“自分への愛”というものを一体どこへ忘れてしまったのだろう。

トンボコープ
“自分への愛”というものを一体どこへ忘れてしまったのだろう。
2025年9月17日に“トンボコープ”がMajor 1st Full Album『FANDOM』をリリースしました。Spotify週間バイラルチャートで2週連続1位を獲得し、Apple Music総合TOP200にもランクインした「Now is the best!!!」、ドラマ『やわ男とカタ子』OPテーマ曲「過呼吸愛」、Apple Music「Up Next Japan」に選出された楽曲「HEART BEAT」など、話題曲に加え、多数の未発表曲も収録。全19曲収録のフルアルバムとなっております。 さて、今日のうたでは“トンボコープ”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け。第1弾は雪村りんが執筆。綴っていただいたのは収録曲「 アイデンティティ 」にまつわるお話です。傷つけたり傷ついたりすることを恐れすぎて、いつしか忘れかけていた自分への愛。そんな自身を見つめ直し、決意したことは…。 “自分への愛”というものを一体どこへ忘れてしまったのだろう。 “自分への愛”とは、そもそも忘れるようなものなのか? いや、意図的にどこかへ置いてきてしまったのか? 白黒ハッキリするような経験も記憶も無いから分からないけれど、俺のことだからきっと落ち込んだり、傷ついたり、はたまた誰かを傷つけてしまったりする度に少しずつ捨ててきたのだろう。 捨て切って何も無くなってからは、自分への愛が芽生えても気づかないフリをして踏みつけてきた。 “恥ずかしい”とか“バカにされるのが怖い”とか、そういう不安に抗おうとすることが無かった。自分が弱いと思って生きるのはちょっと窮屈で退屈だけど、それが当たり前だと思い込んでここまで生きてきた。 ある日、音楽をやっている中で損をすることが多くなっていると気づいた。 色々あるけれど、一番大きいのは伝えたいことを思いついても、否定されるのが怖くて曲にできなかったりすることだ。当たり前だから仕方ないと思いたいところだけれど、こればかりはずっと引っかかっていた。 “トンボコープ”というバンドをやっている意味が確実に薄れるし、自分の曲を楽しみにしている人に失礼だし、何よりも自分の可能性を潰している。 そんな中で、豊洲PITのワンマンライブが無くなった時に改めて“自分”を見つめ直すことになった。 そして得たひとつの決意。 「このままトンボコープを続けていくなら自分を改めよう」 生きていれば嫌なことは起こるのだから、“トンボコープの雪村りん”で居る限りは、ちょっとくらい傷ついたって自分のことは大事にしなきゃダメだ。 今こそ、ありのまま叫ぶんだ。 <トンボコープ・雪村りん> ◆紹介曲「 アイデンティティ 」 作詞:雪村りん 作曲:雪村りん ◆Major 1st Full Album『FANDOM』 2025年9月17日発売 <収録曲> 01.FANDOM 02.アイデンティティ 03.HEART BEAT 04.MUNSELL 05.囚人 06.daratto 07.風の噂 08.Freeedom! 09.レインコート 10.喜怒哀楽 11.地獄でいいから 12.彗星 13.フラッシュバック 14.過呼吸愛 15.Now is the best!!! 16.あとがき 17.鼾 18.VISION 19.始まりの合図