今夜は 逢わなきゃ エー それそれ そじゃないか ピイチク パアチク こがれ死に ゆるしてね わるいわたしの別れぐせ 酔わなきゃ 拗(す)ねたり エー それそれ そじゃないか ピイチク パアチク つねったり 三味線の 糸を頼りに 片便り この糸 切れたら エー それそれ そじゃないか ピイチク パアチク なんとしょう | 三門忠司 | 西条八十 | 上原げんと | | 白鷺は 小首かしげて 水の中 わたしと おまえは エー それそれ そじゃないか ピイチク パアチク 深い仲 白鷺の羽も濡れます 恋ゆえに 吉原田圃(たんぼ)の エー それそれ そじゃないか ピイチク パアチク 春の雨 命がけ 慈悲じゃ情けじゃここ明けて 今夜は 逢わなきゃ エー それそれ そじゃないか ピイチク パアチク こがれ死に ゆるしてね わるいわたしの別れぐせ 酔わなきゃ 拗(す)ねたり エー それそれ そじゃないか ピイチク パアチク つねったり 三味線の 糸を頼りに 片便り この糸 切れたら エー それそれ そじゃないか ピイチク パアチク なんとしょう |
次男坊鴉どこへ飛ぶのか 次男坊鴉 笠にみぞれの 散る中を なまじ小粋に 別れたせいか 日光街道の 日光街道の 灯がうるむ 人が目をむく さむらいやくざ お奉行さまから 賭場(とば)あらし 泥溝(どぶ)の世界に 何故身を投げる わけはあの娘の わけはあの娘の 瞳(め)に聞きな 恋が切ない 次男坊鴉 逢うて三年 三度笠 なんの今更 旗本ぐらし どうせ半目(はんめ)と どうせ半目と 出たものを | 三門忠司 | 萩原四朗 | 倉若晴生 | | どこへ飛ぶのか 次男坊鴉 笠にみぞれの 散る中を なまじ小粋に 別れたせいか 日光街道の 日光街道の 灯がうるむ 人が目をむく さむらいやくざ お奉行さまから 賭場(とば)あらし 泥溝(どぶ)の世界に 何故身を投げる わけはあの娘の わけはあの娘の 瞳(め)に聞きな 恋が切ない 次男坊鴉 逢うて三年 三度笠 なんの今更 旗本ぐらし どうせ半目(はんめ)と どうせ半目と 出たものを |
上州しぐれ上州しぐれに はぐれた鴉 ちょうど似合いの いそぎ旅 なみだ雨かよ 残した女房(ひと)の 責めているよな 濡れススキ ああああ 赤城恋しや 里あかり 「お月さん、又、あっしに 仲のいい二人連れを見せつけるんでござんすかい… 手前の連れは影法師… 風がやけに身に沁みやす。」 すねて三年 追われて二年 たして五年の 流れぐせ 夫婦(めおと)雲とぶ 旅空みても どうせ浮世の ひとり独楽(ごま) ああああ 明日は何処(どこ)やら 風にきけ 草鞋(わらじ)止めた 筑波(つくば)の宿で どこか空似の ほつれ髪 泣いているよな 雨音きけば 思い切ない 三度笠 ああああ 赤城悲しや 里ごころ | 三門忠司 | 里見優 | 影山時則 | | 上州しぐれに はぐれた鴉 ちょうど似合いの いそぎ旅 なみだ雨かよ 残した女房(ひと)の 責めているよな 濡れススキ ああああ 赤城恋しや 里あかり 「お月さん、又、あっしに 仲のいい二人連れを見せつけるんでござんすかい… 手前の連れは影法師… 風がやけに身に沁みやす。」 すねて三年 追われて二年 たして五年の 流れぐせ 夫婦(めおと)雲とぶ 旅空みても どうせ浮世の ひとり独楽(ごま) ああああ 明日は何処(どこ)やら 風にきけ 草鞋(わらじ)止めた 筑波(つくば)の宿で どこか空似の ほつれ髪 泣いているよな 雨音きけば 思い切ない 三度笠 ああああ 赤城悲しや 里ごころ |
人生一勝二敗季節はずれの 篠つく雨に 耐えて咲いてる 花もある 男の生きざま 見るような こんな景色が 俺は好き 勝つも負けるも 浮き世道 そうさ人生 一勝二敗で丁度いい 若い時には 只がむしゃらに 勝ちを見つめて 生きてきた 振向きゃあの人 旅の空 生きてここまで 来れたのは 俺の小さな 勝ち星だ そうさ人生 一勝二敗で丁度いい 夢で枕を 濡らした夜も 明けりゃやる気の 朝になる いのちの辛さを 噛みしめて 生きた歩(あゆ)みに 嘘はない 負けて覚える 事もある そうさ人生 一勝二敗で丁度いい | 三門忠司 | 志賀大介 | 岡千秋 | 南郷達也 | 季節はずれの 篠つく雨に 耐えて咲いてる 花もある 男の生きざま 見るような こんな景色が 俺は好き 勝つも負けるも 浮き世道 そうさ人生 一勝二敗で丁度いい 若い時には 只がむしゃらに 勝ちを見つめて 生きてきた 振向きゃあの人 旅の空 生きてここまで 来れたのは 俺の小さな 勝ち星だ そうさ人生 一勝二敗で丁度いい 夢で枕を 濡らした夜も 明けりゃやる気の 朝になる いのちの辛さを 噛みしめて 生きた歩(あゆ)みに 嘘はない 負けて覚える 事もある そうさ人生 一勝二敗で丁度いい |
人生男の舞台坂田三吉 将棋の鬼も 女房小春にゃ 勝てやせぬ 浪花男が 命を賭けて 花の東京で 勝負する 男一代 男一代 残すその名も ああ…人生舞台 恋を諦らめ 情を義理に 生きた男の 夢ひとつ 吉良の仁吉が 荒神山で 降るか散らすか なみだ雨 男一代 男一代 残すその名も ああ…人生舞台 子持ち女に どうして惚れた 小倉生まれの 松五郎 撥のさばきが 涙を誘う 祇園太鼓の 語り草 男一代 男一代 残すその名も ああ…人生舞台 | 三門忠司 | 鳥井実 | 宮下健治 | | 坂田三吉 将棋の鬼も 女房小春にゃ 勝てやせぬ 浪花男が 命を賭けて 花の東京で 勝負する 男一代 男一代 残すその名も ああ…人生舞台 恋を諦らめ 情を義理に 生きた男の 夢ひとつ 吉良の仁吉が 荒神山で 降るか散らすか なみだ雨 男一代 男一代 残すその名も ああ…人生舞台 子持ち女に どうして惚れた 小倉生まれの 松五郎 撥のさばきが 涙を誘う 祇園太鼓の 語り草 男一代 男一代 残すその名も ああ…人生舞台 |
人生劇場やると思えば どこまでやるさ それが男の 魂(たましい)じゃないか 義理がすたれば この世はやみだ なまじとめるな 夜の雨 あんな女に 未練はないが なぜか涙が 流れてならぬ 男ごころは 男でなけりゃ わかるものかと あきらめた 時世時節(ときよじせつ)は 変ろとままよ 吉良(きら)の仁吉は 男じゃないか おれも生きたや 仁吉のように 義理と人情の この世界 | 三門忠司 | 佐藤惣之助 | 古賀政男 | 伊藤雪彦 | やると思えば どこまでやるさ それが男の 魂(たましい)じゃないか 義理がすたれば この世はやみだ なまじとめるな 夜の雨 あんな女に 未練はないが なぜか涙が 流れてならぬ 男ごころは 男でなけりゃ わかるものかと あきらめた 時世時節(ときよじせつ)は 変ろとままよ 吉良(きら)の仁吉は 男じゃないか おれも生きたや 仁吉のように 義理と人情の この世界 |
人生坂間違いばかりを 探していたら 人は本音を 見失う 浮き世うたかた 人生坂は 裏と表と みぎひだり 花は自分で 咲かすもの 弱音を吐いたら 気楽になるぜ それがやる気の ばねになる 胸突き八丁 人生坂は 今日もやる気を 試してる 負けて勝つ手も あるんだよ 泪はその場で 始末をしろよ しまい込んだら 溺れるぜ 泣くも笑うも 人生坂は 誰の坂でも ないんだよ そうさ自分の 坂なのさ | 三門忠司 | 志賀大介 | 岡千秋 | 南郷達也 | 間違いばかりを 探していたら 人は本音を 見失う 浮き世うたかた 人生坂は 裏と表と みぎひだり 花は自分で 咲かすもの 弱音を吐いたら 気楽になるぜ それがやる気の ばねになる 胸突き八丁 人生坂は 今日もやる気を 試してる 負けて勝つ手も あるんだよ 泪はその場で 始末をしろよ しまい込んだら 溺れるぜ 泣くも笑うも 人生坂は 誰の坂でも ないんだよ そうさ自分の 坂なのさ |
曽根崎そだち恋は男の 雨やどり 知っていながら 燃えたのよ あほやあほやね このあたし 乳房の芯まで 恋おんな 抱いてください さだめごと 夜の大阪… 曽根崎そだち 恋はおんなの 花舞台 今度こそはと 賭けたのに 妻も子もある 男やとは まるで近松 涕き芝居 くやし涙も こぼれへん 夜の大阪… 曽根崎そだち 恋は憂き世の 夢まつり 惚れてつくして ほかされて あほやあほやね 又惚れて しょせん男と おんなやもん 離ればなれじゃ いられへん 夜の大阪… 曽根崎そだち | 三門忠司 | 吉田旺 | 岡千秋 | 池多孝春 | 恋は男の 雨やどり 知っていながら 燃えたのよ あほやあほやね このあたし 乳房の芯まで 恋おんな 抱いてください さだめごと 夜の大阪… 曽根崎そだち 恋はおんなの 花舞台 今度こそはと 賭けたのに 妻も子もある 男やとは まるで近松 涕き芝居 くやし涙も こぼれへん 夜の大阪… 曽根崎そだち 恋は憂き世の 夢まつり 惚れてつくして ほかされて あほやあほやね 又惚れて しょせん男と おんなやもん 離ればなれじゃ いられへん 夜の大阪… 曽根崎そだち |
筑波おろし筑波おろしが 身にしむ頃は 故里(くに)が恋しい あの娘が愛し 義理のしがらみ 浮世のなさけ 肩に振り分け エェェー 雲と旅ゆく 水海道(みつかいどう) 水の流れに 逆らういのち 馬鹿を承知の 街道がらす 泣いてくれるな 板東太郎 これも若気(わかげ)と エェェー 意地で見得きる 竜ヶ崎 夜風(かぜ)が運んだ 故郷の唄か 佐原(さわら)ばやしを 確かに聞いた かけた不孝を おふくろさんに せめてひと言 エェェー 会って詫びたい 鹿島灘(かしまなだ) | 三門忠司 | 仁井谷俊也 | 山口ひろし | 池多孝春 | 筑波おろしが 身にしむ頃は 故里(くに)が恋しい あの娘が愛し 義理のしがらみ 浮世のなさけ 肩に振り分け エェェー 雲と旅ゆく 水海道(みつかいどう) 水の流れに 逆らういのち 馬鹿を承知の 街道がらす 泣いてくれるな 板東太郎 これも若気(わかげ)と エェェー 意地で見得きる 竜ヶ崎 夜風(かぜ)が運んだ 故郷の唄か 佐原(さわら)ばやしを 確かに聞いた かけた不孝を おふくろさんに せめてひと言 エェェー 会って詫びたい 鹿島灘(かしまなだ) |
妻恋道中好いた女房に 三下(みくだ)り半(はん)を 投げて長脇差(ながどす) 永の旅 怨(うら)むまいぞえ 俺等のことは またの浮世で 逢うまでは 惚れていながら 惚れない素振り それがやくざの 恋とやら 二度と添うまい 街道がらす 阿呆(あほう)阿呆で 旅ぐらし 泣いてなるかと 心に誓や 誓う矢先に またほろり 馬鹿を承知の 俺等の胸を 何故に泣かすか 今朝の風 | 三門忠司 | 藤田まさと | 阿部武雄 | | 好いた女房に 三下(みくだ)り半(はん)を 投げて長脇差(ながどす) 永の旅 怨(うら)むまいぞえ 俺等のことは またの浮世で 逢うまでは 惚れていながら 惚れない素振り それがやくざの 恋とやら 二度と添うまい 街道がらす 阿呆(あほう)阿呆で 旅ぐらし 泣いてなるかと 心に誓や 誓う矢先に またほろり 馬鹿を承知の 俺等の胸を 何故に泣かすか 今朝の風 |
東京無情ひとりに戻る だけなのと 淋(さび)しく微笑(わら)って 眸(め)を伏せた 倖せひとつも やれないで バカな男(やつ)だよ 身をひいた ああ 木枯(かぜ)がこころを吹きぬける 東京無情 甘えるように 背伸びして ネクタイなおして くれた奴 あなたは忘れて いいけれど きっとわたしは 忘れない ああ そんな言葉が胸を刺す 東京無情 煙草のけむり 瞳(め)で追えば 恋しいあいつの 笑顔(かお)になる この世で添えない ふたりなら 愛しあいたい 次の世で ああ 夜が泣かせるこの俺を 東京無情 | 三門忠司 | 仁井谷俊也 | 宮下健治 | 南郷達也 | ひとりに戻る だけなのと 淋(さび)しく微笑(わら)って 眸(め)を伏せた 倖せひとつも やれないで バカな男(やつ)だよ 身をひいた ああ 木枯(かぜ)がこころを吹きぬける 東京無情 甘えるように 背伸びして ネクタイなおして くれた奴 あなたは忘れて いいけれど きっとわたしは 忘れない ああ そんな言葉が胸を刺す 東京無情 煙草のけむり 瞳(め)で追えば 恋しいあいつの 笑顔(かお)になる この世で添えない ふたりなら 愛しあいたい 次の世で ああ 夜が泣かせるこの俺を 東京無情 |
峠の夕陽峠の夕陽をみるたびに 思い出すんだ お袋を 今年五十路のやもめの暮し 助(す)けてやりたい気持ちはあるが 無職(ぶしょく)渡世のこの身では 儘(まま)にならない禄(ろく)でなし おっかさん、ご免よ。何の因果か赤の他人を親にもち、 今じゃ立派な命稼業の渡世人。 道中一つ峠を越えるたび、いつもお天道様に叱られて、 この身が真赤に染まるんだ。 峠の夕陽に身を染めりゃ 胸が痛むよ チクチクと 二八十六 花なら蕾(つぼみ) 娘盛りの隣(となり)のおみよ 二世の誓いを反古(ほご)にして 俺を恨んでいるだろう 生まれ落ちての利かん気が仇となり、とうとうまっとうな道を 踏み外しちまった。 おみよちゃん、お前には堅気がお似合いだ。 赤い夕陽がそういっている。もう、おいらのことは忘れてくんな。 峠の夕陽の見納めか やけに眩しい茜雲 明日は捨て身の伊達引き仁義 義理で切ります 大馬鹿野郎 せめて哀れと思うなら 鳴いておくれよ 杜鵑(ほととぎす) | 三門忠司 | もず唱平 | 三山敏 | 竜宮嵐 | 峠の夕陽をみるたびに 思い出すんだ お袋を 今年五十路のやもめの暮し 助(す)けてやりたい気持ちはあるが 無職(ぶしょく)渡世のこの身では 儘(まま)にならない禄(ろく)でなし おっかさん、ご免よ。何の因果か赤の他人を親にもち、 今じゃ立派な命稼業の渡世人。 道中一つ峠を越えるたび、いつもお天道様に叱られて、 この身が真赤に染まるんだ。 峠の夕陽に身を染めりゃ 胸が痛むよ チクチクと 二八十六 花なら蕾(つぼみ) 娘盛りの隣(となり)のおみよ 二世の誓いを反古(ほご)にして 俺を恨んでいるだろう 生まれ落ちての利かん気が仇となり、とうとうまっとうな道を 踏み外しちまった。 おみよちゃん、お前には堅気がお似合いだ。 赤い夕陽がそういっている。もう、おいらのことは忘れてくんな。 峠の夕陽の見納めか やけに眩しい茜雲 明日は捨て身の伊達引き仁義 義理で切ります 大馬鹿野郎 せめて哀れと思うなら 鳴いておくれよ 杜鵑(ほととぎす) |
なぁ 酒よ紅いネオンに 誘われて ひとり路地裏 ながれ酒 恋の抜けがら 飲み干せば 揺れて俺らを また泣かす 酒よ 酒よ なぁ酒よ 酔わせろよ 今日もまぶたの 裏がわで 逢えぬあいつが 泣いている よせよ今更 未練だろう 捨てた恋など 拾うなよ 酒よ 酒よ なぁ酒よ 酔わせろよ これが最後の 涙だと こぼすおとこの けじめ酒 いまはあいつの 幸せを 遠く離れて 祈るだけ 酒よ 酒よ なぁ酒よ 酔わせろよ | 三門忠司 | 志賀大介 | 岡千秋 | 南郷達也 | 紅いネオンに 誘われて ひとり路地裏 ながれ酒 恋の抜けがら 飲み干せば 揺れて俺らを また泣かす 酒よ 酒よ なぁ酒よ 酔わせろよ 今日もまぶたの 裏がわで 逢えぬあいつが 泣いている よせよ今更 未練だろう 捨てた恋など 拾うなよ 酒よ 酒よ なぁ酒よ 酔わせろよ これが最後の 涙だと こぼすおとこの けじめ酒 いまはあいつの 幸せを 遠く離れて 祈るだけ 酒よ 酒よ なぁ酒よ 酔わせろよ |
流れて大阪おれの人生傷だらけ お前も不幸な女だが やさしい寝顔を 見ていると うすれてくるぜ傷あとが 流れて大阪道頓堀の 宿の裏窓 春の雨 ついてくるのは嬉しいが 渡るは苦労の橋ばかり 夢まで泣いて いるのかい やつれた頬にひと雫 流れて大阪道頓堀の 恋は燃えてもすきま風 帰る故郷も親もない 似た者同志のめぐり逢い 出直しできよう二人なら 涙も甘くなるだろう 流れて大阪道頓堀の 水にきらめくネオン花 | 三門忠司 | 猪又良 | 市川昭介 | | おれの人生傷だらけ お前も不幸な女だが やさしい寝顔を 見ていると うすれてくるぜ傷あとが 流れて大阪道頓堀の 宿の裏窓 春の雨 ついてくるのは嬉しいが 渡るは苦労の橋ばかり 夢まで泣いて いるのかい やつれた頬にひと雫 流れて大阪道頓堀の 恋は燃えてもすきま風 帰る故郷も親もない 似た者同志のめぐり逢い 出直しできよう二人なら 涙も甘くなるだろう 流れて大阪道頓堀の 水にきらめくネオン花 |
浪花川男のこころは 一夜(いちや)で変わる 女は一途に 愛を追う 水の都を さまよい往(ゆ)けば 夢のかけらか 七色ネオン 涙ながした 浪花川 一度はいのちと 思ったひとを おんなは一生 憎めない 夜の向こうに 面影追えば 浮いて沈んだ この世の運命(さだめ) 今日も見ている 浪花川 別れたあなたに ふたたび逢える 信じて待つのよ 戎橋(はし)の上 にごり水でも 生きてる限り きっと掴める 倖せひとつ 明日(あす)へ流れる 浪花川 | 三門忠司 | 仁井谷俊也 | 宮下健治 | 南郷達也 | 男のこころは 一夜(いちや)で変わる 女は一途に 愛を追う 水の都を さまよい往(ゆ)けば 夢のかけらか 七色ネオン 涙ながした 浪花川 一度はいのちと 思ったひとを おんなは一生 憎めない 夜の向こうに 面影追えば 浮いて沈んだ この世の運命(さだめ) 今日も見ている 浪花川 別れたあなたに ふたたび逢える 信じて待つのよ 戎橋(はし)の上 にごり水でも 生きてる限り きっと掴める 倖せひとつ 明日(あす)へ流れる 浪花川 |
~浪花侠客伝~木津の勘助晦日(みそか)に茶ガユの ひと掬い せめて年寄り 子供にすゝらせて 迎えさせたい 来る年を こんな願いが きけぬとあらば 馬鹿を承知の ひと暴れ 命捨てなきゃ 納まらぬ 勘助 出番の 蔵破り この飢饉に公儀(おかみ)のお救米(たすけまい)、 どれほど当てにしたことか。何日待ったことか。 お蔵破りは磔、獄門に決まってる。 けど黙って見過(みすご)すわけには行かんがな。 なァお里。行かしてんか…。 生まれは相模の 在ながら 水が合(お)うたか 馴染んだ木津の浜 この地浪花に 借りがある 女房お里よ 水盃を 首を振らずに 受けとくれ 二世もお前と 暮らすから 勘助 急げと 風が立つ 法被(はっぴ)に重ねた 浴衣には 肩に梅鉢 裾には金太郎 これがお供だ うれしいね 心知ってか 見上げる空に 曇り翳(かげ)りの ない月が 名残惜しやと 顔を出す 勘助 誉(ほま)れだ 鑑(かがみ)だよ | 三門忠司 | もず唱平 | 三山敏 | 池多孝春 | 晦日(みそか)に茶ガユの ひと掬い せめて年寄り 子供にすゝらせて 迎えさせたい 来る年を こんな願いが きけぬとあらば 馬鹿を承知の ひと暴れ 命捨てなきゃ 納まらぬ 勘助 出番の 蔵破り この飢饉に公儀(おかみ)のお救米(たすけまい)、 どれほど当てにしたことか。何日待ったことか。 お蔵破りは磔、獄門に決まってる。 けど黙って見過(みすご)すわけには行かんがな。 なァお里。行かしてんか…。 生まれは相模の 在ながら 水が合(お)うたか 馴染んだ木津の浜 この地浪花に 借りがある 女房お里よ 水盃を 首を振らずに 受けとくれ 二世もお前と 暮らすから 勘助 急げと 風が立つ 法被(はっぴ)に重ねた 浴衣には 肩に梅鉢 裾には金太郎 これがお供だ うれしいね 心知ってか 見上げる空に 曇り翳(かげ)りの ない月が 名残惜しやと 顔を出す 勘助 誉(ほま)れだ 鑑(かがみ)だよ |
浪花のギター夜にまぎれて 見えない明日 酔えばなほ更 いとしいあなた ここは大阪 裏町ネオン なみだ下地の お化粧に 倖せ薄い 口紅さして あゝそっと聞いてる… 浪花のギター 昼にゃ咲けない 悲しい花が 俺に似合うと つぶやくあなた ここは大阪 酔いどれ小路 過去を忘れる 香水に 苦労がにじむ 指輪が重い あゝなぜか淋しい… 浪花のギター 朝になったら 他人のように うしろ向かずに あなたは帰る ここは大阪 なみだの酒場 女ごころの マニキュアと 不倖をかくす 頬紅つけて あゝ今日も聞いてる… 浪花のギター | 三門忠司 | 三浦康照 | 石中仁人 | 池多孝春 | 夜にまぎれて 見えない明日 酔えばなほ更 いとしいあなた ここは大阪 裏町ネオン なみだ下地の お化粧に 倖せ薄い 口紅さして あゝそっと聞いてる… 浪花のギター 昼にゃ咲けない 悲しい花が 俺に似合うと つぶやくあなた ここは大阪 酔いどれ小路 過去を忘れる 香水に 苦労がにじむ 指輪が重い あゝなぜか淋しい… 浪花のギター 朝になったら 他人のように うしろ向かずに あなたは帰る ここは大阪 なみだの酒場 女ごころの マニキュアと 不倖をかくす 頬紅つけて あゝ今日も聞いてる… 浪花のギター |
浪花の夫婦苦労承知で 一緒になった それが浪花の 夫婦じゃないの あんたが泣く時 私も泣くと 生きるつらさに 耐えながら ついて来るのか なあお前 俺にはすぎた 女房だよ 花を大事に 育てて咲かす そんな女房に なれたらいいわ あんたが死ぬ時 私も死ぬと 指をからめて ひっそりと 枕濡らして くれるのか 俺にはすぎた 女房だよ いつか二人で 肩寄せながら うれし涙を 流してみたい あんたの苦労は 私の苦労 そんなお前に 一度だけ みせてやりたい いい夢を 俺にはすぎた 女房だよ | 三門忠司 | 鳥井実 | 岡千秋 | | 苦労承知で 一緒になった それが浪花の 夫婦じゃないの あんたが泣く時 私も泣くと 生きるつらさに 耐えながら ついて来るのか なあお前 俺にはすぎた 女房だよ 花を大事に 育てて咲かす そんな女房に なれたらいいわ あんたが死ぬ時 私も死ぬと 指をからめて ひっそりと 枕濡らして くれるのか 俺にはすぎた 女房だよ いつか二人で 肩寄せながら うれし涙を 流してみたい あんたの苦労は 私の苦労 そんなお前に 一度だけ みせてやりたい いい夢を 俺にはすぎた 女房だよ |
なみだ裏町おとこ町ふるい演歌を 背中で聴けば 心むかしに 舞いもどる どんな暮らしを してるやら 好きで別れた あの女 泣かせるぜ 泣かせるぜ なみだ裏町 おとこ町 すぎた昭和が 赤ちょうちんの ゆれる灯りに また浮かぶ 壁のしみさえ ぼんやりと 酔えばお前の 顔になる せつないぜ せつないぜ なみだ裏町 おとこ町 今度生まれて 来る日はきっと お前離さず 生きてゆく すさむ心の すき間風 酒でふさいで ただひとり 泣かせるぜ 泣かせるぜ なみだ裏町 おとこ町 | 三門忠司 | 原文彦 | 三宅広一 | 南郷達也 | ふるい演歌を 背中で聴けば 心むかしに 舞いもどる どんな暮らしを してるやら 好きで別れた あの女 泣かせるぜ 泣かせるぜ なみだ裏町 おとこ町 すぎた昭和が 赤ちょうちんの ゆれる灯りに また浮かぶ 壁のしみさえ ぼんやりと 酔えばお前の 顔になる せつないぜ せつないぜ なみだ裏町 おとこ町 今度生まれて 来る日はきっと お前離さず 生きてゆく すさむ心の すき間風 酒でふさいで ただひとり 泣かせるぜ 泣かせるぜ なみだ裏町 おとこ町 |
涙の酒男一途の火の恋を 何んで涙でけされよう 未練ばかりがただつのる 夜の暗さを はしご酒 浴びておぼれてなお酔えぬ 酒のにがさをかみしめる 露地の屋台の灯にさえも 男心が 泣ける夜 涙ぐんでた あの顔に なんで嘘などあるもんか 噂なんだぜ 噂だと 胸にきかせる はしご酒 | 三門忠司 | 中山邦雄 | 小池青磁 | | 男一途の火の恋を 何んで涙でけされよう 未練ばかりがただつのる 夜の暗さを はしご酒 浴びておぼれてなお酔えぬ 酒のにがさをかみしめる 露地の屋台の灯にさえも 男心が 泣ける夜 涙ぐんでた あの顔に なんで嘘などあるもんか 噂なんだぜ 噂だと 胸にきかせる はしご酒 |
博多川中洲(なかす)のねおんに 咲く花は 朝を待たずに 散る宿命(さだめ) うすい倖せ 博多川 それでも誰かに また縋(すが)り 恋をするのも 女ゆえ 人形小路(しょうじ)の あのひとは 妻も子もある ひとだった 涙ながした 博多川 世間の噂に 指さされ 耐えてゆくのも 愛のため 明日(あした)は逢わせて いい男(ひと)に 寿橋(はし)のたもとで 手を合わす 夜風身にしむ 博多川 傷つき転んで また起きて 夢をみるのも 女ゆえ | 三門忠司 | 仁井谷俊也 | 宮下健治 | 南郷達也 | 中洲(なかす)のねおんに 咲く花は 朝を待たずに 散る宿命(さだめ) うすい倖せ 博多川 それでも誰かに また縋(すが)り 恋をするのも 女ゆえ 人形小路(しょうじ)の あのひとは 妻も子もある ひとだった 涙ながした 博多川 世間の噂に 指さされ 耐えてゆくのも 愛のため 明日(あした)は逢わせて いい男(ひと)に 寿橋(はし)のたもとで 手を合わす 夜風身にしむ 博多川 傷つき転んで また起きて 夢をみるのも 女ゆえ |
博多時雨一度惚れたら 心底つくす だから悲しい 恋になる ひとりが切ない おんなの胸に 博多時雨が 降る夜は 中洲(なかす)の灯りが 涙でにじむ… 雨の天神 ひとつの傘で 浮名ながした ネオン町 面影ゆれてる おんなの胸を 博多時雨が 泣かす夜は あなたが教えた お酒にすがる… 夜の那珂川(なかがわ) 飛べない鴎 あれも夢です これも夢 倖せ知らずの おんなの胸を 博多時雨が 濡らす夜は やさしい誰かの ぬくもり欲しい… | 三門忠司 | 仁井谷俊也 | 宮下健治 | 南郷達也 | 一度惚れたら 心底つくす だから悲しい 恋になる ひとりが切ない おんなの胸に 博多時雨が 降る夜は 中洲(なかす)の灯りが 涙でにじむ… 雨の天神 ひとつの傘で 浮名ながした ネオン町 面影ゆれてる おんなの胸を 博多時雨が 泣かす夜は あなたが教えた お酒にすがる… 夜の那珂川(なかがわ) 飛べない鴎 あれも夢です これも夢 倖せ知らずの おんなの胸を 博多時雨が 濡らす夜は やさしい誰かの ぬくもり欲しい… |
はぐれ落葉情け知らずよ おまえと別れ ひとり盛り場 ひとり酒 いいよ いいんだ 忘れておくれ 見せてやれない いい夢ひとつ はぐれ落葉か あゝ 風にとぶ 風にとぶ 花の都と 世間じゃ云うが 夢の花さえ はぐれさす 莫迦よ 莫迦だよ いい奴だった 今度ばかりは 真からつらい はぐれ落葉か あゝ 風に泣く 風に泣く こころ曇れば 下世話な愚痴が いつか身につく 口をつく なんだ なんだよ 人生模様 どこで違えた なみだになった はぐれ落葉の あゝ 泣きっ面 泣きっ面 | 三門忠司 | 久仁京介 | 宮下健治 | 竹内弘一 | 情け知らずよ おまえと別れ ひとり盛り場 ひとり酒 いいよ いいんだ 忘れておくれ 見せてやれない いい夢ひとつ はぐれ落葉か あゝ 風にとぶ 風にとぶ 花の都と 世間じゃ云うが 夢の花さえ はぐれさす 莫迦よ 莫迦だよ いい奴だった 今度ばかりは 真からつらい はぐれ落葉か あゝ 風に泣く 風に泣く こころ曇れば 下世話な愚痴が いつか身につく 口をつく なんだ なんだよ 人生模様 どこで違えた なみだになった はぐれ落葉の あゝ 泣きっ面 泣きっ面 |
挽歌の海厭と云う子に なあ母さん あとを継がせて 何になろ 海の海の 海のふるさと 玄海灘を 俺とおまえで あゝ繋ぐ船 海も変わって なあ母さん 漁も確かに 先細り 先の先の 先の見えてる 暮らしであれば せがれ云うのも あゝ道理やら 船を下りても なあ母さん 海は守ろや 俺達ちで 今日も今日も 今日も船漕ぐ 玄海灘は 俺とおまえの あゝ子守歌 | 三門忠司 | 坂口照幸 | 宮下健治 | | 厭と云う子に なあ母さん あとを継がせて 何になろ 海の海の 海のふるさと 玄海灘を 俺とおまえで あゝ繋ぐ船 海も変わって なあ母さん 漁も確かに 先細り 先の先の 先の見えてる 暮らしであれば せがれ云うのも あゝ道理やら 船を下りても なあ母さん 海は守ろや 俺達ちで 今日も今日も 今日も船漕ぐ 玄海灘は 俺とおまえの あゝ子守歌 |
ひとり涙生きてここまで これたのは 運がよかった だけのこと 人に誇れる ものなど無いが 酒を相手の この止り木が そこそこ様に なってきた ひとり涙の 通り雨 どんな時代に なったって 義理と人情は 外せない 嘘をついたら 死ぬ迄泣くと 云った親父の あの横顔が まぶたをよぎる 時がある ひとり涙の 偲び雨 もっとこまわり 利いてたら 別な生き方 あったろうに いつも時計が 回った後で それと気づいて ふとにが笑い おもいで滲む 路地灯り ひとり涙の はぐれ雨 | 三門忠司 | 志賀大介 | 岡千秋 | 南郷達也 | 生きてここまで これたのは 運がよかった だけのこと 人に誇れる ものなど無いが 酒を相手の この止り木が そこそこ様に なってきた ひとり涙の 通り雨 どんな時代に なったって 義理と人情は 外せない 嘘をついたら 死ぬ迄泣くと 云った親父の あの横顔が まぶたをよぎる 時がある ひとり涙の 偲び雨 もっとこまわり 利いてたら 別な生き方 あったろうに いつも時計が 回った後で それと気づいて ふとにが笑い おもいで滲む 路地灯り ひとり涙の はぐれ雨 |
百年坂早いものだよ 一緒になって ことし節目の 二十と五年 式も挙げずに 負い目な俺に いつも笑顔で ついて来た 行く坂 この道 百年坂へ 俺とおまえの 夢が咲く こんな出不精 無口なやつと どこが良くって 相方さんに みんなおまえに 任(まか)せていれば ことが運んだ いい方に 行く坂 この道 百年坂へ 酒もひとしお 胸に沁む 花の見方も 年ごと変わる 咲けよ匂えよ 精一杯に 楽に生きれぬ 似たもの同志 今日のしあわせ 噛みしめて 行く先 この道 百年坂へ おまえ一生 みちづれに | 三門忠司 | 坂口照幸 | 宮下健治 | 佐伯亮 | 早いものだよ 一緒になって ことし節目の 二十と五年 式も挙げずに 負い目な俺に いつも笑顔で ついて来た 行く坂 この道 百年坂へ 俺とおまえの 夢が咲く こんな出不精 無口なやつと どこが良くって 相方さんに みんなおまえに 任(まか)せていれば ことが運んだ いい方に 行く坂 この道 百年坂へ 酒もひとしお 胸に沁む 花の見方も 年ごと変わる 咲けよ匂えよ 精一杯に 楽に生きれぬ 似たもの同志 今日のしあわせ 噛みしめて 行く先 この道 百年坂へ おまえ一生 みちづれに |
夫婦みち御前に惚れた そのひと言で あたしあんたと 生きると決めた つらい涙は かくせても うれし涙は かくせない ああ しあわせ 連れ行く 連れ行く 夫婦みち 苦労の坂の ひとつやふたつ 越える覚悟は 出来てるあたし 好きも嫌いも 日が立てば おなじこころの 色になる ああ あんたと 連れ行く 連れ行く 夫婦みち 今日から俺は お前と一緒 おなじ歩幅で 歩くと云った そんなあんたを どこまでも あたし信じて 生きて行く ああ じんせい 連れ行く 連れ行く 夫婦みち | 三門忠司 | 志賀大介 | 宮下健治 | 南郷達也 | 御前に惚れた そのひと言で あたしあんたと 生きると決めた つらい涙は かくせても うれし涙は かくせない ああ しあわせ 連れ行く 連れ行く 夫婦みち 苦労の坂の ひとつやふたつ 越える覚悟は 出来てるあたし 好きも嫌いも 日が立てば おなじこころの 色になる ああ あんたと 連れ行く 連れ行く 夫婦みち 今日から俺は お前と一緒 おなじ歩幅で 歩くと云った そんなあんたを どこまでも あたし信じて 生きて行く ああ じんせい 連れ行く 連れ行く 夫婦みち |
望郷おとこ笠風に転がる 落ち葉の果ては どうせ浮き世の 吹き溜まり 俺のあしたを 見るようで ふっとそらした この目の先に いろはもみじの 赤城山 追分ひと節 望郷おとこ笠 母という字を この手のひらに なんど書いたろ 詫びたろう 行けば真っ直ぐ 行けたのに 拗ねて曲がった この脇道が 今じゃ似合いの 旅がらす 追分ひと節 望郷おとこ笠 何処で生きても いのちは一つ 枯れりゃ路傍(ろぼう)の 石になる 通り雨には 泣かないが 三日しぐれりゃ わらじの紐が 濡れてあしたが 遠くなる 追分ひと節 望郷おとこ笠 | 三門忠司 | 志賀大介 | 岡千秋 | 南郷達也 | 風に転がる 落ち葉の果ては どうせ浮き世の 吹き溜まり 俺のあしたを 見るようで ふっとそらした この目の先に いろはもみじの 赤城山 追分ひと節 望郷おとこ笠 母という字を この手のひらに なんど書いたろ 詫びたろう 行けば真っ直ぐ 行けたのに 拗ねて曲がった この脇道が 今じゃ似合いの 旅がらす 追分ひと節 望郷おとこ笠 何処で生きても いのちは一つ 枯れりゃ路傍(ろぼう)の 石になる 通り雨には 泣かないが 三日しぐれりゃ わらじの紐が 濡れてあしたが 遠くなる 追分ひと節 望郷おとこ笠 |
望郷ヤンレー節ヤンレー 遠い他国で空見上げれば 夜空を越えて 聴こえてくるよ 生まれ在所の太鼓の響き 音頭は八尾のやんれ節 踊るお千代は元気かな ヤンレー 男一匹ひと旗挙げて 故郷に錦 飾ってみたい それを地元の金剛山に 誓ったからにゃ この儘じゃ 帰りたくても 帰れない ヤンレー 河内木綿の花咲く頃に 気になる噂 流れて来たよ 村の娘が紅い灯点る 新地の女(ひと)になったとか まさかあの娘(こ)じゃ あるまいな | 三門忠司 | もず唱平 | 三山敏 | 竜宮嵐 | ヤンレー 遠い他国で空見上げれば 夜空を越えて 聴こえてくるよ 生まれ在所の太鼓の響き 音頭は八尾のやんれ節 踊るお千代は元気かな ヤンレー 男一匹ひと旗挙げて 故郷に錦 飾ってみたい それを地元の金剛山に 誓ったからにゃ この儘じゃ 帰りたくても 帰れない ヤンレー 河内木綿の花咲く頃に 気になる噂 流れて来たよ 村の娘が紅い灯点る 新地の女(ひと)になったとか まさかあの娘(こ)じゃ あるまいな |
母恋吹雪酔ってくだまく 父(とと)さの声を 逃げて飛び出しゃ 吹雪(ふぶき)の夜道 つらい気持ちは わかっちゃいるが 俺(おい)らばかりに あゝ なぜあたる こんなときには 母(かか)さが恋し なんで俺らを 残して死んだ 呼んでみたって ちぎれて消える 星のかけらも あゝ 見えぬ空 徳利(とくり)かこった 凍(しば)れる指に 岩手おろしが じんじとしみる たったふたりの 親子であれば 涙ぬぐって あゝ もどる道 | 三門忠司 | 矢野亮 | 林伊佐緒 | | 酔ってくだまく 父(とと)さの声を 逃げて飛び出しゃ 吹雪(ふぶき)の夜道 つらい気持ちは わかっちゃいるが 俺(おい)らばかりに あゝ なぜあたる こんなときには 母(かか)さが恋し なんで俺らを 残して死んだ 呼んでみたって ちぎれて消える 星のかけらも あゝ 見えぬ空 徳利(とくり)かこった 凍(しば)れる指に 岩手おろしが じんじとしみる たったふたりの 親子であれば 涙ぬぐって あゝ もどる道 |
瞼の母軒下三寸 借りうけまして 申しあげます おっ母さん たった一言 忠太郎と 呼んでくだせぇ 呼んでくだせぇ たのみやす (台詞) おかみさん、今何とか言いなすったね 親子の名のりが したかったら 堅気の姿で尋ねて来いと言いなすったが 笑わしちゃいけねえぜ 親にはぐれた子雀が ぐれたを叱るは 無理な話しよ 愚痴じゃねぇ 未練じゃねぇ おかみさん 俺の言うことを よく聞きなせぇ 尋ね 尋ねた母親に 倅と呼んでもらえぬような こんな こんな やくざに 誰がしたんでぇ 世間の噂が 気になるならば こんなやくざを なぜ生んだ つれのうござんす おっ母さん 月も雲間で 月も雲間で もらい泣き (台詞) 何を言ってやんでぇ 何が今更、忠太郎だ 何が倅でぇ 俺にゃおっ母は、いねぇんでぇ おっ母さんは、俺の心の底に居るんだ 上と下との瞼を合わせりゃ 逢わねぇ昔の やさしい おっ母さんの面影(すがた)が浮かんでくらぁ 逢いたくなったら 逢いたくなったら 俺ァ、俺ァ瞼を つむるんだ 逢わなきゃよかった 泣かずにすんだ これが浮世と いうものか 水熊横丁は 遠灯り 縞の合羽に 縞の合羽に 雪が散る (台詞) おっ母さん…… | 三門忠司 | 長谷川伸・坂口ふみ緒 | 沢しげと | | 軒下三寸 借りうけまして 申しあげます おっ母さん たった一言 忠太郎と 呼んでくだせぇ 呼んでくだせぇ たのみやす (台詞) おかみさん、今何とか言いなすったね 親子の名のりが したかったら 堅気の姿で尋ねて来いと言いなすったが 笑わしちゃいけねえぜ 親にはぐれた子雀が ぐれたを叱るは 無理な話しよ 愚痴じゃねぇ 未練じゃねぇ おかみさん 俺の言うことを よく聞きなせぇ 尋ね 尋ねた母親に 倅と呼んでもらえぬような こんな こんな やくざに 誰がしたんでぇ 世間の噂が 気になるならば こんなやくざを なぜ生んだ つれのうござんす おっ母さん 月も雲間で 月も雲間で もらい泣き (台詞) 何を言ってやんでぇ 何が今更、忠太郎だ 何が倅でぇ 俺にゃおっ母は、いねぇんでぇ おっ母さんは、俺の心の底に居るんだ 上と下との瞼を合わせりゃ 逢わねぇ昔の やさしい おっ母さんの面影(すがた)が浮かんでくらぁ 逢いたくなったら 逢いたくなったら 俺ァ、俺ァ瞼を つむるんだ 逢わなきゃよかった 泣かずにすんだ これが浮世と いうものか 水熊横丁は 遠灯り 縞の合羽に 縞の合羽に 雪が散る (台詞) おっ母さん…… |
昔かたぎ情がすたれた 憂き世をすねて 飲みに来たのか 相棒よ 久しぶりだぜ 久しぶりだぜ 呑もうじゃないか… やぶれ屋台の 赤ちょうちんが 俺と貴様にゃ あゝ夢灯り 人の値打ちが 生きてく道が 浴びたうぶ湯で なぜ決まる 久しぶりだぜ 久しぶりだぜ 呑もうじゃないか… 泣くな泣くなと どやせば泣けた 昔なじみの あゝ縄のれん ひょろりよろけた 小雨の露地で 聞いてうれしい 故郷なまり 久しぶりだぜ 久しぶりだぜ 呑もうじゃないか… 明日の日和を また来る春を 男どうしで あゝはしご酒 | 三門忠司 | 水木れいじ | 石中仁人 | | 情がすたれた 憂き世をすねて 飲みに来たのか 相棒よ 久しぶりだぜ 久しぶりだぜ 呑もうじゃないか… やぶれ屋台の 赤ちょうちんが 俺と貴様にゃ あゝ夢灯り 人の値打ちが 生きてく道が 浴びたうぶ湯で なぜ決まる 久しぶりだぜ 久しぶりだぜ 呑もうじゃないか… 泣くな泣くなと どやせば泣けた 昔なじみの あゝ縄のれん ひょろりよろけた 小雨の露地で 聞いてうれしい 故郷なまり 久しぶりだぜ 久しぶりだぜ 呑もうじゃないか… 明日の日和を また来る春を 男どうしで あゝはしご酒 |
夫婦しぐれ夫婦しぐれか あの夜の 雨が縁(えにし)の おまえとふたり 爪に火灯す 暮らしでも 添えばぬくもり 温かい 浮世七坂 手をとりあって 越えて迎えた いまは春 にごり川にも 愛があり 鷺(さぎ)もつがいで しあわせしてる 同じ歩巾で 歩けたら それでいいのと 云うおまえ 背(せな)にすがって 泣く日もあった 思い出すたび 愛おしい 時の流れと 人の世に 添って歩ける 夫婦になれた 莫迦(ばか)を承知の まわり道 いつもおまえが 傍にいた この手離すな これから先も 夫婦しぐれに 濡れる春 | 三門忠司 | 久仁京介 | 宮下健治 | 南郷達也 | 夫婦しぐれか あの夜の 雨が縁(えにし)の おまえとふたり 爪に火灯す 暮らしでも 添えばぬくもり 温かい 浮世七坂 手をとりあって 越えて迎えた いまは春 にごり川にも 愛があり 鷺(さぎ)もつがいで しあわせしてる 同じ歩巾で 歩けたら それでいいのと 云うおまえ 背(せな)にすがって 泣く日もあった 思い出すたび 愛おしい 時の流れと 人の世に 添って歩ける 夫婦になれた 莫迦(ばか)を承知の まわり道 いつもおまえが 傍にいた この手離すな これから先も 夫婦しぐれに 濡れる春 |
雪の渡り鳥合羽からげて 三度笠 どこを塒(ねぐら)の 渡り鳥 愚痴じゃなけれど この俺にゃ 帰る瀬もない 伊豆の下田の 灯が恋し 意地に生きるが 男だと 胸にきかせて 旅ぐらし 三月三年 今もなお 思い切れずに 残る未練が 泣いている 払い除(の)けても 降りかゝる 何を恨みの 雪しぐれ 俺も鯉名の 銀平さ 抜くか長脇差(ながどす) ぬけば白刃に 血の吹雪 | 三門忠司 | 清水みのる | 陸奥明 | | 合羽からげて 三度笠 どこを塒(ねぐら)の 渡り鳥 愚痴じゃなけれど この俺にゃ 帰る瀬もない 伊豆の下田の 灯が恋し 意地に生きるが 男だと 胸にきかせて 旅ぐらし 三月三年 今もなお 思い切れずに 残る未練が 泣いている 払い除(の)けても 降りかゝる 何を恨みの 雪しぐれ 俺も鯉名の 銀平さ 抜くか長脇差(ながどす) ぬけば白刃に 血の吹雪 |
流転川石が浮かんで 木の葉が沈む それが浮世と 云うものか 生きてゆくのは 耐えること いつも男で あった日の 姿恋しい あゝ流転川 悪い方へと なぜ廻り出す 一度外れたら 歯車は 酒でなみだを 飛ばそうよ 袋小路の 薄灯り 負けちゃいけない あゝ流転川 ひとの一生 舞台で変わる 淀み水さえ 流れ水 お前いたから 俺がある 曲がりなりにも 五十路坂 明日の花咲け あゝ流転川 | 三門忠司 | 坂口照幸 | 宮下健治 | 南郷達也 | 石が浮かんで 木の葉が沈む それが浮世と 云うものか 生きてゆくのは 耐えること いつも男で あった日の 姿恋しい あゝ流転川 悪い方へと なぜ廻り出す 一度外れたら 歯車は 酒でなみだを 飛ばそうよ 袋小路の 薄灯り 負けちゃいけない あゝ流転川 ひとの一生 舞台で変わる 淀み水さえ 流れ水 お前いたから 俺がある 曲がりなりにも 五十路坂 明日の花咲け あゝ流転川 |