<永遠に1番近いところ>まで。
SCANDAL
<永遠に1番近いところ>まで。
2024年3月20日に“SCANDAL”がNew Album『LUMINOUS』をリリース! 前作『MIRROR』以来、2年ぶりとなる通算11枚目のアルバムとなる今作は昨年リリースしたシングル「Line of sight」「ハイライトの中で僕らずっと」に加え、Rhythmic Toy Worldとの共作「あなたへ」、EOWとの共作「Plum」を含む全11曲が収録。メンバー全員が作詞作曲に携わったバラエティに富んだ1枚となっております。 さて、今日のうたでは“SCANDAL”による歌詞エッセイを4回に渡りお届け! 今回が最終回です。執筆を担当したのはTOMOMI。綴っていただいたのは、収録曲「 ファンファーレ 」にまつわるお話です。“世界一”となったこのバンドのことを、初めて歌詞に落とし込んだこの歌。これまでのことを思い出し、今とこれからのことを考え、出てきたワードは…。 昨年の夏、私たちは世界一になった。 ガールズバンドとして世界で1番長くメンバーチェンジをせずに活動したらしい。 あまり実感はない。 あまり実感はないが、思い返してみれば確かにこの17年間でたくさんの仲間が活動を休止したり解散したりした。 同時期にデビューしたアーティストはほとんどいなくなった。 私たちはバンドを続けるということが得意だったみたいだ。 制服を着て「イイ子ちゃんなんて気取れない!」と歌っていた女子高生たちがまさかこんなにも続くとは誰一人として想像出来なかったと思う。 もちろん私自身も。 あの頃からずいぶん変化した。 制服を脱ぎ、作曲をし、プライベートレーベルを立ち上げた。 細かく挙げるともっとある。 大型のフェスに呼んでもらえるようになったこと、J-WAVEやFM802で曲がかかるようになったこと、バンド仲間が増えたこと、いつの間にか先輩になっていたこと。 世界一になる少し前、2023年の春頃に『HIGHSPEED É toile 』というアニメのエンディングテーマのオファーを頂いた。 女の子が主役のカーレースの物語だ。 曲を作るにあたってアニメのスタッフの方々と打ち合わせをした際、物語に出てくる登場人物が“自立した女性”であることが大切なテーマのひとつだと伺った。 それは大人になった私たちが今活動する上で大切にしていることだった。 だから、 これから世界一になる私たちのことをアニメの世界観と絡めながら書くことにした。 実はバンドのことを歌詞に落とし込むのはほとんど初めてで、何から書けば、どこまで書けば良いのかわからなくなり、何度も何度も書き直した。 書きながらこれまでのことを思い出していた。 大きな山や谷はなかったけれど、自分たちなりに紆余曲折の日々を過ごしてきた。 常にコンプレックスを抱え、それに打ち勝つための試行錯誤は失敗の連続だったかもしれない。 そのくせ私は自分たちの終わりを具体的に考えたことが今まで1度もなかった。 多くの人と同じように、いつまでも続くものだとどこかで思っていたのだ。 だけど、いざ世界一になるという時に、この先どこまで行けるのか、あと何回4人でステージに立てるのか、ということが初めて頭をよぎり、終わる理由が出来てしまったことに気付いた。 考え始めると、これまでの奇跡がより愛おしくなり、途端に寂しくなる。 メンバーや周りにいてくれるスタッフやファンのみんなの顔も浮かんだ。 いつか終わりは来るものだとわかっていても、1秒でも長くこの人生が続くようにと願ってしまう。 考えて考えて考え抜いてやっと完成した歌詞に、初めて<フィナーレ>という言葉を使った。 それはもう、泣きながら書いた。 私なりの覚悟を込めて。 私たちがいつかそれぞれの人生を歩む時は、私たち史上最高の状態でフィナーレを飾りたい。 夢にも似たその目標を掲げながら、この先は<永遠に1番近いところ>まで4人で歩みを進めよう。 そんな事を思った制作だった。 とは言え、世界一になっても私たちの世界は今のところ何一つ変わることなく続いている。 <SCANDAL・TOMOMI> ◆紹介曲「 ファンファーレ 」 作詞:TOMOMI 作曲:MAMI ◆New Album『LUMINOUS』 2024年3月20日発売 <収録曲> 01.群青pleats 02.ファンファーレ 03.私たち 04.Plum 05.CANDY 06.Vision 07.LOOP 08.Line of sight 09.あなたへ 10.1:47 11.ハイライトの中で僕らずっと