今日のうたコラム - 歌ネット|歌詞検索サービス「歌ネット」

  • アーティスト
  • 曲名
  • 作詞者
  • 作曲者
  • 歌詞
  • タイアップ
ユーザー登録ログイン
  • ホーム
  • 歌詞検索
    • アーティスト名インデックス検索
    • 作詞者名インデックス検索
    • 作曲者名インデックス検索
    • 編曲者名インデックス検索
    • レーベル名インデックス検索
    • 歌詞全文(フレーズ)検索
    • アニソン検索
    • アルバム検索
    • タイムマシン検索
  • 新曲歌詞情報
    • 新曲歌詞情報(総合)
    • 新曲歌詞情報(演歌・歌謡曲)
    • リクエストフォーム
  • ランキング
    • 総合ランキング
    • 演歌・歌謡曲ランキング
    • 歴代人気曲ランキング
    • 注目度ランキング
    • お気に入りアーティストランキング
    • カラオケランキング
  • コトバのキモチ
    • 新規投稿フレーズ
    • コトバのキモチ
    • コトバのキモチ検索
    • コトバのキモチBEST10
    • 歌詞フレーズ投稿
  • タイムマシン
    • タイムマシンTOP
    • 今月のスポットライト
    • 歌謡界50年史1960-2000年代
    • 年代別テレビドラマ主題歌
    • 年代別日本レコード大賞
    • 年代別アニメソング特集
    • 年代別歌詞検定
  • 音楽番組情報
    • 音楽番組情報TOP
    • TVドラマ主題歌
    • TVアニメソング
    • MUSIC STATION放送曲目リスト
    • 新・BS日本のうた放送曲目リスト
  • 動画プラス
  • 歌詞ショート
  • 今日のうた
  • インタビュー
  • アニメ
  • 特集ピックアップ
  • 言葉の魔法
  • 言葉の達人
歌詞検索サービス「歌ネット」

今日のうた

検索ボックスを開く
メニューを開く
  • アーティスト
  • 曲名
  • 作詞者
  • 作曲者
  • 歌詞
  • タイアップ

MENU

  • ホームホーム
  • 動画プラス動画プラス
  • マイ歌ネットマイ歌ネット
  • 歌詞閲覧履歴歌詞閲覧履歴
  • ランキングランキング
  • 新曲歌詞情報新曲歌詞情報
  • 今日のうた今日のうた
  • ニュースニュース
  • 歌ネットピックアップピックアップ
  • コトバのキモチコトバのキモチ
  • 言葉の達人言葉の達人
  • 言葉の魔法言葉の魔法
  • 歌詞ショート歌詞ショート
  • アニメアニメ
  • 音楽番組情報音楽番組情報
  • リクエストリクエスト
  •  
  • X
  • facebook
  • line
今日のうた
ニュース

TODAY SONGS

今日のうたニュース
  • 南壽あさ子
    まくろな天井と星の合図
    まくろな天井と星の合図

    南壽あさ子

    まくろな天井と星の合図

     2025年6月18日に“南壽あさ子”メジャー4枚目となるフルアルバム『AMULET』をリリースしました。47都道府県ツアー(3度目)と並行して発表され、本人の音楽活動の集大成とも言える作品。新曲として収録される「珈琲フロート漂流記」と「オン・ザ・スクリーン」には、はっぴいえんど、ティン・パン・アレーで知られるロック界のレジェンド、鈴木茂が今作もギターで参加しており、必聴の一枚となっております。    さて、今日のうたではそんな“南壽あさ子”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。第2弾は収録曲「 ローファー 」にまつわるお話です。世界の“これまで通り”が変わってしまった頃、改めて自身の歩んできた道を振り返り、生まれたこの歌。ローファーという音に溶けているものは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 ローファーという靴は、まだ履き慣れない頃の感覚を残している。 艶のある革、歩くたびに響く、ほんの少し背伸びしたような、あのカタい足音。 たとえば、卒業式や入学式の帰り道。 まだ何者でもなかった自分が、それでも何かを踏みしめていた音がする。 学生のころは毎日履いていたのに、気がつけばそれ以来、一度も履いていない。   この曲を書いたのは、世界の空気がすっかり変わってしまった頃だった。 遠くへ行けず、誰かと会えず、自分の歩幅さえわからなくなってしまいそうな日々。 “これまで通り”がまるごと消えてしまったような時間の中、わたしは 「今までやらなかったことを、やってみよう」と思うようになった。   たとえば、自分が生まれてから今までの記録を掘り起こしてみたり。 ライブ前は避けていた辛いもの、おもにカレーうどんを、好きなだけ食べてみたり。 慣れない道を一歩ずつ自分の足で確かめながら、曲がりなりにも歩き続けて早十年。 立ち止まり、振り返りながら生まれたのが「ローファー」だった。   この頃は、毎晩ベッドの上で、まくろな天井を見上げながら考えていた。 「これは、いったい何を意味しているのだろう」と。  夜空の彼方から、わたしたちに向けて瞬く星の合図を ――夜の奥に脈打つリズムを、静かに探していたのかもしれない。     そんな折、千葉県佐倉市からの依頼で、あるショートムービーのテーマソングを担当することになった。 タイトルは、『さくら咲く』。 “今までやらなかったことを”という気持ちが、またひとつ、手を伸ばした。 わたしはこの機会に、それまで一度も使ったことのなかった<さくら>という言葉を、初めて歌詞に入れた。   この曲には、高校生たちのまぶしい季節が重なっている。 くすぐったくて、不安で、それでも前へ進もうとする気持ち。 それは、あの頃のわたし自身でもあり、今を生きる誰かの姿かもしれない。 大人になると、感情の波を幾度となく受け止め、心が揺れるたび、静かに身を守る術を知らず覚えてしまう。  それでもなお、人と人とのつながりや、愛のあるワンシーンを、大人もまた探しているのだと思う。   <ただ今だけ ただ今だけを ぼくはゆくんだよ> 実はこの歌詞とメロディーは、わたしがまだ中学生だったころから、ずっと心の奥にあったものだった。  当時は、ただ口遊んでいただけだったけれど、年月を経てようやく、この「ローファー」という曲の中で、自分自身の言葉として響かせることができた。過去の自分と今の自分が、ようやく手を繋げた気がした。     ローファーという音に、過去と未来の足音が交差する。 その響きの中に、歩いてきた日々と、まだ誰も踏んでいない道が、そっと溶け合っている。 それは、今を歩き出すための名前だったのかもしれない。 そろそろ、また新しいローファーを買ってみようかな、と思う。   <南壽あさ子> ◆紹介曲「 ローファー 」 作詞:南壽あさ子 作曲:南壽あさ子   ◆フルアルバム『AMULET』 2025年6月18日発売   <収録曲> 1. 珈琲フロート漂流記 2. あなたがいる 3. 時の環 4. オン・ザ・スクリーン 5. ローファー 6. あおもりもりもりのうた 7. あじき路地 8. 幸せの途中 9. がんばるひとへ 10. パラブルの島 11. 呼吸のおまもり

    2025/06/25

  • ビレッジマンズストア
    おれたちの御礼参り
    おれたちの御礼参り

    ビレッジマンズストア

    おれたちの御礼参り

     2025年6月18日に“ビレッジマンズストア”が、バンドキャリア20周年を記念した初のベストアルバム『re:Rec BEST 「遊撃」』をリリースしました。ほとんどの楽曲を現メンバー5人で演奏・レコーディングした再録ベストアルバム。Disc1、Disc2ごとにテーマがあり、何かとの繋がりを歌ったものがDisc1 遊 、“攻撃的”なのがDisc2 撃 となっております。    さて、今日のうたではそんな“ビレッジマンズストア”の水野ギイによる歌詞エッセイを3週連続でお届け。第2弾は収録曲「 御礼参り 」にまつわるお話です。学生時代から怒りをエネルギーに曲を書き、常に怒り続けてきた自身。結成15年目の今、思うことは…。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 前回の解説曲「PINK」より5年、結成して15年目。おれは怒っていた。この男はしょっちゅう怒っているのかと思ったかもしれない。しかしそれは違う。安らかな時は沢山ある。嫌いな奴も年々減っていく。バンドだって続けている。女の子はかわいい。もはや具体的な何かに対してではない。というか、とりわけ何があったわけでもない。敢えて言語化するならば怒りに対して怒っていた。ここは強調せねばなるまい。   「怒りに対して怒っていた!!!!!!」   少年が曲を作り始める際に焚べる最初のエネルギーは大抵が怒りである。おれも例に漏れず有り余る不満が衝動となり見様見真似で曲を書いた。 田舎生まれで友達作るのが下手なのに高校入学して1週間で停学になり、復帰した頃にはもうクラスに居場所がなかった時の気持ち。幼少期から好きなものをずっと好きだっただけなのに周りに馬鹿にされ始めるときの気持ち。燃やした卒業アルバムがいまだ誰かの家の本棚に眠っている事実。 そんなありきたりな、でも自分だけの怒りを、可愛がっている間はいくらでもやりたいことが生まれた。よくある話である。   では今はどうか。 大人になり、学生の気持ちは遠い過去。トラウマなども女性関係以外には発揮されないくらいに回復したおれが次に進むステージは。   「鶴舞線で来る豊田の人」 「58の爆風でスカートだけでも揺らせ」 「帰る場所はない、思い出すのは自販機の薄灯り」   いや、ちがうな!めちゃくちゃ根に持ってるな!!!大人になってもやってる!!!!気持ち悪いな!!!     15年のツケ、この怒りは全て自分に向いていた、蓋をした自分にいつまでも怒っていたらしい。これはしっかりと向き合い、決着をつけねば。あの頃、羨ましかったあいつらが羨むような男達(自社比)にならねばなるまい。   奇しくも結成15年、的を絞るには丁度良い。折角なので当時イキリ散らかしていた不良グループが使っていた言葉を拝借しよう。 おれたちの御礼参りがはじまるぞ。 <ビレッジマンズストア・水野ギイ> ◆紹介曲「 御礼参り 」 作詞:水野ギイ 作曲:ビレッジマンズストア   ◆ベストアルバム『re:Rec BEST 「遊撃」』 2025年6月18日発売   <収録曲> 【CD Disc1 遊】 01. WENDY(20th ver.) 02. みちづれ(20th ver.) 03. 1P 04. 車上A・RA・SHI(20th ver.) 05. アディー・ハディー(20th ver.) 06. アダルト(20th ver.) 07. TV MUSIC SHOW 08. セブン(20th ver.) 09. ロマンティックに火をつけて(20th ver.) 10. きみがいれば 11. People Get Lady(20th ver.) 12. LOVE SONGS(20th ver.) 13. 眠れぬ夜は自分のせい(20th ver.)   【CD Disc2 撃】 01. 夢の中ではない(20th ver.) 02. 逃げてくあの娘にゃ聴こえない(20th ver.) 03. ビレッジマンズ(20th ver.) 04. 黙らせないで(20th ver.) 05. 御礼参り(20th ver.) 06. 猫騙し人攫い(20th ver.) 07. Love Me Fender(20th ver.) 08. 変身(20th ver.) 09. サーチライト(20th ver.) 10. 墜落、若しくはラッキーストライク(20th ver.) 11. 正しい夜明け(20th ver.) 12. PINK(20th ver.)      

    2025/06/24

  • Tani Yuuki
    自分の人生の航海士は自分自身である
    自分の人生の航海士は自分自身である

    Tani Yuuki

    自分の人生の航海士は自分自身である

     2025年6月18日に“Tani Yuuki”が3rdアルバム『航海士』をリリースしました。今作には、「械物」「最後の魔法」「kotodama」「アンタレス」といったシングル曲に加え、「Dear drops」「最終想者(アンカー)」、「自分革命」や「everyday」といった学生時代にTani Yuukiが制作した楽曲たちを含む全12曲を収録。今までの音楽人生を振り返りながらも、新たな航海へと突き進むために制作された1枚となっております。    さて、今日のうたではそんな“Tani Yuuki”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、収録曲「 後悔史 」にまつわるお話です。自身の様々な後悔を振り返り、それと向き合い、気づいたことは…。あなたの人生にはどんな後悔がありますか? ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 あなたは後悔したことがあるだろうか? おっと、スタートからネガティブなことを聞いて申し訳ない。 私がしたいのはそんな暗い話ではない。 その後悔がなければ今の自分は、あなたはいないかもしれない。 私がしたいのはそういう話だ。   もちろん私も後悔をしたことがある。 学業、仕事、恋愛、家族、それに付随する人間関係。 あの時こうしていれば、もしくはしなければ。 後悔のない人なんておそらくいないだろう。   私は中学2年の時、初めてギターを握った。 病気であまり学校に行けておらず、発散や1つの逃げ道として、 感情の捌け口として第2の言語のような存在だった。 当時はとても辛かったし、1度しかない中学時代の思い出も少ない。 でも、これがなければ音楽を始めることは無かっただろう。   音楽の専門学生の時、色々なオーディションを受けてきた。 在学した2年間、芽吹くことはなかったが、卒業間近に申し込んだVRアーティストのオーディションに受かった。 慣れないモーションキャプチャー、楽曲やミュージックビデオを制作し、 残すはメジャーデビュー……、を目前にプロジェクトが白紙になり振り出しに戻った。 また一からオーディションを受ける気にもなれず、全て自分で出来てしまえばいいと、MacBookを買い、DTMや動画編集をはじめた。 順調に成功してしまっていたら今のスタイルになるどころか、顔も出さずに活動していたかもしれない。   と、まぁかなり端折ったがそんな出来事がなければ今のTani Yuukiはきっとなかっただろう。 振り返れば失敗や後悔から学べることは多かった。糧になるものが多かったのだ。   学生時代で思い出したが、仲良くつるんでいたグループがちょっとしたいざこざをきっかけに仲違い。 崩壊してしまったという経験はないだろうか? あれは幼さからくる人の悩みだと思っていた。 しかし面白いもので大人になった今、相変わらず悩みの大半は人だったりする。   吐いた言葉が想像とは違う伝わり方をしてしまったり。 正義と正義がぶつかり合い望んでいない結果を産んでしまったり。   私は今年で音楽を始めて10年、本格的に活動を始めて5年なのだが なんせ26年生きてきてこんなにも続いたものはなかった。 ということは1つのジャンルにおいてこんなにも長く人と接することがなかったのだ。 今まで触れてこなかった他人の深い部分に差し掛かっているのだと思う。   ただ本当に自分を含め人は幾つになっても変わらないんだなと。 おそらくこの悩みは一生続くのだろう。 まぁそこが面白いのだけれど。   この26年間、自分が繰り返した選択の結果が今である。 そこに悔いはないがはたして今、私は自分の人生の舵を握れているだろうか? そう疑問に思う時がある。 というのも、クリエイティブにおいて好きなことを好き勝手にできるのは最初のうち、1人の時だけだと私は思う。 チェーン展開しない料理屋のように、量産できないハンドメイド品のように、できることは限られるが満足いくまで独断で煮詰めることができるからだ。   こだわりともわがままとも呼べる“それ”を切り売りしながら可能性を手に入れる。 ゲームのマップが広がると行ける場所が増えるように、可能性が広がると選択肢が増えていく。 人が増え、考えが増え、動きが大きくなっていく。 1つではない意思の集合体になっていく。   すると 境界が曖昧になっていく。 踏み込んでいい場所、踏み込んではいけない場所。 1人の頭ではない以上、自分を含め100%全員を満足させることは難しいが なるべく汲み取って、読み取って、バランスを保って共に歩いていく。   誰しも 近くにいるとその有り難みに気づかなかったり。 初心を忘れそうになったり。 自分可愛いさに他人のせいにしたかったり。 光があれば影も存在するが、その反発が和らぐと急に歯車が回り始めたりする。   そして 1人では思いつかなかったものが生まれてくる。 1人ではできなかったことができるようになる。 これはとても面白い。 1人では動けない、1人ではもう回らないのだ。   詰まるところ、 「はたして今、私は自分の人生の舵を握れているだろうか?」 この疑問の答えはYesでありNoだ。   なんだそれはと思うかもしれないが 自分1人の舵では無くなっただけで、自分も舵の1つなのだ。 1つの集落が出来上がっていくような 人は1人では生きていけない、の生い立ちを見ることができた気がしている。   話がとっ散らかったが、それも含めて歴史なのである。 今これを打っている私も完全無欠ではない、聖人なんていない 全てできているわけではない。 ただそうありたいと願っている。 人は鏡だ、物事は時に裏返しだ。 良かれと思ってしたことがどこかで誰かを苦しめる、何かを拗らせる、亀裂を生む。 もしかすると人が分かり合えることはないのかもしれない。 でも分かち合えることはきっとある。 そう信じている。   私がこの曲に込めたのはネガティブではなくその先にあるポジティブ。 最後の答えはいつだって出せる、なら今じゃなくたっていい。   誰だって後悔などしたくない。 だが“それ”がなければ今が無い。 誰しも必ず何かしらを背負っている。 後悔の海に沈む日がある。   それでいい。   それでも航海は続いていく。 後悔の歴史を元に未来を切り開いていくのである。 大事なものは忘れること勿れ。   いつか   あなたを救うその日まで。 答えを出すその日まで。   <Tani Yuuki> ◆紹介曲「 後悔史 」 作詞:Tani Yuuki 作曲:Tani Yuuki   ◆3rdアルバム『航海士』 2025年6月18日発売   <収録曲> M-1 everyday M-2 後悔史 M-3 kotodama M-4 他人り事 M-5 Dear drops M-6 アンタレス M-7 械物 M-8 Survivor M-9 吾輩は人である M-10 最後の魔法 M-11 自分革命 M-12 最終想者(アンカー)  

    2025/06/23

  • SIX LOUNGE
    Do You Love Me?
    Do You Love Me?

    SIX LOUNGE

    Do You Love Me?

     2025年5月28日に“SIX LOUNGE”が新EP『more than love』をリリースしました。6月からは同EPを引っ提げた全国6都市をまわるツアー『SIX LOUNGE “Do You Love Me?” TOUR』も始まり、最終日にはバンド初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンを予定。ぜひ、こちらも併せてチェックを!    さて、今日のうたでは“SIX LOUNGE”のナガマツシンタロウによる歌詞エッセイを3週連続でお届け。最終回は収録曲「 You&I 」にまつわるお話です。誰かと自分を比べてしまう、自分自身を愛せない、愛したい、そんなあなたへ…。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 体育の授業が嫌いだった。プールは泳げないし、球技ではボールをまっすぐ飛ばせない。徒競走はいつもビリで、走り方が変だとよく笑われた。   みんなの邪魔になりたくなかったから、いつも一歩後ろに下がり、「早く終わってくれ」と時計ばかり見つめていた。   中学で入った吹奏楽では男子部員がひとりだけだったので、雰囲気に耐えられず半年もせずにやめた。なさけない。   授業もついていけなくて、成績は下から数えた方が早かった。一瞬だけ家庭教師が来るようになったが、毎回時間いっぱいまで寝ていたので怒られてやめた。   くせ毛に悩んでいたので一度縮毛矯正した。でも似合ってなかった。   そういえばかなり太っていた。   何もかもうまくいかなかったように思います。   高校に入ってからはろくに出席もせず、近くの練習スタジオに入り浸り、色々なバンドを掛け持ちした。ようやく居場所をみつけた。ろくでもない奴らばっかりで、息がしやすい。嬉しかった。   この先もずっと、このままで居れたらいいのにな。大人になりたくない、心からそう叫んだ。爆音の中なら大きな声で叫ぶ事も恥ずかしくなかったし、自分自身の存在も許してあげられた。   ただ、それ以外の場所での僕は、山手線みたいに同じ場所をぐるぐる回ってるだけだった。 うまく乗り換えもできない。どこへも行けない。何も成長していない。   なのに環境はどんどん変化していく。 みんな新幹線みたいな速さで生活している。 ああもう期待することに疲れたな。 やっぱりいつまでも1番にはなれない。 ずっと誤魔化しているだけ。   それでいいの?   ねえ、お前はさ、これからどうしたい?   壊れてしまう前に、もっと正直な気持ちを伝えなきゃいけないよ。 誰かと自分を比べて生きるのはやめにしろ。 もっとやさしくなりたい。 そんな強い人になりたい。   非常停止ボタンを押す。 列車から飛び降りる。 この足で地面を踏みしめる。 産まれた瞬間に人生のレールが決められるわけではない。 何度でもやり直す。 僕はそんな自分をやさしく愛してあげたい。 ばいばい 今日また、はじめる。   <SIX LOUNGE・ナガマツシンタロウ> ◆紹介曲「 You&I 」 作詞:ナガマツシンタロウ 作曲:ヤマグチユウモリ   ◆新EP『more than love』 2025年5月28日発売   <収録曲> 01 天才になって 02 どん底 03 You&I 04 死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ 05 グロいラブソング

    2025/06/20

  • 松田今宵
    遮光カーテン
    遮光カーテン

    松田今宵

    遮光カーテン

      2025年5月28日に“松田今宵”が1st EP『ケの日』をリリースしました。今作には、様々なサウンドと物語が紡ぐ珠玉の全4曲が収録されております。そして、EPタイトル『ケの日』に込められているのは、“丁寧でもないし、穏やかでいられないような毎日…そんな日々にこそ宿る、ちょっとした違和感、癖、弱さなどを、まるごと肯定したい”という想い……。  さて、今日のうたではそんな“松田今宵”による歌詞エッセイを4週連続でお届け! 最終回は収録曲「 遮光カーテン 」にまつわるお話です。彼と彼女、2人にとっての奇跡であり、愛であり、最強である“遮光カーテン”が守ってくれるものは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 これは、平熱を愛した2人のお話。     *     あるところに、大きな音が苦手な女の子がいました。 電車の通過音や車のクラクション、扉を強く閉める音などを聞くたびに 彼女は震えあがって、しゃがみこみ、ひどいときには熱さえ出してしまうのでした。     「この遮光カーテンは最強なんだよ。」 そんな彼女に、彼はそう言いました。   彼は太陽の光が大の苦手で、ときには蕁麻疹が出るほどでした。 けれど、ある人から譲り受けた遮光カーテンを使うようになってからは、 ずっと調子が良いというのです。   「この遮光カーテンはね、いつも僕を守ってくれる。 大きな音も遮るんだ。君のことだって守るよ。」   (ほんとかな。) 半信半疑だった彼女でしたが、彼の声があまりにやさしかったので、信じてみたくなりました。 そして、彼の遮光カーテンの中に入ることにしたのです。     …本当でした。 強い光も、大きな音も遮られ、 過呼吸も、蕁麻疹も、みるみるうちに治っていきました。 外界から隔てられたその空間は、とても暗く、何も見えませんでしたが、 彼の体温だけは、確かに感じることができました。 そしてその中では、2人とも、笑っていられるのでした。   *   一度起きた奇跡は、人の心を強くそこに縛りつけます。   彼女はすっかり、遮光カーテンを信じこみました。 そして、それをくれた彼を、信じました。 彼の寝顔に毎日手を合わせました。 そうすれば、何も恐れず、穏やかな日々を過ごすことができたのです。   街に出るときには、2人で遮光カーテンの切れ端を被ったり、互いの目や耳をふさぎあって歩きました。 はたから見れば、奇妙な光景だったかもしれません。 けれど、2人にとってそれは、ごく普通の景色なのでした。 それこそが、彼らにとっての“日常”だったのです。     彼は彼女をとても愛していましたし、彼女もまた、彼を深く慕っていました。   「外はあまりに危険すぎる。容赦なく君を非難するし、君の存在を否定する。 でもここにいれば、君は全肯定される。ここは安全基地なんだよ。」   「この遮光カーテンを、いつでも持っていなさい。あらゆるものから君を守るよ。」   無条件の愛に、人は疑いの余地を持たない。 たとえそれが、意味のないことだとしても。   *   風が強くなってきました。 雨は弓矢のようで、人の身体を貫いてしまう。 嵐はやがて、ここにもやってくるでしょう。 でも、ここにいれば大丈夫。 だってこの遮光カーテンは、“最強”なのだから。     さぁ、いつもの儀式をしよう。 おでこを、こうやって合わせるんだよ。 平熱だ。 僕らは今、こうして生きている。   *     2人は世紀末の時代に生まれ、必死に自分たちの日常を守り抜こうとしていた。 生きる目的を、見出そうとしていた。   それは、わたしの、この「ケの日」と なんら変わらないのかもしれない――そんなふうに思うのです。   <松田今宵> ◆紹介曲「 遮光カーテン 」 作詞:松田今宵 作曲:松田今宵 ◆1st EP「ケの日」 2025年5月28日リリース   <収録曲> M1. 記憶捏造計画 M2. 霞 M3. かくれんぼ M4. 遮光カーテン  

    2025/06/19

  • 南壽あさ子
    「幸せ行き」の途中駅から
    「幸せ行き」の途中駅から

    南壽あさ子

    「幸せ行き」の途中駅から

     2025年6月18日に“南壽あさ子”メジャー4枚目となるフルアルバム『AMULET』をリリースしました。47都道府県ツアー(3度目)と並行して発表され、本人の音楽活動の集大成とも言える作品。新曲として収録される「珈琲フロート漂流記」と「オン・ザ・スクリーン」には、はっぴいえんど、ティン・パン・アレーで知られるロック界のレジェンド、鈴木茂が今作もギターで参加しており、必聴の一枚となっております。    さて、今日のうたではそんな“南壽あさ子”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。第1弾は収録曲「 幸せの途中 」にまつわるお話です。NHK青森の番組『あおもりもりもり』エンディングテーマとして書き下ろされたこの歌。曲作りのための青森旅で出会い、五感と心で感じたものは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 「幸せの途中」という言葉には、どこか、まだ名前のつかない時間の手触りがある。 その揺らぎに時に挫けそうになりながら、どうにか平衡感覚を失わぬようにしがみつくわたしたち。 渦中にいる時にはまだよくわかっていない。そんな時間そのものが、実は宝物となる“途中”なのだと思うのです。   この曲は、NHK青森の番組『あおもりもりもり』エンディングテーマとして書き下ろしました。番組からは、オープニング曲も依頼されており(のちの「 あおもりもりもりのうた 」)、わたしはその制作スケッチのため、2022年3月、まだ雪の残る季節に、青森へと旅に出ました。音楽になる何かを探す、3泊4日の贅沢な旅でした。 初日は、青森市の合浦公園と善知鳥神社へ。公園は一面の雪で、歩くのも一苦労。踏みならされていない真っ白な道なき道を、雪に足を取られながら進みました。   善知鳥神社は、棟方志功が幼少期によく遊んだという場所。「わだばゴッホになる」――彼がそう叫び、自らを奮い立たせながら、多くの魂のこもった作品を生み出していった姿を想う。 決して驕らず、飢えにも似た真剣さで己と対峙し続けたその生き様。言葉も凍るような寒さの中、わたしの心臓だけがボォっと熱くなる気がしました。   二日目は八戸方面へ向かい、八食センター、蕪嶋神社、館鼻公園などを巡りました。夕方には八戸えんぶりの旦那さんのご自宅へ訪れ、お祭りの意味や継承の意義についてお話を伺いました。誰かがつないできた時間の厚みに、背筋が伸びる思いがしました。   そして、津軽へ向かった日。 「津軽あかつきの会」という、郷土料理を受け継ぐ女性たちのもとを訪れました。いただいた伝承料理は、どれも素材を活かした素朴な味ながら、しみじみと奥行きを感じさせるもので、まるで土地の歴史を味わっているかのようでした。窓の外には、まだ芽吹かぬりんごの木が、春を待つように静かにそこに立っていました。   わたしのリクエストで、津軽鉄道のストーブ列車にも乗せてもらいました。津軽五所川原駅から、日本最北の小さな私鉄はごとごと走り出します。客車に据えられたダルマストーブの上でイカを焼いてもらい、それを必死に噛みながら、わたしは車窓を流れゆく雪原を眺め、自分の今を見つめるような心持ちになりました。日々駆け足で過ぎていく時間のなかで、「いま、自分はどの地点にいるのだろう」と。幸せなのか、不安なのか、それともまだ名前のつかない何かなのか――。   金木駅で途中下車し、太宰治の疎開の家、旧津島家新座敷を訪れました。彼が過ごした部屋、たしかに残る彼の余韻。それらを見ながら思ったのは、人の営みは、その人がいなくなっても、何かしらの形で受け継がれていくのだということでした。 彼の言葉が、今も誰かの手に、心に渡っていることを思えば、あの時の彼の孤独も、幸せの途中だったと言えるでしょうか。   「これが幸せ」と確信を持てる瞬間には、なかなか出会えません。むしろその駅を過ぎてから、あれが幸せだったのかと振り返るものなのかもしれない。「幸せ行き」の列車に乗っているとは知らずに、わたしたちはいつも迷いながら、もがきながら生きていくのでしょうか。それならば、せめて心のなかでは“いつだってわたしは幸せの途中”と信じられたらなんて素敵なことでしょう。   旅の最終日、雪の壁の先にある酢ヶ湯温泉に浸かりました。外は凍えるような寒さでしたが、そのぶん湯のあたたかさが、じんわりと体の奥にまで沁みてきたのを覚えています。 あのときのぬくもりのように。この曲もまた、誰かの人生の“途中”で、小さなテールライトのように灯ることを願って。   <南壽あさ子> ◆◆紹介曲「 幸せの途中 」 作詞:南壽あさ子 作曲:南壽あさ子   ◆フルアルバム『AMULET』 2025年6月18日発売   <収録曲> 1. 珈琲フロート漂流記 2. あなたがいる 3. 時の環 4. オン・ザ・スクリーン 5. ローファー 6. あおもりもりもりのうた 7. あじき路地 8. 幸せの途中 9. がんばるひとへ 10. パラブルの島 11. 呼吸のおまもり

    2025/06/18

  • ビレッジマンズストア
    赤はピンクに
    赤はピンクに

    ビレッジマンズストア

    赤はピンクに

     2025年6月18日に“ビレッジマンズストア”が、バンドキャリア20周年を記念した初のベストアルバム『re:Rec BEST 「遊撃」』をリリースしました。ほとんどの楽曲を現メンバー5人で演奏・レコーディングした再録ベストアルバム。Disc1、Disc2ごとにテーマがあり、何かとの繋がりを歌ったものがDisc1 遊 、“攻撃的”なのがDisc2 撃 となっております。    さて、今日のうたではそんな“ビレッジマンズストア”の水野ギイによる歌詞エッセイを3週連続でお届け。第1弾は収録曲「 PINK 」にまつわるお話です。かつて、いつも何かに対する怒りを燃やしていた自身。形容するなら“真っ赤”だった在り方が、少しずつ変わっていった理由は…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 10年前、おれは怒っていた。何に対してかは覚えていない。とにかく毎日火をくべ、怒りを燃やしていた。   不条理、嫉妬、退屈、好きじゃない音楽がどんどん売れていくこと、テレビで見た政治のこと、勢いでバイトをやめてしまった自分のこと、友達や女の子を大切にできないのをそんな自分の生活のせいにしたこと。 おおよそこんな風なものだった。探せばきっとあと150項目以上はあるが、列挙するに値しないものだらけだろう。   自分を形容するとまさしく猩猩緋色。「真っ赤」であった(ステージ衣装の話ではなく)。 とはいえ、その感情を矯正したいかと言われればそうではなく、寧ろ無理矢理自分を特別だと思い込むために自ら選び、そうあろうとした。 「真っ赤」であることはバンドマンとして不可欠な要素である、と考えていた。 だって雑誌で見るロックスターは、いつもなにかに怒っているんだもん。おれもそうしなきゃいけないんだ。   『刃の上を君と行く』発売から1年以上経ち、いよいよ次の製作を終わらせなければならない。 この尖らせたエネルギーを発散させる時だ。   レーベルの人、曲急かしてきやがってちくしょう。でも怖そうだったけど力になってくれたな。ちくしょう。そういえばCD作るまでに色んな人と話したな。幼馴染含むメンバーはたまにむかつくけど結構いいやつらだ。バイトも辞めちゃったけど、なんだか気持ちよく送り出してくれた。女の子はいつもニコニコして、がんばれ大丈夫って言ってくれた。駄目な日は呆れながらメシとか作ってくれた。ちくしょう。   おかしいな、おれは誰よりも「真っ赤」になりたかったけど、そんな姿になってもこの人たちは横を歩いてくれるのだろうか。 おれは本当に「その格好良い」になりたいのだろうか。いやー、困った。全然なりたくないかもな…。 「真っ赤」じゃなきゃ駄目ならばきっともうおれには向いていない、この人たちに優しくしたい。   新しい憧れができてしまった。 これからおれ達はどうなる。きっと望んで薄まっていく。赤はピンクに、生々しくて自然で生活の色。混ぜようによっちゃ、きっと少しだけ格好悪い。ひょっとしたら学生街の下世話なネオン管みたいになっちまうかもな。 まだ分からないけれど、その出来上がった色を何年もかけて少しずつ愛していきたいと思った。   ミニアルバム『正しい夜明け』最後に出来上がった曲「PINK」 <“ビレッジマンズストア・水野ギイ> ◆紹介曲「 PINK 」 作詞:水野ギイ 作曲:水野ギイ   ◆ベストアルバム『re:Rec BEST 「遊撃」』 2025年6月18日発売   <収録曲> 【CD Disc1 遊】 01. WENDY(20th ver.) 02. みちづれ(20th ver.) 03. 1P 04. 車上A・RA・SHI(20th ver.) 05. アディー・ハディー(20th ver.) 06. アダルト(20th ver.) 07. TV MUSIC SHOW 08. セブン(20th ver.) 09. ロマンティックに火をつけて(20th ver.) 10. きみがいれば 11. People Get Lady(20th ver.) 12. LOVE SONGS(20th ver.) 13. 眠れぬ夜は自分のせい(20th ver.)   【CD Disc2 撃】 01. 夢の中ではない(20th ver.) 02. 逃げてくあの娘にゃ聴こえない(20th ver.) 03. ビレッジマンズ(20th ver.) 04. 黙らせないで(20th ver.) 05. 御礼参り(20th ver.) 06. 猫騙し人攫い(20th ver.) 07. Love Me Fender(20th ver.) 08. 変身(20th ver.) 09. サーチライト(20th ver.) 10. 墜落、若しくはラッキーストライク(20th ver.) 11. 正しい夜明け(20th ver.) 12. PINK(20th ver.)      

    2025/06/17

  • reGretGirl
    どうか誰よりも愛されますように。
    どうか誰よりも愛されますように。

    reGretGirl

    どうか誰よりも愛されますように。

     2025年6月11日に“reGretGirl”がMajor 3rd Full Album『LOVERS』をリリースしました。前作『tear』以来、約2年ぶりとなるフルアルバム。寄り添う= “愛” というテーマを持って、恋愛に限らずさまざまな角度から切り取った“愛” を届ける楽曲たち。2024年にリリースの「帰り道」「純ラブ」「ロスタイム」に加えて、2025年4月2日に先行リリースした「エバーソング」を含む新曲8曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“reGretGirl”の平部雅洋による歌詞エッセイを2週連続でお届け!第2弾は収録曲「 ブルーアワー 」にまつわるお話です。不安を抱き締めながらも、自分の道を必死に進もうとしているあなたへ。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 この度、6月11日に3rd Full Album『LOVERS』がリリースされました。前回このコラムでアルバム『LOVERS』について書かせていただいたのですが、今回はこのアルバムの表題曲「ブルーアワー」について文章を寄せさせていただきました。   思い返すと十代、二十代前半ぐらいの頃は、“どこからともなく現れる不安”と“根拠のない自信”の二つを持って過ごしていて、その二つはうまくバランスを保っていた。将来のことを考えると、「このまま大人になって大丈夫やろか」と漠然と怯えている時もあれば、「なんかわからんけど、なんとかなるやろ」と大雑把だけど前向きになれる時があって、この二足で人生を歩んできた気がする。   それがあったからこそ、僕はバンドマンという不安定で先の見えない道をのらりくらりと歩いてこられたし、若い頃は大人になればこの正体不明の不安はなくなるのだとも思っていた。   それなのに、いざ三十を越えても正体不明の不安はなくならない。困ったものだ。ずっとどこかに小さく穴が空いた様な感覚で、その穴が大きくなったり小さくなったりすることはあれど、塞がることはない。   さらに、昔はあった根拠のない自信には根拠がないと自信を持てなくなった。知らぬ間にバランスを崩し、不安なんてないように振る舞うことばかり上手くなって、気がつけば不安を抱き締め動けなくなっていることもあった。   不安のバランス感覚が変化し今まで通りではなくなって、心許なくなって、三歩進んで二歩下がって、思い通りになんて全然行かないから誰かに本音を吐露したい。そしてその誰かに聞いてほしい本音は本当は誰でもいいわけじゃない。その聞いてほしい人に優しくされたいから、僕は誰かに優しくするのだ。   ブルーアワーは僕自身を救うために書いた。だからみんなもこの曲に勝手に救われてほしい。僕ら同じ道を歩いているわけではないけれど、きっとその道を必死に進もうとしていることは同じだ。辛くなったらreGretGirlを頼ってくれ。僕もみんなを頼りにしてる。   どうか誰よりも愛されますように。   <reGretGirl・平部雅洋> ◆紹介曲「 ブルーアワー 」 作詞:平部雅洋 作曲:平部雅洋 ◆Major 3rd Full Album『LOVERS』 2025年6月11日発売 https://rgg.lnk.to/lovers ・通常盤 ¥3,300 (税込) ・コロムビアミュージックショップ限定盤 (限定タオル付き)  ¥4,500(税込) <収録曲> 1. ハンワライナー 2. 純ラブ 3. ブルーアワー 4. エバーソング 5. 知らんけど 6. ロスタイム 7. 陽のあたる言葉 8. オレンジ 9. オトナビゲーション 10. 摩訶不思議ヒステリー 11. 帰り道 特設サイトはこちら▼ https://columbia.jp/regretgirl/ ◆ライブ情報 <reGretGirl presents ONEMAN TOUR 2025"for LOVERS> 2025年6月19日(木) 千葉LOOK OPEN 18:30/START 19:00 2025年6月22日(日) 水戸LIGHT HOUSE OPEN 17:30/START 18:00 2025年6月29日(日) 奈良EVANS CASTLE HALL OPEN 17:15/START 18:00 2025年7月5日(土) 広島LIVE VANQUISH OPEN 18:00/START 18:30 2025年7月6日(日) 岡山YEBISU YA PRO OPEN 17:30/START 18:00 2025年7月11日(金) F.A.D YOKOHAMA OPEN 18:30/START 19:00 2025年7月13日(日) 前橋DYVER OPEN 17:30/START 18:00 2025年7月26日(土) 浜松窓枠 OPEN 18:00/START 18:30 2025年8月2日(土) 京都MUSE OPEN 18:00/START 18:30 2025年8月3日(日) 神戸太陽と虎 OPEN 17:30/START 18:00 2025年8月8日(金) 松本ALECX   OPEN 18:30/START 19:00 2025年8月9日(土) 富山SOUL POWER OPEN 18:00/START 18:30 2025年8月11日(祝月) 岐阜CLUB-G OPEN 17:30/START 18:00 2025年8月16日(土) 仙台Rensa OPEN 17:45/START 18:30 2025年8月17日(日) 郡山HIP SHOT JAPAN OPEN 17:30/START 18:00 2025年8月30日(土) 福岡DRUM LOGOS OPEN 17:00/START 17:45 2025年8月31日(日) 鹿児島SR HALL OPEN 17:00/START 17:30 2025年9月20日(土) 函館 club COCOA OPEN 18:00/START 18:30 2025年9月22日(月) 札幌PENNY LANE24 OPEN 18:15/START 19:00 2025年9月27日(土) 金沢EIGHT HALL OPEN 17:45/START 18:30 2025年10月3日(金) 高松DiME OPEN 18:30/START 19:00 2025年10月4日(土) 松山サロンキティ OPEN 18:00/START 18:30 <東名阪ホールワンマン編> 2025年11月7日(金) NHK大阪ホール OPEN 18:00 / START 19:00 2025年11月21日(金) 岡谷鋼機名古屋公会堂 大ホール OPEN 18:00 / START 19:00 2025年11月28日(金) LINE CUBE SHIBUYA OPEN 18:00 / START 19:00 詳細はこちら▼ https://www.regretgirl.com/news/detail/38674

    2025/06/16

  • SIX LOUNGE
    死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ
    死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ

    SIX LOUNGE

    死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ

     2025年5月28日に“SIX LOUNGE”が新EP『more than love』をリリースしました。6月からは同EPを引っ提げた全国6都市をまわるツアー『SIX LOUNGE “Do You Love Me?” TOUR』も始まり、最終日にはバンド初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンを予定。ぜひ、こちらも併せてチェックを!    さて、今日のうたではそんな“SIX LOUNGE”のナガマツシンタロウによる歌詞エッセイを3週連続でお届け。第2弾は収録曲「 死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ 」にまつわるお話です。弱音は吐けない、ミスもできない社会のなか。<ひとりにして ひとりにしないで>を繰り返しながら生きているあなたへ。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 切れるというより、溺れていく。 タクシーの窓に流れる夜景を眺めながら、これからこの凶暴な心を抱きしめてくれるはずの天使に、なんて伝えようかと、曖昧で、いい感じの理由を探していた。     気がつけば悲しい歌ばかり聴いている。 楽しそうな奴を見ると惨めな気分になるから、下ばかり向いて歩くようになった。それなのに僕はよく転ぶ。 社会はいつも弱音を吐かせてくれない。 当たり前の事を当たり前にできる。それが普通なんだって、あいつら簡単に言うから、言い返せなくて、愛想笑いした。   怖がりで、寂しがり屋。ひとりになりたい。だけど、ひとりになりたくない。正直もうよくわからない。何もしたくない。自分だけじゃ世界は変えられない。大人になって気がついた。 違う、言い聞かせて逃げた。   酔っ払うと「死にたい」が口癖になる。 かまってほしい、気にかけてほしい。どうせこんな汚い街なんだから、僕が吐いたところで何も変わらない。 朝、目が覚めると腹がへっている。恥ずかしいくらい腹いっぱい食べる事ができる。 この体はしっかり生きたがっている。   24時間ずっと監視されているような気がする。さっき蒲田で拾ったこのタクシーの車内でもそうだ。バックミラーで運転手がこちらを見ている。行動すべてが記録されていく。増える、増える、増える、増え続ける。どこを見てもカメラが、まばたきしてる。   いつからだろう 僕らの生活にミスが許されなくなったのは。   深夜2時すぎ。タクシーは東京の街へゆっくりと沈んでいく。もう帰れなくてもいい。社会に戻れなくていい。たとえ天使がまぼろしでも、僕は騙されたままでいい。都合のいい解釈をして、そうやって、また大人になっていく。流されて、溺れていく。   明けない夜はない?   うるせえ   うるせえ、     このうそつき。     <SIX LOUNGE・ナガマツシンタロウ> ◆紹介曲「 死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ 」 作詞:ナガマツシンタロウ 作曲:ヤマグチユウモリ   ◆新EP『more than love』 2025年5月28日発売   <収録曲> 01 天才になって 02 どん底 03 You&I 04 死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ 05 グロいラブソング

    2025/06/13

  • 松田今宵
    かくれんぼ
    かくれんぼ

    松田今宵

    かくれんぼ

     2025年5月28日に“松田今宵”が1st EP『ケの日』をリリースしました。今作には、様々なサウンドと物語が紡ぐ珠玉の全4曲が収録されております。そして、EPタイトル『ケの日』に込められているのは、“丁寧でもないし、穏やかでいられないような毎日…そんな日々にこそ宿る、ちょっとした違和感、癖、弱さなどを、まるごと肯定したい”という想い……。    さて、今日のうたではそんな“松田今宵”による歌詞エッセイを4週連続でお届け! 第3弾は収録曲「 かくれんぼ 」にまつわるお話です。かすかに感じている不安。だけどこの恋が終わってしまわぬように、“何か”からかくれんぼをし続けているあなたへ…。ぜひ歌詞と併せてエッセイをお楽しみください。 これは、終わりを引き延ばしている2人の話だ。     *     夕飯を終えて一息ついた。   今わたしは、昨日のことを思い出している。 彼と過ごした昨日のこと。     楽しかった、、よな。     いつものように家で いつものようにゲームをして いつものように2人でご飯を作って いつものようにキスをした   …なんだ、ちゃんと幸せじゃん。 こうして事実だけ並べてみると、普通の幸せなカップルだ。   なのに、わたしは今、不安に苛まれている。   1年ほど前から微かに感じている、この小さな不安。 それは埃のようで、 ちゃんと掃除をしていないと、どんどん溜まっていく。   彼は、アレルギーもちだから、そのうち湿疹がでるかもしれない。     *     …彼からの返信がない。   (忙しいのかもしれないけどさ、彼女への返信くらい1日経たないうちにしてよね)と思うのは、きっとわたしだけじゃないはず。(全国のオトメよ!共感求ム!というか誰か曲にしてくれ!)     とはいっても、わたしたちは 正直、毎日を生きるので精いっぱい。 仕事で精神をすり減らし、 生活の余裕もない。   だから、2人で会う日はせめて、楽しく過ごしたい。   日々のストレスから解き放たれ、 何も考えずに、ただ楽しいだけでいい。   今が良ければすべて良し。 だから、2人の関係で、気を揉むようなことは、極力避けたい。   将来のこと。 結婚ってするのかな。 彼がわたしに直してほしいところ。 わたしが彼に直してほしいところ。 (…ねぇ今、2人でゲームしてるのに! 協力してほしいのに、スマホ見てないでよ!!)   …全部、見て見ぬふり。     (ほんとうにそれでいいの?)   心の声が聞こえてくる。   でも、それにちゃんと答えたら、終わっちゃう気がするから 真面目に向き合うことができないでいる。   子どもの頃のかくれんぼと同じ。 鬼が近づいてきても、息を潜めて動かない。 見つからないように、ずっと。     スマホの画面が光る。   「ごめん、寝てた」   はは、それだけで嬉しいなんて。 わたしはまだ、恋を続けている。     息を深く吐く。   「さ、お風呂入ろ」   重い腰をあげ、洗面所に向かう。 今日をちゃんと終わらせるために。   <松田今宵> ◆紹介曲「 かくれんぼ 」 作詞:松田今宵 作曲:松田今宵   ◆1st EP「ケの日」 2025年5月28日リリース   <収録曲> M1. 記憶捏造計画 M2. 霞 M3. かくれんぼ M4. 遮光カーテン  

    2025/06/12

  • reGretGirl
    愛情を他者に与えること
    愛情を他者に与えること

    reGretGirl

    愛情を他者に与えること

     2025年6月11日に“reGretGirl”がMajor 3rd Full Album『LOVERS』をリリースしました。前作『tear』以来、約2年ぶりとなるフルアルバム。寄り添う= “愛” というテーマを持って、恋愛に限らずさまざまな角度から切り取った“愛” を届ける楽曲たち。2024年にリリースの「帰り道」「純ラブ」「ロスタイム」に加えて、2025年4月2日に先行リリースした「エバーソング」を含む新曲8曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“reGretGirl”の平部雅洋による歌詞エッセイを2週連続でお届け! 第1弾は“愛”についてのお話です。とある日の帰り道、感じた小さな喜びや優しさ。今の彼が思う“愛”とは…。ぜひ今作と併せて、エッセイをお楽しみください。 この度、6月11日にメジャー3rdフルアルバム『LOVERS』がリリースされました。 今回は愛を持つものたちへ向け、僕なりの“愛”をテーマにアルバムを作成しました。 アルバムが完成してから、早く皆さんの手に渡ってほしいと思い続けていたので、ようやくこの日を迎えることができて大変嬉しく思います。 今回はこのアルバム『LOVERS』にまつわる文章をかかせていただきました。是非ご一読ください。   快速電車に揺られ帰路に着く。自宅の最寄り駅に到着してもまだ日が登っている。「日が傾く時間もずいぶん遅くなってきたな」と、ここ数日毎日思っていることに気がつき、ひとりで少しニヤけてしまう。   帰宅ラッシュ。ホームの人混みの流れに身を任せ改札を出る。駅前の歩道橋で、お婆さんが階段を登るところを助けている男性を見かけた。荷物を代わりに持ち、優しく声をかけながらゆっくり段差を登る彼と、いっぱいの笑顔を浮かべ「ありがとう」と言っているお婆さんをみて、心が温かくなった。   その歩道橋を越えて僕はさらに家路をたどる。自宅手前のコンビニでビールを買い、この時間いつも働いている店員に普段はなかなか言えないのに、今日は「いつもありがとう」と言って店を出た。   日常に潜む小さな喜びや優しさは“愛”だ。他の誰かに心血を注ぎ込むのも愛だ。自分自身を抱きしめるのも愛だ。愛は、恋や執着や依存とは違う。独占的でも排他的でもなく、私欲とは対極にあるもので、その延長には「優しさ」や「思いやり」があると僕は考えている。   「誰かに優しくしてもらったから、また別の誰かに優しくしよう」みたいなことが続けばいいなと思っている。   愛情を他者に与えることは一筋縄ではいかなくて、良いと思ってるものや、好きな人には簡単に与えることができるけれど、生きていればどうしたって相容れない人がいて、そういう人たちに愛情を向けるのは容易じゃない。   そんな時、僕はいつも思うようにしていることがある。どんなに分かり合えない人でも“その人を大切に思う人がどこかにいるかもしれない”と思えば、なんだか憎むことはできなくて、嫌いにはなれない。   “相容れないやつにも優しくあろうとする意味”を紐解いていくと、「みんなが幸せになれる」みたいなところに繋がっていく気がしているから、別に好きにならなくてもいいけど嫌いにはならないでおこうと思える。自分を幸せにしたければ周りを幸せにできないとね。   うだうだ書き連ねたけど、この度、reGretGirlが最高のアルバムをリリースしました。 普遍的でもあり具体的でもあり、シンプルだけど自分らしさを忘れないように等身大で愛を表現したので、是非このアルバムを愛してやってください。   <reGretGirl・平部雅洋> ◆Major 3rd Full Album『LOVERS』 2025年6月11日発売 https://rgg.lnk.to/lovers ・通常盤 ¥3,300 (税込) ・コロムビアミュージックショップ限定盤 (限定タオル付き)  ¥4,500(税込) <収録曲> 1. ハンワライナー 2. 純ラブ 3. ブルーアワー 4. エバーソング 5. 知らんけど 6. ロスタイム 7. 陽のあたる言葉 8. オレンジ 9. オトナビゲーション 10. 摩訶不思議ヒステリー 11. 帰り道 特設サイトはこちら▼ https://columbia.jp/regretgirl/ ◆ライブ情報 <reGretGirl presents ONEMAN TOUR 2025"for LOVERS> 2025年6月19日(木) 千葉LOOK OPEN 18:30/START 19:00 2025年6月22日(日) 水戸LIGHT HOUSE OPEN 17:30/START 18:00 2025年6月29日(日) 奈良EVANS CASTLE HALL OPEN 17:15/START 18:00 2025年7月5日(土) 広島LIVE VANQUISH OPEN 18:00/START 18:30 2025年7月6日(日) 岡山YEBISU YA PRO OPEN 17:30/START 18:00 2025年7月11日(金) F.A.D YOKOHAMA OPEN 18:30/START 19:00 2025年7月13日(日) 前橋DYVER OPEN 17:30/START 18:00 2025年7月26日(土) 浜松窓枠 OPEN 18:00/START 18:30 2025年8月2日(土) 京都MUSE OPEN 18:00/START 18:30 2025年8月3日(日) 神戸太陽と虎 OPEN 17:30/START 18:00 2025年8月8日(金) 松本ALECX   OPEN 18:30/START 19:00 2025年8月9日(土) 富山SOUL POWER OPEN 18:00/START 18:30 2025年8月11日(祝月) 岐阜CLUB-G OPEN 17:30/START 18:00 2025年8月16日(土) 仙台Rensa OPEN 17:45/START 18:30 2025年8月17日(日) 郡山HIP SHOT JAPAN OPEN 17:30/START 18:00 2025年8月30日(土) 福岡DRUM LOGOS OPEN 17:00/START 17:45 2025年8月31日(日) 鹿児島SR HALL OPEN 17:00/START 17:30 2025年9月20日(土) 函館 club COCOA OPEN 18:00/START 18:30 2025年9月22日(月) 札幌PENNY LANE24 OPEN 18:15/START 19:00 2025年9月27日(土) 金沢EIGHT HALL OPEN 17:45/START 18:30 2025年10月3日(金) 高松DiME OPEN 18:30/START 19:00 2025年10月4日(土) 松山サロンキティ OPEN 18:00/START 18:30 <東名阪ホールワンマン編> 2025年11月7日(金) NHK大阪ホール OPEN 18:00 / START 19:00 2025年11月21日(金) 岡谷鋼機名古屋公会堂 大ホール OPEN 18:00 / START 19:00 2025年11月28日(金) LINE CUBE SHIBUYA OPEN 18:00 / START 19:00 詳細はこちら▼ https://www.regretgirl.com/news/detail/38674  

    2025/06/11

  • 音羽-otoha-
    あなたは完璧。
    あなたは完璧。

    音羽-otoha-

    あなたは完璧。

     2025年5月28日に“音羽-otoha-”がEP『sukimakaze』をリリースしました。今作には、TVアニメ『真・侍伝 YAIBA』EDテーマ「pineapple tart」を含む全5曲が収録されております。さらに、7月10日より、第4期ファイナルシーズン第2クールがスタートするTVアニメ『Dr.STONE』のエンディングテーマとして音羽-otoha-が新曲「no man’s world」を書き下ろしたことも発表!    さて、今日のうたではそんな“音羽-otoha-”による歌詞エッセイを2ヶ月連続でお届け。第1弾は今作EP収録曲「 pineapple tart 」にまつわるお話です。ひとは誰しも後悔を経験し大人になっていくからこそ、大切にしたい、あの日のまっすぐな火花とは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 何かが始まりそうな予感がするたびに、別れや終わりを想像してしまうようになったのはいつからだろうか。未完成な頃の僕らにとって、あの校庭は、果てのない冒険の地だった。昼下がりの教室の中で、季節が永遠に巡っていくような気がした。何もかもが新緑に光る雫のようで、その雫が目を離したほんの一瞬の隙に地面に落ちてしまうことを、僕らはまだ知らなかった。       あの日、ファインダー越しに弾けた火花のように、君は現れた。僕とは一挙一動違っているのに、放たれた言葉はまっすぐに胸の奥へすり抜けてきて、飴細工が砕けるみたいにぶち当たっては、ぴりぴりと広がった。甘酸っぱい雷のようなその味。とても忘れられない、忘れようがない感覚に、僕は初めて鏡でも見た猫のように警戒した。   その鏡の前から訳も分からず離れられないままでいた僕は、ようやくその違和感の正体に気付いた。きっと僕は単純に、その違和感がたまらなく面白く、どこまでも知りたいから、離れられないのだ。そう理解し、ようやくまっすぐな瞳でその姿を捉えようとした頃には、君はすでに届かないほど遠くへ立ち去ってしまっていた。僕は何もできないまま、新緑の庭で一人佇んでいた。   あの日の僕には、時間の流れが今とは違って見えていた。混ざり合った夢と現実が少しずつ分離されていくような。ぼんやりとした目覚めの中で君を探すような。そんな感覚だった。とっくに別れの匂いは漂っていたのに、無意識に蓋をしてしまっていたことを、僕は悔いた。そして同時に、僕らは完璧だったのだ、と呟いて、ふっと笑った。       何かを失い、尊び、また失う。そんな繰り返しの末に、僕らは大人になる。後悔のない人間なんてきっとこの世には存在せず、後悔を後悔だと認めない意地の強さを持った者や、後悔の末に辿り着いた今が正解であると自分なりに結論づける者がいるだけなのだと、最近なんとなく気付いた。   自分がどちらなのかということはさして重要ではない。ただ、今目の前に映っているすべてや、これから出会うすべてに対して、心を閉ざさずにいられたら。あのまっすぐな火花のようにいられたら。それだけで、今までの後悔も、新しい予感の中での不穏なざわめきも、いつか消えてくれるんじゃないだろうか。     パイナップルには「あなたは完璧」という花言葉があるらしい。僕はこのことを、大人になってから初めて知った。一生未完成なままの自分には全くそぐわない言葉だが、今この言葉を贈りたい誰かならいるかもしれない。あなたは完璧。あなたさえいれば、僕も完璧でいられる。そんな花束のような想いを。   あなたがその果実なら、僕は一体、何になれるだろうか。 僕はこの一瞬を、永遠に変えたいんだ。   <音羽-otoha-> ◆紹介曲「 pineapple tart 」 作詞:音羽-otoha- 作曲:音羽-otoha- ◆EP『sukimakaze』 2025年5月28日発売 <収録曲> ・pineapple tart ・ヒューマノイドラブ ・ほな、さいなら! ・かざぐるま ・pineapple tart -Instrumental-

    2025/06/10

  • なきごと
    何に歌詞を書くか
    何に歌詞を書くか

    なきごと

    何に歌詞を書くか

     2025年7月9日に“なきごと”がメジャーデビュー初となるEPをリリース! 発売に先駆けて、EPにも収録される新曲「たぶん、愛」を4月9日に先行配信リリースしました。新曲「たぶん、愛」は前作「愛才」と題材がリンクしている楽曲で、“大切な人と一緒に時間を過ごしすぎた心情”という恋愛要素もありながら、作家としての”モノをつくることに対する葛藤”を歌った楽曲となっております。    さて、今日のうたではそんな“なきごと”の水上えみりによる歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け! 今回は第2弾です。綴っていただいたのは、“歌詞を書く媒体について”のお話。活動のなかで自身が「デジタル期」に入ったことで変化した作曲・作詞面とは。そして、書く媒体の変化により気づいたことは…。 こんにちわ! こんばんわ! …おはようございます!   …どうも、どうも。 なきごとVo.gt 水上えみりです。   いやー…いつも挨拶迷うんですけど、 どうもどうも。って一番便利と見せかけて、 …変、かもしれませんね。 まだまだ模索は続きそうです。   さて、3ヶ月連続、全3本のコラム連載がはじまりました。   本日は2本目! 早くも折り返しです。   前回は、詞先、メロ先(僕えびせん!)みたいな話から GWの渋滞と歌詞についてのコラムを書きました。 あれってコラムだった??なんか、ほぼブログでしたよね。   今回はちゃんとコラムできるのか…! どうぞお付き合いください。   …そういえば、 歌詞のコラムだからこそ話したかった話がありまして。 …というのも、“歌詞を書く媒体について ”。   あ、改めまして、私水上えみりは、なきごとというバンドで、 作詞、作曲、ボーカル、ギター、お喋り、賑やかし、その他雑務 を務めさせていただいております。 なきごとを始める前からも音楽活動はしていたので、 もうかれこれ10年ちょっとくらいは バンドのフロントマンらしいことをしているようです。   もちろん成長過程で、 歌詞の書き方や、人への届き方、届け方、歌い方や、発声、喋り方など、 変わった部分もたくさんあります。   が、しかし、大きく変わったなと思うのは、 やはり作詞作曲の部分ですかね。   まずは、作曲について。   コロナ禍で活動が止まってしまった時に、 少しでも何かできないかと、模索したのがきっかけで、 はじめたDTM(デスクトップミュージック)。   要は、PCなどの機械を使って曲を作るようになったわけです。   元々はスタジオに入っている時にその場で、 「こんなドラム叩いて!」 「ベースこんな感じでひいて!」 「ギターはお好きに…!」 みたいな指示を出して、その場でせーので合わせて作っていました。   それが、簡易的でも自宅で一人でできるようになると まぁ、そりゃ制作形態が大きく変わりますよね。   少しずつDTMを勉強して、 現在は、アレンジャーさんとチームと データを介してディスカッションしながら楽曲を作るようになりました。   この方法が、色々と最終的には楽なようです。   そして、作詞について。   これは自分でもよくやっていたな、と思うのですが、 元々はノートに手書き派でした。   実は私、文房具とか教材とかをみるとすごくワクワクするんですよね。 新しいノートを開いた時の最初の折り目をつける感触とか、 ふっと香る真新しい紙の匂いとか、 あと、付箋とか、色ペンとか、機能性の高い文具とか。   勉強をするという行為自体は結構好きだったんですよね。 こう見えて。   ほいでほいで、 学校で使っていたノートの反対のページから 歌詞を書いていたりして(授業中に) それを忘れてノート提出の時にドキドキしたのも 今となってはいい思い出ですね。   なので、その流れもあって歌詞はノートに手書きで書いていました。   なきごとの作品でいうと、「sasayaki」や「パトローネの内側で」 くらいまではノートに歌詞を書いていたと思います。    ただ、ノートだと、不便なことがありまして。 …持ってくるのを忘れると歌詞が何もわからない!!   そして、 みんなに共有する時にいちいち文字起こしをしなきゃいけないのが 当時は、二度手間になっているな…と思っていました。   そんなこんなで、利便性が大きな理由で 携帯のメモに移行することとなりました。   やっぱり書く媒体によっての変化を一番感じたのは、 漢字が増えたこと、ですかね。   ノート時代は殴り書きのようにグワァァァと書いていたので、 ひらがなが多かったのですが、 デジタル期に入って勝手に視界に変換された漢字が入ることによって …サブリミナル効果ってやつですかね? 漢字で書こう!と潜在的に刷り込まれていったのだと思います。 この頃から、当て字も使いやすくなったんだろうなぁと、見てとれます。   みなさん、よかったら、ぜひなきごとの初期の頃の曲たちと、 数年前の曲たちの歌詞を見比べて欲しいです。   ノート時代は、「Oyasumi Tokyo」や、「のらりくらり」がおすすめで、 デジタル期でいうと、「ハレモノ」や、「不幸維持法改定案」がおすすめです。   曲調が違うのはありますが、かなり差を感じて面白いのではないかと思います。   そして、ここ近年、この差に気付いてからは、 意図的に漢字で遊びすぎないことを意識しています…笑 なので新譜の歌詞も、ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。   ちなみに、スマホで打つと、口語文っぽくなりがちだったり、 PCだと言葉のイメージが硬くなったり、2Dっぽくなりがちだなぁ、 とかそういったところも感じています。   こういう曲をつくりたい、に合わせて うまく使い分けたりもします。 面白いですよね。   やっぱ、実際に書く手紙とLINEだと届く印象が違かったりしますからね。   そういえば、小学生の文通友達がいるのですが、 ちょうど今日お返事が届いて、 名前が漢字になっていたのを見て成長を感じました。   きっと学校で名前の漢字を習ったんだろうな、と思うと同時に、 この手紙にどれだけの時間をかけて書いてくれたんだろう?とか、 色ペンお気に入りの使ってるのかな、とか、 このシールはたくさん使ってもいいやつだからいっぱい貼ってあるのかな、とか、 こっちのは大切にしているやつを貼ってくれたのかな、とか。   ファンレターにも同じことを私は感じます。 気持ち、しっかり届いてます。   音楽も、言葉も、気持ちも、 もちろん“何を届けるか”が大切ですが、 その間の“何で届けるか”も、 とても大切な要素だと、水上は思います。   <なきごと・水上えみり>

    2025/06/09

  • SIX LOUNGE
    どん底より胸いっぱいの愛を!
    どん底より胸いっぱいの愛を!

    SIX LOUNGE

    どん底より胸いっぱいの愛を!

     2025年5月28日に“SIX LOUNGE”が新EP『more than love』をリリースしました。6月からは同EPを引っ提げた全国6都市をまわるツアー『SIX LOUNGE “Do You Love Me?” TOUR』も始まり、最終日にはバンド初の日比谷野外大音楽堂でのワンマンを予定。ぜひ、こちらも併せてチェックを!    さて、今日のうたではそんな“SIX LOUNGE”のナガマツシンタロウによる歌詞エッセイを3週連続でお届け。第1弾は収録曲「 どん底 」にまつわるお話です。今、どん底にいる大切なあなたへ、このどん底から伝えたい想いは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 ずっと一緒にいれば、ぶつかることも増える 仲がいいほど嫌なところも知ってしまう   ぶつかってしまえ   嫌いになれば良い   喧嘩して、離れて、もう二度と関わらないと言ってしまえ。   残った傷あとを誰かで埋めようとして、 でもどうにもならないなら、   ごめんねって。   照れくさいけど言えたら ご褒美として 少しだけ高い焼肉に行っていいでしょう   日々鍛錬、鍛錬、鍛錬、   失敗して反省   また失敗して、病んで、泣いて、吐いて、病んで   雨が嫌いじゃないのはたぶん、素直に泣けるから。   予報外れの雨は慣れっこなので、 私は黙って傘をさします。   かまわないよ、   いずれ虹ができる その輝きが好きです   わがままなその笑顔が好きです。   だから雨なんてなんぼでも降らせてください   寂しくなったら名前を呼んでください   ねえ   知ってる?   四六時中あなたに振り回されてる人がいること。   幸せだね、愛されてるね、   知らなくても別にかまわないよ   好きに生きてくれーー   自分の事だけで精一杯ですって 言っていいから   誰かのために生きないでいいから   好き放題やってくれーー   失敗した時は、傘持って迎えに行くから。     うける意味わかんないんだけど、って   それでいいです     圧倒的にイタい人間でありたい     私は私のために言葉を呼吸させたい     あー、ごめん、あまり期待しないでください     どん底より胸いっぱいの愛を込めて   <SIX LOUNGE・ナガマツシンタロウ> ◆紹介曲「 どん底 」 作詞:ナガマツシンタロウ 作曲:ヤマグチユウモリ   ◆新EP『more than love』 2025年5月28日発売   <収録曲> 01 天才になって 02 どん底 03 You&I 04 死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ 05 グロいラブソング

    2025/06/06

  • 松田今宵
    霞
    霞

    松田今宵

    霞

     2025年5月28日に“松田今宵”が1st EP『ケの日』をリリースしました。今作には、様々なサウンドと物語が紡ぐ珠玉の全4曲が収録されております。そして、EPタイトル『ケの日』に込められているのは、“丁寧でもないし、穏やかでいられないような毎日…そんな日々にこそ宿る、ちょっとした違和感、癖、弱さなどを、まるごと肯定したい”という想い……。    さて、今日のうたではそんな“松田今宵”による歌詞エッセイを4週連続でお届け! 第2弾は収録曲「 霞 」にまつわるお話です。自身の心がどこか3月で止まったままになっている、その理由は…。なかったことにできない恋をぼんやりと抱え続けているあなたへ。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 これは、失恋の話ではない。 それよりも、もっと曖昧で、やっかいな話だ。   *   だいぶ陽も延びてきて、太陽が少し西に傾いてから、「夕方」の時間が長くなったように思える。   4限の授業を終えて、バイトへ向かう電車の中、 左耳をドアに張り付けるようにして、電車の一挙手一投足に身体を無駄に揺らされながら ぼんやりと外を眺めていた。   (ずいぶん、あったかくなったな)     わたしは、ある一人の先輩が好きだった。   でも彼には彼女がいた。 だけど時々わたしとも遊んでくれるし、飲みにもつれてってくれた。 自由で気さくな性格が好きだった。   彼のことを好きだった冬という季節は、思い出せば長く、それでもあっという間に時は流れて、やがて先輩は卒業した。     卒業したって、また遊びに誘おうと思っていた。 卒業式の日、また次の約束をしようと思っていた。   だけど、先輩たちが卒業するその日 わたしは、彼が地方配属になったと別の先輩から聞いた。 わたしにはそれまで知らされてなかったのだ。   別にショックじゃない。 だって別に彼女じゃないし、悲しがるのだって、迷惑だ。 彼にとってはちょっとだけ仲のいい、一後輩に過ぎなかったのだ。   一後輩は一後輩らしく、笑顔で送り出さなきゃ。   「先輩○○県に、行くんですね!」 「おう!いや~さみしくなるね。」 「また東京に帰ってきたら遊びましょね!」 「おう!」   嘘つけ。全然寂しくなさそうに、そんなこと言わないでほしいよ。 って、わたしが勝手に期待してただけなんだけど。     泣きたい気もしたが、わたしは泣かなかった。   泣くのはお門違いと思った。       今頃、彼は仕事を頑張っているんだろうか。   わたしはきっと、学生気分なんだろう。 そりゃそうだ。だってまだ学生だし。   でもでも、彼からみたらわたしは、無垢で世間知らずで、女としての魅力がなく、 本当にただの友達… いや、もしかしたら、ただの暇つぶしだったのかもしれない。 本当のところは、わからないけど、 とにかくわたしは子どもだったんだろうな、と思う。     思ったより悲しくないことも、 彼が、頻繁に会いに行けるような場所にはいないことも、 もてあそばれていたかもしれないことも、 それらすべてが、ただなんとなく、 虚しさという、感情のヴェールを被って、まとわりついていた。     別に失恋したわけじゃないし、大げさに悲しむこともできない。 勇気がないので、追いかけることも、思いを伝えることもできない。 そして全部なかったことにもできない…。 でも何か、わたしが少しでも動いたら。この感情が、少しでも何かに傾いたら、 わたしはきっと立っていられなくなるだろうと思った。 だからこのまま、時間が解決してくれるのを待つしかないのだ。たぶん。     何色にも染まれないわたしは、 季節の変わり目のだるさを抱えながら、電車に揺られている。   まるで、空にありながら、晴れにも曇りにも、夕焼けにも染まれない、 ただそこに浮かんでいるだけの、春霞のよう。   お前も季節の変わり目で、動けないんだろう。     今日はバイトに新しい子がはいってくるらしいから、わたしが教えなきゃ。   “新しい子”   きっと先輩も、わたしの知らない、誰かの“新しい子”として 誰かに何かを教わっているんだろうな。     なんだかわたしだけが、ずっと3月にいるような気がする。     …霞よ、お前もか。 <松田今宵> ◆紹介曲「 霞 」 作詞:松田今宵 作曲:松田今宵 ◆1st EP「ケの日」 2025年5月28日リリース   <収録曲> M1. 記憶捏造計画 M2. 霞 M3. かくれんぼ M4. 遮光カーテン  

    2025/06/05

  • 五十嵐ハル
    蛍
    蛍

    五十嵐ハル

    蛍

    2025年6月4日に“五十嵐ハル”が新曲「蛍」をリリースしました。今日のうたではそんな“五十嵐ハル”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、新曲「 蛍 」にまつわるお話です。求愛行動のため、夜に光る蛍。蛍と人間の恋の共通点とは…。今、報われない恋をしているあなたへ。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 蛍が夜に光るのは、求愛行動のためらしい。 昼間はろくに目立てず見られもしない、夜の闇の中だからこそあの淡い光が恋のサインとして機能する。   ふと、人間も同じだと思った。   都合良い曖昧な関係と分かっていながら夜には光ってアピールをして。 「今日こそちゃんと見てもらえるかも」なんて期待しても、夜にしか価値を見出してもらえない。 朝が来たらまた、見つかることもなく夜を待つだけだ。   自分でバカなことをしてると分かってるのにやめられないのは何故なのだろうか。 いくら考えても分からないなら、いっそ夏のせいにしてもいい気がする。 「かいた汗も流せるし」なんて精一杯の理由で言い聞かせて、だらだら続けても仕方ないのではないか。 それほどまで理性じゃどうにもならない気持ちが、確かに存在する。   蛍の寿命は短いとされている。 その短い寿命の内くらい、好きに光ってもいいじゃないかと思う。   恋人じゃない。だけど、ただの友達でもない。 その間にある、名前のつかない関係。 見返りを求めない愛は、強さなんかじゃない。 ただ、そうしないと自分が壊れてしまうだけ。 平気なフリばかり慣れてきて、大した興味もないようなフリが上手になった。   この関係は醜いものだろうか。 もしくは関係が終われば醜く変化するのだろうか。 自分の気持ちを確かめるたびに悲しくなる、報われない恋に意味はないのだろうか。   答えのない愛とともに生きている、そんな曲。   <五十嵐ハル> ◆紹介曲「 蛍 」 作詞:五十嵐ハル 作曲:五十嵐ハル

    2025/06/04

  • 鉄風東京
    雨に何かを感じたり悲しめたりする人へ。
    雨に何かを感じたり悲しめたりする人へ。

    鉄風東京

    雨に何かを感じたり悲しめたりする人へ。

     2025年5月7日に“鉄風東京”が配信シングル「さみだれ」をリリースしました。すでにLIVEで披露されている同曲は、Vo.大黒の憂いを帯びた感情を吐露するような歌い出しからドラマチックに展開。そして<あなたとなら壊れてもいいと思えた>というサビのフレーズが印象的なミドルナンバーとなっております。    今日のうたではそんな“鉄風東京”の大黒崚吾による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 さみだれ 」にまつわるお話です。雨が降ると気が沈む。この時代のことを考えるともっと沈む。そこで今、自身が必要だと思う音楽は…。 雨が降るといつも気が沈む 服が濡れたり頭が痛くなったり用事がなくなったり 5月になると梅雨に入る、夏が大好きな自分からしたら、「そんなのいいから早く夏来いや!」の部分でしかなかった   ネットでは ずっと誰かと誰かが喧嘩しあってそれにみんな“いいね”をつけあってた 全くもって具合の悪い時代になったもんだなぁとおもう   大きな声で曲がった正義を歌う人   冷笑しながら誰かを馬鹿にしてる人   もう飽き飽きしてる、ただでさえ雨が降るこの時期に全くもって気が滅入る バイトすら受からず生活の足取りも重い   こんな時代にどんな音楽があればいいのだろうと考えることが多くなった 自分が学生の頃は、ただただ憧れが輝いてる姿を見て、尊敬して熱狂して自分を重ねていた   心はずっとライブハウスのフロアにあって なりたい自分になんてよくわからないままで ただ大事な人と酒を組み交わせれば十分だなってままで   そう考えると鉄風東京を好きでいてくれてる人たちにもきっと自分と似ているところがあって共感する楽しいことや悲しいことがあるのか、と今になって腑に落ちた   僕らの幸せや悲しみは目の前にあって、ネットのいざこざの中には僕らの心の余白に入るべき話などひとっっっつもないのだ   ただただ、それだけだと思う お互いめんどくさい時代に生きたもんだなぁとも思う どうせどの時代でもそうだと思うんだけど   大事なものはずっと目の前にある 誰かの悪意にいらつくよりも雨で気が滅入ってるなんてことのほうがよっぽど人間だなって思い始めた   そんなことを考えて「さみだれ」と言う曲を書いた 自分の生活の中に自分の心の起伏は完成されていて、悲しいも嬉しいもすべて自分のものでいいんだって思いながら書いた曲   たいして悪くない体調でライブをキャンセルして希少性を上げる奴らより 喋ったこともない人の写真を使って音楽の楽しみ方わかってないとか言う奴らより   僕らは目の前の幸せと悲しみで十分なんだ 雨に何かを感じたり悲しめたりする人へ この音楽を このバンドを   <鉄風東京・大黒崚吾> ◆紹介曲「 さみだれ 」 作詞:大黒崚吾 作曲:大黒崚吾 

    2025/06/03

  • Dannie May
    レアライフ
    レアライフ

    Dannie May

    レアライフ

     2025年5月28日に“Dannie May”が配信シングル「色欲」をリリースしました。七つの大罪の一つとして知られる、色欲。男女の“お互いに都合のいい関係”をテーマに制作され、人間の持つえぐみをDannie May独特のエキゾチックな雰囲気で現代風に落とし込んだ本楽曲。持ち味であるボカロ×ネットロックの曲調に、初めて取り入れた生のブラスが艶やかさとヒリつきを生み出す、新感覚ミュージックとなっております。    さて、今日のうたではそんな“Dannie May”のマサ(Vo&Gt)による歌詞エッセイを2カ月連続でお届け。第1弾は、今年2月にリリースされた楽曲「 レアライフ 」にまつわるお話です。ある日のライブ終わりにもらった一通の手紙。そこにしたためられていた思いとは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 対バンという形式のライブに出る時、時間が許せば物販に出るようにしている。 もちろん撤収が遅れてライブハウスや共演者に迷惑がかからない範囲で、とは思うのだが、僕たちの音楽を愛してくれてる人と直接話すのは励みになるし、ライブやSNSとはまた違った形で繋がれるのは楽しい。   何度目ましてかで友達のように話していたとしても、緊張して上手く話せなかったとしても、等しく愛情を伝えて貰えるのはとても嬉しいことだ。   そこで差し入れを頂いたりもするのだが、中には直接お手紙を渡してくれる方もいる。   ある日のライブ終わり、自分の母親と同じくらいのある女性から一通お手紙を頂いた。お話を聞くに、普段ライブに来てくれているファンの男の子のお母様だった。 「今日は体調不良で本人はライブに来れなくて。でもライブ、とても楽しかったです」と、お褒めの言葉とお手紙を頂きつつ、帰ったら読もうと思い上着の懐にしまった。   大体ライブの日は撤収を終え家に着く頃には24時を回ることが多い。この日も同じだった。 持ち帰った機材や差し入れを整理して疲れた体をシャワーでほぐし、眠る準備もあらかた済んだ頃、あの手紙のことを思い出した。   上着のポケットを探り、封筒から便箋を取り出す。3枚の便箋にしたためられていたのは、彼と僕らの出会い。彼の生まれながらの境遇。そして彼と僕らが出会ったことでのお母様から見た彼の変化だった。   詳細は個人的な事なので伏せるが、まとめるとこのような内容だった。   生まれながらの持病を持っていて、社会人になった今でも戦いながら懸命に生きているということ。 青年として経験するには辛い出会いと別れがあったこと。 僕たちと出会って彼の世界が少し明るくなったこと。そんな事が本当に暖かい言葉でしたためられていた。   胸がいっぱいになった。 音楽をやっていて良かったと思ったしもっと続けていこうと思った。   自分の部屋で色んなものをこねくり回しながら作った音楽が誰かの助けになっていて、自分の音楽が「存在してて良いんだよ」と言われた気がして、きっと彼と同じくらいに僕も救われた。   お手紙に返事が書きたくて、でも音楽で返したくてこの曲を作ろうと決めた。   ―――   満点ばっかじゃつまらない 恥かいてるくらいが丁度良いのさ たまに躓き たまに迷い 不恰好な程胸躍る 未完成な方がおもしろい 汗かいてる君は輝いてるんだ 雨のち晴れさ歩いてゆこう 心の向く方へ   ―――   どうしようもないような不条理も憂いも、1人で受け止めるしかない時がある。 人に相談する気力も起きなくてただただ砂嵐のような日々を耐え抜くだけで精一杯の日もある。   だけどきっとそういう人のために僕たちの音楽はある。 言葉だけでは到底信じられないようなエールも、音に載せれば途端に魔法に変わることがある。     彼がこれからもその強さを持ち続けられますように。もし不安な日があったとしたらこの曲がその日だけでも糧になりますように。     僕からの最大限のエールをこめて。 出会ってくれた感謝をこめて。   <Dannie May・マサ> ◆紹介曲「 レアライフ 」 作詞:マサ 作曲:マサ  

    2025/06/02

  • 関取花
    会いたくて
    会いたくて

    関取花

    会いたくて

     2025年5月7日に“関取花”がニューアルバム『わるくない』をリリースしました。今年2月に独立を発表した彼女が自身のレーベルより発表する第一弾目のアルバム。全7曲が収録されております。    さて、今日のうたではそんな“関取花”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。最終回は収録曲「 会いたくて 」にまつわるお話です。スマホのメモ帳に残っていたワンフレーズ。自身が音楽を続けてきた理由とは。そして、続けてきた先に在ったものは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 生きていると、自分はこの人やこの景色、この瞬間のためにここまでいろんな道を歩いてきたんだなと思う時がたまにある。遠回りをしながら、つまずきながら、何度も諦めそうになりながら、それでもいつか何かに誰かに会えると信じて、歩いてきたのだなと。   生まれた時からそばにいてくれた家族というものに始まり、友人、恋人、仕事、環境、感情と、人は様々なものと出会い、そして別れ、また何かを探しに旅に出てを繰り返して生きていく。   30歳を過ぎた頃あたりから、自分の中でなんというか出会えるべき人たちに出会えているという感覚になることが増えた。20代で膨れ上がった人脈やガッツもいい意味で落ち着いてきて、「結局自分は何を選びたいのか」というところと向き合うようになったのがそのあたりだったのだと思う。   スマホのメモ帳に、「たった一人の恋人と 片手で足りる友達と」というメモ書きを残していたのもその頃だった。べつに歌詞にするために書いたわけではなく、ただなんとなくふと残したものだった。ちなみに私は普段からこういうのをメモするタイプではない。メモしたとしても大体忘れてしまうのだが、なぜかこのワードだけはずっと頭に残っていた。   「会いたくて」という曲を書いたのは1年半くらい前だった気がする。思い出したようにギターを手に取ったある日、「たった一人の恋人と 片手で足りる友達と」のところにメロディーがついた状態でいきなり口から出てきたのだから驚いた。ああ、この瞬間に出会うために音楽を続けてきたんだな、あの時メモを残したんだな、と思った。   大切な人やものに出会えた時、私は同時に自分自身にも出会えていると感じる。自分が心から尊敬し愛せる人やものに出会い、相手も同じように自分のことを思ってくれていたとしたら、これまでの自分が歩んできた道はきっと間違いではなかったと思える。過去の大嫌いだった自分もやるせない日々もやっと肯定してあげられる時がくる。その時、私はやっと私に出会えたと感じる。今の私に出会うために、これまでのすべての自分は必要不可欠だったのだと。   私は私に会いたくて、音楽をずっと続けてきた。その道中で、たくさんの人やものに出会うことができた。会いたくて、会いたくてと手探りで続けてきたその先にいたのは、「わるくない」と思える自分自身だった。   <関取花> ◆紹介曲「 会いたくて 」 作詞:関取花 作曲:関取花 ◆ニューアルバム『わるくない』 2025年5月7日発売   <収録曲> 1.わるくない 2.VRぼく 3.いつかね 4.空飛ぶリリー 5.安心したい 6.二十歳の君よ 7.会いたくて

    2025/05/30

  • 松田今宵
    記憶捏造計画
    記憶捏造計画

    松田今宵

    記憶捏造計画

     2025年5月28日に“松田今宵”が1st EP『ケの日』をリリースしました。今作には、様々なサウンドと物語が紡ぐ珠玉の全4曲が収録されております。そして、EPタイトル『ケの日』に込められているのは、“丁寧でもないし、穏やかでいられないような毎日…そんな日々にこそ宿る、ちょっとした違和感、癖、弱さなどを、まるごと肯定したい”という想い……。    さて、今日のうたではそんな“松田今宵”による歌詞エッセイを4週連続でお届け! 第1弾は収録曲「 記憶捏造計画 」にまつわるお話です。ひとりの女の子の、恥ずかしい記憶。今でも思い出してしまう、情けない青春のワンシーンとは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください! これは、ひとりの女の子の、とても恥ずかしい記憶の話だ。     *     思い出したくない記憶がある。     だけど、思い出したくないと強く思っているほど、そいつは顔を出す。   これは、わたしの、そんな恥ずかしい記憶。     その人は、斜めまえの席だった。 授業中、先生の独り語りを子守歌に、気持ちよさそうに寝ていた。 穏やかに上下する背中が、どんな夢を見ているのかと、わたしに想像させた。   その温かな呼吸を見ていて、ふと、その姿を記録しておきたいと思った。 ノートにシャーペンで しゃっ、しゃっ、しゃっ、と画家にでもなった気分で、その人の姿を描いた。   別に絵はうまくない。むしろ下手。 だけど、出来上がった“わたしの好きな人”は、なんとも愛しかった。     「…見せたい」     そう思ってしまった。   気づいてほしかったのだ。わたしの気持ちに。 今だって、わたしが思いを寄せていることなんて気づかずに、のんきに寝息を立てている。 (授業中だというのに!!)     「ねぇこれ、誰だと思う?」   休み時間、気づいたら、 わたしは彼にこんなことを言っていた。   瞬間、心臓が飛び跳ねるように激しく波打った。顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。 なんて恥ずかしい。   「? わかんない」   ですよね。下手ですもん。   恥ずかしい。恥ずかしい。今すぐこの場から逃げたい。 だけど、受けた質問には答えないといけない…という、変な正義感がギリギリ勝ち、   「まっちゃん」   「…?」   数秒の沈黙でこの世界が終わったと思った。   恥ずかしさに耐えられず、わたしは、かなりキモい笑い方をしてたと思う。     ― 結局、冴えないわたしは、はっきりと伝えられないまま、 その、小さな、情けない、片思いの幕は閉じた。       わたしは、今でもたまに、この無様な青春を思い出しては、うなだれている。   いやいや、このような青い記憶は経験だ!むしろ勲章である!!  と自分に言い聞かせてみたこともある。    いやはや、やっぱ無理だ。恥ずかしくてたまらない。    そんな情けない行ったり来たりをしながらも、 ひとつだけ、決意したことがある。      この恥ずかしさは、墓場まで持っていこう。 誇れるものではないかもしれないけど 恥なら恥のまま、それでいいじゃないか。   だからわたしは、忘れられなかったこの記憶を、 歌にすることにしました。   「 記憶捏造計画 」というタイトルで。   *   …まぁ、それでもやっぱり、恥ずかしいですけどね。   <松田今宵> ◆紹介曲「 記憶捏造計画 」 作詞:松田今宵 作曲:松田今宵 ◆1st EP「ケの日」 2025年5月28日リリース   <収録曲> M1. 記憶捏造計画 M2. 霞 M3. かくれんぼ M4. 遮光カーテン  

    2025/05/29

次の20件

デイリーランキングDAILY RANKING

  1. クスシキ
    クスシキ
    Mrs. GREEN APPLE
  2. breakfast
    breakfast
    Mrs. GREEN APPLE
  3. ブルーアンバー
    ブルーアンバー
    back number
  4. 賜物
    賜物
    RADWIMPS
  5. 倍倍FIGHT!
    倍倍FIGHT!
    CANDY TUNE
もっと見る

歌ネットのアクセス数を元に作成
サムネイルはAmazonのデータを参照

新着歌詞情報NEW RELEASE

  • ある未来より愛を込めて / back number
    【back number】モスバーガー「食べるHAPPY」篇 CMソング「ある未来より愛を込めて」歌詞公開中!!
  • 君に聞きたいひとつのこと / SHISHAMO
    君に聞きたいひとつのこと / SHISHAMO
  • 花言葉は調べないで / 『ユイカ』
    花言葉は調べないで / 『ユイカ』
  • とてと / パペットスンスン
    とてと / パペットスンスン
  • 月光蝶 / BURNOUT SYNDROMES
    月光蝶 / BURNOUT SYNDROMES
  • I my perfect / WarpiE
    I my perfect / WarpiE
  • ダンスする惑星 / Cody・Lee(李)
    ダンスする惑星 / Cody・Lee(李)
  • peace of mind / Marnie
    peace of mind / Marnie
  • 未完成に瞬いて / おいしくるメロンパン
    未完成に瞬いて / おいしくるメロンパン
  • 白い墓 / Mega Shinnosuke
    白い墓 / Mega Shinnosuke
もっと見る
TOP
  • アーティスト名インデックス
  • アニソン検索・索引
  • アルバム検索
  • 歌詞全文(フレーズ)検索
  • タイムマシン検索
  • 新曲歌詞情報
  • 新曲歌詞情報(演歌・歌謡曲)
  • アニメ
  • 動画プラス
  • 音楽番組情報
  • 総合ランキング
  • 演歌歌謡曲ランキング
  • カラオケランキング
  • 歴代人気曲ランキング
  • 注目度ランキング
  • 歌詞ショート
  • 今日のうた
  • ニュース
  • 特集ピックアップ
  • インタビュー
  • コトバのキモチ(ワタフレ)
  • 言葉の魔法
  • 言葉の達人
  • その他(バックナンバー)
    • 大人の歌ネット
    • ストリーミング
    • ライブレポート
    • キラ☆歌発掘隊
  • 運営会社
  • メディア掲載情報
  • 利用規約
  • プライバシーポリシー
  • お問い合わせ・リクエスト
  • コンテンツ
  • 広告掲載
  • スタッフ募集
各ページに掲載されたジャケット画像、歌詞に関する著作権は、各レコード会社、アーティストなどに帰属します。

(C)2001 PAGE ONE All Rights Reserved.

このページの先頭へ

MENU

  • ホーム
  • 動画プラス
  • マイ歌ネット
  • 歌詞閲覧履歴
  • ランキング
  • 新曲歌詞情報
  • 今日のうた
  • ニュース
  • ピックアップ
  • コトバのキモチ
  • 言葉の魔法
  • 言葉の達人
  • 歌詞ショート
  • アニメ
  • 音楽番組情報
  • その他
    • ・大人の歌ネット
    • ・ストリーミング
    • ・ライブレポート
  • 運営会社
  • メディア掲載情報
  • ご利用規約
  • お問い合わせ
  • 検索ヘルプ
  • プライバシーポリシー
(c) 2025 Copyright. PAGE ONE All Rights Reserved.()